したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

海のひつじを忘れないようです

276名無しさん:2017/08/21(月) 22:08:15 ID:vG2lH35Y0
ハーモニカが止まった。
めぇという、ひつじの鳴き声を境に。
いつの間にかひつじが、歌うひつじが広間へと入ってきていた。

海を割るように、こどもたちが道を開ける。
その間をひつじが歩く。ふわふわな羊毛を揺らしながら、
やさしい足取りで歩いて行く。還泡式の主役の下へ。
光に導かれた、幸運なこどもの下へ。

ひつじの足が止まった。

目の前には、一人の少女。
陶器のように美しい肌をした、大人びた女の子。
誰とも交わらず、孤高を貫いていた人物。
畏れと嫌悪を、一身に請け負っていた者。
アイスブルーの瞳。
人を惑わす魔の女。
車椅子の、魔女。

ひつじの前には、彼女がいた。
彼女の前で、ひつじが座った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板