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海のひつじを忘れないようです

13名無しさん:2017/08/19(土) 22:04:32 ID:rN6ohdMg0
「その先は違う。あなたは選ぶことができる」

「選ぶ?」

「昔、ある人に言われました。罪を負ったからこそ、
 何を伝え、何を残さないか選ぶことができるのだと。
 残せるもの、良いと思うものはきっと、人によって様々だと思います。

 ある人にとって良いと思うものが、
 他の人にとって残すべきでないと思うものである場合も、多々あると思います。
 あなたにとっての良いものが何であるのか、私にはわかりません。
 ……だからこれは、私の勝手な願い」

いよいよ勢いを増してきた暴風が、短刀を握る俺とトソンの腕を揺さぶる。
切っ先が、わずかではあるがしなりを上げてぶれる。
トソンの肌と接触しているはずの、その切っ先が。気が気ではなかった。
けれど当の本人は、痛みも恐れも表すことなく、言葉を続ける。

「小旦那様。あなたは罪を負います。
 だからあなたはあなたの“楽園”を見つけてください。
 あなたにとって幸福の象徴となるその久遠を。そして――」


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