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海のひつじを忘れないようです
67
:
名無しさん
:2017/08/19(土) 22:31:01 ID:rN6ohdMg0
「カンポウシキ?」
新たに飛び出してきた単語に、小旦那様が反応する。カンポウシキ。
準備や用意といった単語や、開くといった言い方から推察するに、
何かのイベントだろうか。しかしその答えを、いまこの場で得ることはできなかった。
「あんたたちにも、すぐわかる」
「準備が済めば、もう開く」
「でも、ジョルジュ、このまま行ったら約束守れない……」
とつぜん、ジョルジュがひどく悲しげな声を上げた。
うつむいて、あのジョルジュと同じ子なのかと訝るほどに、
いまにも泣きそうな悲壮な顔をしている。
「いい子じゃ、なくなっちゃう……」
ジョルジュは本気で悲しんでいるようだった。
モララーとの約束を守れなくなることが、
彼にとってそんなにも重要な意味を持つのだろうか。
それとも先程言っていた、『ママがいつも見守っている』という発言に関係しているのか。
しかし双子はそれこそ自分たちには関係ないといった様子で、
ジョルジュを引きずっていこうとする。
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