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海のひつじを忘れないようです

483名無しさん:2017/08/22(火) 18:54:19 ID:AKaoAE960
その文を見せる彼女の手は、震えていた。
その震えを見た時、シラヒーゲは彼女を信じることに決めた。

彼女は、気にしていないわけではなかった。
自分が起こした影響が災禍を呼んでいることを理解した上で、
それでも書くことを望んでいた。最後まで書ききることを。
誰かの何かを、奪おうとも。

そして彼女は、書ききった。

本当に最後の、生命が尽きるその瞬間までをも使い果たして。

「これが、その最後の書になります」

そう言ってシラヒーゲが手渡してきた書は、
他の書籍のように立派な装丁のなされた本ではなかった。
それは、本ですらなかった。それは一冊のノートだった。
変哲のない、どこででも見かけることのできるノート。


どこかで見た覚えのある、ノート。


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