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( ,,^Д^)ビッグ・トレジャーの大冒険のようです!!!
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未曾有の犯罪都市、「クラウン・シティ」。
アメリカ大陸のほぼ中心に位置するその都市は、繁栄と栄華を誇る傍ら、市民の安全の保障されない魔都市でもある。
強盗、銃器密売、薬物汚染、人身売買等、ことこの都市で行われる犯罪は枚挙に暇がない。
その中で最も多くを占める犯罪こそ、恐るべき異能を持つ『ヴィラン』による犯罪だった。
『ヴィラン』とは、人の形をしながら人とはかけ離れた能力を持つ超人であり、その能を特に悪用する者のことである。
ある者は体から電撃を放ち、ある者は炎を意のままに操り、またある者は触れずして物体を吹き飛ばした。
彼らは人智を超越した超常の力を用い、悪行の限りを尽くす。
クラウン・シティに、安息の時は訪れないのだろうか?
しかし、安心してほしい。
犯罪都市クラウン・シティにおいて、治安を守るのは警察でも軍隊でもない。
ヴィランと同じ異能を持ち、日夜ヴィランたちと戦い続ける者。
それこそが、『ヒーロー』と呼ばれる存在だ!!
これはそんなヴィランとヒーローの飽くなき闘いの、全記録である……。
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【某月某日。クラウン・シティ中央警察署】
コンコン
( ^ω^)「失礼致しますお!」ガチャッ
( ^ω^)「署長さんはこちらにいらっしゃいますかお?」
从 ー∀从「ンガッ……ンガァー……ふーひゅるる……ンゴォー……」
(;^ω^)「勤務中に熟睡ッ!?」
从 ーA从「んあー……あー……あぁ?」
从 ゚∀从「……あぁー、誰だてめぇ?」
( ^ω^)「あ、はい!本日付でクラウンシティ配属になった、ナイトホライゾンという者ですお!」
( ^ω^)「今日からよろしくお願いしますお!」
从 ゚∀从「お、おー。お前が本庁から飛ばされてきた奴か。ま、座れや」
( ^ω^)「飛ばされてきたは余計ですけど……失礼しますお」
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从 ゚∀从「えぇーっと、待て待て……あんた服務履歴持ってきてねーの?」
(;^ω^)「えぇ……本庁から三日前に送られてるはずですお?」
从 ゚∀从「マージか。どこやったっけか……」ガサゴソ
(;^ω^)(大丈夫かお、この人)
从 ゚∀从「あー、もしかして書面じゃなくてメールで来てるのか……?お、あったあった」カチカチッ
从 ゚∀从「ふーん……ブーナー=ナイトホライゾン巡査27歳……」
从 ゚∀从「本庁の射撃大会一位、アマチュアボクシング一位、カラテジュードーブラックベルト……へぇー」カチ、カチ
(;^ω^)(今さら履歴書なんか読んで、事前に確認してないのかお……)
从 ゚∀从「ずいぶんと立派な経歴をお持ちなことで。こりゃうちの署には勿体ない逸材だぁね」
( ^ω^)「いえ、そんなことは……自分は市民の財産と安全を守るために、日々邁進してるだけですお」
从 ゚∀从「へぇー、そいつぁさぞや楽しい目標だなぁ、オイ?」
( ^ω^)「いや、別に楽しくは……」
从 ゚∀从「あっそ。まぁ、ここではそんな志持ってても無意味だがな」
(;^ω^)「は、はぁ?」
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从 ゚∀从「お前が何様だろうと知ったこっちゃあねーが、この街で生き残る方法を一つだけ教えてやる」
(;^ω^)「何でしょうか?」
从 ゚∀从「この街で生き残りたきゃ『全て忘れろ』、だ」
( ^ω^)「それは、どういう意味で……」
从 ゚∀从「どういう意味もねーよ」
从 ゚∀从「カラテのブラックベルト持ってようが射撃が上手かろうが処世術に長けてようが、この街ではなーんの意味もねぇんだよ」
从 ゚∀从「だから今までのてめぇの経歴は、全て忘れろっつってんのさ」
从 ゚∀从「言っちまえばここは毎日戦争みてぇなもんだ。黙って頭を低くして生きるのが利口ってこった」
(;^ω^)「そ、そんな!?警察官たるものがそんな弱腰じゃ市民を守れませんお!」
从 ゚∀从「……ま、言葉で説明するより見た方が早ぇやな」
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从 ゚∀从「うぉーい、ジョー。ちょっとこっち来いや」
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( ゚∀゚)「あぁ?何だよ兄貴、今せっかくいいとこだったのによぉ〜」
从 ゚∀从「るっせぇ、署内でポルノ見んなって言ってんだろが」
(;^ω^)(人いたのかお!?全然気付かなかったお……)
从 ゚∀从「お前、今日からこの新入りの教育係やれ。異論は認めない」
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(;゚∀゚)「はぁ!?ざっけんなよ兄貴、そんなやつ他のバカに任せときゃいいだろ!?」
从#゚∀从「オメーがサボってってから仕事あてがってやってんだろが!!有り難く頂戴しろ!!」
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(;゚∀゚)「げぇ〜、今日はツイてないぜぇ……」
从 ゚∀从「新入り。お前はまずこいつから日常業務聞いて覚えるとこから始めろ」
( ^ω^)「はいですお」
从 ゚∀从「そんで業務覚えたら、こいつと組んでヴィランの捜査に当たるんだ」
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(;゚∀゚)「はぁぁぁぁ!?ウッソだろ!?なんで俺がこんなケツの青い奴と組まされるんだよ!?」
从 ゚∀从「マジに決まってんだろ。ここに住む厳しさは、早い内に味わわせとかねぇとな」
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(;゚∀゚)「はぁぁぁぁ〜……マジかよぉ〜……」
从 ゚∀从「まそーゆーこった。分かったらさっさとうちらのハコに案内してやれ」
( ^ω^)「……?」
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(;゚∀゚)「ったくよぉ……兄貴はすーぐ俺に面倒な仕事押しつけやがる」
( ^ω^)「よろしくお願いしますお、ジョー先輩」
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( ゚∀゚)「んぁ?あー、先輩か。先輩ねぇ……ならよろしく頼むぜ、後輩」
( ^ω^)(まんざらでもなさそうだお)
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( ゚∀゚)「先に言っておくが、俺ら特殊犯罪者対策課は基本的に署内の鼻つまみモンだ。そのつもりで行動しろよ」
( ^ω^)「特殊犯罪者対策課?」
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( ゚∀゚)「そうだよ。お前が配属になる部署だ」
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(;゚∀゚)「つーか、自分の転属先も知らずにここへ来たのかよ!?」
(;^ω^)「いえ、署長が何の説明もしてくれなかったですし……」
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(;゚∀゚)「はぁ〜……要するにそれも俺の仕事ってことね。ハイハイ分かりましたよ……」
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( ゚∀゚)「お前も警察官なら、ヴィランってのが何なのかくらいは知ってるよなぁ?」
( ^ω^)「はい。何でも、人智を越えた滅茶苦茶な超能力で犯罪を犯す輩だとか」
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( ゚∀゚)「そ。特殊犯罪者対策課ってのは、そのヴィラン専門の捜査チームのことな」
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( ゚∀゚)「有事の際には一番に現場へ駆けつけて、住民の避難誘導やヴィランへの対処に当たるってーのが建前上の存在意義だ」
( ^ω^)「建前?では、本音は?」
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( ゚∀゚)「ヴィランに対する人身御供チームだな」
(;^ω^)「人身……ッ!?」
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( ゚∀゚)「生身の人間がヴィランの相手するのは、それくらい無理があるってことよ」
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( ゚∀゚)「せいぜいが俺たちは、市民を守るための体のいい肉盾ってとこだろーぜ」
(;^ω^)「ホントですかお……だとしたらヴィラン野放しじゃないですかお」
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( ゚∀゚)「まぁ俺らも何もしてねぇってワケじゃないけどな……おら、ついたぞ」
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( ゚∀゚)「今日からここがお前の城、そして棺桶になる『特殊犯罪者対策課』だ」
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( ゚∀゚)「遺書は早めに書いといた方がいいぜー?クヒヒヒ……」
(;^ω^)(……ボクはもしかして、トンでもない所へ来ちゃったのかお?)
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( ゚∀゚)「おらっ、お前ら班長のお出ましだぞー」バァンッ
( "ゞ)「あれっ?ジョーさん。珍しいですねこんな時間に」
£°ゞ°)「何時もなら署長室でポルノ鑑賞してる時間よネー?」
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( ゚∀゚)「俺だって好きでこんなとこ来たくねーわ……本庁から新人が来たから可愛がってやれ」
( ^ω^)「どうも、この度クラウンシティ署に配属になったブーナーですお。よろしくお願いしますお!」
( "ゞ)「お、マジですか!ようやく人手不足解消?」
£°ゞ°)「オー!事情を知らない若い生け贄が増えたネー!」
(;^ω^)「えぇ……」
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( ゚∀゚)「余計なことお喋りしてねぇで名前!」
( "ゞ)「はいはい……私はポール=デルタニアンだ。主にヴィランの情報管理をしている。デルタと呼んでくれ」
£°ゞ°)「ハーイ!ボクはロミス=バタリオ言いまーす!仕事はヴィラン検挙の新技術導入ネ!」
( ^ω^)「デルタさんとロミスさんですおね。改めてよろしくですお!」
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( "ゞ)「しかし若いですねぇ……何だって本庁はこんな若い子寄越したんでしょう?」
£°ゞ°)「きっと人事の気紛れヨー。考えるだけムダムダー」
(;^ω^)「どんだけ期待されてないんですかお、ここは……」
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( ゚∀゚)「なら挨拶も済んだし、さっそく仕事に取りかかってもらおーか?」
( ^ω^)「はいですお!それで、何をすれば?」
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( ゚∀゚)「んじゃまぁ手始めに、この報告書片付けといてくれや新人クン」ドサッ
(;^ω^)「ぐえぇ!?何ですかお、この膨大な量は……」
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( ゚∀゚)「あんだよー。本庁上がりの敏腕ならコレくらい朝飯前だろ?」
(;^ω^)「あの……これ署名が全部先輩名義なんですけど」
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( ゚∀゚)「細けぇこと気にすんない。分からんことあったらデルタに聞け、じゃあな」スタスタ
( "ゞ)「はは、出た出た。ジョーさんの新人イビり」
£°ゞ°)「ボクも最初やられたネー。懐かしいヨー」
(;^ω^)「あの人、いつもあんな感じなんですかお?」
( "ゞ)「うん、概ね」
£°ゞ°)「よくクビにならないよネー!HAHAHAHA!」
(;^ω^)(大丈夫かお、この警察署……)
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(;^ω^)(いきなり厄介な人と組まされたもんだお……ま、いいけど)
( ^ω^)「これPCに読み込んで保存すればいいんですかお?デルタさん」
( "ゞ)「あぁ、フォルダはここな。書式とか分からなかったら何時でも聞いてくれ」
( ^ω^)(いつ終わることやら……どれどれ?)
【報告書:ビッグ・トレジャーについての案件】
( ^ω^)(……ビッグトレジャー)
今日のクラウンシティの治安維持において、ビッグトレジャーの存在は必要欠くべからざる物となりつつある。
こと、対ヴィランの戦闘において、彼の残した功績は甚だ大きいと言わざるをえないだろう。
しかし、民間人である彼に警察が依存するような事態はあってはならない。
これに伴い、クラウンシティ署では以下のヴィラン取締り計画を実施し防犯に努める所存である……
( ^ω^)(……ビッグトレジャーかお)
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( ^ω^)(よく見たらこっちの書類も、こっちのにもビッグトレジャーの名前が上がってるお)
( ^ω^)「……デルタさん」
( "ゞ)「ん?どうしたブーナー?」
( ^ω^)「ブーンでいいですお……あの、デルタさんはビッグトレジャーをご存知ですかお?」
( "ゞ)「そりゃあねぇ!彼ほどこの街を有名にした男はいないからね」
( "ゞ)「君だって名前くらいは知ってるだろう?」
( ^ω^)「えぇ、多少は……でも、どんな人かはあんまり知らないですお」
( "ゞ)「それは良かった。知ったらここへ来るのが嫌になってたかもな」
( ^ω^)「というと?」
( "ゞ)「実際のとこ、警察より彼の活躍の方が多いくらいだからね」
( ^ω^)「あぁ。そういえばジョーさんも、僕たちは肉盾だって言ってましたお」
( "ゞ)「おかげで私たち特殊犯罪者対策課は、肩身が狭いこと狭いこと」
£°ゞ°)「あれはタダの変態ネー!ボクたちが気にすることないのヨー!」
( ^ω^)「……変態?」
(;"ゞ)「うーん、まぁ……その辺は見れば分かるんじゃないかな」
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( ^ω^)「一体、どんな人なんですかお?ビッグトレジャーって」
( "ゞ)「はは、それは会ってからのお楽しみってことで」
£°ゞ°)「ブーンがどんな顔するか、今から楽しみネー!」
(;^ω^)「は、はぁ……」
( "ゞ)「ま、今は目の前の報告書を片付けるのを優先した方がいいんじゃないか?」
£°ゞ°)「ジョーさん薄情だから絶対手伝ったりしないヨー?」
(;^ω^)「で、ですおね……全くなんで着任早々こんなことに……」
( "ゞ)「ツイてなかったと思って諦めたまえ。終業までに終わらなかったら私も助太刀するよ」
£^ゞ^)「ボクも手伝うヨー!苦しい時はみんな助け合わないとネー!」
(*^ω^)「お二人とも……なんていい人なんだお」ジーン
( "ゞ)「さぁ、さっさと済ませて歓迎会でもしよう。今夜は奢ってやるぞ?」
£°ゞ°)「ワーオ!デルタ太っ腹ネー!So coolヨー!」
( ^ω^)「ハハハ……」
<ヴィーッ!!ヴィーッ!!ヴィーッ!!
(;^ω^)「ッ!!?」
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『署内全職員に告ぐ。只今ソーツーストリート、アップトレイル銀行にて、ヴィラン襲撃ありとの通報があった』
『ヴィランはサウスガットファミリーと見られる。総員至急現場へと急行し対処せよ。繰り返す……』
(;^ω^)「うわ……着任数時間でもう事件ですかお?」
( "ゞ)「サウスガットか。こんな白昼堂々やりやがるとはな」
£°ゞ°)「サウスガットのボスじゃなきゃいいけどネー」
从#゚∀从「てめぇらぁ!!」バァンッ
( ^ω^)「あっ……署長」
从#゚∀从「なぁに呑気にくっちゃべってやがんだ!?放送聞こえたならさっさと働かねぇかぁッ!!」
从#゚∀从「デルタは交通課と連携して付近の通行規制ッ!!」
( "ゞ)「Sir,Yes sir!」
从#゚∀从「ロミスは状況に応じて軍に出動要請!!それまでここで待機ッ!!」
£°ゞ°)「オーケーよー!!」
从#゚∀从「ブーナーは俺とジョーと現場直行!!急げ!!」
(;^ω^)「……」ポカーン
从#゚∀从「い・そ・げッ!!!」ダァンッ
(;^ω^)「は、ハイですお!!」ビクゥッ
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【アップトレイル銀行前】
爪;゚ー゚)「くそっ、サウスガットめ。警察をナメやがって!!」
¥・∀・¥「怯むな、威嚇射撃を続けろ!!」
(゚A゚* )「あんなもんどーせいっちゅねん!タマ弾きよんねんぞ!」
爪;゚ー゚)「あ、ヤバ。こっち見てる」
(゚A゚# )「なん逃げとんねんダァホ!本部の応援来るまで耐えんかい!」
<ドギャギャギャギャギャギャッ、キキ――――ィィィッ
从 ゚∀从「おう、待たせたな。お前ら無事か?」ザッ
爪゚ー゚)「署長〜〜〜!!お待ちしてました!!」
从 ゚∀从「悪ぃな。新人がボケーッとしてっから遅れちまった」
(;^ω^)「僕のせいですかお!?」
¥;・∀・¥「相変わらず無謀なパトカー捌きですね……ヒヤヒヤしますよ」
(゚A゚* )「なんでもええわいな!それより署長、相手はハハジャ=サウスガットでっせ!」
从 ゚∀从「まーじか。こりゃツイてねぇ」
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( ゚∀゚)「どれどれー……?」ニュッ
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( ノ`)
┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙……
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(;゚∀゚)「ひえぇ〜……マジもんのハハジャ=サウスガットじゃねぇかよ……おっかねぇ」
(;^ω^)「すごい、あの男身長6フィート以上ありますお…」
从 ゚∀从「おい。一応言っとくがあいつ女だぞ?」
( ^ω^)「え」
从 ゚∀从「あいつぁハハジャ=サウスガット。サウスガットファミリーの女ボスさね」
(;^ω^)「えぇぇぇぇぇぇ〜〜〜……」
从 ゚∀从「まぁ無理もねぇ。俺も最初は目の錯覚かと思ったからな」
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( ゚∀゚)「俺なんて未だに夢だって言われても信じるわ」
(;^ω^)「確かに」
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@#_、_@
( ノ`)「なぁに喋ってんだい、犬畜生ども!私にかかってくる気概も失せたのかい!?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「さっさとしないと、この街から銀行が一つ消えてなくなることになるけど、いいんだね?」
从 ゚∀从「チッ……好き勝手言いやがって」
从 ゚∀从「マニー、状況は?」
¥・∀・¥「それが、ハハジャは銀行の表玄関で暴れまわってるだけでして」
¥・∀・¥「行員、銀行利用者とも既に全員裏口から避難済みです」
_
( ゚∀゚)「てぇことは、奴らお得意のいつもの手段てぇことか」
从 ゚∀从「あぁ、奴は『デコイ』だ」
( ^ω^)「どういうことですかお?」
从 ゚∀从「サウスガットってのは、ヴィランにしちゃ珍しく家族ぐるみで犯罪を起こす輩でな」
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( ゚∀゚)「ファミリーってのは文字通り、組織の名前じゃなく家族の名前なんだよ」
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从 ゚∀从「あぁやって、一番目立つあいつがいかにも何かしでかすぞって暴れるだろ?」
从 ゚∀从「したら警察は当然そっちに注意を向けざるを得なくなる」
从 ゚∀从「その隙にサウスガットの他のメンバーが、誰もいない銀行内を荒らし放題って寸法よ」
(;^ω^)「そんな!分かってたら止める手立てくらい……」
从 ゚∀从「裏口を張るには奴の攻勢を止めにゃならん。だがそっちに人数を割けば、今度は奴が本気で暴れて取り返しがつかなくなる」
(;^ω^)「つまり、現状はほぼ詰みってことですかお?」
从 ゚∀从「奴が現れた時点でな……しかしまぁ確かに、手をこまねいて見てる訳にもいかんわな」
从 ゚∀从「ジョー。お前はマニー、ジーノ、ノームを連れて裏口から行内に侵入。サウスガットの実行犯の確保に当たれ」
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(;゚∀゚)「でぇ〜俺が!?ムリムリ死ぬって!」
从#゚∀从「能力は割れてんだ!!死ぬような相手じゃねーだろが!!」
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(;゚∀゚)「……アイ、サー」
从 ゚∀从「新入り。お前は俺とハハジャの対処に当たれ」
(;^ω^)「……ハイ!!」
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从 ゚∀从「いいかぁー?奴は警察が裏口から侵入するのだけは、何としても阻止しようとするはずだ」
从 ゚∀从「スリー、ツー、ワンで俺とブーナーが飛び出したら、奴の気を引いてる間に急いで裏まで回れ」
爪゚ー゚)「了解!」
¥・∀・¥「把握です!」
(゚A゚* )「合点承知!」
_
(;゚∀゚)「お前らヤル気出してんじゃねーよぉ。死なない程度にやろうぜ?」
从 ゚∀从「ブーナー。最初に言っとくが、奴には威嚇じゃなく全弾当てるつもりで発砲しろ」
(;^ω^)「それだけヤバい奴だってことですかお?」
从 ゚∀从「あぁ。だが幸いなことに、奴は殺しを楽しむような性分じゃねぇ」
从 ゚∀从「そういう意味では初めて会ったヴィランが奴だったのは、まだマシだったかもな」
(;^ω^)「はいですお……」
从#゚∀从「ッシャ!!気合い入れろてめぇら!!被害は最小限に食い止めっぞ!!」
爪゚ー゚)「はい!」
¥・∀・¥「ハイ!」
(゚A゚* )「任してや!!」
( ^ω^)「やりますお!!」
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(;゚∀゚)「はあぁぁぁあ〜〜〜……」
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从 ゚∀从「スリー……」
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(;゚∀゚)
从 ゚∀从「ツー……」
爪;゚ー゚)¥;・∀・¥( *゚A゚)
从 ゚∀从「ワン……」
(;^ω^)「……」ゴクリ
从#゚∀从「行けぇッ!!!」
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(;゚∀゚)「もおぉぉぉぉ着いてこいやぁぁぁぁ!!!!!」
三三三爪゚ー゚)¥・∀・¥( *゚A゚)ズドドドド
(;^ω^)「ヘイ、フリーズ!動くと発砲するお!」
从 ゚∀从「アホ、警告なんざいらんわ!全弾撃ち尽くす勢いで撃て!」
从 ゚∀从 パァン、パァンッ
(;^ω^)「うお……」
(;^ω^)パァンッ、パァンッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ほう……私に真っ向から挑むたぁいい度胸じゃないかい」
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@#_、_@
( ノ`)「だが、そんなオモチャで私の肌に、かすり傷でも着けられると思っておいでかい?」
(;^ω^)「なっ……弾、当たってないですお!?なんでっ……」パンッ、パンッ
从 ゚∀从「気にすんな織り込み済みだ!撃って撃って撃ちまくれ!」パァンッ、パァンッ
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@#_、_@
( ノ`)「やれやれ……銃弾のムダ遣いだねぇ?市民の血税を何だと思ってるやら」
从#゚∀从「税金払ってねー奴には言われたくねーな!!」ガチャッ、パァンッパァンッ
(;^ω^)「全くですお!!」ガチャッ、パァンッパァンッ
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@#_、_@
( ノ`)「どーら、署長さん自ら遊んでくれるなら、私もちょっくら本気出してみるかねぇ?」ユラァ…
从;゚∀从「!!」
从;゚∀从「ブーナーッ!!伏せろ!!」バッ
(;^ω^)「は、ハイッ!!」バッ
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@@@
@#_、_@
( ノ`)「Go,Fire」
―――――― パゥッ ――――――
ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ…………!!!
(;^ω^)「なっ……なんっ……!?」
从;゚∀从「奴は圧縮空気を炸裂させて爆発させることが出来るんだ」
(;^ω^)「どこにそんな武器を!?」
从;゚∀从「生身だよ!!それがヴィランの超能力なんだ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「避けるのは上手くなったじゃあないか、署長さん?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それじゃあ次は連続で行くよ」パゥッパゥッパゥッ
ゴパパパパパパパパパパパッッッ!!
从;>∀从「ぐっおぉぉぉぉぉ……!?」
(;^ω^)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
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パラパラ……
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ふふ……まさかこの程度でくたばっちゃいないだろうねぇ?」
从#゚∀从「ペッペッ。口んなか砂利だらけだぜ……」ムクリ
( ω )「……」
从;゚∀从「……チッ。新入りは気絶か」
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@#_、_@
( ノ`)「私の前でこれだけ保ったなら上等だろう?」
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@#_、_@
( ノ`)「ま、死んじゃいないだろうよ。音と風圧は凄いが死ぬような威力じゃない」
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@#_、_@
( ノ`)「おおかた爆風の震動で耳でもやられたんじゃないかね」
从#゚∀从「これでも手加減してますってか?ヴィランのクセによぉ」
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@#_、_@
( ノ`)「自分より弱い獲物をイジメて、あんたは楽しいかい?私ゃそうは思わないね」
从;゚∀从(チッ……勝手に喋ってくれるのはありがてぇが、それだけ奴の時間稼ぎに荷担しちまうことになる)
从 ゚∀从(こいつもそれを分かってて遊んでやがるな……クソが)
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@#_、_@
( ノ`)「クク、どうした?ボーッとして私を取り逃してもいいのかい?」
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( ω )「……」
( ω^)パチ
三三三( ^ω^)ダッ
从;゚∀从「あっ!?」
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@#_、_@
( ノ`)「むっ……?」
(;^ω^)(至近距離なら弾も当たるかも…!!)
(;^ω^)「うおぉぉぉぉ!!!」パァンッ、パァンッ
从;゚∀从「バカッ、よせ!奴に近づくな!」
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@#_、_@
( ノ`)「ほーう?気絶したフリとは可愛らしいマネしてくれるじゃないか、坊や」キンッ、キンッ
(;^ω^)「くっ……」パァンッ、パァンッ
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( ノ`)「だが一つ忠告してやるよ。私を傷物にしたいなら、次からは劣化ウラン弾でも持ってきな」ガシィッ
(;゚ω゚)「ガッ……!?」
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@#_、_@
( ノ`)「ただの拳銃でヴィランの相手しようなんざ、身の程知らずもいいとこなんだよ」
从;゚∀从「てっめぇ!!ブーナーを離しやがれ!!離さねぇと脳天ぶち抜くぞ!!」
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@#_、_@
( ノ`)「それが出来なかったからこの坊やはこうして捕まってるんだろ?いいからお前は黙って見てな!」
(;゚ω゚)「ぐっ……がっ……!!」ジタバタ
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( ノ`)「安心しな、殺しは私の趣味じゃない」
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@#_、_@
( ノ`)「ただし、『壊し』はするけどねぇ」
(;゚ω゚)(死ぬっ……これ本当に死んじゃう……!!)ジタバタ
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@#_、_@
( ノ`)「あがくんじゃないよ。恨むなら自分の無能を恨みな」ユラァ…
从#゚∀从「させるかあぁぁぁぁぁ!!!」バッ
<待てぇいッッッ!!!!!!
从;゚∀从「!!」
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-
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『天知る地知る、我を知る』
『ヴィランを倒せと轟き叫ぶ』
『人世(ひとよ)の定めに泣く者を』
『一夜(ひとよ)の力で救い出す』
从;゚∀从「チッ……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ふん……ようやく主役のお出ましかい」ポィッ
(;゚ω゚)「カハッ……!ゲホッゲホッ……ハァッ、ハァッ」ドサッ
(;^ω゚)(主役……?)
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( ,,^Д^)
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;; i / .il /| |.| | | i | | l i '`i l /
ズウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…………!!!!!!!!!!!!
( ,,^Д^)「我こそはッ!!!絶対ヒーローッッッ!!!!!!」
( ,,^Д^)「ビィーーーーーーーーーーーッグ!!!!!トレジャーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
(;゚ω゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!????????」
.
