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海のひつじを忘れないようです

42名無しさん:2017/08/19(土) 22:20:06 ID:rN6ohdMg0
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「おはよう、気分はどうかな?」

「……え?」

最初に視界へ飛び込んできたのはぼくの目を覗き込む、眼鏡を掛けた青年の顔だった。
微笑を湛えたその顔に、見覚えはない。
その背景にも、天井にも、どこにも見覚えはなかった。

ここは、どこだろう。

記憶をたどる。確か、そう――ぼくは、ひつじと出会った。
歌を歌うひつじ。人の声で歌うひつじ。
そしてそのひつじを見て――あの子を、思い出した。
あの子のことを。あの子にしたことを――。

「一気に思い出そうとしないほうがいいよ。心は割れ物だからね」

青年の手が、ぼくの肩に触れていた。
そこでようやくぼくは、自分が仰向けに横たわっていることに気がついた。
背中は痛くない。むしろ柔らかくて、心地よい感触がした。ぼくはベッドの上にいた。


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