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海のひつじを忘れないようです

174名無しさん:2017/08/20(日) 21:59:44 ID:sRmmAC9s0
「ぼ、ぼくは……ぼくには、その資格が……」

「曖昧な返答はいらない。私が知りたいのは単純にして明快な一語。
 すなわち『イエス』か『ノー』、これだけ」

ぼくの言葉を彼女はきっぱりと切り捨て、迫る。
『イエス』か『ノー』。その明確にして後戻りのできない一語へと。

「答えなさい。あなたにはその義務がある」

彼女は声を荒げることも、脅しをかけてくることもしなかった。
だけどぼくは、逃げられなかった。
未だ微動だにせぬその背に目を釘付けされて、視線を動かすことすら許されなかった。

のどが乾いていた。
酸素を取り込もうとした口は閉じず、舌は張り付いて回らない。
ただ一語の返答。どんな難解な問よりも答えがたい、その返答。


イエス。
ノー。


――しぃ。


ぼくは、ぼくの答えは――。


.


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