-
.
(;^ω^)「署長!何なんですか、アレは!?」
从;ー∀从「……あれがこの街の守護神、ヒーローを率いる男ビッグトレジャーだ」
(;^ω^)「ヒーロー……ヴィランと戦う対抗勢力……」
(;^ω^)「でもあれただの素っ裸のマッチョじゃないですかお!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「クックッ……見た目で判断するとえらいことになるよ」
( ,,^Д^)「その通ぉーーーり!!!!」シュタッ
( ,,^Д^)「怪我はないかね!!青年よ!!」
(;^ω^)「あっハイ……(ちんこデカッ!?)」
从 ゚∀从「ケッ。お前に心配なんざされたくねぇな?変態」
( ,,^Д^)「口が悪いのは元気な証拠だな!!その調子だ署長!!」
(;^ω^)「何なのこの人……」
( ,,^Д^)「さて!!問題はあの怪物!!ハハジャ=サウスガットだ!!」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「よぉう、ビッグトレジャー」
( ,,^Д^)「今日もやんちゃが過ぎるな、ハハジャよ!!」
( ,,^Д^)「その力があれば、銀行なんぞ襲わなくても生きていけるだろう!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「体に備わったパワーを使わないのはバカのすることさね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ちょうど退屈してたんだ、私と遊んでかないかい?」スッ…
( ,,^Д^)「フハハハ!!虎とじゃれあうのもまた一興!!ならばお手合わせ願おうか!!」スッ…
从 ゚∀从「来るぞ……距離を取れ、ブーナー」ダッ
(;^ω^)「は……?」
( #,,^Д^)「ぬウゥゥゥゥゥゥンッッッ!!!!!!」ベゴォッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「はアァァァァァァァァッッッ!!!!!!」ボゴォッ
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ!!!!!!!!!!!!
(;^ω^)「うっげえぇぇぇぇ!?」
.
-
.
从;゚∀从「ったく、派手にやりやがるぜ……あのバカどもめ」
(;^ω^)「手四つを組んだだけでアスファルトが砕けてく……」
从 ゚∀从「ブーナー、よっく覚えとけ。あれがこの街の最大の敵、ヴィランとヒーローの力だ」
(;^ω^)「……」ブルッ
( ,,#^Д^)「フフッ……また腕を上げたなぁハハジャ!!私は嬉しいぞ!!」グググッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フンッ……少々の努力なんぞ、あんたの前ではハナクソと同じさね」グググッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ハァッ!!!」グンッ
( ,,#^Д^)「ヌォォォォッ!!!」グィッ
ボゴォォォォンッ!!!!!
(;^ω^)「あわわわ……地形が変わってきてますお!?」
从 ゚∀从「奴らが本気で暴れたらこんなもんじゃねーぞ?」
从 ゚∀从「分かったろ?こんな奴らを相手にピストル一つで立ち向かう無謀が」
(;^ω^)「……はい」
从 ゚∀从「ま、それでも行かなきゃならんのが警察の辛いとこだわな」
从 ゚∀从「お前はよくやった。ここはあの変態に任せて、野次馬避難させっぞ!」
(;^ω^)「了解ですお!」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「やはりあんたとヤるのは楽しいよ。だがそれもここまでさ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ふうぅんぬあああああああああああ!!!!!!!!」ボゴォッ
(# ,,^Д^)「むっ!!」ビキィッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「うおりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」ブゥンッ
( #,,^Д^)「ぬおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」グワァッ
(;^ω^)「投げた!!」
从;゚∀从「いちいち解説してんじゃねーよ!!巻き込まれっぞ!?」
( #,,^Д^)「ヌゥンッ!!!」クルクル、ズドォン!!!
Σ(^ω^;)「おわぁ!?」ビクゥッ
( ,,^Д^)「おっと、すまない青年!君も早く避難したまえ!」
从;゚∀从「っぶねぇなぁ!こっちに飛んでくんなよ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「……気に食わないねぇ、ビッグトレジャー」ズシンッ、ズシンッ
.
-
.
( ,,^Д^)「おや?何か不満かね、ミセスハハジャ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんた、全然本気出してないじゃないか。そんなもので私が満足するとでも思ってるのかい?」
(;^ω^)「え、あれで本気じゃない?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そおさ。良くて六割ってとこだろ?違うかい」
( ,,^Д^)「フッフフフ……さすがハハジャ!!マッスルの前で嘘はつけないな!!」
(;^ω^)「えぇ〜……こいつらどんだけ強いんだお」
从 ゚∀从「さぁな。だが見たとこ、ハハジャの方は本気だったと思うぜ?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「全力には全力で応じるのがあんたの流儀だろ!一体何を企んでるんだい!?」
( ,,^Д^)「フフフ……ならば私はこうあなたに問い返そう」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「……なに?」
( ,,^Д^)「『息子たち』は、元気かね?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「!!」
.
-
.
( ^ω^)「息子たち……?」
从 ゚∀从「あぁ?一体どういう……」
从;゚∀从「……まさか!?」ハッ
『兄貴!応答してくれぇ!兄貴ィー!!』ザザッ
从 ゚∀从「おう!どうしたジョー!」
『それが、行内のどこ見ても荒らされた形跡がねぇんだ!』
『こっちには誰もいねぇー!間違いねぇ!』
从;゚∀从「クソッ!やっぱそういうことか!」
(;^ω^)「えっ、どういうことですかお!?」
( ,,^Д^)「標的は元から、この銀行ではなかったのだ!!」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「サウスガットはデコイを使う……だが今回は、もう少し手の込んだことをしたようだな」
( ,,^Д^)「銀行で暴れ!!私の気を引きつけ!!別の場所でファミリーが盗みを働く!!」
( ,,^Д^)「それが今回お前の書いた絵図だったんじゃあないか?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「御託はそれくらいにしな!」
( ,,^Д^)「フフフ……それが真実かどうかは、君がここから逃げないのが証拠ではないかね?」
从 ゚∀从「要するに、ビッグトレジャーさえ引き付けておけば……ってやつか」
(;^ω^)「あの、僕はまだよく分からないんですが……」
从 ゚∀从「すっげぇ雑に説明すると、この街でこの変態に敵うヴィランはいねぇってことだ」
从 ゚∀从「逆に言うとこいつさえ足止め出来れば、後はやりたい放題どうとでも出来るって寸法さ」
(;^ω^)「そんなヒエラレルキーがあるんですかお」
从#゚∀从「ったく……ナメられたもんだぜ、警察も!」
( ,,^Д^)「だが、お前の狙いは透けているぞ!!」
( ,,^Д^)「すでに今日、お前たちが忍び込みそうな場所には仲間を張らせてある!!」
( ,,^Д^)「さて、まだこの時間稼ぎを続けるかな?マダム」
.
-
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……チィッ!」ダダッ
(;^ω^)「あっ!!」
从#゚∀从「逃げるってこたぁ図星かよ!!ブーナー、お前はジョーと合流しろ!!俺が奴を追う!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたらはそこでジッとしてな!!」パゥッパゥッ
(;^ω^)「ギャッ!?」ビチッ
从;゚∀从「な……なんじゃこりゃ!?」ビチィッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「圧縮空気の枷さ。しばらくそこで空でも眺めてな!」ドドドド
(;^ω^)「一歩も動けないですお!!」
从#゚∀从「クッソがああああああ!!!!」
( ,,^Д^)「追跡は私に任せろ!!」ダダダッ
(;^ω^)「任せますお!ビッグトレジャーさん!」
从;゚∀从「ダメだあいつには期待すんな!早く抜け出すぞ!」
(;^ω^)「えっ!?なんでですかお!?」
从;゚∀从「見てりゃ分かる!」
.
-
.
▼・ェ・▼ ピョン、ヒョコッ
▼・ェ・▼「アンアンッ!」トトーッ
(;^ω^)「え、あれ?犬?」
从;ー∀从「あー……」
( ,,^Д^)「ムッ!!どうしたドルチェ!!」
▼・ェ・▼「ハッハッハッ……」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,;*^Д^)「だ、ダメだドルチェ!こんなところで……!!」
( ,,;*^Д^)「ハァンァンンフゥンァァ……!!」
▼・ェ・▼「アンッアンッ」ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,*;^Д^)「あぁんテクニシャン……フゥアゥアヌアァアアン……」ビクンビクンッ
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,*;^Д^)「オォウヌフ……エクスタシィィィィィィィィィィィィィ……イエスッ!!!!」
( ^ω^)「……何ですかおあれは」
从;゚∀从「真顔になるなよ……こっちも説明はできん」
从 ゚∀从「分かってるのはあの犬がビッグトレジャーの愛犬ってことと、奴は乳首が弱いってことだけだ」
.
-
.
从 ゚∀从「毎回どこからともなくあの犬が現れては、乳首を攻めてヴィランを取り逃がすのまでが奴の黄金パターンなんだよ」
(;^ω^)「ええぇぇぇぇぇぇ〜〜〜……」
从 ゚∀从「クソみてぇな話だろ?だから俺はあいつがキライなのさ」
( ,,*;^Д^)「フゥッ……ハァッ……全くドルチェはいたずらっ子限りなしだな!!」
▼・ェ・▼「ワフッ」
(;^ω^)「悠長に語ってないで早くハハジャを追ってくださいお!!」
( ,,^Д^)「ワハハ!すまんすまん!ソォレ!!」バキィッ
(;^ω^)「おっ!?」
( ,,^Д^)「もう一丁!フンッ!!」メキィッ
从;゚∀从「圧縮空気を素手でむしるなよ……どういう理屈してんだ」
.
-
.
( ,,^Д^)「これでもう心配ご無用だな!!」
从 ゚∀从「なーにが心配ご無用だ。俺らを解放してる暇があるならハハジャ捕まえやがれってんだ」
从 ゚∀从「てめーの変態行為のせいで被害増えたらぶっ殺すかんな?」
( ,,^Д^)「ハハジャは決して無軌道な殺戮をするようなヴィランではない!!」
( ,,^Д^)「おとりが失敗した以上、大人しく隠れ家に帰ることだろう!!」
( ^ω^)「そうなんですかお?」
从 ゚∀从「まぁ、傾向としてはな」
从 ゚∀从「だがそれはそれとして、計画が成功してたらどうするんだっつー話だよ」
( ,,^Д^)「ムフフフ、さっき私は言わなかったかね?」
( ,,^Д^)「『仲間が張っている』……とね!!」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーー
【同時刻、とある邸宅前……】
( ´_ゝ`)コソコソ
(´<_` )コソコソ
( ´_ゝ`)「……なぁ弟者よ」
(´<_` )「なんだ兄者」
( ´_ゝ`)「今の俺らのような状況を、ジャパンではヌキアシサシアシというらしいぞ」
(´<_` )「そうか。ジャパンでは泥棒に入るのにも名前がつくのか」
( ´_ゝ`)「こっちでいうルパンみたいなものじゃないか」
(´<_` )「なるほど。ならば俺らはさしずめヌキアシとサシアシといったところか」
( ´_ゝ`)「流石だな俺たち」
(´<_` )「あぁ」
.
-
.
( ´_ゝ`)「しかしデカい屋敷だな。一体何坪あるのやら」
(´<_` )「俺らの隠れ家よりは広くないだろJK」
( ´_ゝ`)「そうだな。それで、どうやって厳重な警備を抜ける?」
(´<_` )「まず待て兄者、今日はここの主人が私用で出掛ける。話はそれからだ」
( ´_ゝ`)「うむ」
(´<_` )「出掛けるタイミングを見計らって警備システムを休眠させれば、後は楽勝だ」
( ´_ゝ`)「面倒なヒーローと警察どもは母者が引き付けてくれてるしな」
(´<_` )「まぁ、それに関してはいい加減独り立ちしたいところだが」
( ´_ゝ`)「あぁ。今日こそ母者に認められような」
.
-
.
<ブロロロロ……
( ´_ゝ`)「どうやら出掛けたようだな」
(´<_` )「あぁ。作戦決行の時間だな」
( ´_ゝ`)「まずは外部から警備システムをハッキングして全ての警報を遮断する」
(´<_` )「後に、邸内のロックを同じくシステムダウンさせて進入」
(´・_ゝ・`)「ふむ」
( ´_ゝ`)「中にいるガードはこの高出力スタンで気絶させる」
(´<_` )「母者なら腕力で圧倒できるだろうが、俺らは非力だからな」
(´・_ゝ・`)「なるほどなるほど」
( ´_ゝ`)「そしてお目当ての金を持ち出せばミッションクリアだ」
(´<_` )「簡単な仕事だな」
( ´_ゝ`)(´・_ゝ・`)「「「ハハハハハ!!!!!」」」(´<_` )
(;´_ゝ`)「「って、誰だお前ーーーーーーー!!!!!?????」」(´<_`;)
(´・_ゝ・`)「よっ」
.
-
.
(;´_ゝ`)「あっ、こいつビッグトレジャーんとこのヒーローだ!」
(´<_`;)「あの変態の仲間か!?」
(;´ー_ゝー`)「あの人を変態と呼ぶのは止めてくれないかな。こちらも否定が出来なくて心苦しい」
(;´_ゝ`)「なんでこんなところにヒーローが……!?」
(´・_ゝ・`)「もちろん、君たちを止めに来たんだ」
(´<_`;)「情報が漏れてたのか?クソッ!!」
(´・_ゝ・`)「ハハハ。漏れてたなんて大層なものじゃないよ」
(´・_ゝ・`)「サウスガットの動きは単純だから、予測して前以て動かせてもらっただけさ」
.
-
.
(;´_ゝ`)「ふん。たとえお前らに見透かされてようが、俺たちは俺たちの仕事をするだけさ」
(´<_`;)「邪魔するなら、いくらビッグトレジャーの仲間といえど容赦はしないぞ!」
(´・_ゝ・`)「止めときなよ。それに僕は君らを捕まえに来たわけじゃない」
( ´_ゝ`)「……は?」
(´<_` )「油断させるつもりか?」
(´・_ゝ・`)「本当だよ。逃げるなら逃げてくれて構わない」
(´・_ゝ・`)「むしろ逃げてくれた方が追わずに済むから楽でいいんだけど」
(;´_ゝ`)「えぇー何こいつ……」
(´<_`;)「逃げたら追ってこいよ」
(´・_ゝ・`)「その代わり、もしもこの屋敷の中の誰か一人でも傷つけたら、その時はお縄についてもらうよ?」
(´・_ゝ・`)「どんな手段を使っても、ね」
(;´_ゝ`)「……」
(´<_`;)「……」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ま、そうは言っても君らにだって面子はあるだろうし」
(´・_ゝ・`)「ここは少し、僕の話を聞いてくれないかな?」
(;´_ゝ`)「さっきからあんたが一方的に話してるだけじゃないか」
(´<_`;)「無視してこのまま押し入ってもいいんだぞ?」
(´・_ゝ・`)(それが出来ないのは君らが僕に呑まれてるせいなんだけど……まぁいいか)
(´・_ゝ・`)「この屋敷、ずいぶんと立派だよね」コンコン
(´<_`;)「それがどうした?」
(´・_ゝ・`)「この屋敷の持ち主について、僕たちヒーローも色々と調べてたんだ」
(´・_ゝ・`)「好色家でゲスな成金趣味の金貸し屋。それがこの屋敷の持ち主だね」
(´・_ゝ・`)「法外な金利で貧乏人から金を搾り取る鬼畜だそうだ」
.
-
見てるぞー支援
-
.
(;´_ゝ`)「それが何だって言うんだ?」
(´・_ゝ・`)「……サウスガットファミリーは、多分に義賊的な側面を持つヴィランだ」
(´・_ゝ・`)「だからこそ、市民の使う銀行は囮で、こっちが本命なんじゃないかって当たりがついた」
(´<_`;)「そうかい。勘のいいオッサンだな」
(´・_ゝ・`)「だが、もうしばらくしたら、ここには僕らヒーローの手入れが入るんだよ」
(;´_ゝ`)「なにィ!?」
(´・_ゝ・`)「ま、色々と黒い噂の絶えないお人だ。警察も手が出せないのは承知の上」
(´・_ゝ・`)「だから僕らが汚れ仕事は被ってあげましょうってこと」
(´・_ゝ・`)「ここまで言えば、なんで君たちを止めに来たか説明はいらないよね?」
(´<_`;)「……偽善者め」
(´・_ゝ・`)「はっはっは。コソ泥に非難される偽善者か、面白いね」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「まぁそういうことだから、今回は僕たちヒーローの顔を立てて、引き下がってはくれないか?」
(;´_ゝ`)「……話は分かった。だが俺たちも、悪名高いサウスガットの名を継いだ兄弟だ」
(´<_`;)「引けと言われてハイ、そうですかなんて応じる訳にはいかないんだよ」
(´・_ゝ・`)「頑固だねぇ。そんなに両親に認めてほしいかい?」
( ´_ゝ`)「あんたには分かんないだろ。母親が有名なだけで爪弾きにされる、俺たちヴィランの気持ちは」スス…
( ´_ゝ`)チラッ
(´<_` )コクッ
(´<_` )「俺たちにとって、普通であるってことは害悪以外の何物でもないんだ」スッ
(´・_ゝ・`)「フーッ……そうかい。じゃあ実力で止めるしかないってことだね?」
.
-
.
( ´_ゝ`)「止められるもんならやってみな!」スチャッ
(´<_` )「スタンの挟み撃ちだ!食らえ!」スチャッ
(´・_ゝ・`)「おっと、これは逃げられない」
パァンッ
(´ _ゝ `)「ぐっ……!!」
(;´_ゝ`)「やったか!?」ババババッ
(´<_`;)「怯むな兄者!電力使い尽くすまで打て!」バリバリィッ
:(´ _ゝ `):「ガッ……があっ……!!」ビクッ、ビクンッ
(;´_ゝ`)「……どうだ?」
(´<_`;)「死にゃしないが気絶はしてるんじゃね?」
(´・_ゝ・`)「うん、そうだね」ケロッ
(;´_ゝ`)「えぇ〜めっちゃ起きてるぅ〜!」
(´<_`;)「一つも効いた気配がないだと……」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ハハハ。スタン程度で倒せると思ってたなら、見くびられたもんだね」
(;´_ゝ`)「普通なら良くても悶絶して気絶だぞ……」
(´<_`;)「一体どんな体してるんだよ……」
(´・_ゝ・`)「どんな体?そうだね、こんな体かな」
っy=ー (´・_ゝ・`)チャキッ
(;´_ゝ`)「!!」
(´<_`;)「!?」
っy=ー (´ー_ゝー`): ∵∴ タァンッ
(;´_ゝ`)「は!?」
(´<_`;)「えぇ!?」
(´・_ゝ・`)「……ふうぅ〜」
(;´_ゝ`)「なんで生きてんだよ……」
(´<_`;)「化けもんだ……」
(´・_ゝ・`)「はは、この程度で死にはしないさ、この……」
(´・_ゝ・`)「『不死身のデミタス』はね」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「それとも、ナイフあるから首掻いてみる?ほら、ほらほらほら」
(;´_ゝ`)「やらんわ!悪趣味だな!」
(´<_`;)「えぇいもういい兄者!ここは一端引くぞ!」
(;´_ゝ`)「チクショウ!覚えてろよ!」
(´・_ゝ・`)「覚えてろよ、か。台詞まで三下とは恐れ入るね」
(´・_ゝ・`)「はははは……おー痛ぇ」
(;´ー_ゝー`)「痛みが消える訳じゃないから乗り気にならなくて良かった……」
(´・_ゝ・`)「さて……」
(´・_ゝ・`)っ白 スチャッ
Prrrr、Prrrr
.
-
.
Prrrr、Prrrr……
( ,,^Д^)「むっ」ピッ
『サー・トレジャー。サウスガットの排除終わりました。こちらの被害は皆無です』
( ,,^Д^)「そうか!!ご苦労!!」
( ,,^Д^)「だが、その被害には君も勘定に入っているのだろうね?」
『……失敬。正確には弾丸一発分の損失アリです』
( ,,^Д^)「自分の傷を損害に加えないのは立派だが、再生を脅しに使うのはそろそろ止めたまえよ?」
『……やはりあなたには何でもお見通しですね』
『すぐにそちらへ向かいます。あなたはどうかそのままで』
( ,,^Д^)「うむ。君も道中気をつけたまえ!!」ピッ
.
-
.
( ,,^Д^)「どうやらサウスガットの犯行は未然に防げたようだ!!」
从 ゚∀从「防げたようだ、じゃねーよ。本当だろうな?」
( ,,^Д^)=3「マッチョ!!嘘!!言わない!!」フンヌッ
(;^ω^)「なんて暑苦しい……」
从 ゚∀从「ケッ、バカバカしい。おらブーナー、さっさと帰んぞ」
( ,,^Д^)「忙しないな!!たまには私と語らってくれてもいいじゃあないか!!」
从 ゚∀从「死ね」
(;^ω^)「あ、でもジョーさんは待たなくていいんですかお?」
从 ゚∀从「あー……歩いて帰ってくんだろ、多分」
(;^ω^)(えぇ〜〜〜……扱いが雑ゥッ)
.
-
.
从 ゚∀从「おっと、忘れるとこだったぜ」
( ,,^Д^)「ん?」
从 ゚∀从「ブーナー、こいつに手錠(ワッパ)かけて署まで連行しろ」
(;^ω^)「は!?何でですかお!?」
从 ゚∀从「わいせつ物陳列罪に決まってんだろーが……」
从 ゚∀从「フルチンで出歩いて見逃すほど俺は甘かねーぞ」
(;^ω^)「えぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜……」
( ,,^Д^)「ワハハハハ!!!致し方なし!!!」
……午後二時三十一分、スーパーヒーロービッグトレジャー、逮捕!!!
.
-
第一話終わり
-
【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
身長:250cm 体重:180kg
本名、年齢、国籍一切不詳。
常にフルチンで戦うナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
本名:アンドリュー=デミナンス
身長:179cm 体重:75kg
ビッグトレジャーの右腕。
通称「不死身のデミタス」
.
-
.
从 ゚∀从 ハイド=ハートマン署長
身長:175cm 体重:65kg
(いい意味で)クラウン・シティ中央警察署の名物警官。
_
( ゚∀゚) ジョージ=ハートマン警部
身長:174cm 体重:70kg
(悪い意味で)クラウン・シティ中央警察署の名物警官。
( ^ω^) ブーナー=ナイトホライゾン
( "ゞ) ポール=デルタニアン
£°ゞ°) ロミス=バタリオ
後に「特殊犯罪者対策課の三バカ」と呼ばれるトリオ。
爪゚ー゚)¥・∀・¥(゚A゚* )
平警官三人衆。恐らく今後の出番はない。
.
-
SOUTHGUT FAMILY
@@@
@#_、_@
( ノ`) OGRE
本名:ハハジャ=サウスガット
身長:200cm 体重:140kg
怪力と空気操作能力を持つ。
ビッグトレジャーをライバル視している。
( ´_ゝ`)(´<_` )THE TWINS
本名:アーニー=サウスガット、オットー=サウスガット
身長:172cm 体重:72kg
ヴィランよりはこそ泥に近い。
いつかハハジャに認めてもらうのが夢。
.
-
おつ!
なかなか面白かった!
-
.
▼・ェ・▼ DOGGY
本名:ドルチェ
チワワの一種。
トレジャーの愛犬……?
.
-
思ったよりオープンにやべえ変態だった
-
勢いで笑うわ
続きも楽しみにしてる
-
勢いが好き
-
シャドウラン思い出すなぁ
-
分かり易く王道で、新しい要素もすき、期待
-
これは期待せざるを得ない
-
ビッグトレジャーの逮捕歴やばそう
-
怪獣症候群の人?
-
.
(,,゚-゚)
やぁみんな!ボクの名前はギャシャール=ホプキンス。フリーのカメラマンだよ。
今日も今日とてスクープを追って、西へ東へ奔走中さ!
さてさて、そんなボクが今、何をしているかというと……。
(#`・ω・´)「ギャシャーーーーール!!!!!てめふざけんてのかコルァァァァァァ!!!!!」
(,,;゚-゚)「ふ、ふざけてなんかないですぅぅぅぅ!!ヒィィィィ!?」
三流ゴシップ誌の編集長に、めっちゃ絞られています。
.
-
.
(#`・ω・´)「ったくてめぇは何でいっつもそうなんだ!?」
(#`・ω・´)「読者は有名人のスキャンダラスな記事を求めてるんだよ!!」
(#`・ω・´)「だぁーーーれが俳優の立ちションベン撮ってこいっつったぁぁぁぁ!?」
(,,;゚-゚)「充分スキャンダラスじゃないですかぁ……」
(#`・ω・´)「おっめぇのスキャンダルは規模が小せぇんだよオルァ!!もっと不倫現場とかヤク打ってるとことか撮ってこいやコルァ!!」
(,,;゚-゚)「そんなぁ……そんなの撮れたらこんな弱小出版社じゃなくもっと大きいとこに持ってきますし」
(#`・ω・´)「あーーーーーーーーん!!!!!??????ぶっ殺すぞボケェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!」
(,,;゚-゚)「ひえぇぇ!!お許しをー!!」
(`・ω・´)「ったくぅ……あんまり人をカリカリさせんじゃねーよぉ。怒りのあまり射精しちまうだろーが」
(,,;゚-゚)「それは編集長の体がおかしいだけでは?」
.
-
.
(`・ω・´)「だいったいてめぇは何事においても小粒なんだよ!」
(`・ω・´)「被写体を地獄の淵まで追い詰める気概がねぇとスクープなんか撮れる訳ねーだろが!」
(,,;゚-゚)「そうは言いますけど……有名俳優にはすでにパパラッチがついてるし、若手の有望株は粗なんて見せません」
(`・ω・´)「ならなんで立ちションなんてレアな現場は押さえるんだよ!!頭狂ってんのか!?」
(,,;゚-゚)「自分でも分かんないですよ!!」
(`・ω・´)「あーもーいい、もー結構だ!今度使えない写真持ってきやがったら、お前のこと出禁にすっかんな!」
(,,;゚-゚)「そんなぁ……理不尽すぎる……」
.
-
.
(`・ω・´)「わぁーったらさっさと帰れ!!今回もお前の写真の採用はナシだ!!」
(,,;゚-゚)「あの、せめてワンカットだけでも使ってもらえませんか?最近写真使ってもらえなくて家賃払えなくて……」
(`・ω・´)「うちは慈善事業じゃねぇーの!!使って欲しいならそれなりのモン撮ってこい!!」
(,,;゚-゚)「はぁい……」ショボン
(`・ω・´)「……お、そーだ。おめーに一個挽回のチャンスやってもいいぞ」
(,,゚-゚)「は。なんですか?」
(`・ω・´)「ほれ」パサッ
(,,゚-゚)「……?」
『またもお手柄、ビッグトレジャー!謎のヒーローの素顔に迫る!?』
(,,゚-゚)「なんです、これ?」
.
