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海のひつじを忘れないようです
121
:
名無しさん
:2017/08/19(土) 22:56:14 ID:rN6ohdMg0
一度、二度、三度……規則的に鳴らされるベルの音は、何かに似ていると感じた。
それが何かはわからない。しかしそれは身近な、
極身近なところで聞いたことのある、何かだったはずだ。
「お前は……、いや、お前たちは、いったい何だ?」
「ぼくもきみと同じさ。けれどぼくの惑いは、彼のおかげで真の解消を得た」
彼。そういった時のモララーは、ここで再会して以降に見せたどんな表情とも違う、
俗っぽい、良くいえば人間らしい顔をしていた。
それがどんな感情を含んだ表情なのかまでは読み取ることはできなかったし、
モララーもまた、すぐに元の顔つきへともどった。
そしてその奇妙に達観した瞳で、俺のことを直視してきた。
目を通し、皮膚を貫いたその奥の、隠された秘部を覗き見るような視線で。
「いま正にこの場所で起こった出会い。
最後の邂逅者がきみであるという動かしがたい事実。
これはけして偶然ではないのだと、ぼくは覚者の確信を得る。
故にぼくは、きみへと送ろう。モララーとして生きた生命の、最後の忠告を」
モララーが俺の目の前で、燐光を放ちながら薄闇の奥へと消えていった。
完全にその姿を消し去っても、その声だけは遠ざかることなく、
俺のすぐそばで、耳元で木霊した。
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