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海のひつじを忘れないようです

261名無しさん:2017/08/21(月) 22:01:57 ID:vG2lH35Y0
ごめん、もう消えるな。
その言葉とは裏腹に、ハインは彼にもたれたまま動かなかった。
息をしているのかすら危ぶむほど、完全に停止しているハイン。
その顔は彼の胸に隠れ、見えない。

「あたしは、だれなの?」

動きのない森の中で、声だけが、響いた。

「教えてよ、“おねえちゃん”……」

彼女の声が“ハイン”には在るまじき幼さを帯びている。
己が存在のすべてを預けきろうとする童子じみた、頼りのない力なさ。
定義されるべき本来の意味どおりの、こども。


ああ、そうか。あなたも、そうなのね。
あなたも、思い出してしまったのね。
その、罪の記憶を――。

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