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海のひつじを忘れないようです

408名無しさん:2017/08/22(火) 18:15:27 ID:AKaoAE960
だからこそ、気づかなければならない。
『私』は『私』という利己的生命体の一であることに。
私は十ではない。私は百ではない。私は千の、万の、
億の兆の京の垓の……無量で割ることの一ではない。

私は一の一。その行いも、責任も、伸し掛かる罪過の重みも、私の一。
私が負うべき一の一。きっと、たぶん、それこそが――。

「あなたが選んで、あなたが決めて」

彼が、背を向けた。
そして、踏み出す。
腕を広げ、我が子の帰りを待つ『母』の下へ。

牧師<『母』>と彼<『子』>が正対する。
穏やかな光はすでに彼を包み込もうとしている。
その暖かさを前にして、彼は、さらに、もう一歩、足を踏み出し、そして――



彼“が”、牧師“を”、抱きしめた。


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