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海のひつじを忘れないようです

63名無しさん:2017/08/19(土) 22:29:29 ID:rN6ohdMg0
投げかけられた嫌疑に向かって、ジョルジュが無実を訴える。
その光景を見ていたぼくも、ジョルジュの無実を信じた。
わざと見間違えようとするには、二人は余りにも似すぎていた。

顔や声はもちろん、動きや細かな仕草に至るまで、
まるで鏡写しのようにぴったり揃ってひとつだった。
二人がジョルジュの眼の前で静止した。そのタイミングまで、まったく同じだった。

「ならば今一度」

「チャンスをやろう」

「どちらが俺で」

「どちらが俺だ?」

まるで一人で喋ったかのような滑らかさで、二人がジョルジュへと問いかけた。
ぼくにはまったく、どちらがどちらなのかわからなかった。
けれど、ジョルジュは自信があるのか、妙な含み笑いを浮かべ、
ぴんと張った両腕を二人に向かって指し示した。

「オトジャに、アニジャ!」

ジョルジュの頭が、再び叩かれた。


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