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海のひつじを忘れないようです

51名無しさん:2017/08/19(土) 22:23:53 ID:rN6ohdMg0
モララーは地面に伸びたジョルジュを起こしながら、小旦那様の疑問に答えた。
こどもの楽園。それが小旦那様の気になった言葉であるのは、間違いなかった。
ぼくが、そうであるように。

小旦那様は、何かを言おうとしていた。
しかし話すべきことがうまくまとまらないのか、
宙に浮かした手をせわしなく動かしたり、瞳を左右に振っていた。
こんな小旦那様を見るのは、初めてだった。

楽園。
小旦那様は、ぼくをそこへ連れて行くと約束した。
ぼくにとって、楽園とはそれ以上の意味を持たない。
けれど小旦那様には、違うのだろうか。何か、もっと、特別な意味が――。

やめよう。そんなこと、ぼくが考えることじゃ、ない。
ぼくが下劣な詮索をしている間に小旦那様も考えがまとまったのか、
重々しく、絞り出すように、モララーに向かって話しだした。

「ここは、なんだ。それに、あの光は……あいつは……」

「牧師様。ぼくらはそう呼んでる」

「ママだよ!」


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