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海のひつじを忘れないようです
81
:
名無しさん
:2017/08/19(土) 22:38:23 ID:rN6ohdMg0
「あ、あの、ちょっといいかな?」
広間には食欲をそそる薫りがフロア一杯に立ち込め、
その欲を駆り立てる元凶たる料理がテーブル狭しと並べ立てられている。
そしてそのテーブルの周りには大勢のこどもがひしめき合っており、
みな誰かとペアやグループを作って談笑したり遊んだり暴れまわったりしている。
その中でその子は、一人でいた。
鼻歌を歌いながらテーブルの上の料理を物色している。
ぼくはその子に狙いを定めた。そして一度大きく深呼吸すると、
その長い髪がかかる背中に向かって声をかける。
やわらかでおっとりした雰囲気の顔が、にこやかに振り返った。
安堵の息が漏れる。やさしそうな人。この人なら、なんとかなりそうだ。
少なくともいきなり怒鳴られたりなんてことは、おそらくないだろう。
小首をかしげてぼくの言葉を待っているその女の子に、ぼくは自分を紹介する。
「ギコちゃん〜?」
女の子はぼくの名前を聞くとむずかしい顔をして、
視線を上空へ泳がせたまま固まってしまった。
どうしたのだろう。ぼくはその行為に何の対処法も思い浮かばず、
再び彼女が動き出すのを何もできずに待ちぼうけた。
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