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海のひつじを忘れないようです
295
:
名無しさん
:2017/08/21(月) 22:18:50 ID:vG2lH35Y0
ミセリにはどうしても、この時の動き方が理解できなかった。
そしてこの箇所でミセリが失敗をごまかすような動きをすると、
ハインは決まって顔を曇らせた。それがいやで、仕方なかった。
けれど、どうしようもなかった。できないのだから。
それにハインは、それでも笑っていた。
けれどその日は違った。目が覚めて、水汲みに向かうときから違っていた。
ハインはむつかしい顔をして、妙に言葉少なだった。
こちらの視線に気づくと笑顔を浮かべたけれどその笑顔にも元気がなく、
目を離すとまたすぐに消沈していた。
レッスンが始まっても、それは変わらなかった。
どこか心ここにあらずといった様子で、
ミセリのことを視界に入れてはいても、見てはいなかった。
なんだかとても、いやだった。
自分が余りにもダメだから、
愛想を尽かされてしまったのではないかと、後ろ向きな疑念が思い浮かんだ。
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