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海のひつじを忘れないようです

458名無しさん:2017/08/22(火) 18:41:42 ID:AKaoAE960
「諸君!」

火の勢いが弱まり、残火が炭の内でくすぶり初めていた頃、
その人物はようやく現れた。栗毛の馬にまたがり馬上から
語りかけてきたその人物は、自分を騎兵隊の隊長であると名乗った。
そして奴隷解放令の発令により、諸君らを解放しにやって来たと。

「諸君! 諸君らはすでに自由である!
 我らがヴィップの誇る自由と博愛の精神を胸に、
 どこへなりとも好きなところへ行くがよかろう!」

それだけ言うと騎兵隊の隊長とやらは馬を走らせ、
瞬く間にその姿を消してしまった。そんなわけで、
ぼくらは自分たちの身に何が起こったのかもよくわからないまま、
とうとつに自由を与えられた。

ぼくがこの国へ送られてから十年の歳月が過ぎた、ある日のことだった。


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