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海のひつじを忘れないようです
204
:
名無しさん
:2017/08/20(日) 22:13:05 ID:sRmmAC9s0
耐えることのできる感触ではなかった。
実際にそいつは、その場で吐き出し始めていた。
しかし怪物は、無言でそいつを監視していた。
励ましも、恫喝もないまま、無言で、ただ見つめていた。
逃げ出すことなど、不可能だった。
儀式を終わらせる。それ以外には。
そいつにはもう、刃を滑らせる以外の選択肢は、なかった。
脂にまみれた刃は、いくらでも交換できるように、いくらでも用意されていた。
どんなに時間をかけようと、どんなに手間をかけようと、問題はひとつもなかった。
すべてはあらかじめ、整えられていた。
ただ、ただ、手を動かした。手を動かすしかなかった。
その度に、少しずつ、少しずつ彼女は、小さくなっていった。
少しずつ、少しずつ彼女は、削られていった。
彼女はもう、人の形を保ってはいなかった。
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