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海のひつじを忘れないようです

27名無しさん:2017/08/19(土) 22:13:04 ID:rN6ohdMg0



心拍が、爆発しそうな程に高まった。

「バカな……」

小旦那様の声で、正気にもどった。
心臓はいまだに強く拍動しているものの、
何とか周囲を見舞わせる程度には落ち着いている。
ぼくは暗澹な視界の中で目を凝らし、彼を見つめた。

彼は一点を見つめていた。
その目は大きく、まばたきもせず、まぶたが破れそうな程に開ききっていた。
張りつめたものが、見ているこちらにも伝わってきた。

だが次の瞬間には、彼の表情はいつものそれへと切り替わっていた。
そしていつのまに取り出していたのか、
奇妙な波模様が浮かぶ短刀を手に持ち、構えている。

「追っ手かもしれん。確認しに行くぞ」

身をかがめ、音を立てぬよう慎重な動きで彼は行動を開始する。
ぼくもそれに従い、彼に倣って音を立てず、後についていく。
本来であれば、そうするべきなのあろう。それがぼくの在り方なのだから。


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