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海のひつじを忘れないようです

235名無しさん:2017/08/21(月) 21:46:12 ID:vG2lH35Y0
ほほを膨らませたナベが、のんびりした口調とは
相反するずんずんとした大股で近寄ってくる。
そして腰を下ろした格好のあたしの前に立つと、
上半身をひねるようにして覗き込んできた。

「ハ〜インっ。ご指名だよ〜」

むすっとした膨れ顔が、あたしの目の前に現れる。本心ではない。
そういう態度を演じているのだとわかる、本気ではないその顔。
その顔が、あたしを見て、怪訝そうに曇りを帯びる。

「ハイン?」

「……え、あ、ああ、うん」

あたしは慌てて立ち上がる。
なぜだかわからないけれど、ぼんやりと輪郭の崩れたナベの顔から目を背けて。
ナベだけではない。目に映るものすべてが、なんだかぼやっと見えづらかった。
目をこする。視界の異常は、すぐに治った。

「ごめんごめん。あたしってば、ちょっと寝てたみたい」

苦笑いでごまかす。
それでも心配そうにしているナベの肩をぽんぽん叩き、
あたしはアニジャとオトジャの前に躍り出た。


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