-
.
(`・ω・´)「おめーも名前くらい聞いたことあんだろ。正体不明の正義の味方、ビッグトレジャー」
(`・ω・´)「今度三号連続でそいつの特集組む予定なんだが、写真がほっっっとんど出回ってねぇのよ」
(,,゚-゚)「そういえば、名前は有名なのに写真は全然見ないですね」
(`・ω・´)「あっても遠目から撮った、判別つかねぇようなのとかな」
(`・ω・´)「もしそいつの写真撮ってきたら、お前の言い値で買ってやらぁ」
(,,゚-゚)「本当ですか!?出版社傾くくらいの額でも!?」
(;`・ω・´)「節度は弁えろよ!?幾ら請求するつもりだアホ!!」
(`・ω・´)「あとそうだな。上手くいったらうちの正式なカメラマンとして雇ってやってもいいぞ!!」
(,,゚-゚)「やったぁ!約束ですよ!」
.
-
(`・ω・´)「よーしゃ!!そうと決まればさっさとクラウン・シティまで飛べ!!」
(,,゚-゚)「あのー、ところで取材費とかはどちら持ちで……?」
(`・ω・´)「自費に決まってんだろフリーの持ち込みに金出すかよ甘えんな」
(,,゚-゚)「ボク家賃も滞納する程度にはお金ないんですけど」
(`・ω・´)「ヒッチハイクって知ってる?」
(,,゚-゚)
(`・ω・´)
(,,゚-゚)「いってきます……」
(`・ω・´)「おう」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーーー
ー
(,,゚-゚)「誰か〜クラウンシティまで連れてって〜」
(,,゚-゚)「テイクミークラウンシティー……」
(,,゚-゚)「ヘーイ!そこのお兄さん、クラウンシティまでどーう?」
ブーン……
(,,゚-゚)「はぁ〜……全っ然ダメだ……」
(,,゚-゚)「なんで写真撮るためだけにこんな苦労してるんだろ」
(,,゚-゚)「大体この物騒なご時世にヒッチハイクなんて出来るかっての」
(,,゚-゚)「あのハゲ絶対に殺す……髪の毛無惨にむしり殺す……」
(,,゚-゚)「……くじけてる場合じゃないや。このまんまじゃバーガー屋のバイトで一生終わっちゃう」
(,,゚-゚)「誰かー!誰でもいいから親切な人クラウンシティまで乗せてってー!」
.
-
.
(,,゚-゚)「はぁーもうだめだー……危ないけど歩いて行こっかなぁ。どうせ向こうでも泊まるとこないし……」
(,,;゚-゚)「てゆーかそうだよ!一日で終わらなかったら宿泊先も決めなきゃいけないじゃん!」
(,,゚-゚)「どうしよ……橋の下で寝る?それとも警察に厄介になる?」
(,,゚-゚)「あぁ〜〜もう〜〜問題山積みなのに勢いで飛び出してきたボクのバカぁぁぁー……」
<プップー
(,,゚-゚)「……へ?」
('、`*川「ハァーイ。ちょっとそこのあなた」ウィーン
(,,;゚-゚)「にゃ!?な、なんでしょうか!!通行の妨げになってましたか!?」
('、`*川「そうじゃないけど……あなた、バックパッカー?」
(,,゚-゚)「いえ、ええとまぁ……似たようなものですが」
('、`*川「そう。じゃ、良かったら乗ってく?私もクラウンシティまで行くんだけど」
(,,*゚-゚)「本当ですかぁぁぁぁぁ!?やった奇跡が起こった!!わぁーい!!」
(,,゚-゚)「ありがたくお言葉に甘えますッ!!」
.
-
.
('、`*川「後部座席でも助手席でも、好きな方選んで乗っていいわよ?」
(,,゚-゚)「いえっ!私なんてトランクで充分ですから!荷物と同じで構わないですから!」
('、`*川「ふふふ……面白いわねあなた。でもトランクだと私も不便しちゃうわね」
('、`*川「遠慮なんかいらないから、好きなとこ乗りなさいな」
('、`*川「その代わり、道中退屈してたとこだから話相手になってくれると嬉しいな」
(,,゚-゚)「ありがとうございます!……というか、今気づいたけど凄い車ですね?」
('、`*川「そーう?」
(,,゚-゚)「なんかこう、いかにもセレブが乗る車というか……」
('、`*川「ただのロールスよ。安物安物」
(,,゚-゚)「へぇー、ロールスかぁ(よく分かんないけど車の車種かな?)」
.
-
.
ブロロロ……
(,,゚-゚)「うっわヤッバ座席がうちのソファより柔らかい……超フカフカ」
('、`*川「ふふふ」
(,,゚-゚)「ロールスって凄いんですねぇ……ボク、感動しました」
('、`*川「そんなに感動したなら、あなたもいつか買いなさいな」
(,,゚-゚)「欲しいけど中古で売ってるかなぁ……こんなフカフカ車、新車じゃ買えないし」
('、`*川「あははっ。ロールスを中古でねぇ!やっぱりあなた面白いわ」
(,,゚-゚)「そ、そうですかね……えへへ」
('、`*川「あなた、名前教えてもらってもいい?なんだかお近づきになりたくなっちゃった」
.
-
.
(,,゚-゚)「あ、名乗り遅れました。ボクはギャシャール=ホプキンスって言います」
('、`*川「へぇー、ギャシャールちゃん。名前まで面白いわねぇ」
(,,゚-゚)「えへっ……あの、お姉さんの名前も教えてもらえませんか?」
('、`*川「んー?私?」
('、`*川「私はペニーナ、ペニーナ=カートレンよ」
(,,゚-゚)「ペニーナ……?どっかで聞いたことあるような気がする」
('、`*川「あら、それは光栄ね」
(,,゚-゚)「もしかしてペニーナさん、女優さんとか?こんな凄い車乗ってるし」
('、`*川「女優かー。嬉しい勘違いだけど違うわね」
('、`*川「私はただのしがない女社長よ。多分私の名前も、会社名で聞いたことあるんじゃなーい?」
('、`*川「はいこれ、名刺」
【ペニーナ・エレクトロニクス代表取締役 ペニーナ=カートレン】
.
-
.
(,,;゚-゚)「ペニーナ・エレクトロニクス!?」
('、`*川「そうよー。ご存知かしら?」
(,,;゚-゚)「ペニーナ・エレクトロニクスって言ったら、私でも知ってる電子事業のホープじゃないですか!」
('、`*川「ふふふ、そうね。テレビCMもやってるから有名っちゃ有名よね」
(,,゚-゚)「あ、うち電気止まってるんでCMは見たことないですけど」
('、`;川「そ、そう……苦労してるのねあなた」
(,,;゚-゚)「でもヤバい……凄い有名人と知り合いになってしまった……」
('、`*川「そんなに固くならなくていいのよ?友達になりましょうよ」
(,,゚-゚)(うわぁなんか凄いコネ出来ちゃったかも……)
.
-
.
('、`*川「ところであなた、どうしてクラウンシティへ?」
('、`*川「見たとこ観光って訳でもなさそうだし、お仕事かしら?」
(,,゚-゚)「まぁ仕事といえば仕事ですけど……」
('、`*川「どんなお仕事?」
(,,゚-゚)「ボク、フリーのカメラマンしてるんですけど、編集長からあのビッグトレジャーの写真を撮ってこいって言われて」
('、`*川「へぇー……なーるほど」
(,,゚-゚)「あぁでもよく考えたらボクビッグトレジャーを探す当てもないんだよなぁ……」
(,,゚-゚)「顔も分からない有名人を探すってどうすればいいんだろう」
('、`*川「簡単よー。あの街では騒ぎが起こった場所に必ず奴は現れるもの」
(,,゚-゚)「そうなんですか?詳しいんですねぇペニーナさん」
('、`*川「そりゃ元はあの街に住んでたしね」
.
-
.
('、`*川「何なら私よりビッグトレジャーに詳しい人、紹介してあげてもいいわよ?」
(,,゚-゚)「えぇぇ本当ですか!?何それ超ご都合主義!!」
(,,゚-゚)「ああでも今日出会ったばかりの人にそこまで甘えていいのかな……」
('、`*川「あら、気にしないで?こんなの何の手間でもありゃしないし」
(,,゚-゚)「じゃー、お願いしてもいいですか……?」
('、`*川「決まりね」
('、`*川っ白ピッ
('、`*川「もしもぉ〜し、アンディー?あなたの大事なペニスちゃんですよぉ?」
('、`*川「あははっ、怒った怒った。あなた潔癖なのはまだ治ってなかったのねー」
('、`*川「んー?用事?特に用事ってほどでもないけど。実はあなたに紹介したい人がいるの」
('、`*川「やぁねぇ、私のお仕事とは無関係よぉ!どっちかっていうとあなたのお仕事絡みかしら」
('、`*川「ふふ……警戒しなくても、私があなたに損をさせたことがこれまであった?」
('、`*川「じゃ、一時にいつもの場所でねー」ピッ
.
-
.
('、`*川「オーケー、アポは取ったわ。あとは大船に乗ったつもりでいなさいな」
(,,゚-゚)「やったぁ!ペニーナさんありがとう!」
('、`*川「うふふ。お礼は全部終わった後でいいわよ?どうせ一筋縄ではいかないでしょうから」
(,,゚-゚)「へ?」
('、`*川「なんせ、『あの』ビッグトレジャーの写真を撮るっていうんだからねぇ」
('、`*川「成功したらあなた引く手あまたよー、ふふふ」
(,,゚-゚)「え、あの、それどういう意味で……」
('、`*川「さ、一時までに時間がないわ。少し飛ばしましょうか?」ガコンッ
(,,゚-゚)「ふえっ……!?」
ギュオォォォォォォ!!!
(,,;゚-゚)「ぎにゃあぁぁぁぁぁ法定速度は守ってぇぇぇぇぇぇ!!!!」
('、`*川「気にしない気にしなーい」
.
-
.
<キキィーッ
('、`*川「さ、ついたわよ。ここが待ち合わせ場所ね」
(,,;゚-゚)「うえぇ……ペニーナさんスピードは抑えてくださいよぉ……」
('、`*川「ごめんねぇ、お詫びに好きなもの奢ってあげるから」
(,,゚-゚)「ホントですか!?わぁいやったぁ!!さすが社長太っ腹!!」ケロッ
('、`*川「現金ねぇー、全く。ふふふ」
('、`*川「けど、時間に厳格なあいつが私たちを待たせるかしらね?」
(,,゚-゚)「あの、さっきの電話の相手ですか?」
('、`*川「そーそ。とにかく時間にうるさい奴だからさ」
ガチャッ
(´・_ゝ・`)「……よう」
('、`*川「ほぉら。先回りして私たちを待ちかまえてたわよぉ?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「人聞きの悪いことを言うな。呼び出したのはお前だろ?」
('、`*川「やっほぉー、アンディー。お・ひ・さ」
(´・_ゝ・`)「確かに久しぶりだ。出来れば、二度と顔合わせしたくなかったがね」
('、`*川「やけに冷たいわねぇ。他の女でも出来た?」
(´・_ゝ・`)「生憎と、未だに君との悪縁以外は結べていないよ」
('、`*川「そーう。良かった、ふふふ」
(´・_ゝ・`)「君こそ、電話があったときはついに所帯でも持ったかと思ったが?」
('、`*川「冗談はよしてよ。私は誰の所有物にもなるつもりはないわ。今までもそしてこれからもね?」
(,,゚-゚)(なんだろ、すごいアダルティな雰囲気を感じる……)
(´・_ゝ・`)「それで?今日のご用件はそちらの青年かい?」
(,,;゚-゚)「ひゃっ、ひゃい!?」
('、`*川「そーそ。この子があなたに用があるんですってよ」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「初めまして、僕はアンドリュー=デミナンスだ。よろしく」
(,,;゚-゚)「え、えーと……ボクはギャシャール=ホプキンスです」
(´・_ゝ・`)「見たところ、ペニーと同業種の人間じゃなさそうだが」
(´・_ゝ・`)「君は彼女とはどういった関係だい?」
(,,;゚-゚)「関係、ですか?あの社長さんはヒッチハイクしてた私をここまで乗せてきてくれて……」
(´・_ゝ・`)「ふむ。社長さんねぇ……」チラッ
('、`*川「本当よぉ。助けたのにも他意はない、ただの暇潰しだから」
(,,;゚-゚)(うえ……暇潰しかぁ……ちょっとショック)
(´・_ゝ・`)「なるほどね。気まぐれな君らしい」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「しかし、まさかただの善行自慢のために僕を呼んだ訳じゃあるまい」
(´・_ゝ・`)「今回の君の目的はなんだ?嘘はつかない方が、身のためだぞ?」
('、`*川「ふふふ。それはその子に聞いてみれば?」
(,,;゚-゚)「えっ?ボクですか?」
(,,;゚-゚)「ボクはただビッグトレジャーの写真が撮りたいって言っただけなんです、けど……」
(´・_ゝ・`)「それは趣味で?それとも写真を撮ってどこかに売る?」
(,,;゚-゚)「こ、後者です……」
(´ー_ゝー`)「なるほどね、そういうことか」
('、`*川「ねー。あんたなら写真くらいどうとでも出来るんじゃない?」
(´・_ゝ・`)「残念だがそればかりはどうにも致しかねるな」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ギャシャール君。私はビッグトレジャーの友人のような立場の人間だが、君の要望には応えられないんだ」
(,,;゚-゚)「えぇ〜〜……写真撮らなきゃ飢えて死ぬのに?」
(;´・_ゝ・`)「それはまた別の問題じゃないか?」
(´・_ゝ・`)「そもそも、ビッグトレジャーの姿には報道規制がかけられているんだ」
(´・_ゝ・`)「誰であろうとも、彼の肖像を残すことは許されていない」
(,,;゚-゚)「えぇっ!?そうなんですか!?」
(´・_ゝ・`)「あぁ。そのことはそっちの彼女も知ってたと思うが」
(,,゚-゚)「知ってたんですか?」
('、`*川「えぇ、もちろん。この街に住む人間の間では有名な話よ」
(,,;゚-゚)「だったら最初に教えてくださいよー!最初から詰んでるんじゃないですかぁ!」
('、`*川「ごめんねぇ。そこの彼ならなんとかするかなって思ったから」
(´・_ゝ・`)「買い被りは困るね、ペニー女史」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「それでなくても、彼には敵が多い。危険因子はなるべく減らしておくに限る」
(´・_ゝ・`)「まぁそういう訳で、ギャシャール君には悪いが諦めてもらう他ないな」
(,,゚-゚)「そんな!私の生死がかかってるのに、簡単に諦めなんてつきません!」
(´・_ゝ・`)「やれやれ……生活苦ならお金貸すけど?」
(,,゚-゚)「じゃあ帰ります!お金貸してください!」
('、`;川「えらく簡単に諦めついたわね……」
(´・_ゝ・`)「みんながみんな君みたいに分かりやすい子ばっかりだといいんだがねぇ……」
Prrr、Prrr……
(´・_ゝ・`)「ん。失敬、電話のようだ」ピッ
『もしもーし、デミパパー?』
『ファイリアストリートの大通りで、ヴィラン発生の連絡があったですよー』
『ビッグトレジャーも出動するからすぐに応援に駆けつけるですー』
(´・_ゝ・`)「ファイリアか、近いな。分かったすぐ行く」ピッ
.
-
.
(´・_ゝ・`)「すまない、ギャシャール君。ちょっと野暮用が入ったから金は貸せなくなった」
(,,;゚-゚)「えぇー!ちょっと約束が違う!」
(´・_ゝ・`)「悪いね。また縁があったら会おう」
(,,;゚-゚)「ちょっとぉー!!これでダメならボク本当に死んじゃうんですよー!?」
('、`*川「行っちゃったわねぇ、あの薄情サン」
(,,;゚-゚)「あぁ〜もぉどうしよー、こうなったらペニーナ社長に媚売ってお金借りるしか……」
('、`;川「媚売らなくてもいいわよ」
(,,゚-゚)「本当ですか!じゃあお金貸してくれます?」
('、`*川「ふふ、それもいいけど……あの彼の跡を追えば、もーっと面白いかもよ?」
(,,゚-゚)「えっ?」
.
-
.
('、`*川「あの慌てようからして、多分どこかでヴィランが発生してその駆除に向かったわね」
(,,゚-゚)「えぇー、よく分かりましたね?」
('、`*川「長い付き合いだからね……そして、彼の行く場所には高確率でビッグトレジャーも出動する」
('、`*川「そうすれば、隠れて写真を撮るくらい出来ると思わない?」
(,,゚-゚)「なるほど!さすが社長頭いい!」
('、`*川「ふふ。あなたさえ良ければあいつの跡を追ってあげてもよくてよ?」
(,,゚-゚)「はいっ!ぜひお願いします!」
(,,゚-゚)「よぉーし一攫千金狙ってやるぞォー!!」
('、`*川「ふふふ……」クスクス
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
【ファイリアストリート大通り……】
わいのわいのガヤガヤ……
(;^ω^)「市民のみなさーん、危ないから下がってくださいおー」
(;"ゞ)「危険ですので近づかないでください。写真も撮らないで!座り込みもダメですよ!」
(´・_ゝ・`)「ポールさん!」
( "ゞ)「おぉ、デミタスさん!」
(´・_ゝ・`)「どうも、ご無沙汰してます」
( ^ω^)「デルタさん。そちらの方はどなたですかお」
( "ゞ)「あぁ、そうか。ブーンは初対面だな」
( "ゞ)「こちらはヒーローを束ねる組織のNo.2、通称『カフェオレ・デミタス』さんだ」
(;^ω^)(カフェオレ……)
(´・_ゝ・`)「どうも。あなたは新人さん?」
( ^ω^)「あ、はいですお!先日付けでクラウンシティ署に配属になった、ブーナーですお!」
(´・_ゝ・`)「そうですか。これから長い付き合いになると思うので、お見知りおきを」
.
-
ビッグ25
(´・_ゝ・`)「それで、現状は?」
( "ゞ)「それが、にっちもさっちもいかなくて……」
(;^ω^)「とにかく見てほしいですお!」
(´・_ゝ・`)「どれ……?」
(;´・_ゝ・`)「な、なんだありゃあ!?」
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
ズッラアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!
(;´・_ゝ・`)「気持ち悪っ!!」
(;´・_ゝ・`)「一体、何があったんです?」
( "ゞ)「それが、どうやら奴は『分裂』の能力を持つヴィランのようでして」
( ^ω^)「さっきから際限なく数が増え続けてるんですお!」
(;´・_ゝ・`)「何ぃ……?」
.
-
.
( "ゞ)「最初にあったのは、薬物中毒者らしき人間がフラフラしているという通報だったんです」
( ^ω^)「それが、市民の皆さんが見ている前で突然二つに分裂したらしくて」
( "ゞ)「それが次々と止まらずに増えるから、ついにはご覧の通り道を埋め尽くす有り様で……」
(;^ω^)「通行人も害がないと思って好き放題するから、もうたまったもんじゃないんですお!」
(´・_ゝ・`)「なるほど。しかし何のためにこんなことを?」
( "ゞ)「恐らく、目的意識はないのだと思われます」
( "ゞ)「被疑者の名前はワコード=アイノー。元は能力を悪用して薬物のバイヤーをしていた男です」
( "ゞ)「我々の署の麻取(※麻薬取締官)も追っていた男なんですが、どうやら商売品に手をつけてしまったようですね」
(;´・_ゝ・`)「錯乱して能力の制御が効かなくなったのか……こりゃあ厄介な相手だ」
.
-
.
( <◯><◯>)「アヒ……アヒャヒ……」
( <◯><◯>)「アヒャアーーーーーーーーー!!!!!!!」
( <◯><◯>三<●><●>) ズニュニュゥー
(;^ω^)「うわまた分裂した気持ち悪ッ!!」
(;´・_ゝ・`)「こりゃ放置してたら街を埋め尽くしかねないな……」
(´・_ゝ・`)「この手の能力は本体を叩けば止まるのが道理だが」
( "ゞ)「どれが本体なんでしょう……?」
( ^ω^)「麻薬でラリパッパしてるのだとは思いますけど……」
(´・_ゝ・`)「これだけ数がいると手当たり次第だな」
(´・_ゝ・`)「とにかく、やってみます」
( "ゞ)「ブーン、私たちも行くぞ!」
( ^ω^)「了解ですお!」
.
-
.
( <●><●>)ウゾウゾ( <●><●>)モゾモゾ( <●><●>)キャッキャッ
(;´・_ゝ・`)「間近で見るとなおのこと気持ち悪いな……」
( "ゞ)「分裂体に自我はないんですかね」
(;^ω^)「なんかこのうぞうぞ感が虫みたいでキメェですお」
(´・_ゝ・`)「とりあえず力押しでどかしてみるか?」
(´・_ゝ・`)っ( <●><●>) ヌチャッ
(;´・_ゝ・`)「うわっ!?」
( "ゞ)「どうしました?」
(;´・_ゝ・`)「この分裂体……すごく、ヌルヌルしてる……」
(;"ゞ)「うわあ……」
(;^ω^)「僕もうそれだけで触れないですお」
(;"ゞ)「潔癖症か!しっかりしろ!」
(;´・_ゝ・`)「なんてこった。こりゃ厄介なんて言葉じゃ済まされないかもしれんぞ?」
.
-
続き来てるじゃねーか見てるぞ支援
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーー
('、`*川「ついたわよー、ギャシャールちゃん」
(,,゚-゚)「はい!ありがとうございます」
('、`*川「さぁて、アンディーお兄さんはどこで何してるのかしらね?」キョロキョロ
(;´・_ゝ・`)「デルタさん!そっち持って!もっと強く!」
(;"ゞ)「そんなこと言われてもヌルヌルしてるから力入らないですよ!」
(;^ω^)「あああああコックローチ触ってるみたいで凄く嫌あああああ!!!!」
(;´・_ゝ・`)「うわ手が滑った!」
( <●><●>)キシャー
(;"ゞ)「一匹こっちに来たぞ!」
(;^ω^)「もおぉぉぉぉやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
(,,;゚-゚)「うっわー何あれ……気色悪い」
('、`;川「ジャパンの伝統うなぎの掴み取りでもしてるのかしら?」
(,,゚-゚)「とりあえず面白いから写真撮っとこ」カシャーカシャー
('、`*川「あなたもそこそこ逞しいわね」
.
-
.
('、`*川「ふーん……でもま、何となく状況は把握できたかしら」
('、`*川「あの瞳孔ガン開きおじさんの数を減らそうとしてるとこみたい」
(,,*゚-゚)「すっごぉーい……こんなことが日常で起こるんだ……」
('、`*川「さぁ、お手並み拝見といこうかしらね、アンディー?」
(;´・_ゝ・`)「クソッ……」ハァ、ハァ
(;"ゞ)「まさか人間大のヌルヌルした物体を除去するのが、こんなにも困難だとは」ハァ、ハァ
(;^ω^)「いっそのこと消防局と連携して高圧放水でも仕掛けますかお?」ハァ、ハァ
(;´・_ゝ・`)「いや。もしもこのヌルヌルが水溶性だったら、なおさら路面が荒れて除去が難しくなる」
(;"ゞ)「ですね……やはり人力ですか」
(;^ω^)「何時間かかるんですかお……その間に本体が逃げちゃいますお」
(;´・_ゝ・`)「逃げたら逃げたでそこを確保できるが、このまま居座られるのが一番面倒だな」
(;´・_ゝ・`)「クソ……何か有効な手立てはないのか?」
『諦めるんじゃあない!!!デミタスよ!!!』
(´・_ゝ・`)「……!!」
(;^ω^)「こ、この声は!!」
.
-
_ ,...._
∧_∧/''"´,.-'´ \
(^Д^ ,,)r‐'´、. )、
/`ニニ ´,\ -‐‐ 、.,.. 、 / ヽ.
__/, ‐'ー-γ { リ ヽ. ',
/ ゙ ヽ 入 '.,}' ヽ ',
/ ヽ‐ャー''´ ゝ.r ´`ヽヽ
i,. -''ヽ.__,...___,ノ'")r‐' ー、 / , '/´フ.,'′
/ ,/'" ヘ ハ々 ,-'" ヽ._,.. -< { / ' /
/ ,ノ' リー 、._ヘ、 ,.. '" ', ___/ ,ノ′
人 _,./'´,' / `{ ⌒ーァ-‐-y'´ /{
/´ノー7/,ノ‐'´ )ヽ、 }'' ,//´',
ノ′,'´ )r'/ /,' ハ、ヽ_,. ノ,/ ,' i
,/´ ノ'"/ / ,' { ヘ  ̄ Y : .i
/ >、.. -‐'' ´ /′ ノ} ,' : ヽ● ! {
_ノ ,..-イ / , ' ノ ,' / v }イ i { i
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{゙{. ( ヽ) i ,' i ノ / ', リ ヽ、 ,' |
` `′ レ ノ〃,/ i i ∨ ,!
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-
.
( ,,^Д^)「股間に黒丸!!!背に覚悟!!!」
( ,,^Д^)「ビィーーーーーーーーーーーッグ!!!!!トレジャーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
(;^ω^)「で、出たーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
(,,;゚-゚)「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???」
('、`*川「あら、相変わらずご立派ね」
(,,;゚-゚)「なんっ、なんっ、なんですかアレ!!??」
('、`*川「あれが噂のビッグトレジャーよ」
(,,;゚-゚)「あれが!?思ってたのと違う!!」
.
-
.
