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海のひつじを忘れないようです

54名無しさん:2017/08/19(土) 22:25:15 ID:rN6ohdMg0
ぼくは小旦那様に迷惑をかけた。
それだけが事実で、重要なことだった。ぼくはうなづき、腰を下ろした。
そして『ここにいろ』という命令を、今度こそ破らないようにしなければと、
そう思うことにした。その、矢先のことだった。

「連れて行ってあげなよ」

その声が、小旦那様を引き止めた。言葉を発したのは、モララー。
いつの間にか、モララーがぼくのすぐそばにまで迫っていた。
その体温を、肌で感じられる近さにまで。
小旦那様は振り返り、先程ぼくへ向けた視線を、今度はモララーへと向ける。

「部外者が口を挟むな」

「きみはずいぶんとお人好しなんだね」

そういったモララーの声は、先程までとは打って変わっていた。
怜悧な、同じ人間が出せるものとは信じられないような、冷たい声。
耳元でささやかれたら、思わず悲鳴が上がりそうなほどの。

「そう簡単に、人を信用してしまっていいのかい?」


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