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海のひつじを忘れないようです

123名無しさん:2017/08/19(土) 22:57:13 ID:rN6ohdMg0
金の軽い音が、廊下中に響き渡った。
暗闇の奥から、何かが転がってくる。それは、ベルだった。
ベルが俺の足元まで転がってきた。それを拾った時にはもう、声も、姿も、気配も、
俺のもの以外のなにもかもが消え失せていた。辺りには静寂が立ち込めている。
俺は、モララーがそうしたように、ベルを振った。

音が、した。
俺の手の中から、ではない。
小さなベルの音とは違う、大きな、もっと大きな音。


鐘の音が、鳴り響いた。


教会中に響き渡っているであろう、礼拝の調べ。
その規則的な律動へと合わせるように、どこからともなく現れいでた音楽が、
俺の耳を越え胸を越え、拍動する心臓にまで呼応した。

それは、音。

それは、声。

それは、歌。

それは――。


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