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海のひつじを忘れないようです

444名無しさん:2017/08/22(火) 18:35:26 ID:AKaoAE960
板が、砕けた。同時に、身体が吸い込まれた。
比喩的な意味ではなく、物理的に身体が流れ込んできた水流に呑み込まれていた。
息ができず、目も開けられない状況下で、私は救命胴衣を握りしめていた。

なぜかは自分でもわからない。
彼の話に何かを感じたからかもしれないし、直面した死の暴威に臆したからかもしれない。
もしかしたら、ただの反射だったのかもしれない。理由はわからない。

とにかく私は、救命胴衣を抱きしめたまま、流されて、流されて、
そして、流されていった――。


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