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海のひつじを忘れないようです

239名無しさん:2017/08/21(月) 21:48:21 ID:vG2lH35Y0
「……ごめん。お姉ちゃん、どじっちった」

ぺろっと舌を出して、茶化したふうに謝罪する。
緊張していた場の空気が、一気に緩和していった。
あたしがナベの手を借りて立ち上がると、
みんなは人騒がせだとか怪我がなくて良かったとか思い思いのことを言いながら、
何事もなかったかのようにあたしの側から離れていった。

「……ちょっと捻ったみたい。医務室に行ってくる」

周りに聞こえないよう、ナベに耳打ちする。
ナベが何かを言おうとしたがそれを指で塞ぎ、さらに言葉を続けた。

「レッスンのつづき、お願いな」

それだけ言って、ナベから離れる。
しばらくは問い詰めるような視線を背中に感じていたけれど、
やがていつもの明るく間延びした声が、部屋の中に響き渡った。
その声に安心して、あたしは部屋を出る。部屋を出て、医務室に向かう。


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