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海のひつじを忘れないようです

11名無しさん:2017/08/19(土) 22:03:15 ID:rN6ohdMg0
「冗談はよせ!」

「冗談ではありません」

ぴしゃりとした言い切りに、俺は言葉を失う。
唐突なトソンの行動の真意がわからず、ただただ混乱する。
そんな俺に向かってトソンは、追い打ちをかけるような言葉を放ってくる。

「このまま私を刺してください」

「はぁ!?」

反射的に身を引こうとした俺を、トソンの手が離さなかった。
服に寄った皺がぷつりと緊張を緩め、小さな穴が開いた。
短刀のその切っ先が、衣服一枚分の壁を超えて、
トソンの肌へとさらに近づいた。彼女の心臓へと、わずかに近づいた。

「説明しろ、こんなことに何の意味がある! 俺をからかっているのか!」

「大切なことなんです」

「なにが!」

「これが大人になること――いえ、生きることだから」


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