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海のひつじを忘れないようです

185名無しさん:2017/08/20(日) 22:04:44 ID:sRmmAC9s0
ジョルジュが暴れるのを止めた。
あごを上げて、一切の遠慮なく泣いている。
その時にはすでに俺の手も、ジョルジュから離れていた。そして、見つめていた。
その瞬間だけは魔女のこともあいつのことも忘れて、
こどもであることをまるで厭わぬジョルジュの咆哮をただただ見つめてしまった。

「はい、はい、はい、はい!」

妙な拍取りと共に女が一人、この場に飛び込んできた。
両腕をつかまれ、そして、ずいぶん、近い。顔面と顔面が衝突しそうな近さ
――というより実際に、鼻と鼻はすでに触れ合っている。思わず首をのけぞらせた。
適切な距離まで離れた顔に、焦点が合う。見覚えのある顔。踊りの得意な少女。

名前はそう、確か……ハイン。

「みんな仲良くしようぜ、ケンカなんかしてもいいことひとつもないって!」

そういって俺の両腕から手を離したハインは、そのまま俺の髪に何かを差し入れた。
そして俺から離れるとジョルジュの髪にも触れ、
今度は少し離れた位置で俺たちを見下ろしていた魔女の髪にも同様の行為を働いた。

俺を含む三人の頭に、花が咲いていた。
色とりどりの造花の花が、それぞれ一輪ずつ。


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