(,,;゚-゚)「ヒーローってもっとこう、ビッとして格好いいものじゃないんですか!?」
(,,;゚-゚)「あんなちんちん丸出しのじゃなくて!!!あんなちんちん丸出しのじゃなくて!!!」
('、`;川「ショックだから二回言ったのね。気持ちは分かるわ」
('、`*川「そうねぇ。でもこの街では、アレが本物のヒーローなのよ」
(,,;゚-゚)「えぇ〜〜〜……」
('、`*川「ま、見てなさい。そのうち認識変わるから」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。お疲れ様です」
( ,,^Д^)「ウム!!!状況の説明を頼む!!!」
(´・_ゝ・`)「はい。ヴィランの名はワコード、麻薬中毒で前後の判断が消失しています」
(´・_ゝ・`)「能力は分裂。そして分裂体は摩擦を軽減する粘液に覆われています」
( ,,^Д^)「なるほどな!!!本来は逃走幇助用の能力といったところか!!!」
( "ゞ)「今のところ市民に害は出ていませんが、車の交通に難が出つつあります」
(;^ω^)「ビッグ・トレジャーさん!ご助力願いますお!」
( ,,^Д^)「無論!!!委細承知した!!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「しかし、我々もどう対処したものか困惑しきりなんです」
(´・_ゝ・`)「粘膜が邪魔で前へ進むのもままならず、本体を叩こうにも分裂体にまぎれてどこにいるのか……」
( ,,^Д^)「フム!!!」
( ,,^Д^)+ ギュピィーーーーーーンッ
( <◯><◯>)「アヒ……アヒヒ……」
( ,,^Д^)「発見したぞ!!!分裂体群中央やや右寄り、約50mの距離に他と表情の違う一体在り!!!」
(;^ω^)「見えたんですかお!?」
( ,,^Д^)「マッスル・アイに見抜けぬもの無し!!!」
(;"ゞ)「す、凄い……」
.
-
.
( ,,^Д^)「そうと分かれば、この分裂体を蹴散らし本体を暴くのみ!!!」
( ,,^Д^)「私が先行して粘液を散らす!!!君たちは分裂体の破壊と本体の確保に臨んでくれ!!!」
( ,,#^Д^)「行くぞ!!!ヴィランよ!!!」ヌルゥンッ
( <●><●>)ギーギー
( ,,#^Д^)「ハハハハ!!!この程度のヌルヌル何するものぞ!!!」ドゴォッ!!
(;<●><●>)ギャアー
( ,,#^Д^)「私の鉄拳を!!!ぬめりで止められると思うてか!!!」ドゴォッ!!
( <●>< ;;.. ジュワッ
(´・_ゝ・`)「一定のダメージを与えれば分裂体は消えるのか!」
(;"ゞ)「この足場の悪さじゃ、ビッグトレジャーさんにしか出来ませんけどね」
( ^ω^)「でもトレジャーさんのおかげでヌルヌルもだいぶ飛んでってますお!」
(´・_ゝ・`)「よし。本体の確保に向かいましょう!」
.
-
.
<ハーハハハ!!!まだだ、まだ私は止まらんぞぉ!!!
<ドゴォッ!!!メキィッ!!!グシャアッ!!!
<ヌルルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!
<ボロンブルンッ!!!ボロンブルンッ!!!
(,,;゚-゚)「うわぁ……本当に素っ裸で戦ってる……うわぁ……」
('、`*川「あなた、写真撮らなくていいの?」
(,,;゚-゚)「ハッ!そうだった、あまりのことに忘れてた!」カシャーカシャー
('、`*川「ふふふ。でもそりゃ気も逸れるわよね、アレじゃあ」
(,,゚-゚)「……あの、ペニーナさん。一つ聞いてもいいですか?」
('、`*川「なぁに?」
(,,゚-゚)「まさかとは思いますけど、ビッグトレジャーさんに報道規制がかかってる理由って」
(,,゚-゚)「裸で戦うのを見せられないから……とかですか?」
('、`*川「そうよ」
(,,;゚-゚)「えええええええ…………」
.
-
.
('、`*川「確か、市の条例で決まったのよねぇ」
('、`*川「『教育上・倫理観点上の問題から、ビッグ・トレジャーの肖像の使用を禁止する』って」
(,,;゚-゚)「えぇぇぇ……もっと防犯上の観点とかそういう理由だと思ってたのに……」
('、`*川「まぁ、世界でも類を見ないと思うわよ。裸を理由に報道されないヒーローっていうのも」
(,,;゚-゚)「なんで許されてるんでしょう……」
('、`*川「それ相応に強いし成果は出してるからねぇ」
('、`*川「けど、今回はちょっぴり旗色悪いかしら?」
(,,゚-゚)「えっ」
('、`*川「見てごらんなさい」
.
-
.
( ,,^Д^)「ワーハハハハハハ!!!!!」ズドドドドド
(´・_ゝ・`)「徐々に分裂体の数は減ってきてるな」
( ^ω^)「これなら、本体の確保も時間の問題ですお!!」
( "ゞ)「あぁ、いけるぞ!」
(#<◯><◯>)「ギギギギ……!!」
(#<◯><◯>)「クケェェェェェァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
( <●><●>三#<◯><◯>三 <●><●>)ズリュウゥッ
(;´・_ゝ・`)「何ッ!?」
(;^ω^)「また増えた!?」
(;"ゞ)「なんだって……!?」
( ,,^Д^)「案ずるなァ!!!敵が増えるなら手数で勝るのみ!!!」
( ,,#^Д^)「オォォォォォォォォォアァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」
ズドドドドドドドドドドッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
(#<◯><◯>)「キアアアアアアアアアア!!!!!」
( <●><●>三#<◯><◯>三<●><●>)ニュルンッ
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「おいおい……サー・トレジャーの手数より分裂の方が早くないか?」
(;"ゞ)「分裂体を殺されて怒ったんでしょうか」
(;^ω^)「これじゃどれだけ倒しても一進一退ですお!」
( ,,^Д^)「ヌウゥン!!!敵ながら天晴れなり!!!」ドドドドド!!!
(#<◯><◯>)「クケェ!!クケェ!!」ニュルニュル
('、`*川「うーん、どうにも形勢不利ってとこかしら」
(,,;゚-゚)「ふえぇ……よく分かんないけどそれじゃダメじゃないですかぁ」
('、`*川「相性が悪いわねぇ。一気に広域を叩き潰せる能力者がいればいいんだけど」
('、`*川「あの変態脳筋も周りの被害を気遣って本気出してないし……」
('、`*川「……ちょっとだけ加勢してあげるか」ボソッ
(,,゚-゚)「……?」
.
-
.
('、`*川「ギャシャールちゃん」
(,,;゚-゚)「は、はい?」
('、`*川「んーと、そうねぇ。あそこにあるビルの、コークの看板見える?」
(,,゚-゚)「えぇ……」
('、`*川「今から三十分間、あの看板から絶対目を離さないように」
('、`*川「そしたらきっと面白い写真が撮れるわよ?」
(,,;゚-゚)「えっ、それどういうこと……?」
('、`*川「さぁ?けど、どうしてもスクープが撮りたいなら、試してみなさいな」タタッ
(,,;゚-゚)「あっ。ちょ、ちょっとペニーナさん!!どこ行くんですかー!?」
.
-
.
〜三十分後〜
( ,,^Д^)「フンッ!!!フンハッ!!!フンハッフンッ!!!」ドギャァァァン!!
( <●><●>)チィ、チィ
( <●><●>)ピキキキ
( <●><●>)ギェピー
(;´・_ゝ・`)「全然減らんな……」ハーハー
(;"ゞ)「これじゃこっちの体力が尽きるのが先ですね……」ゼーゼー
(;^ω^)「弱音吐いちゃいけませんお!トレジャーさんだって頑張ってますお!」
(;"ゞ)「あれはあれで規格外すぎて参考にはならないが」
(;´・_ゝ・`)「でも、そうですね……こんなとこで立ち止まっちゃいられない」
Prrr、Prrr……
(;´・_ゝ・`)「……誰だこんなときに!!」
【着信:ペニーナ】
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「ちょっと失礼……」ササッ
(;´・_ゝ・`)「なんだペニー、今取り込んでるのは見れば分かるだろ!?」
『ハーイ、アンディー。そんな冷たくしないでよ』
『せっかく今からヴィラン倒すの手伝ってあげようとしてるのに』
(´・_ゝ・`)「……なに?」
『先に警官逃がしときなさい。あんたらは巻き込まれても死なないけど、そっちの二人はヘタ打ったら死ぬわよ?』
(´・_ゝ・`)「どういうことだ。何をする気だ?」
『んふふ。一つだけ言えるのは、頭上注意ってことかしらね?』
(;´・_ゝ・`)「……!!」
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「ポールさん!ブーナーさん!今すぐそこから離れて!」
(;"ゞ)「はい!?」
(;^ω^)「なんでですかお!?」
(;´・_ゝ・`)「そこは危ない!早く逃げ……」
その時!!!
( ,,^Д^)「ムッ!!」
そこにいた全員が目撃した!!!
( <◯><◯>)「ギッ!?」
頭上高くそびえ立つビルの看板が、彼ら目掛けて落ちてくるところを!!!
(;´・_ゝ・`)(;"ゞ)(;^ω^)「「「ウッソォォォォォォォ!!!!!!??????」」」
(;<◯><◯>)「ギギギィッ!!?」
.
-
.
(;"ゞ)「うおおおおおおおおおおおお!!!!????」
(;^ω^)「ぎゃああああああああ!!!!????」
(;´・_ゝ・`)「逃げろおおおおおおお!!!!!!!!」
ズドドドドドドドドドドドォォォォォォォンンンンン………!!!!!!!!
(;<◯><◯>)「ギッ……ギピィィィィィィィィィ!!!!????」
(,,;゚-゚)「……」カシャーカシャーカシャーッ!!
(,,;゚-゚)「な……何これ……」
(,,;゚-゚)「もしかしなくてもこれ全部、ペニーナさんがやったの……?」
.
-
.
(;<●><●>)「ギッ……ギィィィ……」ゼハッ、ゼハッ
( ,,^Д^)「なるほどな……!!!」ヌンッ
(;<●><●>)「ひっ!?」
( ,,^Д^)「その反応。どうやら薬物の効果が切れたようだな?」
( ,,^Д^)「数多の分裂体を犠牲にして生き残ったお前が本体という訳だ」ガシィッ
(;<●><●>)「あ……あうっ……!」
( ,,#^Д^)「だが!!!クスリという卑劣な手段を用いたヴィランに容赦はせん!!!」
( ,,#^Д^)「食らえィッ!!!マッスル・インパクトォォォッッッ!!!」
説明しよう!!!マッスル・インパクトとは、ビッグ・トレジャーの剛腕による平手打ちである!!!
ドッッッパァァァァァァァァァァァァァァァンッッッッッッッ!!!!!
(;<◯><◯>)「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
哀れワコード!!!彼はクラウン・シティの星と消え去った!!!
.
-
.
(;"ゞ)「うわぁ、いつもながら凄い……」
(;^ω^)「人間ってあんな風に回転しながら飛ぶんですおね……」
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!あまり遠くに飛ばすと確保が困難になります!」
( ,,^Д^)「む、それもそうか!!!すまない!!!」
( ,,^Д^)「君たちも、大丈夫だったかね!!!」
(;´・_ゝ・`)「えぇ、何とか……」
(;"ゞ)「かろうじて生きてはいます」
(;^ω^)「生きた心地はしなかったですけどお」
( ,,^Д^)「うむ!!!ならば良し!!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。僕は警察の方と一緒に事後処理に当たります」
(´・_ゝ・`)「あなたは逮捕される前にこの場を後にしてください」
( ,,^Д^)「そうか!!!看板の撤去等私も手伝いたいところだが!!!」
(;"ゞ)「何だかんだまだ野次馬もいますから、フルチンはちょっと……」
( ^ω^)「トレジャーさん、ここは僕たちに任せてくださいお!」
( ,,^Д^)「そうか!!!すまない!!!」
( ,,^Д^)「では、また会おう諸君!!!」シュタタッ!!
(´・_ゝ・`)「……ふぅ」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「失敬、先に電話をさせてもらっても?」
( "ゞ)「えぇ」
( ^ω^)「どうぞどうぞ」
(´・_ゝ・`)「では、失礼して」ササッ
Prrr、Prrr……ピッ
『もしもぉ〜し、アンディー?どうだった、私少しは役に立ったかしら?』
(;´ー_ゝー`)「やはりあれは君の仕業か、ペニー……」
.
-
.
『そうよー。私がヒーローの味方するなんて滅多にないんだから、誉めて称えなさいよ?』
(´・_ゝ・`)「バカなことを。一歩間違えば野次馬にも飛び火だし、看板撤去するのは僕らの仕事なんだぞ?」
『それくらいあんたらなら簡単なことでしょうに。それに、バカな大衆は一度死ぬくらいでちょうどいいのよ』
(´・_ゝ・`)「やれやれ、暴論極まるね。で、目的はなんだ。金か?」
『ふふふ。そうだと言いたいとこだけど、今回は特別にタダ働きしてあげる』
(´・_ゝ・`)「なんだと?金の亡者のお前が?」
『失礼ね!その代わり、私別件でもう行かなきゃいけないから、あのギャシャールって子の面倒見てあげてね』
『それじゃ、また何かの機会があったら会いましょうねぇ〜。バーイ♪』ピッ
(´・_ゝ・`)「……相変わらず、よく掴めない女だな」
.
-
.
('、`*川っ白 ピッ
('、`*川「……ふふ」
('、`*川(まさか、アンディーには言えないわよね)
('、`*川(田舎から飛び出してきたギャシャールちゃんに、昔の自分の面影を重ねてたなんてさ)
('、`*川「……さ、商談商談。切り替えて行きましょ!」
ブロロロロ……
.
-
第二話終わり
-
【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
世界一ヌルヌルの似合うナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
今回の件でヌルヌルしたものが苦手となった。
.
-
.
(,,゚-゚) ギャシャール=ホプキンス
カメラマン志望のフリーター。
この後看板落下のスクープで一躍時の人となる。
なんやかんやクラウン・シティに居着く模様。
(`・ω・´) シャカリキ=シャキンズ編集長
三流ゴシップ誌「Worldwide」編集長。
スクープに貪欲なハゲ。
.
-
.
( ^ω^) ブーナー=ナイトホライゾン巡査
やや潔癖症の嫌いあり。
今回の件が若干トラウマになりつつある。
( "ゞ) ポール=デルタニアン警部補
今回の件で薬物汚染撲滅を密かに心に誓う。
もうヌルヌルは勘弁してほしい。
.
-
.
('、`*川 QUEEN
本名:ペニーナ=カートレン
身長:160cm 体重:ヒミツ♪
新興企業「ペニーナ・エレクトロニクス」を率いる美貌のヴィラン。
現在は半引退し、社長業に邁進する毎日である。
デミタスとの関係は不明……。
( <●><●>) SLIMEY
本名:ワコード=アイノー
元は薬物の売人だったが、売り物に手を出し薬物中毒となる。
分裂体は触れるとひんやりヌルヌルして気持ちいい。
.
-
ヌルヌルの精神的被害がひどいことに
-
乙乙!
股間に黒丸わろた
-
結局トレジャーの写真は売れなかったのかな
-
ショボハゲェ! どんな写真が撮れたのか気になる乙
-
シャキハゲだった
-
ヌルヌル気持ちいいのかよwww
-
.
>>125
〜テンポが悪くなるので省いた今回のオチパート〜
_
( ゚∀゚)「はーい、野次馬のみなさーん。スマホとかデジカメ持ってる奴は全員見せろよー」
(;"ゞ)「あれっ!?ジョーさんいつの間に……」
(;^ω^)「今までどこ行ってたんですかお!!」
_
( ゚∀゚)「いやぁ悪ぃ悪ぃ。ここに来る途中でパトカーパンクしてブレーキオイル切れてワイパーも止まらなくなっちまってよぉー」
_
( ゚∀゚)「直して着いた頃にゃあ事件解決ーってなもんでな。まぁ許せや」
(;"ゞ)(なんて雑な嘘なんだ……)
(;^ω^)(絶対どこか隠れて事件終わるの見てたお……)
.
-
.
_
( ゚∀゚)「まぁそうカリカリすんなよ。こうして野次馬の検閲はしてやっからよ」
( "ゞ)「それって比較的簡単な仕事ですけど」
(;^ω^)「全くもう、この人は……」
(,,゚-゚)「あのー、すみません」
_
( ゚∀゚)「あん?なんだ」
(,,゚-゚)「検閲って、写真全部見せなきゃ駄目なんですか?」
_
( ゚∀゚)「あー、そうだな。まぁビッグトレジャーが写ってなけりゃ別に問題ねぇよ」
(,,゚-゚)「いっぱい写ってる写真あるんですけど……」
_
( ゚∀゚)「あぁー、そりゃダメダメ。全部消してから帰れよな」
(,,;゚-゚)「ふげえぇ……くたびれ損じゃん……」
.
-
.
(;^ω^)「あのー、ちょっとくらい見逃してあげてもいいんじゃ……」
_
( ゚∀゚)「ダメに決まってんだろ!ビッグトレジャーの写真が流出したら、クレームは警察に来るんだぞ?」
_
( ゚∀゚)「未だに多いんだよなぁ、ビッグトレジャーが警察の人間だと思ってる奴が!」
(,,;゚-゚)「あのー……本当に駄目ですか?一枚も?」
_
( ゚∀゚)「ダーメダメ!例外は認められましぇーん!」
(,,;゚-゚)「ぐえぇ……これ売れたらかなりのお金になるんだけどなぁ……」
.
-
.
_
( ゚∀゚)「なんだぁ?よくよく見りゃあんた、カメラマンぽいナリしてんな?」
_
( ゚∀゚)「どこの雑誌の記者だ?名前は?」
(;^ω^)「ちょっ、ちょっと先輩!職質じゃないんだからその聞き方は……」
_
( ゚∀゚)「おめぇはケツが青いな!この手の輩はろくな相手じゃねぇんだから厳しく接してナンボなの!」
(,,;゚-゚)「え、えーと……所属する雑誌とかはないですけど、名前はギャシャール=ホプキンスです。フリーランスのカメラマンで……」
_
( ゚∀゚)「はいはい、ギャシャールね……ギャシャール……?」
_
( ゚∀゚)「ギャシャール=ホプキンス?」
(,,゚-゚)「はい、そうですが?」
_
(*゚∀゚)「お前もしかしてあの『失敗写真のギャシャール』かよ!?マジかー!!」
_
(*゚∀゚)「あんたの作品、毎回笑わせてもらってるぜー!!ギャッハハハハ!!」
(,,;゚-゚)「え、え、何!?どういうこと!?」
.
-
.
( "ゞ)「ジョーさん、どういうことなんです?彼ポカンとしてますけど」
_
( ゚∀゚)「なんだお前ら知らねーのかよ?」
_
( ゚∀゚)「ギャシャールホプキンスつったらなぁ、芸能人の立ちションや、たまたまフォーカスが合っちまった犬の交尾の写真とかを動画にしてあげてんだよ!」
_
(*゚∀゚)「ちゃんと肖像権引っ掛からんようにトリミングはしてあるがよー、なんでこうも失敗写真ばっか撮れるのか……ブッフゥ!」
(,,゚-゚)「ちょっと待って!ボクそれ覚えがないんですけど、詳しく話を聞かせてください!」
_
( ゚∀゚)「あー?詳しくも何も、ミーチューブに動画上げてるのあんただろ?」
(,,;゚-゚)「知りません!確かにその写真はボクのですけど……」
(,,;゚-゚)「一回も採用されたことないから、世間に出回ってるはずないんですけど?」
(;^ω^)「どういうこと?」
.
-
.
_
( ゚∀゚)「あー、ちょっと待てよ。スマホのミーチューブアプリにお気に入り登録してたはず……」
_
( ゚∀゚)「ほれ。これあんたが上げた奴じゃねーのかよ?」
【TITLE:THE MistakeーPhotographs】
【Contributor:(*`>ω・´)SYAKIーTAN】
(,,#゚-゚)「あのクソハゲェェェェェェェェ!!!!!!!!!!」
_
(;゚∀゚)「うぉっ!?」
(;"ゞ)「なんだなんだ?」
.
-
.
(,,#゚-゚)「この投稿者、ボクが写真持ち込んでるとこの編集長ですよ!!」
(,,#゚-゚)「写真ボツにするとか言いながら動画にしてまとめてたんだ……!!」
(,,#゚-゚)「通りでなかなか写真返さないはずだよ!!ムカつくーーーーーー!!!」
_
(;゚∀゚)「お、おう……」
(,,#゚-゚)「おまわりさん!!」
_
(;゚∀゚)「な、なんだよ?」
(,,#゚-゚)「これ、ビッグトレジャーさんの写真は消していいんで、他の写真は絶対消さないでくださいね!!」
_
(;゚∀゚)「あ、はい」
(,,#゚-゚)「ちゃんとお金稼いでやらなきゃいけないことが出来たんで……!!」
_
(;゚∀゚)「なぁ俺もしかして何か余計なことした?」ヒソヒソ
( "ゞ)「大丈夫いつも余計なことしかしてません」
その後、稼いだお金を元にギャシャールは編集長を提訴。
見事勝利を納めたのはまた別の話である……。
-
以上おまけ終わり
-
よくやった!ぎゃしゃ!
-
分裂するワカッテマスとか蓮コラ一歩手前じゃねえかよお
-
今回のビッグ・トレジャーは普通のヒーローだったな
-
普通(全裸ヌルヌル)
-
(,,;゚-゚)「そんなぁ……そんなの撮れたらこんな弱小出版社じゃなくもっと大きいとこに持ってきますし」
クッソワロタ
-
VIPから、すげー面白いじゃーん!
-
ホントに王道だけど糞面白いな
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーー
ー
某月某日某時、クラウン・シティの外れにある廃工場にて……。
('、`*川「〜〜〜♪」テクテク
('、`*川「えーとパスワードはー……『88103150』。ハハジャ最高ー、と」
ゴゴゴゴゴ……ズゥンッ!!
('、`*川「おっ邪魔しまーす」
('、`*川「ハハジャ=サウスガットさんいらっしゃるー?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「よおう。久し振りだねぇ、ペニー」
('、`*川「ごぶさたハハジャ〜。商談に来たわよン」
('、`*川「最近景気はどーう?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「どうもこうもありゃしないよ。相変わらずこの界隈じゃ、ビッグトレジャーが幅を効かせて商売上がったりさ」
('、`*川「そうよねぇ。ハハジャもいい加減義賊なんて止めたら?」
('、`*川「せっかくあの変態に次ぐパワーを持ってるのに、もったいないわよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「人には越えちゃならない一線てのがあるんだよ。それはあんたも同じだろ?」
('、`*川「ふふふ……さぁ?私はお金さえ手に入れば何でもいいのよ?」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたこそ、聞いた話じゃあ真面目に社長やってるらしいじゃないか」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「もうヴィランの仕事に戻るつもりはないのかい?」
('、`*川「言ったでしょう?私にはお金がイチバン。今はうちの電子事業株がうなぎ登りだからそっちのが儲かるのよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そうかい。麗しき怪盗クイーンの活躍には、胸が踊ったもんだがねぇ」
('、`*川「ま、そのうち復帰するかもね?それに、お金になるならこうしてあなた方との商談にも乗らせてもらうし」
('、`*川「完全に引退したってワケじゃあないのよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ふふ。ならその再起に期待して、こいつを買い取ってもらおうかね」ジャラッ…
('、`*川「ワァオ。これは豪勢だこと」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「インテリヤクザの金庫からガメて来たのさ。現金はそのまま頂いたが、貴金属はあんたに見てほしくてね」
('、`*川「あるとこにはあるもんねぇ……金塊のインゴットに宝飾類、希少な絵画や調度品」
('、`*川「物の価値を知らないヤクザにはもったいない代物ね」
.
-
.
('、`*川「ひのふのみーで、手数料無し端数切り上げの19万$ってとこでいかがかしら?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「おいおい、これだけあって20越えないのかい?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「久々の再会なんだ、多少はイロ付けてもバチは当たらないだろう?」
('、`*川「しょうがないわねぇ。じゃあ、昔のよしみで21万ならどう?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ククク……そうこなくちゃねぇ。愛してるよペニー、今夜抱いてやろうか?」
('、`*川「私が寝るのはお金とだけなの、ごめんね?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「クック……それでこそ怪盗クイーンさね」
('、`*川「それなら商談成立ってことで。キャッシュで21万$確かに置いてくから、確認なさいな」ドサドサッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「確認は無用だね。それしきの金を誤魔化すほど、あんたはセコい商売してないだろ」
('、`*川「数え間違うこともあるんだけどね……ま、信頼の証と思っておきましょうか」
.
-
.
('、`*川「ところで、今日は他の家族はいないの?久し振りにアンネちゃんや双子ちゃんの顔も見たかったんだけど」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あぁ、今ちょうど仕事の真っ最中さ。今日はソロの仕事だから私だけ留守番だよ」
('、`*川「あらまぁ。なんて頼もしいセコムかしらね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「その話で思い出したよ。あんた、金目の物だけじゃなく『情報』は買っちゃくれないのかい?」
('、`*川「情報?うーん……物によるわね。例えばどんな?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「今うちの亭主が、科学研究所に潜入してるとこなんだがね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたの会社で流用できる技術があれば、買い取っちゃもらえないかと思ってたんだよ」
('、`*川「なーる」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「その研究所の所長ってのが、小型ロケットブースターの特許を軍事転用して儲けてる悪どい輩でね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたも知ってるんじゃないかい?」
('、`*川「……ロケットブースター?」
.
-
.
('、`*川「それってもしかして、街の東の方にある総合科学技術研究所のこと?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「確かそんな名前だったと思うねぇ。やっぱり知ってるのかい?」
('、`*川「技術職の間では有名なとこよ。次々と革新的な新技術を開発して、商業面でも成功してるんだって」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ふぅん?それならますますあんたの会社でも使えるだろう。どうだい、悪い話じゃないと思うがね」
('、`*川「んー、でも止しとくわ」
('、`*川「もしも盗んだ技術を応用したのがバレたら、産業スパイの疑いも掛けられかねないし」
('、`*川「ヴィラン活動と違って、会社経営は清廉潔白明朗会計でいかないとね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そうかい、残念だね」
.
-
.
('、`*川「じゃ、他に取引がなければ私もう行くわね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「随分と慌ただしいね。積もる話でもしてけばいいだろうに」
('、`*川「三時からL.A.で株主総会があんのよ。車かっ飛ばさないと遅れちゃう」
('、`*川「また換金しづらいお宝手に入れたら私に言ってちょーだい。すぐ駆けつけるから」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そうかい。それならせいぜい事故らないように気をつけな」
('、`*川「ふふ。ハハジャも長生きして、私にたくさん甘い汁吸わせてね?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ククク……考えとくよ」
('、`*川「じゃーねー、ハハジャ。シーユー♪」
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.
('、`*川「……ふぅっ」
('、`*川(それにしても、あの総合科学技術研究所に忍び込むなんて……)
('、`*川(サウスガットのパパもツイてないわねー)
('、`*川(死ななきゃいいけど)
<バタン、ブロロロロ……
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
場所は代わり、ここはクラウン・シティの東にある総合科学技術研究所。
都会にしては緑に囲まれた立地に、眩くそびえ立つ真っ白な施設が建っている。
(゚A゚* )「いやーいつ来てもここは綺麗やなぁ」
¥・∀・¥「ホントだなー」
爪゚ー゚)「これ建てるのにいくらかかってんだかねー」
施設を訪れたのはモブ警官三人衆。
名前は上から順にノーム、マニー、ジーノである。
(゚A゚* )「科学の進歩はほんま日進月歩やなぁ。職員の皆さんには頭上がらんわ」
¥・∀・¥「働き者だよねー」
爪゚ー゚)「パトロールさぼってる俺らが言っていい台詞じゃねーけどなー」
彼らは仕事をサボっている真っ最中だった。
.
