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海のひつじを忘れないようです

301名無しさん:2017/08/21(月) 22:21:41 ID:vG2lH35Y0
「あたしが泣いたのは、お前が踊ってくれたからだよ」

ハインの言葉に、ミセリはきょとんとする。

「ミセリがちゃんと踊ってくれたから、あたしはあたしが、
 あたしたちが間違っていなかったって思えたんだ。
 ミセリの踊りが、あたしを救ってくれたんだ。だから、泣いたんだよ」

近づいてきたハインの額が、あたしのそれと接触した。
まつげが、鼻が、くっついた。

「ありがとな、ミセリ」

なんだかとても、恥ずかしくなった。
むずがゆくて、じっとしていられなくて、ミセリは飛ぶようにハインから離れた。
嬉しいのだけれど、その嬉しさをどう表現していいのかわからなくて、
どうしようもなくて、ミセリはハインに背を向けたまま、無意味に叫んだ。

全力で、のどがさけても構わないとばかりの大声で、叫び声を上げた。
驚いた鳥が数羽、空の向こうへと逃げていった。
その逃げゆく鳥を見ながらミセリはひとつ、名案を思いついた。


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