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海のひつじを忘れないようです

29名無しさん:2017/08/19(土) 22:13:54 ID:rN6ohdMg0



「この先だ」

歌声は確かにこの先、
分厚い壁となった茂みの向こうから聞こえてきた。
心臓が痛い。足のそれ以上に。小旦那様を見る。
心なしか、小旦那様にも緊張が走っているように感じる。

「いいか、一、二、三で一気に突入する。遅れるなよ」

小旦那様は短刀の柄を胸で固定し、もう片方の手を茂みにつき入れた。
ぼくは武器にはならないと知りつつ、ハーモニカを握りしめて、うなづく。
小旦那様がカウントを始める。

一……二……三!

茂みを突き破って、ぼくらは向こう側へと強引に転がり込んだ。
向こう側の地面は柔らかく、想像していた以上の衝撃はない。
ぼくはすぐさま態勢を立て直し、そこに潜んでいたもの、歌声の正体を確認した。


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