-
.
(゚A゚* )「アホッ、サボりちゃうわ!!研究施設っちゅうのは常にヴィランに狙われやすい場所なんやで!!」
(゚A゚* )「パトロールの途中で特に警戒しとっても損はないやろ!!」
¥・∀・¥「物は言い様だねぇ」
爪゚ー゚)「そもそもここ俺らのパトロールコースからめっちゃ離れてるけどな」
(゚A゚* )「やかまし。はっ倒すでジーノ」
( ´W`) 「ん….…?」
(゚A゚* )「おいーっす、守衛さん。儲かりまっかー?」
( ´W`) 「おお……あんたらか。いつもパトロールご苦労さん」
(゚A゚* )「ええ天気やなぁ。おっちゃんも元気してるー?」
( ´W`) 「ほほほ。わしはいつでも元気に死にかけじゃよ」
¥;・∀・¥「死にかけなんです?」
爪゚ー゚)「そう言わずに長生きしろよ、死にかけ」
¥;・∀・¥「失礼だよ!?」
.
-
.
(゚A゚* )「いやーしかし平和やなぁ。ずっとこうならええねんけどなー」
( ´W`) 「ほほほ。そうじゃのう」
爪゚ー゚)「こんな天気のいい日はヴィランも引っ込んでてくれるとありがたいんだけどな」
¥・∀・¥「そうはいかないよ。何があるかは起こってみないと分からないし」
爪゚ー゚)「警戒するに越したこたないってんだろ?分かってますよ」
(゚A゚* )「言うても、こんな真っ昼間からシゴトするヴィランはおらへんやろうけどな」
( ´W`) 「ふふ、確かに」
爪゚ー゚)「ハハハハ……」
.
-
.
(ところがどっこい)
(ここにいるんですよねー)
彡⌒ミ(真っ昼間から活動するヴィランが!!)
彡⌒ミ THE HOLLOW
本名:チチジャ=サウスガット
能力:透明化
(※現在透明なため毛髪のみでAAを表現中)
.
-
.
彡⌒ミ(サウスガットファミリー家長、チチジャ=サウスガット参上!)
彡⌒ミ(老いてなお健在な身のこなしとスニーキングスキル、見るがいい!)
彡⌒ミ(誰にも見られないけどね!)
( ´W`) 「そうだ、君たち。コーヒーでも飲んでいかんかね?」
( ´W`) 「わしそろそろ交代の時間じゃから暇になるんじゃよ」
(゚A゚* )「えぇー、そんなええのん?」
¥・∀・¥「さすがに勤務中にコーヒーは……」
爪゚ー゚)「サボっといて今さら何遠慮してんだよ。ごちそうになろうぜ」
¥・∀・¥「……それもそうか」
(゚A゚* )「ほな、お邪魔しまーす」
彡⌒ミ(おぉっと都合よく屋内に入っていくぞ〜?)
彡⌒ミ(奴らについていけばセキュリティチェックもすり抜けられそうだ)
彡⌒ミ(俺もお邪魔しま〜す、ウフ)コソコソ
.
-
.
彡⌒ミ(さぁーて、上手いこと社屋には潜入できたな)
彡⌒ミ(さすがは科学研究所。どことなくケミカルな臭いがしてくるぜぇ)
彡⌒ミ(毛生え薬とかピンポイントな物があれば個人的にもらっておくとして)
彡⌒ミ(お金になる機密情報はどこにあるのかなー、っと。フハハハハ)
*(‘‘)*「大変大変ー!!」トテテテーッ
彡⌒ミ(おっ?)
彡⌒ミ(白衣を着た幼女?)
ミセ*゚ー゚)リ「あらヘリリ。どしたの?」
*(‘‘)*「あっ、ミセリン!」
*(‘‘)*「博士がトレパパ探してるですけど、何処にいるか知らないですかー?」
.
-
.
ミセ*゚ー゚)リ「うーん、この時間だと地下だろうねぇ。電話通じないし内線入れよっか?」
*(‘‘)*「んーん。探しにいくからいいですよー。あと博士、ミセリンのことも探してましたけど」
ミセ;゚ー゚)リ「えぇーマジか、うち先に済ませときたい用があるんだけどなぁ。何か急用?」
*(‘‘)*「研究の試作品できたから見てほしいんですって!」
彡⌒ミ(おお!)
ミセ*゚ー゚)リ「うーん、そっか。じゃあトレさんに声かけがてらうちの用事も済ませてくるから」
ミセ*゚ー゚)リ「博士にそう伝えておいてくんない?」
*(‘‘)*「はーい!分かったです!」
ミセ*゚ー゚)リ「あんまり廊下走っちゃダメだよ?ここの人らバタバタうるさくしてたら集中出来ないからね」
*(‘‘)*「はいですー!」
彡⌒ミ(……話から察するに、何らかの研究の成果が出たようだな)
彡⌒ミ(渡りに船とはこのことだ!ありがたく着いていかせてもらおう)
.
-
.
彡⌒ミ(しかし、異様に若いが会話からするとこの娘も研究員なのか?)
彡⌒ミ(何かの冗談としか思えんが……まぁ飛び級とかあるしな)
彡⌒ミ(それにこっちの女も、どこかで見たことあるような気が……)
ミセ*゚ー゚)リ「けど、博士がうちに用事ねぇ。何が出来たんだかね」
*(‘‘)*白「んー?何の試作品かは私も知らないですけど」
*(‘‘)*「クー博士興奮してたから、よっぽど凄い発明が出来たんだと思いますよー」
彡⌒ミ(おお!なんとなんと)
彡⌒ミ(そんなに凄い発明なら完成してなくても金になるかもしれんな!)
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、そっか。じゃあうちも急いで用事済ませないとね?」
*(‘‘)*「はーい。先に博士の部屋で待ってるですー」
*(‘‘)*「これでミセリンはよしと……あとはトレパパですけどー」
*(‘‘)*「ま、走ってる途中で会うかもしれないし、先に博士のとこに向かっとくです」テテテテ
彡⌒ミ(こりゃあ追跡続行するしかありませんねぇ?ふふふ…)トトトト
.
-
.
*(‘‘)*「んっふふーっと♪つーいた!」ストッ
*(‘‘)*「はっかせー!入るですよー?」ウィーン
;彡⌒ミ(ふーっ、忍び足でついてくの疲れた……)ゼェゼェ
;彡⌒ミ(息荒げて若い女性の後を着けるなんて、見えてたら完全に変質者だな……)
以 以『やぁ、ミセリ』
以`゚益゚以彡『急に呼び出してしまってすまないな』クルッ
*(;‘‘)*「ぶはっ!?」
;彡⌒ミそ(うおぉぉっ!?)ビクゥッ
以`゚益゚以『あれ、ミセリじゃない』
*(;‘‘)*「何してるですか博士ー!超ビックリしたですよー!」
以`゚益゚以『いやぁ、てっきりミセリが来たかと思って驚かそうと。すまないな』
*(;‘‘)*「心臓止まるかと思ったですよー!もー!」
;彡⌒ミ(お、俺も声上げちゃいそうになるところだった……ビックリした……)
.
-
.
以`゚益゚以『しかし我ながらこのイトーイマスクは良い出来だ』
以`゚益゚以『満足は停滞の始まりとはよく言われるが、この造形美と機能性は私の発明の中でもトップクラスだな』
*(‘‘)*「それが研究の試作品なんです?」
以`゚益゚以『いや違うが?』
;彡⌒ミ(違うのかよ!?)
*(;‘‘)*「じゃあ何なんですかそれ!?無駄にドキドキしただけなんですよ!?」
;彡⌒ミ(本当だよ!!もっと言ってやってお嬢ちゃん!!)
以`゚益゚以『これはただの生活防護マスクだ』
以`゚益゚以『これ一つあれば空気清浄もUVカットも出来るし、ついでにブルーライトも遮光してくれる優れものだぞ?』
;彡⌒ミ(無駄に高性能!!)
.
-
.
*(;‘‘)*「そんなのいらないですよー。早く外してください!」
以`゚益゚以『分かった、分かった。口臭除去なんかもしてくれるんだがな……』ブツブツ
;彡⌒ミ(やたらゴツいの除けば意外と便利だな……)
川 ゚ -゚)彡以`゚益゚以 ガポンッ
彡⌒ミ(お?)
川 ゚ -゚)「ふーっ、暑かった。通気性の問題は解消しといた方がいいな」
彡⌒ミ(ほー?博士と言うからどんなオッサンかと思えば、まさか女だったとは)
彡⌒ミ(白衣着てると体の線が出ないもんだな)
川 ゚ -゚)「ところで、ミセリ達は?」
*(‘‘)*「先に済ませたい用があるって言ってたです。もう少し待つですよ」
川 ゚ -゚)「そうか……じゃあその間、少し仮眠を取らせてもらうとするかな」
彡⌒ミ(おっとこれはチャンス到来か?)
.
-
.
*(‘‘)*「博士、寝不足なんですか?心なしかやつれたように見えるですけど」
川 ゚ -゚)「あぁ。この研究を進めるのに十徹くらいしたからな」
;彡⌒ミ(えぇ〜……?)
*(;‘‘)*「頑張りすぎですよ!?早く寝てください!」
川 ゚ -゚)「あぁ、そうする……正直今にも倒れそうで頭の中フラフラなんだ」
;彡⌒ミ(その割に変なマスク着けて遊んでたけどな……)
*(‘‘)*「あんまり無理しないでくださいよ?クォッサ=サリエリは世界の頭脳なんですから!」
彡⌒ミ(クォッサ=サリエリ……!!)
彡⌒ミ(するとこいつが、特許を軍事利用して儲けてると噂の……)
川;゚ -゚)「大丈夫、分かってる……うっ」クラッ
*(;‘‘)*「あっ!?」
.
-
.
―――――― シュバッ ――――――
川;゚ -゚)「あっ……?」
*(‘‘)*「あっ!」
彡⌒ミ(え?)
( ,,^Д^)「大丈夫か、クーよ!!!」ギュウッ
;彡⌒ミ(ゲェェェーーーッ!!?ビッグ・トレジャー!?)
;彡⌒ミ(なぜビッグトレジャーがこんなところに!?)
*(‘‘)*「トレパパー!お疲れ様ですー」
( ,,^Д^)「うむ!!!ご苦労、ヘリカル!!!」
川;゚ -゚)「す、すまないトレジャー……少し目眩がしただけなんだが」
( ,,^Д^)「寝不足は万病の素だぞ!!!幸福な生活は幸福な睡眠から始まるのだ!!!」
;彡⌒ミ(しかもこいつ今日はパンツ穿いてる!!それが一番の驚きだよ!!)
.
-
.
;彡⌒ミ(まさか俺が浸入したのに勘づかれた?いや、でも……いくらなんでも来るの早すぎだろ)ドキドキ
( ,,^Д^)「あれほど無理はするなと言っておいたのに、君はいつも根を詰めすぎだぞ?」
川 ゚ -゚)「あぁ、そうだな……だが、今回の発明はあなたの活動のためになるものだ」
川 ゚ -゚)「それを思うと、居ても立ってもいられなくなってな」
( ,,^Д^)「そうか……私のために頑張ってくれたのだな!!!ありがとうクーよ!!!」
川 ゚ ー゚)「では、スーパーヒーロービッグ・トレジャーは、その頑張りに対して何をしてくれる?」
( ,,^Д^)「ならば、君が完調になったらディナーを共にするということでいかがかな?」
川*゚―゚)「フフフ……最高の褒美だ」
*(#‘‘)*「ちょっとー!ヘリも見てるですからあんまりイチャイチャしないでください!」
;彡⌒ミ(これは……あの博士もしかして、ビッグトレジャーの女なのか?)
.
-
.
;彡⌒ミ(もし奴がビッグトレジャーの女なら、たまたま奴が訪れた所に俺が居合わせちまったってことなのか……)
;彡⌒ミ(シィィィット!!なんてツイてないんだ!!今すぐ逃げ帰りてぇ〜!!)
;彡⌒ミ(ビッグトレジャーと事を構えるのはサウスガットのご法度だってのに!!)
;彡⌒ミ(しかし、何も収穫なしでおめおめ帰っちゃ母ちゃんに会わす顔がねぇ!!)
彡⌒ミ(……とりあえずもう少し様子を見とこ)
( ,,^Д^)「ムッ!!!」バッ
;彡⌒ミ(ッ!!?)ビクゥッ
川 ゚ -゚)「どうした、トレジャー?」
( ,,^Д^)「今この部屋の中に我々以外の誰かがいる気配がした……!!!」
;彡⌒ミ(ギクゥーッ!!)
*(;‘‘)*「えぇー?本当ですかぁ?」
( ,,^Д^)「あぁ。『とりあえず様子を見ておこう』と言いたげな気配がひしひしと感じられたぞ」
;彡⌒ミ(具体的すぎませんかね!?)
.
-
.
*(‘‘)*「トレパパのこと疑う訳じゃないけど、さすがに気のせいじゃないですか?」
川 ゚ -゚)「そうだな。いくらなんでもこんな白昼からここへ忍び込むヴィランなどいはしまい」
( ,,^Д^)「ふむ。一理あるな」
;彡⌒ミ(フゥッ。あぁーめっちゃ焦った……)
;彡⌒ミ(勘が良すぎだろこいつ……)
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!!」
;彡⌒ミ(ゲッ!?今度はカフェオレ・デミタス!?)
( ,,^Д^)「どうしたデミタス!!!」
(´・_ゝ・`)「シベナル区五番街でヴィラン発生との情報です。至急出動をお願いします!」
(,,゚Д゚)「旦那ァ!!俺もついてくぜ!!」
( ,,^Д^)「ウム!!!心強いぞギコ!!!」
;彡⌒ミ(あっ、あれはラピッドステッチ!!)
.
-
.
川д川「トレさぁん。私の手もいりますぅー?」ヌゥッ
;彡⌒ミ(あぁっ!!あれはフラワーカンパニー!?)
( ,,^Д^)「ムハハ!!!ありがとうサダコ君!!!だが今回は男三人で行かせてもらおう!!!」
(,,゚Д゚)「早い者勝ちだぜゴルァ!!」
川д川「ちぇ。私最近出動なくてヒマなのよねぇ」
(´・_ゝ・`)「いいことじゃないか。それだけ世間が平和だってことさ」
( ,,^Д^)「さぁ!!!余談はこれくらいにして、行くぞ二人とも!!!」
(´・_ゝ・`)「はい」
(,,゚Д゚)「応ッ!!」
( ,,#^Д^)「ヌゥゥゥンッ!!!!」
ビリバァンッ!!!!!
;彡⌒ミ(パンツ破けたーーーーー!!?)
( ,,#^Д^)「ビッグ・トレジャーとその仲間、出動だ!!!」ドドドドド
*(‘‘)*「いってらっしゃいですー」
川 ゚ -゚)ノシ
;彡⌒ミ(平然と見送ってるーーー!!!破けたパンツ誰が片付けるんだよ!!?)
.
-
.
;彡⌒ミ(なんてこったぁ。ビッグトレジャーだけじゃない、名だたるヒーローがここぞとばかりに集まってやがる)
;彡⌒ミ(そういやさっきも、あの女博士がビッグトレジャーの役に立つ技術を開発したとか言ってたな……)
;彡⌒ミ(ここはもしかして、ヒーローたちのアジトなのか?)
;彡⌒ミ(えっらいとこ浸入しちゃったなぁ、俺……)
*(‘‘)*「なんかバタバタしちゃいましたねー。博士、体大丈夫です?」
川 ゚ -゚)「あぁ。だがいい加減そろそろ眠気がすごい。立ったまま寝そう」
*(;‘‘)*「あーもう!早く横になってください!」
川 ゚ -゚)「大丈夫……ここで寝るよ……」ドサッ
*(‘‘)*「あっ」
川 ー ー) スヤァ
*(‘‘)*「もー……デスクじゃなくてベッドで寝ればいいのに」
.
-
.
;彡⌒ミ(しめた!これは千載一遇のチャンス!)
;彡⌒ミ(もしここがヒーロー共のアジトなら、奴らの秘密が探れるかもしれん!)
;彡⌒ミ(もちろんそれ相応のリスクは付きまとうが……)
川 ー ー)「……」スゥスゥ
*(‘‘)*「全くもう……博士ったらこんなになるまで頑張ちゃうんですから」
*(‘‘)*「たまにはゆっくり休んでバカンスでもすればいいのに……」
*(‘‘)*「起こすのも悪いし、寝かせておいてあげるです」ウィーン
彡⌒ミ(ヨッシャア!!これで部屋には二人きりィ!!)
彡⌒ミ(やるぞやるぞ男を見せろチチジャ=サウスガット!!)
.
-
.
彡⌒ミ(とりあえず今やれることは……)
;彡⌒ミ 以`゚益゚以 ヌォーン
彡⌒ミ(このマスクは持ってったら監視カメラに写っちまうな)
彡⌒ミ(他にパッと見てバレずに持ち帰れそうな物はなし、と)
彡⌒ミ(となるとやはり、パソコンいじって情報抜くしかないが……)
川 ー ー)「……」スヤヤァ
;彡⌒ミ(なんでよりによってパソコンの目の前で寝てるかなぁこいつは……)
.
-
.
彡⌒ミ(嘆いても仕方ない。成すべきは全て家族のためだ!)
彡⌒ミ(もし途中で起きたらしらばっくれて逃げる!走って逃げる!全力で逃げる!)
彡⌒ミ(見えない俺を捕まえられるもんなら捕まえてみろってんだ!)
彡⌒ミ(よーし開き直ったらヤル気出てきたぞ!まずはパソコンのスイッチを……)
彡⌒ミ(スイッチを……)
彡⌒ミ(……電源どこだ?)
;彡⌒ミ(あっれーこのパソコン俺の知ってるMACとかアップルとかと違う!!)
;彡⌒ミ(何これいきなり困惑する!!)
(※物理演算用のスパコンである)
.
-
.
;彡⌒ミ(待て待て、ここで間違った操作をしたら始まる前に全てがオジャンだ)
;彡⌒ミ(基本は普通のパソコンと変わらないはずだ!電源を探すんだ俺!)
;彡⌒ミ(仮にどうにかなっても俺のせいじゃないし!!悪党がパソコンごとき怖がってどうする!!)
;彡⌒ミσ(とりあえずそれっぽいボタン押してみるか……)ソローッ
川 ー ー)「うぅん……」ゴロン
彡⌒ミσ(あっ?)フニン
川 ゚ -゚)「……ん?」
;彡⌒ミσ(あ、あー……)フニフニ
川;゚ -゚)「……!?」
川;゚ -゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
;彡⌒ミ(あああああああごめんなさあああああああい!!!!!!!!!!)
;彡⌒ミ(寝返り打つとは思わなかったんですううううううう!!!!!!!)
.
-
.
*(‘‘)*「どうしたですか、博士!?」ウィーン
ミセ*゚ー゚)リ「なんか凄い叫び声出してたけど大丈夫です?うなされでもしましたー?」ウィーン
;彡⌒ミ(ああいかん人来ちゃった!!)
川;゚ -゚)「ヘリ、ミセリ、動くな!!」
川;゚ -゚)「この部屋、我々以外に誰かいるぞ……!!」
*(;‘‘)*「えぇ!?」
ミセ;゚ー゚)リ「マジ!?気のせいじゃない?」
川;゚ -゚)「違う!確かに胸を何度も触られた!」
;彡⌒ミ(ごめんねおじさんおっぱいまさぐるつもりはなかったの!!)
川;゚ -゚)「すぐに部屋をロックしてくれ!二人とも、細心の注意を!」
*(‘‘)*「はいです!!」ガシャンッ
;彡⌒ミ(しまったロックされる前に逃げるべきだったァッ!!)
.
-
.
;彡⌒ミ(落ち着け俺!ロックはされても視認は出来ないんだ)
;彡⌒ミ(根負けさえしなけりゃそのうち逃げ帰れるはず……)
*(‘‘)*「そういえばさっきトレパパも誰かの気配がするって言ってたです!」
川 ゚ -゚)「あぁ、迂闊だった。最初から彼の言うことを聞いていれば……」
ミセ*゚ー゚)リ「どうします?そのセクハラヴィラン、トレさんが帰ってくれば捕まえられると思いますけど」
;彡⌒ミ(そうだったここヒーロー共のアジトだった!!)
;彡⌒ミ(上手く立ち回らないと捕まるのも時間の問題じゃないか!!)
川 ゚ -゚)「……いや、我々でやろう」
;彡⌒ミ(えぇぇ!?)
川 ゚ -゚)「彼は忠告してくれた。聞き流したのは私の責任だ」
川 ゚ -゚)「ならばせめて尻拭いくらいは自分でしなければ、な?」
*(‘‘)*「……ですね!」
ミセ*゚ー゚)リ「そゆことなら協力しますよ!」
;彡⌒ミ(なんだよこいつら精神的にタフだな!!)
.
-
.
川 ゚ -゚)「それに、戦闘力の高いヴィランなら会話中にすでに襲って来ているはずだ」
川 ゚ -゚)「このことから考えて、敵は隠密に優れるが戦闘には向いてないのかもしれん」
*(‘‘)*「さすがクー博士!今の会話も布石だったですね!」
;彡⌒ミ(何その洞察力!?図星だけど!!)
ミセ*゚ー゚)リ「てことは、敵の居場所さえつかめれば後はボッコボコってことですね!」
川 ゚ -゚)「そうなるな。だが気をつけろ、敵は腐ってもヴィランだ」
*(‘‘)*「はいです!」
;彡⌒ミ(くっそぉ〜。しかしこっちにも分かったことがあるぞ)
;彡⌒ミ(どんな方法かは知らんが、奴らヴィランとも対等に戦える何かを持ってるらしいな)
;彡⌒ミ(それを使われる前にさっさと逃げなければ!)
.
-
.
;彡⌒ミ(こうなったら相手が折れるまでとことん潜伏してやる!)
;彡⌒ミ(鍵を開けたが最後、俺の全力ダッシュを見せつけてやるぜ!!)
川 ゚ -゚)「ヘリ!扉からは離れておけ!」
*(‘‘)*「なんでです?」
川 ゚ -゚)「もしロックを解除したら、敵は何を置いても逃げようとするはずだ」
川 ゚ -゚)「その機を逃さないために、扉の近くで待機してるかもしれない」
*(;‘‘)*「ひゃあっ!!」
;彡⌒ミ(だからなんであんたそんなに勘がよろしいの!?)
;彡⌒ミ(さっきからおじさんヒヤヒヤしちゃうんだけど!!)
ミセ*゚ー゚)リ「……けど、もしかしたら」
ミセ*゚ー゚)リ「その敵ってうちらと入れ替わりにもう出てった後かもしれないんですよね?」
彡⌒ミ(おお、いいこといった!そうそうもう逃げてるよ、だからロック外そ?)
.
-
.
川;゚ -゚)「確かにその可能性も捨てきれないな……あの数秒で胸に触れ逃げ切れるとは思えんが」
ミセ*゚ー゚)リ「もし敵が特殊な逃走法を持ってたら、ここでこうしてるのも時間の無駄になっちゃうし……」
*(;‘‘)*「ヘリ、ドキドキしてきたです……」
;彡⌒ミ(こっちはさっきからドッキリドキドキ更年期障害だよ!!もう!!)
ミセ;゚ー゚)リ「やっぱり外部に応援頼みます?」
川 ゚ -゚)「いや。こうなっては外部の応援も扉の前で待つしか出来ない」
川 ゚ -゚)「迂闊に行動して隙を作れば敵の思うがままだ」
*(‘‘)*「決め手がないですぅ……」
;彡⌒ミ(こっちもだよ……早く帰って母ちゃんのミートパイ食いたい)
川 ゚ -゚)「……あ」
*(‘‘)*「どうしたですか?」
川 ゚ -゚)「あった、敵を探す方法」
;彡⌒ミ(えーっ!?)
ミセ*゚ー゚)リ「マジですか!!」
.
-
.
*(‘‘)*「何ですか、その方法って!!」
川 ゚ -゚)「いや、大した作戦ではないんだが」
川 ゚ -゚)「この狭い室内で走り回っていればそのうち敵に当たるんじゃないかなと……」
ミセ;゚ー゚)リ「えぇ……」
;彡⌒ミ(えぇ……)
*(;‘‘)*「行き当たりばったりすぎません?」
川 ゚ -゚)「だが、物は試しというしな」
ミセ*゚ー゚)リ「とりあえずやってみます?」
;彡⌒ミ(えぇー……本当に行動に移すの?)
*(;‘‘)*「んー……やってはみるけど効果あるですかねぇ?」タタタッ
;彡⌒ミ(おぉっと!?)バッ
ミセ*゚ー゚)リ「何もしないよりはマシかなぁ」タタタッ
;彡⌒ミ(ふおぉ!?)ババッ
川 ゚ -゚)「がんばれー」
*(;‘‘)*「んもー!!博士も手伝ってくださいよ!!」タタタッ
ミセ*゚ー゚)リ「あ、でもこれなんか楽しー」タタタッ
;彡⌒ミ(い……意外とこれバカに出来ないぞ)ダダッ
;彡⌒ミ(何なのこの鬼ごっこ!!)
.
-
.
川 ゚ -゚)「ヘリ、もっとランダムに動き回ろう。直線的だとかわしやすいぞ」
*(;‘‘)*「だから博士もやってくださいってばー!!」タターッ
;彡⌒ミ(うぉっとぉ!!!)ババッ
川 ゚ -゚)「ミセリはそのままの軌道で、緩急をつけて行動してくれ」
ミセ*゚ー゚)リ「はいはーい♪」タタンタタンッ
;彡⌒ミ(あっぶね今服がかすめたぞ!!)ギャンッ
;彡⌒ミ(ダメだこのまま奴らのペースに合わせてたらボロが出ちまう!)
;彡⌒ミ(部屋の隅で息を潜めてよう……)
川 ゚ -゚)「もしかしたら部屋の隅でかわそうとするかもしれないから角まで隅々やろうな」
;彡⌒ミ(クッソゥお見通しかよ何だこの女!?)ハァハァ
.
-
.
