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海のひつじを忘れないようです

125名無しさん:2017/08/19(土) 22:58:03 ID:rN6ohdMg0
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きみにひとつ、わがままを頼みたい。

それが、モララーがぼくに残した最後の言葉だった。
彼は決して無理強いをしなかったし、あくまでもお願いという立場を崩さないでいた。
だからぼくには、断ることもできた。断ろうと思えば、いくらでも断れたはずだった。
けれど、ぼくは断らなかった。彼の頼みを受け、それに、口をつけた。

ハーモニカを、吹いた。

「すごーい!」

「どこで覚えたのー?」

「ぼくにも教えてー!」

吹くつもりなんてなかったんだ。二度と吹かないと決めたんだ。
だけど、モララーだったから。頼んできたのが、彼だったから。
彼には得体の知れない力があった。ぼくを縛る、何かを持っていた。
記憶の断片を刺激するその不明が、彼に逆らうことを是とさせなかった。


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