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海のひつじを忘れないようです

299名無しさん:2017/08/21(月) 22:20:27 ID:vG2lH35Y0
「それだけ?」

つっこんで聞いてみるとハインは少し困ったような顔をしたけれど、
やがて静かにその本当の理由を、そして自分の生い立ちを語りだしてくれた。

ハインの家は特別な役職を与えられた王家付きの一族で、
彼女の父もその技でもって時の王に仕えていたらしい。
けれどそんな彼女の父も、王政打倒を掲げた市民革命に
巻き込まれたことで暴徒に捕まり、処刑されてしまう。

残された彼女や彼女の兄弟も懸賞金を掛けられ、
散り散りに逃亡するしかなかったそうだ。

逃げた先でも――つまりミセリの家へ着いてからもハインは、
父やそれ以前から受け継がれてきた家の技を鈍らせることなく磨いてきた。
すなわち、舞踏の技を。逃げていった他の兄弟も同じように技を磨いているはずだと、
ハインは語った。そのはずだったと。

「でもな、あの日、弟が捕まって死んだ」


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