*(;‘‘)*「はかせー……まだですかー……」ハァハァ
;彡⌒ミ(クッソ……若いお前らと違ってこっちは息も絶え絶えなんだよ!)ゼェ、ゼェ
ミセ*゚ー゚)リ「ヘリリデスクワークばっかで体力ないねぇ。うちはあと一時間はイケるよ?」
;彡⌒ミ(や、止めろ!一時間もやられたら姿現しちまう!)
川 ゚ -゚)「ふむ、そろそろいいかな」ゴソゴソ
*(‘‘)*「……?」
以`゚益゚以『よいしょっ』ガポンッ
ミセ;゚ー゚)リ「ぎゃあ!!何なんですそれ!?」
*(;‘‘)*「あ、イトーイマスク……」
;彡⌒ミ(もういいよそれは!!見飽きたよ!!)
ミセ;゚ー゚)リ「さっきからデスクの上に妙なものあるなぁと思ってたけど……」
*(;‘‘)*「さすがにもう見慣れたから驚きませんよ?」
以`゚益゚以『いや、そうじゃないんだ。実はこのマスク、最初は対ヴィラン用に作った物でな』
以`゚益゚以『二酸化炭素感知機能がついてるの忘れてた』
;彡⌒ミ(あぁ!?)ビクゥッ
.
-
.
以`゚益゚以『ヴィランの中には今回のように姿を消せる者も少なくない』
以`゚益゚以『そういう場合を想定して、呼吸の二酸化炭素を検知できるようにしたんだ』
ミセ*゚ー゚)リ「あ、なるほど。だから敵の呼吸荒くするために追い回すような動きしてたんですね」
*(;‘‘)*「そんな便利な機能あるなら最初から使ってくださいよ!」
以`゚益゚以『シッ!今索敵中だ』ピピピピ…
;彡⌒ミ(ああああ不味い不味い早く逃げ出さないと……!!)
以`゚益゚以『……そこかっ!!』
その瞬間!!!クーのふくらはぎが音を立てて展開!!!激しい火と閃光を放った!!!
;彡⌒ミ(……はっ!?)
以`゚益゚以『逃がさんぞヴィラン!!』
クーの体は刹那、弾丸と化し、チチジャ=サウスガットへ襲いかかる!!!
―――――― ゴァッ ――――――
;彡⌒ミ(ぎょぼあぁぁぁぁぁぁっ!!?)
ジェットと共に飛びかかったクーの固い膝は、綺麗にチチジャ=サウスガットのみぞおちへと納まった!!!
.
-
.
以`゚益゚以『ミセリ!私の膝に敵の感触アリ!』
以`゚益゚以『フィニッシュは任せたぞ!』
ミセ*゚ー゚)リ「はぁーい♪」
軽やかに飛び上がったミセリは、空中で華麗に一回転!!!
クーの身長よりも高い跳躍に成功すると、その落下加速度を踵へ一点集中!!!
チチジャ=サウスガットの脳天へと叩きつけた!!!
;彡⌒ミ「ギャアァァァァァァ!!!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)ボワン
以`゚益゚以『お、やっと姿を現したか』
*(‘‘)*「スケベそうな顔してるです」
ミセ*゚ー゚)リ「まぁセクハラヴィランだしね」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「セクハラ、違う……不可抗力、だ……」ガクッ
以`゚益゚以『気絶したか……どうする?』
ミセ*゚ー゚)リ「みんなが帰ってくるまでふん縛っときましょ」
*(‘‘)*「ですです」
.
-
.
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「う、うぅ……」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「……はっ!?」バッ
以`゚益゚以『おっと、お目覚めかな?こそ泥さん』
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「ぶおぉうっ!!?」ビクーンッ
川 ゚ -゚) 以`゚益゚以 スポッ
川 ゚ -゚)「そんなに驚かなくてもよかろうに」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「お、驚くに決まってるだろう!心臓に悪いんだよそのマスク!」
川 ゚ -゚)「そうか?しかしどちらかと言えば私の方が驚いているぞ?」
川#゚ -゚)「なにせ、お前に何の前置きも無しに胸を触られたんだからなぁ……!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「いやだからあれは不可抗力ってやつで……」
.
-
.
ミセ*゚ー゚)リ「はっかせー……あ、起きたんだそのヴィラン」ウィーン
川 ゚ -゚)「うむ、ちょうど今な。警察に連絡してくれたか?」
*(‘‘)*「それが、タイミングよく警察の人がパトロールに来てくれてたみたいです」
(゚A゚* )「はいはいどーもー!」
¥・∀・¥「こんにちはー」
爪゚ー゚)「どもっすー」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「なんでこのタイミングで!?チクショウ!!」
(゚A゚* )「あっ!こいつチチジャ=サウスガットやんか!」
¥・∀・¥「本物?」
川 ゚ -゚)「ほう。サウスガットといえばあの有名な義賊の……」
(゚A゚* )「そないカッコええもんとちゃいますよ!」
(゚A゚* )「こいつ透明になれるクセに、たまにうっかりして監視カメラに映っとるんですよ?」
爪゚ー゚)「そのせいで面割れして、ハハジャとは別の意味で有名なヴィランになったんだよな」
ミセ*゚ー゚)リ「何それバカみたい」
*(‘‘)*「アホ丸出しです」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「くうっ……本人を目の前にしてなんて辛辣なんだ!」
.
-
.
(゚A゚* )「しっかしまー、有名な義賊サマもこうなったらカタナシやなぁ」
¥・∀・¥「さっそく本署に連絡して護送車を手配しましょう」
爪゚ー゚)「あ、俺も行くわ。どうせヒマだし」
¥;・∀・¥「犯人目の前にしてヒマも何もないでしょ!?」
(゚A゚* )「ちゃうてマニやん。こいつビビりやから、これだけ人がおってもヴィランと同じ部屋にいたくないだけやで」
¥・∀・¥「あぁ、そういうこと……」
爪゚ー゚)「ち、ちげーし全然ビビってねーし」
(゚A゚* )「はいはい。ほなビビりのジーノのために三人で行きまひょかー」ウィーン
川 ゚ -゚)「ふむ……変わった警察官たちだな」
ミセ*゚ー゚)リ「それ向こうも全く同じこと思ってると思いますけど」
*(‘‘)*「けど、サウスガットって義賊なんですよね?」
*(‘‘)*「だとしたら、なんでうちみたいな普通の研究所に忍び込んだんでしょう?」
.
-
.
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「くくく……しらばっくれるなよ。お前らがただの科学者じゃないってのは調査済みだぜ?」
川 ゚ -゚)「なに?」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「クォッサ=サリエリ!あんた自分の作ったロケットブースターの特許を軍事利用してボロ儲けしてるんだろ?」
川 ゚ -゚)「ふむ。否定はしないが」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「ハハハハ!これがあのスーパーヒーロービッグ・トレジャーのお仲間とは、お笑い草だな!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「それに、そっちのあんた!あんたのことも思い出したぞ!」
ミセ*゚ー゚)リ「え?うち?」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「その足技のキレ、以前にどこがで見覚えがあると思ったが」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「あんた、ヴィラン狩りのアイアンメイデンだな!?」
ミセ*゚ー゚)リ「あら。うちのことご存知なのね」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「これでもサウスガットは情報通で通ってるんでね」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「次々とヴィランを殺していった凶悪犯が、ビッグ・トレジャーの一味だったとは」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「どう世間様に顔向けするのやら!ハハハ、ハハハハ!」
川 ゚ -゚)「こいつムカつくからもう一度膝入れてもいいか?」
ミセ*゚ー゚)リ「まぁまぁ、博士落ち着いて……」
*(#‘‘)*「うるさいですこのハゲーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「ハッ……!?」
.
-
.
*(#‘‘)*「義賊だか家族だか知らないですけど、人を指して嘲る人間にろくなのはいないです!」
*(#‘‘)*「だいたいお前は博士がどれだけの犠牲と痛みの上にあのロケットブースターを作ったか知ってるですか!!」
*(#‘‘)*「その技術を、愛する人のためだからって博士は泣く泣く兵器開発の顧問に売り渡したです!!」
*(#‘‘)*「世間から後ろ指指されて、金の亡者と呼ばれることも厭わずに!!」
*(#‘‘)*「その辛さも知らず自分を正当化するお前に、博士をとやかく言う筋合いはないです!!!」
*(#‘‘)*「それにミセリンだって、昔の行いを反省して今は立派に生きてるです!!」
*(#‘‘)*「お前の言ってることは、一度道を踏み外した人間をまた突き放してるだけじゃないですか!!」
*(#‘‘)*「違うですか!!なんとか言えです!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「……」
*(#‘‘)*「何ですかその顔はーーーーー!!!!!やるですかコラーーーーー!!!!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「ひぃぃぃぃ!!」
川;゚ -゚)「こら!手を出すのは止めろ!相手はこれでもヴィランだぞ!」
ミセ;゚ー゚)リ「あーあ……ヘリリまたキレちゃった」
ミセ;゚ー゚)リ「怒ると大統領にでも食ってかかりかねないからなぁ、ヘリリは……」
.
-
.
*(#‘‘)*「フーッ……フーッ……」
川 ゚ -゚)「どうどう、落ち着けヘリ。お前が腹を立てるほどの相手ではない」
ミセ*゚ー゚)リ「そうだよー。ヘリリが怒んなくてもいいの」
ミセ*゚ー゚)リ「そこのセクハラヴィランが何を言おうと、収容所行きはもう免れないんだから」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「くっ……!」
ミセ*゚ー゚)リ「それに、うちからも言っておくけど」
ミセ*゚ー゚)リ「確かにうちはヒーロー殺しを生業としてた時期があった」
ミセ*゚ー゚)リ「いつか自分がそうしてきたように、誰かに無惨に殺されようと文句は言えないね」
ミセ*゚ー゚)リ「それに関しちゃ、反省はしても許してもらおうなんて思わない」
ミセ*゚ー゚)リ「あんたはそうじゃないの?他人に迷惑かけて、自分だけ柔らかいベッドの上で死ぬつもり?」
ミセ*゚ー゚)リ「そう思うならあんたとうちは同類だし、そうじゃないならあんたの義心には何の意味もないよ」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「なんでどいつもこいつも口ばっか達者なんだ……」
*(#‘‘)*「お前がヘタレなだけです!!このヘタレヴィラン!!」
.
-
.
川 ゚ -゚)「過程がどうあれ、名のあるヴィランが逮捕されたのは喜ばしいことだ」
川 ゚ -゚)「あとは警察に任せて、我々は静観するとしよう」
ミセ*゚ー゚)リ「そうですねー」
*(‘‘)*「まだまだ言い足りないけどまぁいいです」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)(チッキショウ……このままじゃ無様晒して収容所送りだ)
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)(何か、何か打開策はないか……?)
▼・ェ・▼「アンッ!」ヒョコッ
川 ゚ -゚)「おや?ドルチェ」
ミセ*゚ー゚)リ「あらー?どしたのドルたん」
*(‘‘)*「今日はトレパパと一緒に現場に出なかったですか?」
▼・ェ・▼「アンッ、アンアンッ!!」ピョンッ
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「わぶっ!?な、なんだこの犬!?」
.
-
ヒ、ヒーロー殺し?
-
.
▼・ェ・▼「ハッハッハッ!」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「ぎゃあああああああ何この犬ううううううう!!?」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
彡⌒ミ
(*;´_ゝ`)「あふうん……そこはらめえぇぇぇぇぇ……耳は弱いのおぉぉぉぉぉぉぉ……」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
彡⌒ミ
(*;´_ゝ`)「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……らめ、らめえぇぇぇぇぇ!!!」ビクンビクン
川;゚ -゚)「うーわ……うーわー……」
ミセ;゚ー゚)リ「博士が絶句してる……当たり前だけど」
*(;‘‘)*「おっさんの喘ぎ声とか醜悪でしかないですぅ……キモッ!」
▼・ェ・▼ペロペロペロ、ピタッ
.
-
>>190
あ、ヴィラン狩りの間違いです。直し忘れてました。
-
.
▼・ェ・▼「 、 」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「……ッ!?」
.
-
.
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)(なんだ今のは……?)
▼・ェ・▼「アンッ、アンッ!!」トトト
川;゚ -゚)「コラ!所内で暴れるな、ドルチェ!」
ミセ;゚ー゚)リ「もーこのアホワンコはなんでこんな時に迷惑かけるかなぁ」
*(‘‘)*「早く捕まえなきゃです!」
▼・ェ・▼「アンアンアーンッ!!」ピョーンッ
―――カチッ
川;゚ -゚)「わ!バカ!そのスイッチは……!」
.
-
ーーーヴィーッ、ヴィーッ、ヴィーッ!!
ぶしゅうぅぅぅぅっ!!!
ミセ;゚ー゚)リ「わぁっ!?」
*(;‘‘)*「なんですかこれ!?」
川;゚ -゚)「緊急襲撃時用の催眠ガスだ!みんな早く逃げ……」
川; - )「うっ……」クラッ
ミセ; ー )リ「……」バタッ
*(; )*「……」ドサッ
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「……」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)(なんだなんだ、この展開は……?)
▼・ェ・▼「アンアンッ」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「!!」ビクッ
▼・ェ・▼「ハッハッハッハッ……」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)(犬に催眠ガスが効いてない……低いとこにはガスが届かないのか!?)バッ
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「ぶはぁっ!!ハァーッ、ハァーッ……」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「……大丈夫、みたいだな」
.
-
.
▼・ェ・▼「アンアンアンッ」ガジッ、ガジガジ
ブツッ
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「縄まで切れんのかよ……」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「さっきのことといい、何なんだお前は……?」
▼・ェ・▼「……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「まぁお前が何でもいいや。助かったぜ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ありがとな、ワン公」
▼・ェ・▼「……」
.
-
.
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「こうなったからにはさっさとズラからんと……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「大した収穫にはならなかったが、ここがヒーローのアジトと割れただけでもめっけもんだ」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「もう金輪際ここには近づかないようにしよう……」ズリズリ
▼・ェ・▼「……」パタパタ
チチジャ=サウスガット、研究所より逃亡……。
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-
第三話終わり
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【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
走るとパンツが破けるナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
研究所内では様々な雑務をこなす。
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-
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(,,゚Д゚) RAPID STITCH
本名:ギコラ=サムスン
川д川 FLOWER COMPANY
本名:サダコ=アヤセガワ
両名とも今後の活躍が期待されるヒーロー。
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(゚A゚* ) ノーム=ノートン
¥・∀・¥ マニー=ラミレス
爪゚ー゚) ジーノ=ガーファンクル
平警官たち。サボってないで仕事しろ。
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なんだあの犬の舌技
-
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川 ゚ -゚) COOGAL ROCKETS
本名:クォッサ=サリエリ
義足の天才科学者。
自ら作り上げたロケットブースターを義足に仕込んでいる。
現在その特許をデミタスに委譲、ヒーローたちの活動資金としている。
ミセ*゚ー゚)リ IRON MAIDEN
本名:ミシェーラ=ポワソン
フランス系移民でありクーの科学研究所の同輩。
元フェンシング国体選手でもあり体術に優れる。
かつてはヴィラン狩りの異名で恐れられていた。
*(‘‘)*
本名:ヘリカ=サワーニャ
幼児体形の21歳。
普段は大人しいが一度プッツンするとヴィランにすら怒鳴り込んでゆく苛烈な性格。
以`゚益゚以
I.T.O.Iマスク
正式名称:Inform Tendency of Oxide Instrument
酸化物傾向測定通知器具。
元は呼吸を探知するためだけの装置だったが、博士の余計な趣向のせいで様々なオプションがついた。
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('、`*川 QUEEN
本名:ペニーナ=カートレン
ハハジャ=サウスガットとは旧知の友。
骨董品の換金や、マネーロンダリングに手を貸す。
共にWinーWinの関係が築けているようである。
@@@
@#_、_@
( ノ`) OGRE
本名:ハハジャ=サウスガット
ペニサスとは引退した現在も連絡を取り合う。
彼女が現役だった時代こそ、ヴィランが最も輝いていた時代だと信じている。
ペニサスが引退した分、自らは生涯現役を貫くつもりでいる。
彡⌒ミ THE HOLLOW
本名:チチジャ=サウスガット
透明化の能力を持つヴィラン。
自称サウスガットの家長だがハハジャには頭が上がらない。
しかし夫婦仲は良好な模様。
▼・ェ・▼ DOGGY
本名:ドルチェ
チワワの一種。
謎多きトレジャーの愛犬。
.
-
おしまいです。ミセリはヒーロー殺しでなくヴィラン狩りでした。
どちらにするか迷って直したつもりでしたが直し忘れた箇所があったようです。
重ねてお詫び申し上げます。ちんちん。
-
〜おまけ〜
*(‘‘)*「そういえば、博士」
川 ゚ -゚)「ん、なんだ?」
*(‘‘)*「結局トレパパとミセリンに見せたかった研究の試作品って何だったんです?」
川 ゚ -゚)「おお、そうだ!これを見てくれ!」バッ
ミセ;゚ー゚)リ「……なんです、それ?」
川 ゚ -゚)「トレジャーが平時に着用するブーメランパンツだ!」
川 ゚ -゚)「彼の着用にも耐えられるよう新しい素材を開発したんだぞ!」
*(;‘‘)*「えぇ〜……」
川 ゚ -゚)「それでミセリに聞きたいんだが」
川 ゚ -゚)「トレジャーにはもっと股間が際どい角度でもいいかと思うんだが、君の意見を聞かせてくれないか?」
ミセ*゚ー゚)リ「そうですねー。確かにもっとえげつない角度でゴリゴリ股間を強調してもいいかもですね」
川 ゚ -゚)「だろう?私もそう思ってたんだ」
川 ゚ -゚)「これはまだ一考の価値ありだな、うん」
*(;‘‘)*「えぇぇぇ〜……」
おまけ終わり
-
わんこの立ち位置が今後どうなるのか読めない
-
投下来てたとは思わなんだ
乙乙
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ビッグトレジャーの乳首舐めて足止めしてたのも計算尽くしだった…?
-
おつ
面白くなってきやがったぜ
-
乙乙
スパコンの起ち上げなんて普通知らんわなw
-
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【総合科学研究所地下、特別トレーニングルーム】
( ,,^Д^)「4567!!!4568!!!4569!!!4570!!!ヌウゥゥゥゥン!!!!」ギシッ、ギシッ
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー、失礼します」
( ,,^Д^)「うむ!!!どうしたデミタス!!!」ブラーン
(;´・_ゝ・`)「……それは一体何のトレーニングなんです?」
( ,,^Д^)「これは大胸筋懸垂だ!!!」
( ,,^Д^)「胸筋で体重を支え上下することにより筋肉を鍛えるトレーニングだぞ!!!」
(;´・_ゝ・`)「あぁ、そうですか……」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!!して、私に何の用だね?デミタス!!!」
(´・_ゝ・`)「えぇ。少しお耳に入れたいことが」
( ,,^Д^)「フム!!!聞こう!!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャーは、キャノンボールという競技をご存知ですか?」
( ,,^Д^)「いや、知らないな!名前からするにスポーツの一種かね?」
(´・_ゝ・`)「スポーツといえば聞こえはいいですが、内容はすこぶるデンジャラスな物でして」
(´・_ゝ・`)「簡単に言うと、不良どもが行う非公認の公道レースを指してそう呼ぶそうです」
( ,,^Д^)「フム」
(´・_ゝ・`)「法定速度も交通規則も無視して走るので、時として死人も出かねない危険な物だとか」
(´・_ゝ・`)「警察も補導するのに躍起になっているそうですよ」
( ,,^Д^)「フム。危険を求めるのはいつの時代も、平和な若者なればこそか!」
(´・_ゝ・`)「ですが、最近そのレースで妙な噂が流れているらしく」
(´・_ゝ・`)「時速数百キロを越える改造車を、生身で易々と抜いていく人間が現れたそうです」
( ,,^Д^)「ほう?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「噂では、ある日突然レースの最中に、車道へ乱入した男がいたとか」
(´・_ゝ・`)「轢かれると思われたその男は、車と並走して運転手を煽り始めた」
(´・_ゝ・`)「そして恐ろしい速度を維持したまま車を次々抜いていくと、ぶっちぎりのトップでゴールインしたそうです」
( ,,^Д^)「興味深いな。続けてくれ」
(´・_ゝ・`)「実はレースの主催者とおぼしき人物が、その様子を動画投稿サイトにアップしていまして」
(´・_ゝ・`)「にわかには信じがたいことですが、その噂は全て事実だったようです」
(´・_ゝ・`)「そしてさらに」
( ,,^Д^)「なんだね?」
(´・_ゝ・`)「もしもあれが加工や合成でないなら、件の彼はサー・トレジャーの走力に肉薄する可能性があるんです」
( ,,^Д^)+「ほほう!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「レース仕様の車を追い抜き、人ならぬ速さを宿す男」
(´・_ゝ・`)「これは間違いなく、ヒーローかヴィランの所業です」
(´・_ゝ・`)「しかし、ここまでの能力を持った超人が、レースごときで満足して去る理由がない」
(´・_ゝ・`)「十中八九、ここ数ヵ月内に能力に目覚めた新人でしょう」
( ,,^Д^)「だろうな!!!となれば私のすることは一つか!!!」
(´・_ゝ・`)「えぇ。もし可能であれば、彼をヒーローとしてスカウトして頂きたい」
(´・_ゝ・`)「ヴィランとしての芽が出る前なら、能力を悪用させずに済むかもしれないですから」
( ,,^Д^)「フフフ、良かろう!!して、対象の出現ポイントは?」
(´・_ゝ・`)「クラウン・シティ北の倉庫街を根城に、毎週末レースをしているようです」
(´・_ゝ・`)「ちょうど今夜、新しいレースがあるらしいので行って頂けますか?」
( ,,^Д^)「無論!!!若者を導くのは年長者の務めだからな!!!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーー
ー
【そして深夜、クラウンシティ外れの貸し倉庫街……】
(・∀ ・)「んっあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
( ・3・)「どうしたんだYO、タマキン」
(=゚ω゚)「ヤクでも切れたかょぅ?」
(・∀ ・)「いやさ、レース始まるまでヒマじゃん?なんか面白ぇことねーかなーと思って」
(;・3・)「ヒマだからって叫ぶなよぉ〜ビックリするじゃんYO」
(=゚ω゚)「レース開始一時間前から待ってればヒマにもなるょぅ」
(・∀ ・)「だってさー、お前らも楽しみじゃね?モララー様の走るとこ」
.
-
支援
-
.
( ・3・)「そりゃあ楽しみだYO」
(=゚ω゚)「俺たちこれを楽しみに一週間生きてるようなもんだからょぅ」
(・∀ ・)「だっろー?やっぱLIVE中継より生で見る迫力は違ぇよなー」
(*・∀ ・)「あ〜〜早く今週もモララー様がぶっちぎるとこ見てみたいぜ〜〜」
( ・3・)「タマキンは本当にモララー信者だYO」
(=゚ω゚)「モララーに様までつけるのこいつくらいだょぅ」
(・∀ ・)「お前らも尊敬して崇拝しろ」
( ・3・)「タマキンはヒトラー崇拝して銃乱射した学生みたいにならないでNE」
.
-
.
\ズンッ��ズンッ��ズチャズチャズチャ��/
( ・3・)「おっ?」
(=゚ω゚)「このノリノリなグルーヴ音は……」
(・∀ ・)「来たか!!」
Σz ゚ー )リ「HEY,Guy and bitch.待たせたな!」ズンッ♪ズンッ♪
(*・3・)「きたー!!」
(*=゚ω゚)「ダスティだょぅ!!」
(*・∀ ・)「ダスティー!!」
\ダ・ス・ティ!!ダ・ス・ティ!!/
Σz ゚ー )リ「ハッハー。お前たち、一週間いい子にしてたかよ?」
Σz ゚ー )リ「今日もそんなお前らに、最ッ高にエキサイティングでスリリングなレース、見せてやっかんなァ!!」
(*・3・)「イェーイ!!」
(*=゚ω゚)「ヒュー!!」
(*・∀ ・)「ダスティ最高ー!!」
\ワァァァァァァ!!!!/
.
-
.
Σz ゚ー )リ「だが、今日はお前らに残念な報せからしなきゃなんねぇ」
( ・3・)「えー?」
(=゚ω゚)「なんだょぅ?」
Σz ゚ー )リ「今夜のレースにエントリーしてたファッキンクソ穴野郎が、夜になってドタキャンしやがったのさ!!」
(・∀ ・;)「えぇーっ!?」
Σz ゚ー )リ「おまけに今夜はタイマンレースだから、走り屋の替えがいねぇのよ!」
Σz ゚ー )リ「このままじゃ俺も商売上がったりだぜサノバビッチ!!」
( ・3・)「どうすんだYO」
(=゚ω゚)「今夜はこれで解散かょぅ?」
(;・∀ ・)「ダスティー!!頼むから続けてくれー!!」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「そこで、だ」
Σz ゚ー )リ「今夜モララーに挑戦するバカ野郎を、この中から募集するぜェ!!」
Σz ゚ー )リ「勇気と無謀を履き違えたタイマン野郎、誰かいねェか!!」
シーーーーーン……
Σz ゚ー )リ「おいおいおいおい〜?ここにいるのはタマナシヘナチンばっかりかぁ〜?」
Σz ゚ー )リ「モララー最速伝説に傷をつけようってドバカはいねぇのかよ?」
(;・3・)「そんなの無理に決まってるYO……」
(;=゚ω゚)「あいつ初速で時速100kmくらい出せるんだょぅ。勝てるはずないょぅ」
(;・∀ ・)「お、俺チャレンジしようかな……負けてもいいから」
( ・3・)「止めときなYO、ペーパードライバーのくせに」
(;・∀ ・)「うっせ!あと少しで取れるんだよ!」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「ここでチャレンジャーが出なきゃあ、今日の集会はお開きだぜ?」
Σz ゚ー )リ「男でも女でも未成年でも構わねぇ。我こそはってヤツぁ出てこいや!!」
ざわ……ざわ……
(;・3・)「えぇーせっかく高い観覧料払ったのに中止ー?」
(=゚ω゚)「こんなことならLIVE観戦にすれば良かったょぅ……」
(;・∀ ・)「や、やっぱり俺が行くしか……」
<待てぇいッッッ!!!!!!
Σz ゚ー )リ「……!!」
.
-
_,..、
, -‐-<¨¨` . `ヽ、
ノ-' ´ Y´ / ,} }
∧_∧ /ヽ、 ノノヽ、' __|、__
.( ,,^Д^)! } ≫ーィ''′ ,/__ _ ヽ.
/リ.`ニニ´〈,リ_,/ヽ ,ノ ヽゞιソソノ
/},/,. ''、_ノ,.)゙ヾ-' !
