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海のひつじを忘れないようです

393名無しさん:2017/08/22(火) 18:07:09 ID:AKaoAE960
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「あいつは俺を、よく理解していた」

砂浜に腰を下ろし、彼の主が彼方を見つめていた。
世界の彼方。彼方たるここではない、現実の、私達が生きるべき生の世界を。

「いや、やはり理解できてはいなかったのかもしれない」

「小旦那様――」

彼が脚を踏み出した。己が主の下に向かって。
彼の肩を借りていた私も、連動して一歩踏み込む。

「だから俺は、ここにいる」

その瞬間、それは起こった。


「お前は死ぬ」


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