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海のひつじを忘れないようです

284名無しさん:2017/08/21(月) 22:12:08 ID:vG2lH35Y0
「全部、そうなんだよね?」

瞳を森から隠したままに、彼女がたずねてきた。
ぼくはこくんとうなづく。魔女が残したノートは、この一冊だけではない。
数えるのも気が遠くなるような膨大な冊数を、魔女はいままで書いてきた。
記し、残してきた。

「ここに来て、良かったよ」

目を開いた彼女が、ぼくを見ていった。
明かされた瞳はうるんでいたけれど、その顔は、笑顔だった。

「あたしね、あなたのことが好き。おんなじ意味で、あの子のことも好き」

ぼくは彼女から顔を背ける。その真っ直ぐな笑顔から。

「好きっていわれるのは嫌い?」

「……ぼくは、罪人だ」

「だから幸せになっちゃいけない?」

声を出さずに、うなづく。

「だからハーモニカを手放した?」


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