/ ,''′ ,‐''Y ', i′
| { .iリ, h_.,ノ
', ! ノノ _,. -''ナ,フ,,......__
,. -'}、._ ,ノヘ≦、__彡レ´ ゙ヽ、``ヽ、
/´/´{ { `ヽ }ー--イ´ } ゙ ヽ
/ ノ '"´〉ヽ.ィ. /、● ノ.'''´¨`、 ,...ハ、_ノ
,/ ,.イ´ ト _,、 'ヽ ● ` ーイ´゙Y, y.}
/,/ ,,' ,.入 リ {、 ヽ ノ ノ
ノ ' i′ / ノ ヽ-、.ノ! ヽ-|ー‐''"
! ,リ ,.. ィ''Y'´ ', ヽ‐.ァ ノ i
`ー'"´ ./′} /,} . { i′ リ
!__,ノ /n.、i´',i | /
`υ'J `
-
.
( ,,^Д^)「若き血潮にたぎる棒ッ!!!」
( ,,^Д^)「ビィーーーーーーーーーーーッグ!!!!!トレジャーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
(;・∀ ・)「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
(;・3・)「ビッグ・トレジャーだYO!」
(;=゚ω゚)「なんでこんなところに!?」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「へぇ、珍しい客も来たもんだ。あんたみたいな有名人が何の用だい?」
(;・∀ ・)「あっ、もしかして俺たちを捕まえに!?」
(;・3・)「そうなの?」
(;=゚ω゚)「きっとそうだょぅ!違法レースなんてしてるから逮捕しに来たんだょぅ!」
\ふざけんなー!/\帰れ帰れー!/\Boooooooooooo!/
( ,,^Д^)「フフフ!!案ずるな若者たちよ!!それは警察の領分だ!!」
( ,,^Д^)「私の目的はただ一つ!!車に勝る走力を持つ若者をスカウトしにきたのだ!!」
(;・∀ ・)「モララー様を!?」
Σz ゚ー )リ「そいつぁ困るなぁ、奴は腐ってもうちの主役でね」
Σz ゚ー )リ「引き抜きや移籍はお断りしてるんだ」
.
-
.
( ,,^Д^)「だが、主宰よ!!彼の能力はここでくすぶらせるにはあまりに惜しいものだ!!」
( ,,^Д^)「もっと広範な場所で正しく運用されるところを、見てみたいとは思わないかね?」
Σz ゚ー )リ「不良に正しいもクソもあるかよ。それに奴はくすぶってんじゃねぇ楽しんでやってんのさ」
(・∀ ・)「そーだそーだ!!」
(=゚ω゚)「お前ら大人には分かんないんだょぅ!!」
( ・3・)「モララーはレースの申し子だからNE!」
( ,,^Д^)「フム、然らば交渉は決裂ということか!!」
Σz ゚ー )リ「そうなるな」
Σz ゚ー )リ「けど、俺も鬼じゃねぇ。どうせ頼み事するならギブアンドテイクと行こうじゃねーの」
( ,,^Д^)「なんだと?」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「あんた、モララーと走りで競ってみる気はねぇかい?」
Σz ゚ー )リ「こっちはちょうどレース相手がいなくなって、退屈してたとこなんだ」
( ,,^Д^)「ほう?」
Σz ゚ー )リ「勝てばあんたの好きにしろよ。その代わり、負けたら今後あんたにもレースの馬になってもらう」
Σz ゚ー )リ「どうだい、あんたも自分の体にゃ相当自信がある方だろ?」
Σz ゚ー )リ「勝てば100、負ければ0の勝負だ。受けてみるかい?」
( ,,^Д^)「フフフ、良かろう!!!ならばその勝負、受けて立つ他あるまい!!!」
(*・∀ ・)「おおー!!」
(*・3・)「モララーとトレジャーのレースだ!!」
(*=゚ω゚)「興奮でおしっこ漏れそうだょぅ!!」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「ククク……今夜はシケた夜になるかと思ってたが、楽しめそうな気分になってきたじゃねーの!!」
Σz ゚ー )リ「モララー、来い!!こいつが今日のお前の対戦相手だ!!」
\ズチャ!ズチャ!ズンズンズンズン!/
( ・∀・)「Foooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!」ザシュッ��
(*・∀ ・)「モララー様!!」
( ・3・)「モララー!!」
(=゚ω゚)「モララー!!」
\モララー!!モララー!!モ・ラ・ラー!!/
( ・∀・)「ハッハァー!!」ダァンッ
.
-
.
( ,,^Д^)「君が、車より早いと言われる青年かね?」
( ・∀・)「そうだよ。俺が史上最速最強最高の、モララード=マクレガー様さ!」
( ,,^Д^)「フハハ!!その自信に満ちた眼差し、素晴らしいぞ!!」
( ・∀・)「おっさんこそ自分の立場分かってんの?負けたらそいつの下で、一生飼い馬生活だぜ?」
( ,,^Д^)「ならばそうならないよう死力を尽くすのみだな!!!」
( ・∀・)「あーあ、これだからマッチョイズムは困るぜ」
( ・∀・)「あんたの勝てる望みなんか一厘だってないってのにさ」
( ,,^Д^)「フフフ。だが、勝負は下駄を履くまで分からないとも言うぞ?」
( ・∀・)「言ってろ脳筋、勝つのは今日も俺だかんな」
.
-
.
( ・∀・)「おい、ダスティ!」
Σz ゚ー )リ「ん?なんだ?」
( ・∀・)「今日の相手は西部の走り屋チームじゃなかったのかよ?」
Σz ゚ー )リ「悪ぃ悪ぃ。奴さん夜逃げかましたみてぇでよ、たまにはこういうイレギュラーもあらぁな」
( ・∀・)「ったーく……それならそれで先に連絡しとけっての」
Σz ゚ー )リ「なんだ?相手次第じゃ負けちまうとでも言うつもりか?」
( ・∀・)「んなことあるかよ。種目がレースなら音速ジェットにも負けねーよ」
Σz ゚ー )リ「ならいいだろ?早くスタート位置につけよ」
( ・∀・)「自分の連絡の不備を棚に上げやがって……おい、そこのガキ!」
.
-
.
(*・∀ ・)「えっ!もしかして俺のこと?」
( ・∀・)「ちっげーよ!その横のやつだよ!」
( ∵) ゴエ?
( ・∀・)「お前、ちょっと俺の上着預かっててくれ。レース終わりで取りに戻るからよ」ファサ
( ∵) ゴエゴエ
(;・∀ ・)「えぇー!?いいなぁ、俺もモララー様から直接上着預かりたかったぜー……」
( ・3・)「あと一人横だったNE」
(=゚ω゚)「タマキンは微妙に運がなぃょぅ」
( ・∀・)「……」ニヤリ
( ∵) ニヤリ
.
-
.
( ,,^Д^)「ところで主宰よ。私はキャノンボールという競技のルールを知らないのだが」
Σz ゚ー )リ「簡単だよ。ここからスタートして市街地を一周したら、また戻ってくるだけだ」
Σz ゚ー )リ「順路には必ず観客がいるから、それに沿って走るのが一番いいんじゃねぇか?」
( ,,^Д^)「なるほどな!!把握した!!」
Σz ゚ー )リ「ま、その順路でショートカットを網羅したモララーに勝てるかは謎だがね」
( ,,^Д^)「フフフ。不屈の闘志と肉体さえあれば、成し遂げられぬ物はない!!」
( ・∀・)「ふふん。単純野郎め、返り討ちだぜ!」
Σz ゚ー )リ「合図は俺が取るぜ!二人ともスタート位置につきな!」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「準備はいいか、野郎ども!!」
( ・∀・)「ああ、いつでも」
( ,,^Д^)「同じく!!!」
Σz ゚ー )リ「セットアップ!!」
( ・∀・) ググッ…
( ,,^Д^)(ほう……クラウチングスタート。しかも様になっている)
( ,,^Д^)(もしやこのモララーという青年、陸上経験者か?)
Σz ゚ー )リ「レディー……ゴゥッ!!!」バッ
( ∵)「……」チカッチカッ
( ,,;^Д^)「ヌッ!?」
( ・∀・)「ヒャッホゥーッ!!」ドォンッ
( ,,;^Д^)「しまった……出遅れたか!!」ダダッ
(・∀ ・)「決まったー!モララー様のロケットスタート!!」
( ・3・)「あるぇー?今トレジャー変な顔しなかった?」
(=゚ω゚)「気のせいじゃない?」
.
-
.
Σz ゚ー )リ(ククッ……上着に仕込んだレーザーポインタで妨害か)
Σz ゚ー )リ(てことは、さっきのガキもモララーとグルってこったな)
Σz ゚ー )リ(相っ変わらず、勝つためにはやることがセコくて好きだぜェ。モララー)
( ,,^Д^)「ヌオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」ドドドドドドド…
( ・∀・)「ハッハァー!!!」ズダダダダダダダダダダ…
(;・∀ ・)「二人とも早ぇー……」
(;・3・)「もう見えなくなっちゃったYO」
(=゚ω゚)「でも、スタートダッシュの遅れでトレジャーの方がだいぶ後ろだったょぅ」
.
-
.
Σz ゚ー )リ『さぁ、ここからは実況解説ダスティで行くぜぇ!!』
Σz ゚ー )リ『中継班!今日の生LIVEはR-18制限かけとけよ!』
Σz ゚ー )リ『ちんちんブラブラさせたまんまのレースなんざ、お子ちゃまには見せらんねぇからなァ!!』
( ,,^Д^)「フハハハハッ!!早いなモララー!!噂になるだけのことはある!!」ズドドドド
( ・∀・)「あんたは噂ほどじゃねーなぁ!!他に並ぶもの無しのスーパーヒーローじゃねぇのかよ!!」ダダダダダダッ
( ,,^Д^)「なぁに!!今に追いついてみせるさ!!この肉体に誓ってな!!」ドドドドドドド
( ・∀・)「そうかい!それじゃあ次はこんなのはどうだ!?」ヂッ!
Σz ゚ー )リ『おおっとここでモララーの蹴り上げた小石が偶然にもトレジャーを襲うーーーー!!!!!』
( ・∀・)「偶然なもんか。狙ってやってんだよ!」ビッ!ビッ!
( ,,^Д^)「ヌゥッ!!!」
.
-
.
( ・∀・)「ハハッ!どうだいトレジャー!器用なもんだろ!!」ザゥッ!ザゥッ!
Σz ゚ー )リ『路傍の小石もモララーの手にかかれば弾丸へと変わるのかぁ!!?』
Σz ゚ー )リ『こいつぁ後方のトレジャーには辛い展開だぁ!!』
( ,,^Д^)「ムフフ……舐めるなよ!!!モララーッ!!!」
( ,,^Д^)「この程度の小石、本物の弾丸飛雨を潜り抜けた私には通用しないぞ!!!」
( ,,^Д^)「小石なぞ!!!気にしなければどうということはない!!!」バチッバチッ
Σz ゚ー )リ『ビッグトレジャー、当たる小石を物ともしねぇ!!』
Σz ゚ー )リ『こいつぁただの大バカ野郎だーーーーーーー!!!!!!!!』
( ・∀・)「っへぇ〜!けっこうやるじゃん、おっさん!」
.
-
.
( ,,^Д^)「どうしたモララー!!小手先の技に頼ったせいで距離が詰まってるではないか!!」ビュンッ!
( ・∀・)「ちょうどいいハンデだろ!!このままあんたが前を走ることはないんだからな!!」ヒュンッ!
( ,,^Д^)「言ってくれるなぁ!!意気の良い若者には好感しか持たないぞ!!」ギュォンッ!
( ・∀・)「そいつぁ残念!!若いナオンに生まれ変わってから出直してくれや!!」ビュォンッ!
Σz ゚ー )リ『レースは白熱!!舌戦も白熱!!』
Σz ゚ー )リ『本人たちにしか会話が伝わってねぇのが無念だぜ!!』
Σz ゚ー )リ『あとで読唇術使って映像解析すっから視聴者は待ってろ!!』
( ・∀・)「それじゃあ、こんなのはどうだ!?」
( ・∀・)「俺に着いてきな!ビッグ・トレジャー!!」ズザザッ
( ,,^Д^)「ムッ!!!」
.
-
.
( ・∀・)「ヒャアーーーーーーーーーッハァーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズババババババババババババッ!!!!!!!!
Σz ゚ー )リ『こ……これは!壁走り!モララーの壁走りが炸裂ゥー!!』
Σz ゚ー )リ『ビルの壁面を歩道のように歩いてくぜェーーーーーーー!!!!!』
Σz; ゚ー )リ『つーか中継班のいねーとこ走んじゃねぇよバカ!配信出来ねぇだろが!』
( ・∀・)「知るかァ!!俺は俺の走りたい道を走るんだよ!!」
( ・∀・)「お前にこの道走れるかよ、トレジャー!?」
( ,,^Д^)「良かろう!!!その挑戦、敢えて乗ってやろう!!!」
ズガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!
.
-
.
( ,,^Д^)「フーハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」ドシュンッ
(;・∀・)「おおっ!?なんだオイあっさり着いてきたな!?」シュバッ
( ,,^Д^)「無論!!!この体尽きるまで道は閉ざされはせんのだ!!!」
( ・∀・)「そうかい!!それじゃあここからは夜のパルクールと洒落こもうか、おっさんよォ!!」
( ・∀・)「ハァーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」スパァンッ
( ,,^Д^)「ムッ!!!」
( ・∀・)「ホイ、ホイ、ホイッと!!」タンッ、タンッ、タァーンッ!
( ,,^Д^)「ムムッ!!!なんと軽やかな身のこなし!!!」
( ,,^Д^)「私も負けてはいられないな!!!」スタァーンッ!
.
-
.
( ,,^Д^)「ムッハハハハハハ!!!!!」ヒラリヒラリ
( ,,^Д^)「なんだか楽しくなってきたな、モララーよ!!!」シュタァーンッ
( ・∀・)「そりゃあんたは俺とは解放感が段違いだからな!!」
( ,,^Д^)「見たまえ、モララー!!!」
( ・∀・)「あん?」
( ,,^Д^)「この街はこんなにも美しい景観に溢れている!!!」
( ,,^Д^)「ここへ来なければ見ることもなかった風景だ!!!感謝するぞ!!!」
( ・∀・)「へっ。美しい風景だぁ?そんなこたぁ、言われなくても分かってんだ……」
( ・∀・)「よっと!!!」ドガァッ
( ,,^Д^)「!!!!」
.
-
.
ギガゴゴゴゴゴゴ……
( ・∀・)「高所作業用のクレーンだぜ!ありがたくいただきな!」
( ,,^Д^)「ヌウゥ!!!何のこれしき!!!」
( ,,#^Д^)「マッスル・ヘッドバットォッッッ!!!!!!!!!!」
ゴガァァァァァァァァァァァァンッッッ!!!!!!!!!!!
(;・∀・)「うぇっ!?」
( ,,^Д^)「フフフ……私の頭は鉄より固いのだよ!!!」
(;・∀・)「あーそうかい、クソッタレ!!」
( ・∀・)「だが、差はますます開いちまったなァ?」
( ,,^Д^)「まだだ!!!まだゴールまで距離はある!!!」
.
-
.
( ・∀・)(しっかし、しぶといおっさんだぜ)
( ・∀・)(予定じゃゴール前までに潰すつもりだったのによ!)
ゴォォォォ……
( ・∀・)(……!!)ピクッ
( ・∀・)「へへっ……どうやら運は俺に向いてきたみたいだな」ピタッ
( ,,^Д^)「ムムッ!!!何故止まる、モララー!!!勝負を捨てたか!!!」
( ・∀・)「んなわけあるかよ!あんたごときに勝負を捨ててたまるか!」
( ・∀・)「俺は今からこっから飛び降りるが、あんたも同じことする勇気があるかい?」
( ,,^Д^)「何だとォ!!!」
.
-
.
( ・∀・)「ちなみに、このショートカットを使えばあんたの逆転はもう不可能だ」
( ・∀・)「素直に敗けを認めた方が早いんじゃねーの?」
( ・∀・)「じゃあな、アバヨおっさん!!」ヒュオッ
( ,,^Д^)「ヌウゥ!!!そこまで言われては追わぬ訳にはいくまい!!!」
( ,,^Д^)「ビッグ・トレジャーッッッ!!!!!参る!!!!!」ヒュンッ
( ・∀・)「……なんつってな♪」
( ,,^Д^)「!?」
.
-
.
( ・∀・)「ハッハァー!!かかったなおっさん!!」
モララーは飛び降りると見せかけ、ビルの壁面に指をかけ張りついていた!!!
( ・∀・)「アバヨ!!今度こそ地獄に落ちな!!」
そしてトレジャーが同じように壁に張りつけないよう、彼の背中をピンポイントで蹴り飛ばす!!!
( ,,^Д^)「ヌヌォッ!!?」
さしものビッグ・トレジャーといえど、身動きの取れない空中で背中を押されてはひとたまりもなかった!!!
.
-
.
( ,,^Д^)「ヌオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」
( ・∀・)「おんやー?たまたま、たまったま下の道路をトラックが通過するみたいだなぁ〜?」
( ・∀・)「上手く避ければ死なないから、頑張って逃げてくれよ?」
( ・∀・)「ま、それが出来ないように蹴倒したんだけどな!!」
( ・∀・)「じゃあなおっさん!!今度は本当にサヨナラだ」
( ・∀・)「生きてたらゴールで会おうぜ♪」シュタッ
( ,,^Д^)「不覚ッッッ!!!だがやむ無しッッッ!!!」ヒュー
( ,,^Д^)「しかしこのままトラックにぶつかれば、トラックの方がただならぬダメージを負ってしまう!!!」
( ,,^Д^)「なんとかせねば!!!」
.
-
.
その時、ビッグ・トレジャーが取った行動は恐るべき物であった!!!
( ,,^Д^)「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
まずは両手を道路について着地!!!
そのまま足を肩幅に広げ倒立の体勢を取る!!!
( ,,#^Д^)「ヌンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして後ろへ倒れこむようにして、ブレーキの間に合わないトラックへ足を押し当てる!!!
さながらジャパンの雑巾掛けかフンコロガシのような体勢で、そのまま体を突っ張った!!!
( ,,#^Д^)「フヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
凄まじい音を立てて削られるアスファルト!!!
トラックの勢いを殺しながら、自らも生き残らんとするビッグ・トレジャー!!!
これはまさしく彼にだけ許された、スーパーウルトラCである!!!
.
-
.
ギキィィィィィィィッッッ……!!
( ,,^Д^)「ふぅっ!!!止まってくれたか……!!」
(;*‘ω‘ *)「ち……ちんぽ……」
( ,,^Д^)「おお!大丈夫かねトラックの中の人!」
(;*‘ω‘ *)「でかちんぽ……」
( ,,^Д^)「すまない!!フロントガラスに足を掛けたせいで股間が大写しだったな!!」
( ,,^Д^)「この詫びは必ずしよう!!だが今は急ぎゆえ、トラックのナンバーを控えさせてくれたまえ!!」
(;*‘ω‘ *)「……」コクコク
( ,,^Д^)「……うむ?」
( ,,^Д^)+「こ、これはッ!!!」キュピーンッ
( ,,^Д^)「そうかッ!!!その手があったかァッ!!!」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ・∀・)「イーーーーーーーーヤッフゥーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」ズドドドドドドドドドドド…
( ・∀・)「今日もモララー様の圧倒的勝利だぜェーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
Σz ゚ー )リ『やーっと正規ルートに帰って来やがったぜ、ファッキンモララー!!』
Σz ゚ー )リ『てめぇどこで何してやがったー!!後でしっかり聞かせてもらうかんな!!』
( ・∀・)「固ぇこと言ってんじゃねーよ!!要は勝ちゃいいんだ勝ちゃあ!!」
( ・∀・)「さーて、勝利の凱旋パレードと行きますか!!観客の視線は独り占めだぜ!!」
(;・∀ ・)「お、おい……!」
(;・3・)「マジで!?」
(;=゚ω゚)「ひえぇ……」
ざわ……ざわ……
( ・∀・)「……?」
( ・∀・)「観客が俺の方を見てない……?」
.
-
.
Σz; ゚ー )リ『なっ……』
Σz; ゚ー )リ『なんだあれはーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!?????????』
( ,,^Д^)「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
Σz; ゚ー )リ『後方から猛然と、ビッグトレジャーが追い込みを掛けてくるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!』
(;・∀・)「何ィッ!?」
Σz; ゚ー )リ『しかもなんだあの体勢は!?あれでモララーに追いついたってぇのかぁ!?』
(;・∀・)「なんだよ体勢って!!」
(;・∀・)「クソッ!!気になるが今振り向いたらタイムロスだ!!」
(;・∀・)「このまま駆け抜けるっきゃねぇーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
( ,,^Д^)「逃さんぞモララァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
.
-
.
(;・∀・)「オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドドドドドドドドドドドドドド
( ,,^Д^)「フォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドドドドドドドドドドドドドド
(;・∀・)(よしっ!!ゴールまであと10m!!逃げ切れる!!)
▼・ェ・▼ ヒョコッ
▼・ェ・▼「アンアンアーーーンッ!!」
(;・∀・)「うぉうっ!?」ビクゥッ
(;・∀・)「な、なんだこの犬!?」
( ,,^Д^)「隙アリ!!モララァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(;・∀・)「し、しまった!!」
.
-
.
その時、モララーが目撃したもの!!!それは!!!
( ,,^Д^)「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ズギャンッ
獣のごとき四足歩行で、モララーを後方から追い抜くビッグ・トレジャーの姿であった!!!
(;・∀・)「バ……バカなァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!?????????」
Σz; ゚ー )リ『こ、これは……判定を見るまでもねぇ!!』
Σz ゚ー )リ『勝者!!ビィーーーーーーーーーーッグ・トレジャーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!』
(*・∀ ・)(*・3・)(*=゚ω゚)「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」」」
.
-
.
(*・∀ ・)「すっげぇじゃん!ビッグトレジャーって!」
(*・3・)「まさかモララーに勝つなんて思ってなかったYO!」
(*=゚ω゚)「興奮しすぎて小便漏れちゃったょぅ!!」
(;・∀ ・)「お前は普通に汚いな!!」
\ト・レ・ジャー!!ト・レ・ジャー!!/
(;・∀・)「ぜはっ、ぜはっ……クッソォ……!!」
( ,,^Д^)「モララーよ!!」
(;・∀・)「……あ?」
( ,,^Д^)「いい勝負だったな!!」グッ
(;・∀・)「へっ、負けていい勝負もあるもんかよ」
.
-
.
(;・∀・)「俺はてっきり、道中の反則でも諌めに来たのかと思ったぜ」
( ,,^Д^)「うむ!!!確かにあれはいただけないな!!!」
( ,,^Д^)「しかしこの世には、あれしきの不正など物ともしない人間がいるということだ!!!」
( ・∀・)「あんたは人間じゃなくて化けもんだろ?」
( ,,^Д^)「人間さ!!!君がそうであるようにな!!!」
( ・∀・)「……ケッ」
( ,,^Д^)「だが、それはそれとして君の走りは素晴らしいものだった!!!」
( ,,^Д^)「その走りに感嘆と敬服を表して、ぜひ君を我々の仲間に加えたい!!!」
( ,,^Д^)「これからは、この街の人々を救うためにその力を行使しないか?」
( ー∀ー)「……しゃあねーな、約束だかんな」
( ・∀・)「モララード=マクレガー。本日限りでキャノンボールを引退して、ヒーローの仲間になってやるよ」
( ,,^Д^)「フハハハハ!!!ありがとう、モララー!!!」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「よう、お二人さん。いい走りだったぜ」パチパチパチ
( ・∀・)「ダスティ。悪ぃな、負けちまったよ」
Σz ゚ー )リ「気にすんな。いつかはこういう日がくると思ってたさ」
Σz ゚ー )リ「次からはまた普通のキャノンボールでも興行するわ」
Σz ゚ー )リ「ほれ、最後のファンサービスだ。声援に応えてやんな」
( ・∀・)「……!!」
(;∀ ;)「モララー様ー!!辞めないでくれー!!」
( ・3・)「カッコよかったYO!」
(=゚ω゚)「またいつか走りに来てくれょぅ!!」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!人気者だな、君は!!」
( ・∀・)「……へへっ」グッ
\ワァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!/
.
-
.
Σz ゚ー )リ「ところで、勝者のあんたには景品が必要だよなぁ?」
( ,,^Д^)「むっ?」
Σz ゚ー )リ「ほれ、受け取りな!」ヒュッ
( ,,^Д^)「これは……USBメモリ?」パシッ
Σz ゚ー )リ「持っておけよ。後々必ず必要になるもんだ」
( ・∀・)「景品だぁ?」ハッ
( ・∀・)「ダスティお前まさか、今夜は最初から俺をトレジャーのおっさんと競わすつもりだったのか?」
Σz ゚ー )リ「さてなぁ?ただ、ヒーローどもが俺らのキャノンボールを嗅ぎ回ってるって話は聞いてたがな」
( ・∀・)「……食えねーやつめ」
( ,,^Д^)「よかろう。これが何かはまだ分からないが、ありがたく頂戴しておくことにしよう!!」
.
-
.
( ・∀・)「あぁ、そうだ。あんたなんで最後の方で犬みてーな走り方してたんだ?」
( ,,^Д^)「おぉ、あれか!!あれは君が私をトラックに突っ込ませたおかげで閃いた走法だ!!」
( ・∀・)「何ぃ?」
( ,,^Д^)「フフフ……君が私を突き飛ばしたあのトラックは、とある有名スポーツ用品のメーカーの物だったのだ!!」
( ,,^Д^)「そのトラックの側面に、飛びかかる黒い豹の図案が描いてあったのでな!!!」
( ,,^Д^)「二足歩行より四足歩行の方が早いと踏んだ訳だ!!!」
(;・∀・)「そんなバカな理由で走ってたのかよ!」
( ・∀・)「ケッ、インチキで自分の首絞めるなんざヤキが回ったもんだ」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!君は反則なぞしなくても早いさ!!」
.
-
.
▼・ェ・▼「アンッ!アンアンッ!」ヒョコッ
( ・∀・)「あ!さっきのバカ犬!」
( ,,^Д^)「ドルチェ!!着いてきていたのか?」
(;・∀・)「なんだよ、こいつあんたの犬かよ!」
( ・∀・)「こいつが最後の直線で俺に吠えかかってくるから負けちまったんだぜ?」
( ,,;^Д^)「そ、そうだったのか!?すまない!!」
( ,,^Д^)「ドルチェも謝りなさい!!私も一緒に謝るから!!」
▼・ェ・▼「ハッハッハッ……」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( *,,;^Д^)「あ、ァフゥン……ドルチェ、止めなさァフゥン!!!」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( *,,;^Д^)「お、ォオウ……ォウヌフ……サティスファクションッ!!!」
( ・∀・)「なんだこれ」
.
