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海のひつじを忘れないようです
179
:
名無しさん
:2017/08/20(日) 22:02:19 ID:sRmmAC9s0
「……くそっ」
慌ててジョルジュの後を追う。なぜ逃げる。何を持っている。
そういった疑問は一度脇に捨て去り、走ることに集中する。
教会の長い廊下は障害物も少なく、走ることに適している。
走ろうと思えば、いくらでも全力を出し切ることができる。
だがそれは、ジョルジュだとて同じ条件。
ジョルジュは交差していた両腕を解き、
隠していたその何かを右手に掴み直した状態でスプリントしていた。
腕の振りも足の振りも無駄が多くでたらめ。
ただがむしゃらなだけな不格好な走り方。
走行における在るべき正しさは、ジョルジュの姿のどこにも見受けられなかった。
が、正しさなどとは無関係に、ジョルジュはとにかく早かった。俺よりも、遥かに早い。
マズい、このままでは逃げられる。
別に追いかける必要などないのではないか。そう諌める自分も確かに存在する。
だが、持ち替えたことでその尻を露わにしたジョルジュの所有物が、
もう一人の自分を一蹴する。間違いない。あれは、あいつのものだ。
銀のハーモニカ。あいつが受け継いだ形見。ひつじの歌声。
そして、楽園の音色。
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