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海のひつじを忘れないようです
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:
名無しさん
:2017/08/19(土) 22:59:10 ID:rN6ohdMg0
鐘の音が、鳴り響いた。
ぼくを取り囲んでいたこどもたちが、一斉に輪を崩した。
小さい子も、大きい子も、誰もが等しく同じ方角に身体を向け、
両手を組み合わせていた。目を閉じ、まるで祈りを捧げる聖者のような格好をして
――そして、歌いだした。
歌は、みなみな好き勝手に歌ってばらばらだった。
歌は、まるでひとつの調べを奏でているかのように調和していた。
独唱でもあり、合唱でもある、不思議な響き。
歌のための、歌。
その根幹を成す、鐘の音の律動。
意識ではない。
ぼくの内の無意識が、周りの彼らと同じ行動を取らせた。
手を組み、目を閉じ、歌を思う。
“自己”ではない。
大勢の中の、意味を持たない一。
口を開き、ぼくはそれになろうとする――。
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