したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

海のひつじを忘れないようです

312名無しさん:2017/08/21(月) 22:27:50 ID:vG2lH35Y0

……おねえちゃん?

冷たい声をしていた。姉の声だったけれど、姉の声ではなかった。
それはむしろ、父や母が自分に向かって吐き捨てたときのような、
峻厳な拒絶の声色に近かった。ハインのことを、もう一度呼んだ。
ハインは、こちらを見ることすらしなかった。

「おねえちゃん、あ、あたしだよ……。
 ミセリだよ、おねえちゃんの妹の、ミセリだよ……」

話したいことはたくさんあった。
聞いて欲しいことがたくさんあった。
毎日練習を欠かさなかったことを知ってほしかった。
上達した踊りの腕前を見てほしかった。
一日だって忘れたことはなかったと言いたかった。

――自慢の妹だって、もう一度言ってほしかった。

「あれ? でも、この子……」

「だから、約束を――」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板