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海のひつじを忘れないようです

279名無しさん:2017/08/21(月) 22:09:27 ID:vG2lH35Y0
彼らがいなくなった広間は、張り詰めていた緊張が一気に解放されたのだろう、
くつろいだ空気がそこかしこに充満していた。あたしが思っている以上に、
車椅子の魔女を苦手としている子は多かったようだ。

弛緩したこどもたちの輪。あたしはその輪には加わらなかった。
どうしても話をしなければならないあの子の姿が、
ここには見当たらなかったから。

広間から離れる。行くべき場所は、きっとあそこ。
あの人はきっと、あそこにいる。
壁に肩をもたせて、足を引きずり進んでいく。

裏庭へと出る。目的地は、この向こう。このすぐ先。
けれど困ったことに、ここには壁がない。支えになるものがない。
何かに頼ることはできない。


あたしたちは、自分の力で歩まなければならない。

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