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海のひつじを忘れないようです

156名無しさん:2017/08/20(日) 21:51:30 ID:sRmmAC9s0
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「もう一度聞くわ。なぜ笑っているの」

ぼくは口元を手で覆った。
そんなことをして、いまさら彼女に隠せるとは思っていない。
そんなことは考えちゃいない。ぼくの行為は、彼女に向けたものではなかった。
ぼく自身が、気づいていなかったのだ。自分が笑っていた、ということに。


笑っただって?
つまりそれは、喜んだってことか?
……それじゃ、何の意味も、ないじゃないか。


てのひらからむせ返りそうな、鉄っぽくも生々しい臭気が立ち込めてくる。
彼女はぼくから視線を外さない。ぼくは彼女を一瞥すると、
その視線から遠ざかるため、その場を去ろうとした。


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