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海のひつじを忘れないようです

53名無しさん:2017/08/19(土) 22:24:53 ID:rN6ohdMg0
「案内したら、ママ、喜んでくれる? 褒めてくれる?」

「もちろんだとも。ジョルジュはいい子だねって、
 いっぱい抱きしめてくれるよ」

「なら、やる!」

ジョルジュの背と首が、ぴんと伸びた。
そしてベッドの上からぴょんっと飛び降り、
ここへ入ってきた時のように跳ね回りだす。

「ギコにしょーだんなさま! 行こ!
 ジョルジュがね、ジョルジュが案内してあげる!」

もう一度ジョルジュがねっと重ねたジョルジュが、うれしそうに扉を開いた。
部屋の中が再び揺れたのはいうまでもない。
小旦那様は渋面を浮かべながら、仕方がないと言った様子で壁から離れ、歩き出した。
ぼくも慌てて、立ち上がろうとした。

「お前はここにいろ」

浮かびかかった腰が、その場で止まった。
小旦那様が、ぼくを睨んでいた。不断の意志を伴った瞳で。
どうして――とは、言えなかった。


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