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海のひつじを忘れないようです

37名無しさん:2017/08/19(土) 22:17:46 ID:rN6ohdMg0


『――けれど、フォックス氏の所へ送るなんて……』

『――少し早く働いてもらうだけよ。みんなやってることだわ。何がいけないというの?』

大丈夫。きっと、大丈夫。
あそこまで行けば。あそこまでたどり着けば、怖いものはなくなる。
不安も消える。ぼくを待ってくれている人がいるから。

『――……きみは、自分の子が愛しくないのかい』

『――愛しい? どうして愛せるというの? だって、だってあいつは――』

いた。見つけた。あの人が。ぼくを待つ人が。
不安が一気に吹き飛ぶ。悲鳴を上げる足と肺を叱咤して、一層の力を込めて駆ける。
駆けて、駆けて、ぼくは、叫んだ――叫ぼうとした、その人を、呼ぶために。


『あの男の息子なのよ? 生きてたって、どうせろくな大人にならないわ』

.


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