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海のひつじを忘れないようです

302名無しさん:2017/08/21(月) 22:22:05 ID:vG2lH35Y0
「旅に出ようよ」

振り返ってもう一度、ハインにいった。
世界中を旅しようと。

「それで世界中の人に、おねえちゃんの踊りを見てもらうんだ。
 みんな知らないから、怖いだけなんだよ。
 知ったらみんな、おねえちゃんを好きになるよ」

それからミセリは、目を伏せて、

「それで、なんだけど……おねえちゃんさえよければ、
 あたしも連れて行って欲しいなって。二人で踊れたら素敵だなって。
 あたしなんかぜんぜんだし、足手まといにしかならないだろうけど、
 でも、雑用とかならできるし、料理も覚えるし、それに――」

「ミセリ」

意味なくまくしたてるミセリの言葉を、ハインの一言が遮った。

真剣な顔をして、ミセリを見つめている。
照れくささや言葉に出来ない感情が渦巻いて、目をそらしたくなった。
でも、そらさなかった。
降り注ぐ朝日を浴びるハインの姿が、とても綺麗だったから。

ハインが、笑いかけてきた。

「お前はあたしの、自慢の妹だよ」

.


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