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海のひつじを忘れないようです
154
:
名無しさん
:2017/08/20(日) 21:50:44 ID:sRmmAC9s0
ジョルジュは泣きわめいていた。
近くに放れるものがなくなり、ただ座り込んで泣き叫んでいた。
だからぼくは、ジョルジュに近づいた。ジョルジュは泣くことに夢中で、
ぼくが近づいていることに気づいていないようだった。
ぼくはそんなジョルジュの首に、それを掛けた。
ぼくのハーモニカを、ジョルジュの首に掛けた。
ジョルジュがようやく、自分の首へと何かが掛かったことに気がついた。
それに手を伸ばし、てのひらの中で弄び、そして、
ぼくを見ながら、しゃくりあげながらこういった。
絶対に許さないから。
ジョルジュが教会へと去っていった後、
ぼくはいまだに痛む額を抑えながら、ジョルジュが放ったものと、
自分で出した箒の二本を拾い、それらを片付けようとしていた。
これで良かったのだと、そう自分を納得させながら。
それでも。
ハーモニカの掛けられていない首は、いやに軽かった。
まるで、そう、まるで――自分が、自分でないかのように。
「なぜ笑っているの」
.
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