[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
海のひつじを忘れないようです
300
:
名無しさん
:2017/08/21(月) 22:21:16 ID:vG2lH35Y0
正確にはその訃報が届けられたと、
それがなんでもないことかのように彼女は言い直した。
彼女はあくまで淡々と話した。弟の死を聞かされた時に思ったこと。
それは、自分たちは極刑を免れぬほどの罪を犯していたのだろうか、という問いだった。
王の膝下で踊り継いできたこと。
それは世を生きる多くの人々にとって隠れ住むことすら許されぬ暴威であり、
引きずり出してでも処分せねばならぬ悪徳であったのだろうか。
あたしたちは世の中にとって、いない方がよい存在なのだろうか。
繰り返されるハインの問いを聞いたミセリは、彼女が自分と同じであることを知った。
あたしはいらない子。だれからも必要とされず、むしろ疎まれ、いなくなれ、
死んでしまえと石を投げられた存在。彼女はあたしと、同じだった。
「だから、悲しくて泣いたの?」
自然と声が涙で震えた。存在を認めてもらえないそのつらさを、
ミセリはよく知っていたから。彼女の負ったつらさが、ミセリにもよく理解できたから。
けれどハインは笑って首を振った。
そしてしゃくりあげだしたミセリの頭を、やさしくなでる。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板