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海のひつじを忘れないようです
467
:
名無しさん
:2017/08/22(火) 18:46:04 ID:AKaoAE960
「姉を探しているんです」
彼は自分の過去について、詳しく話すことを控えている様子だった。
ただ、彼の技が代々受け継がれてきたものであること。
家族で暮らせなくなる事情があったこと。兄から直接踊りを教わったこと。
その兄が、自分のために死んでしまったことは、話してくれた。
そしてまた、生きていればいまもまだ踊っているであろう姉がいることも。
彼にとっての踊りとは、家族へとつながる最後の絆でもあった。
けれど、と、彼はつづける。
例えこの旅の果てに姉がいなくとも、ぼくは踊り続けます、と。
「例え束の間の気休めに過ぎなくとも、ぼくの踊りで救われる人がいたなら……
それはそのまま、ぼくの生きた意味となりますから。遠き過去から
ぼくへと続くその血脈が、無駄ではなかったとの証明になりますから……」
兄もきっと、生きていたらそうしたはずだと思いますから。
最後にそう言いきった彼は、以後、自身の過去について口を開くことはなかった。
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