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海のひつじを忘れないようです

176名無しさん:2017/08/20(日) 22:00:44 ID:sRmmAC9s0
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ここが楽園であるならば。
もう幾度繰り返したかも知れない問が、
飽きることなく俺の思考を巡り廻って食い荒らす。

もうどれだけ経ったのか。ここへ来てから、どれだけ経ったか。
この世界には昼がない。だからといって、
夜の帳が常にその幕を下ろしているわけでもない。

星のない深淵の空。月明かりに包まれた光輝の大地。
通常あるべき法に反した、不変不朽の超常場。ひつじの教会。
おそらくここには、日時の概念も存在しない。
自分がどれだけここにいたか、測る術がここにはない。

あるとすれば、還泡式。

儀礼と稚気の入り乱れる、童子の祭典。
なにもかもが自由に執り行われるこの教会にあって、この祭りだけは特別だった。
普段は飛び跳ね遊んでいる童子も、この祭りの時だけはその準備に精を出した。
そしてその開催は、ある程度の周期を有して繰り返されている
――ように、俺には感じられた。


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