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海のひつじを忘れないようです

294名無しさん:2017/08/21(月) 22:17:57 ID:vG2lH35Y0
この日から、水汲みの後のレッスンがミセリの日課になった。
このレッスンが、ミセリはいやだった。どうせ自分には不可能だと思っていたから。
だからこんなレッスンなど無意味だと思っていたし、
疲れを残して仕事に支障をきたしたら、父や母になにをされるかわからなかった。

それでもハインに従っていたのは、ハインが水汲みを手伝ってくれていたから。
もしレッスンを断ったら、井戸までの往復行をまた深夜に
一人で繰り返さなけれならなくなるかもしれない。それは避けたかった。

幸いハインは、急に怒鳴りだすような理不尽な先生ではなかった。
ミセリが何度ミスをしても上達しなくとも見捨てることなく、
時間いっぱいに見守っていた。

ただ一箇所だけ、ハインの顔が曇る瞬間があった。
見よう見真似で行うミセリの踊りはもちろんハインのように
洗練されたものにはなり得なかったが、
それでもそれらしい型をこなせる程度には身体が踊りを記憶した。

しかしミセリは、いつも必ず同じ場所でステップを間違えた。
その場所は腕と脚とのバランスが取りづらく、
前後の動きも合わせて他の箇所と比べてもむつかしい技術を要求されていた。


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