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海のひつじを忘れないようです
293
:
名無しさん
:2017/08/21(月) 22:17:05 ID:vG2lH35Y0
「やってみ?」
ぶんぶんと首を振る。
「む、無理だよ……」
偽りなく、素直にそう思った。
あんなこと、彼女以外にできるとは思えない。ましてや自分なんかには。
「そんなことないさ」
だというのにハインは、あたしの手足を取って無理矢理にステップを踏ませてきた。
彼女の指示に従い足を動かす。けれど当然ミセリの動きはハインの模倣とは成らず、
しなやかさに欠けたぎこちのないものになる。
そうこうしているうちに、日が完全に昇っていた。
水汲みが終わっても、やらなければならない仕事はたくさんあった。
そのことを遠慮がちに、ハインへと告げる。するとハインは、こういった。
「それじゃ、続きは明日だな!」
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