-
.
( *,,;^Д^)「ど、ドルチェ……オゥイエス……ドルチェェェ……!!!」ポロッ
( ・∀・)「あっ」
▼・ェ・▼ ピタッ
▼・ェ・▼「アオンッ!」パクッ
( ,,^Д^)「あ」
(;・∀・)「あー!あの犬USBを!」
▼・ェ・▼「アンアンッ!」タターッ
( ,,;^Д^)「こ、こら待てドルチェ!!返しなさいドルチェ!!ドルチェーーーー!!!」
(;・∀・)「……今日からこいつらの仲間になるのかぁ」
……一抹の不安を覚えるモララーであった。
.
-
第四話終わり
-
【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
ビッグハートとビッグコックを武器に戦うナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
不良は好かないが特に咎めるつもりもない。
.
-
.
Σz ゚ー )リ DAST KING
通称:ダスティ
自らゴミ山の王を名乗る謎の男。
クラウン・シティの不良たちのカリスマ的存在。
( ・∀・) SUPER SPEED STAR
本名:モララード=マクレガー
かつて大学陸上で名を馳せた男。
ドーピングが発覚し永久追放処分を受け、大学を中退。
腐った生活を続けていたところ能力に開眼しダスティに目をつけられる。
全ての勝負は勝ってナンボだという信条を持つ。
.
-
.
(・∀ ・) タマキン=ゴールドベイ
( ・3・) アレックス=ボルジョア
(=゚ω゚) レイヨン=サンドロー
クラウン・シティの不良たち。無職のすねかじり。
.
-
.
(*‘ω‘ *) ポポラ=ティンカーベル
バツイチのトラック運転手。
▼・ェ・▼ DOGGY
本名:ドルチェ
チワワの一種。
存在謎めくトレジャーの愛犬。
.
-
乙
ツッコミが多すぎて間に合わないが今日もいい話だった
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>( ,,^Д^)「しかしこのままトラックにぶつかれば、トラックの方がただならぬダメージを負ってしまう!!!」
クソワロタ
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超待ってた、相変わらずナイスガイで惚れる
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2413.jpg
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>>266
光る股間が素敵ですね!ありがとうございます
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今回のトレジャーのセリフなんか格好いいの多かったな
股間丸出しだけど
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>>266
よし、ドルチェはかわいいな
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>>245
この認識の差、クソワロタ
-
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(,,゚-゚)
やぁ、久しぶり!みんなの心のオアシス、ギャシャール=ホプキンスだよ!
ボクは今、クラウンシティに滞在しながらビッグスクープを追っているんだ!
事件の匂いが絶えない街だからこそ、スクープの種はどこにでも転がってる。
だからボクたちカメラマンは、常に自分の足でスクープを探さなきゃいけないんだ。
ザアァァァァァァァァァァァァァァァァ……
(,,゚-゚)「……」グッショリ
だから雨に降られて写真がパーになったくらいで、へこたれてちゃあいけないんだよ!
.
-
.
(,,#゚-゚)「あぁもーっ!!なんで雨なんか降ってくるのさー!!」
(,,#゚-゚)「おかげで撮りためてた写真が全っ部パーになっちゃったよ!!」
(,,゚-゚)「ファック!雨雲ファック!ぶち殺すぞ」
(,,゚-゚)「……なぁーんて、雨雲に喧嘩売っても仕方ないかぁ」
(,,゚-゚)「どちらかというとケチって防水性のフィルムケース買ってなかったボクが悪いし……」
(,,゚-゚)「……はぁ」
(,,゚-゚)「そもそもこのまま帰ろうとしたら大事なカメラまで壊れちゃうし」
(,,゚-゚)「雨やむの待つかー……」
.
-
.
(,,;゚-゚)「うえ、下着までびしょびしょだ」
(,,゚-゚)「どっか乾かせる場所ないかなぁ……」
(,,゚-゚)「モーテルは……勿体ないし一人で入りたくないし」
(,,゚-゚)「クラウンシティに知り合いもいないしなぁ……」
(,,゚-゚)「……あ、そうだ!アンドリューさんの携帯に連絡入れればシャワーくらい貸してもらえるかも!」
(,,゚-゚)「……駄目だ。あの人忙しそうだから連絡取れるか分かんないや」
(,,゚-゚)「あ〜〜〜もうどうしよ〜〜〜……」
コンコンッ
(,,゚-゚)「……ん?」
.
-
.
爪'ー`) コンコンッ
(,,゚-゚)「あ、はい?何ですかー?」
爪'ー`)「あのね、君。何ですかじゃないよ」
爪'ー`)「人の店の軒先でブツブツ独り言言われてたら営業妨害なんだよね。分かるかな?」
(,,;゚-゚)「あぉっ……!!す、すみません!!閑散としてたから営業中と思わなくて!!」
爪'ー`)「失礼な人だねぇ……」
(,,;゚-゚)「あぅ……す、すみません」
爪'ー`)「ま、いいよ。人が来ないのは事実だしね」
爪'ー`)「……君、雨にやられた口か。良かったらタオルくらい貸すけど?」
(,,゚-゚)「えっ、いいんですか!そんなシャワーまで貸してくれるなんて悪いですよ!」
爪'ー`)「そこまでは言ってないけど……図々しい子だねぇ」
爪'ー`)「まぁいいでしょ。良かったらうちの店、上がっていきなよ」
(,,゚-゚)「やったぁ!!超ラッキー!!」
.
-
.
(,,゚-゚)「わぁ……すごー。ここ楽器屋さんだったんですね」
爪'ー`)「はは、まぁね。これでも昔はロッカーとして音楽で食って行きたかったんでね」
(,,゚-゚)「そうなんだー……ボク音楽とか全然聞かないから分からないや」
爪'ー`)「あ、一応言っておくけど濡れた手で触らないでね?湿気に弱いのも多いから」
(,,;゚-゚)「や、やだなぁ触らないですよ!」ギクゥッ
爪'ー`)「……奥の部屋にシャワーもタオルもあるから、勝手に使えば?」
(,,゚-゚)「ありがとうございます!助かります〜!」
爪'ー`)「礼はいいから早くしな。店先ビッチャビチャだよ」
(,,;゚-゚)「おぅふ!ごめんなさいすぐに移動します!」
.
-
.
爪'ー`)「あ、そうそう。奥に乾燥機もあるからついでに服も乾かしとけば?」
爪'ー`)「どうせ着替えなんて持っちゃいないだろ?」
(,,゚-゚)「えぇ〜何その至れり尽くせり……あなた神様?」
爪'ー`)「どちらかというと君を哀れんでるだけだけどね」
(,,゚-゚)「じゃあ……ありがたくお借りします!」ペコリ
爪'ー`)「そうしな」
(,,゚-゚)「あぁーなんかこの街に来てから出会い運がよくなってきてる気がするなぁ……」
(,,゚-゚)「本当にありがとうございます!」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(,,゚-゚)「ふぃー。ありがとうございましたー!おかげで風邪ひかずに済みました」
爪'ー`)「ん。そら良かった」
(,,゚-゚)「服乾くまでスッポンポンでシャワールーム占拠してましたけど大丈夫でした?」
爪'ー`)「かまわんよ。どうせ独り暮らしの身だ」
(,,゚-゚)「あぁ〜もう本当に感謝しかないですぅ〜。なんでこんなに優しくしてくれるんですか?」
爪'ー`)「シャワーに関しては君の図々しさに負けた形だけど」
(,,;゚-゚)「うっ……すみません」
爪'ー`)「冗談だよ。特に理由なく人助けしたらダメかい?」
(,,゚-゚)「いえもう全然ダメなことないです!貧乏な自分バンザイ!」
爪'ー`)「ククク……変な子だねぇ。面白い」
.
-
.
(,,゚-゚)「あの、そういえばお名前伺ってもいいですか?後でお礼がしたいので……」
爪'ー`)「ぼくかい?ぼくはカルロ=フォクシー、フォックスでいいよ。君は?」
(,,゚-゚)「ギャシャール=ホプキンスって言います!」
(,,゚-゚)「色々助けてもらってありがとうございました。おかげで機材も濡れずに済みました!」
爪'ー`)「機材か。君も何かやってるの?」
(,,゚-゚)「あ、ボクはフリーのカメラマンやってるんです。まだぺーぺーの新人ですけど」
爪'ー`)「へぇ……写真かぁ。いいじゃない」
爪'ー`)「音楽も写真も、自己表現はどんな形でも良いものだよ」
(,,゚-゚)「そんな大した物じゃないですよ。ボクのはただの出歯亀みたいなものだし」
爪'ー`)「それ一本で食べてこうとしてるなら、立派なもんだよ。夢破れた身としては羨ましい」
(,,゚-゚)「そ、そうですかね……嬉しいな」
.
-
.
(,,゚-゚)「カルロさんはどんな音楽をやってたんですか?」
爪'ー`)「んー……インディーズのメタルバンドなんだけど、知ってるかな」
爪'ー`)「『 THE BLUE FOXYS 』ってバンド」
(,,;゚-゚)「う、うーん……ごめんなさい知らないです」
爪'ー`)「だろうねぇ。けっこう昔のバンドだしね」
爪'ー`)「これでもけっこう才能あるって言われてたもんだけど」
(,,゚-゚)「じゃあまたやってみればいいじゃないですか!カルロさんまだ若いみたいだし」
爪'ー`)「ははは。今は別のことに忙しいからバンドまではなかなかね」
(,,゚-゚)「あー……そうですよねぇ。お店しながらバンドって難しそうですもんね」
爪'ー`)「人間、複数のことに熱を保ち続けるのは骨が折れるみたいだね」
.
-
.
爪'ー`)「ところで、君まだ時間あるの?」
(,,゚-゚)「え?えーと、アパート帰ったらフィルム現像できないか試してみるつもりだったけど……」
爪'ー`)「だったら早く帰った方がいいんでない?カメラマンなら作品の成否は死活問題でしょ」
(,,;゚-゚)「あっ!ごめんなさい、長居して迷惑かけるつもりはなかったんですけど!」
爪'ー`)「そういうことじゃなくて。良ければ送ってくよってこと」
(,,゚-゚)「……へ?」
爪'ー`)「と言っても、車は持ってないんで徒歩になるけどね」
爪'ー`)「傘かレインコートなら、貸してあげてもいいよ」
(,,゚-゚)「え、うーん……」
(,,゚-゚)(これ以上長居したらカルロさんにも迷惑だろうしなぁ)
(,,゚-゚)「……じゃあ最後に甘えてもいいですか?」
爪'ー`)「オッケー、決まりだね」
爪'ー`)「君んちまで送るから、雨具はその場で返してくれればいいよ」
(,,゚-゚)「はーい、ほんとすみません」
爪'ー`)「……」フフッ
.
-
.
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
爪'ー`)「お待たせ、ギャシャールくん」
(,,゚-゚)「いいえ、何も待ってなんか……」
(,,;゚-゚)「って、凄い派手なレインコートですね!?」
爪'ー`)「そうかい?自分ではわりと気に入ってるんだ」
(,,゚-゚)「なんか雨に溶け込みそうな色してるー。すごーい……」
爪'ー`)「ははは、そうかもね。ハイこれ、傘」
(,,゚-゚)「あ、ありがとうございます」
爪'ー`)「それじゃ行こうか。君の住所は?」
(,,゚-゚)「アーキス通り35番地のアパートです」
爪'ー`)「本当かい?良かった、今日これからちょうどその近くに用があったんだよ」
爪'ー`)「昔のバンド仲間がそこに住んでて、顔を出さないかって声を掛けられててね」
(,,゚-゚)「へぇー、凄い偶然だなぁ」
爪'ー`)「フフフ、そうだねぇ。じゃあ行こうか」
.
-
.
(,,;゚-゚)「うへぇー、靴までは乾いてないからぐっちゃぐちゃだぁ……」
爪'ー`)「ついでに乾かしていけば良かったねぇ」
(,,゚-゚)「家に帰ったらやりますよー」
(,,゚-゚)「まぁベランダに干しとくだけになりそうだけど」
爪'ー`)「フフフ……君は雨は嫌いかい?」
(,,゚-゚)「んー……あんまり好きじゃないかなぁ。憂鬱になるし外出れないし」
爪'ー`)「その割に今日はお出掛けしてたみたいだね?」
(,,゚-゚)「雨ならではのスクープが撮れないかなーって……けど濡れちゃったせいで、全部パーになっちゃいました」
爪'ー`)「そうかそうか。それは残念だったね」
(,,゚-゚)「まぁ仕方ないです。どうせ大した物撮れてなかったし」
爪'ー`)「気落ちしなさんな。そのうち雨はきっと君に微笑んでくれるよ」
(,,゚-゚)「……雨がですか?」
.
-
.
爪'ー`)「ぼくはねぇ、雨の天気が大好きなんだよ」
(,,゚-゚)「そうなんですか」
爪'ー`)「うん。雨ほどぼくのイマジネーションを掻き立てる物はないと断言できるね」
爪'ー`)「特に今日みたいな大雨だと、腹の底から叫びたくなるような歓喜に包まれるんだ」
(,,;゚-゚)「か、カルロさん?」
爪'ー`)「ねぇ、君も分からないかな?雨に濡れるってことは、全ての汚物が浄化されるってことと同義なんだよ」
(,,;゚-゚)「は、はぁ……」
爪'ー`)「他の人は恵みの雨なんて言い方をするけど、雨はむしろ救いなんだ。慈雨は救いなんだよ」
爪'ー`)「分かるかい、君も?」
(,,;゚-゚)「わ、分かります!分かるような気がします!」
爪'ー`)「フフフ……それなら良かった」
(,,;゚-゚)(ヤッバイ、いい人かと思ったら全然そんなことなかった……)
.
-
.
(,,;゚-゚)「あ、あの!すみません!」
爪'ー`)「ん?どうしたの?」
(,,;゚-゚)「ボクちょっと急用思い出したんで先に帰りますね!」
爪'ー`)「あぁ、そうなの?残念だな」
(,,;゚-゚)「傘は後日にお店まで持ってきますから!ほんとごめんなさいありがとう!」
爪'ー`)「いいよいいよ、そういうことなら……」
(,,;゚-゚)「すみません!じゃあそういうことで!さよなら!」タタタッ
爪 ー )「……無理やり連れていくだけだから」
ゴポンッ…
(,,゚-゚)「……え?」
.
-
.
【数時間前、クラウン・シティ中央警察署……】
( ^ω^)「おはようございますお!」
( "ゞ)「やぁ、おはようブーナー」
£^ゞ^)「おはようネー!ブーン!」
( ^ω^)「今日は怪しい空模様ですおねー。午後から雨の確率100%になってましたお」
( "ゞ)「ああ。クラウン・シティ史上類を見ない大雨になる可能性があるらしいな」
£°ゞ°)「凄いよネー。歴史の生き証人になれるヨー!」
_
( ゚∀゚)「おーっす。お前ら集まってるかー?」
( ^ω^)「ジョー先輩。おはようございますお」
( "ゞ)「どうしたんです?今日は朝からヤル気満々ですか?」
_
( ゚∀゚)「んなわきゃねーだろ。兄貴が特犯課全員集めとけってよ」
£°ゞ°)「Oh?なんだろネー?」
.
-
.
( "ゞ)「あぁ、きっとレイニーキッスの事だな」
_
( ゚∀゚)「だろうなぁ……ったく、面倒なことこの上ねぇ」
( ^ω^)「レイニーキッス?」
( "ゞ)「あぁ、レイニーキッスってのはな……」
从 ゚∀从「おーっす。待たせたな」バァンッ
( ^ω^)「あっ、署長。おはようございますお」
( "ゞ)「おはようございます、署長」
£°ゞ°)「グッモーニンヨー!」
从 ゚∀从「あぁ、おはよ。デルタ、レイニーキッスの説明は俺がするわ」
( "ゞ)「恐縮です、署長」
.
-
.
从 ゚∀从「レイニーキッスってのは、俺たち特殊犯罪者対策課が数年越しで追ってるヴィランの名だ」
( ^ω^)「ヴィランですかお。なんか可愛らしい名前ですおね?」
_
( ゚∀゚)「名前で判断すると痛い目見るぞー」
从 ゚∀从「あぁ。やってるこたぁゲスでえげつねぇ殺人ばっかだからな」
( ^ω^)「具体的には、どんなことを?」
从 ゚∀从「どうやら水を操作する能力らしいってこた分かってるんだがな」
从 ゚∀从「それを使って、被害者を溺死させるのが大好きなのさ」
(;^ω^)「うげっ……酷い」
( "ゞ)「だろう?しかも被害者は若い婦女子ばかりと来てる」
( ^ω^)「とんだ卑劣漢ですおね……」
£°ゞ°)「許せないヨネー!ホントに!」
.
-
.
从 ゚∀从「最初は、ただの不審な殺人事件として捜査してたんだがなぁ」
从 ゚∀从「調べてくうちに、どーも溺れさせるための方法が並じゃねぇって気づいたのよ」
( ^ω^)「と言うと?」
从 ゚∀从「被害者の肺から検出された水からは、カルキもその他生活用水の成分も殆ど検出されなかった」
从 ゚∀从「犯人はわざわざその時降ってた雨の水を、ご丁寧に集めて溺れさせたらしいぜ?」
(;^ω^)「えぇっ!?」
_
( ゚∀゚)「不可能じゃねぇたぁいえ、意味不明な労力かけてんよなー」
从 ゚∀从「そして、新聞なんかがこぞって面白おかしく書き立てたのよ」
从 ゚∀从「雨に口づけるように殺す殺人鬼、『レイニーキッス』ってな」
.
-
.
从 ゚∀从「面白ぇのはそっから先よ。新聞にレイニーキッスの名前が踊るとだな」
从 ゚∀从「今度は犯行現場にわざわざその名前をタイピングしたカードを添えて来やがったんだな奴は」
( "ゞ)「つまり、犯人は典型的な自己顕示型の殺人者ということだな」
( ^ω^)「なるほど……殺しで承認欲求を満たしたいタイプの犯人像ですおね」
( ^ω^)「それで、犯人の特徴なんかは挙がってないんですかお?」
从 ゚∀从「あぁ。豪雨の中の犯行ってことで、目撃者もあんまりいなくてな」
_
( ゚∀゚)「数少ない証言では、紺色のレインコートを着てたとかなんとか……」
£°ゞ°)「キザだよネー。なんか全体的にサ!」
.
-
.
从 ゚∀从「そんなこって、大雨の日はレイニーキッス特別警戒デーってワケよ」
( "ゞ)「普通こういう犯人は、自己顕示欲求のあまり足取りを残しがちなんだがな」
从 ゚∀从「今のところ、犯人逮捕に繋がる有力な情報は得られてねぇ」
从 ゚∀从「ここから想像するに、奴はかなりクレバーで頭のキレる野郎だ」
从 ゚∀从「お前ら、根性入れて捜査しねぇとまた被害者が増えちまうぞ?」
( ^ω^)「そんなことはさせませんお!」
从 ゚∀从「そーだ、よく言ったブーナー。卑劣なヴィランは逃がしちゃいけねぇ」
从 ゚∀从「今日は特に見落としがねぇようツーマンセルでパトロールに当たれ!」
从 ゚∀从「ジョーとポール、ロミスとブーナーで組め!俺は単独で捜査に当たる!」
( ^ω^)「はいですお!」
( "ゞ)「了解!」
£°ゞ°)「頑張るヨー!」
_
( ゚∀゚)「ひたすら面倒くさい」
.
-
.
从 ゚∀从「あぁ、それと重要な情報を忘れてた」
( "ゞ)「なんです、署長?」
从 ゚∀从「ヴィランの弱点みてぇなもんが分かったかもしんねぇんだ」
( ^ω^)「え、それ凄いことじゃないですかお!」
£°ゞ°)「ヴィランボッコボコですやんカー!」
从 ゚∀从「まぁまだ確定じゃないがな……俺の知り合いにヴィラン研究の第一人者がいてよ」
从 ゚∀从「そいつが言うには……」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【そしてまた時は戻り、とある路地の裏……】
(,, - )「ガッ……ゴバッ……!!」ゴボッゴボボッ
爪'ー`)「んんー」ズルズル
爪'ー`)「よいしょっと」ベチャッ
(,, - )「ぐっ……!!」ドサッ
爪'ー`)「どうだい、気分は?雨にまみれるって最高だろ?」
(,, - )「カッ……カァッ……!!」ゴボッゴボッ
爪'ー`)「あ、ごめんね。そのままじゃ喋るに喋れないよね?」パチンッ
(,,;゚-゚)「ガハァッ!!」バチャッ
爪'ー`)「ふふふ、ごめんよ。ぼくってつい興奮が先走るタイプで」
(,,;゚-゚)「なん……なん、で……こんな……」ハァ、ハァ
爪'ー`)「なんで?」
.
-
しえしえ
-
.
爪'ー`)「なんでって言われても、それはぼくがレイニーキッスだからとしか」
(,,;゚-゚)「レイ……ニ……?」
爪'ー`)「あー、やっぱり知らないんだ。ちょっとショック」
爪'ー`)「これでもちょっとは名の知れた殺人鬼なんだけどねぇ」
(,,;゚-゚)「……いい人だと、思ってたのに」
爪'ー`)「え、なに?もしかして本当にただの善意で助けてあげたと思ってた?」
爪'ー`)「だとしたら君、かなりおめでたい頭してるねぇ」
(,,;゚-゚)「や……ウソ……」
爪'ー`)「君みたいなかわいい女の子が、無防備にも男の送迎に預かったらそりゃこうなるよぉ」
(,,;゚-゚)「……なんで……ボクが女だって……?」
爪'ー`)「えっ?もしかして隠してるつもりだったのかい?」
爪'ー`)「ギャシャールなんて男名以外、骨格も性格も女の子そのものじゃない!」
.
-
.
爪'ー`)「それとも、隠してるから襲われないと踏んでたのかな?」
爪'ー`)「きっとそうだろうねぇ。赤の他人に住所までくっちゃべってたほどだし」
(,,;゚-゚)「くっ、そぉ……サイコ野郎めぇ……」
爪'ー`)「サイコかぁ。出来れば美学と言ってほしいね」
爪'ー`)「ほら、ぼくの店で君に話したじゃない?複数のことに熱を保ち続けるのは難しいって」
爪'ー`)「ぼくさぁ、バンド活動より人を溺死させるのが楽しくなっちゃってね」
(,,;゚-゚)「……ッ!!」
爪'ー`)「だから、バンド辞めてこっちに集中したかったんだよね」
爪*'ー`)「特に女の子の顔が苦しみと絶望に歪むのを見ると……あぁ!たまんないよ!」ゾクゾクッ
(,,;゚-゚)「よ、寄るなっ……変態……!!」
.
-
.
爪'ー`)「うん。ぼくは寄らないよ」
爪'ー`)「寄るのはこの降りしきる雨だけさ」パチンッ
ゴボゴボッ
(,, - )「ぐがぁっ!!」
爪'ー`)「ね、この能力、素敵だと思わない?人体に不可欠な水が人間を襲って殺すんだよ?」
爪'ー`)「そして息絶える女の子はみんなとても美しい顔をしてる。これを慈雨と呼ばずになんと呼ぶ?」
(,, - )「あっ……ばっ……!!」ジタバタ
爪'ー`)「あぁ……いいよもっともがき苦しんで!ギャシャール君!」
(,, - )(苦し……誰か、助け……)
.
-
.
爪'ー`)「フフフ……」パチンッ
(,,;゚-゚)「ガハッ……ハァー、ハァー……」
爪'ー`)「こうやって何度も溺れさせたり息させたりを繰り返すとね?」
爪'ー`)「どの娘もそのうち『早く楽にして』って顔になるんだ」
爪'ー`)「でもそれも、溺死の苦しみに上書きされる」
爪'ー`)「人間が一番苦しむ死に方って、焼死と溺死なんだって」
爪'ー`)「どの死に方よりも苦痛が一番長く続くから」
(,,;゚-゚)「や……やぁ……」フルフル
爪'ー`)「さぁ、フィニッシュまで楽しませてよ。ギャシャール君?」
.
-
.
(,,;゚-゚)「くっ……!!」ダダッ
爪'ー`)「おおっと、まだ走れる余力が残ってた?」
爪'ー`)「でもムダでーす」パチンッ
(,,;゚-゚)「うわっ……!!」ズルンッ
爪'ー`)「水は足周りを不確かにさせる。ましてやそこにぼくの意思があれば、前に進むこともままならないよ」
(,,;゚-゚)「何、コレぇ……滑る……!」ズルズル
爪'ー`)「アハハ!そのボロ靴じゃあなおのこと滑るだろうねぇ!」
爪'ー`)「さ、諦めて続きやろうか。ギャシャール君」パチンッ
(,,; - )「ガボッ……!!」ゴポポッ
.
-
.
ギャギャギャギャギャッ!!
爪'ー`)「……ん?」
(;^ω^)「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
£#°ゞ°)「行くんだヨー!!ブーン!!」
ドォーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!
爪;'ー`)「ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
(,,;゚-゚)「ガハッ……!!」バチャバチャッ
(,,;゚-゚)「……えっ!?何、何!?」
.
-
.
爪;'ー`)「グッ、グハァッ……!!」ドサッ
(;^ω^)「あ、あー……やっちまったお」
£#°ゞ°)「ブーン、ダメよ!!反省より先に被害者の保護!!」
(;^ω^)「あ、そうだ!!」
£#°ゞ°)「お前、レイニーキッスだネ!?連続殺人の容疑で逮捕するヨー!!」
爪;'ー`)「か……ははは。まさか警察に嗅ぎ着かれるとはね」
(,,;゚-゚)「ぎゃあ!まだあいつ生きてる!」
爪;'ー`)「だが……警察ごときに捕まるぼくじゃあないよっ!!」パチンッ
シーン…
爪;'ー`)「なっ……!?ば、バカな!!」パチンッ、パチンッ
(,,;゚-゚)「あれ?水、出ない……」
£°ゞ°)「どうやら署長の言ってたこと、正しかったみたいネー」
£°ゞ°)「レイニーキッス、確保だヨ!!」ガチャッ
爪;'ー`)「そんな……バカなあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
.
-
.
さて、ここで事情が全く掴めないであろう読者諸兄へ説明させていただこう!!
【再び時は戻り、パトロール中の二人……】
( ^ω^)「……」ブロロロ…
£°ゞ°)「ブーン、クーラー強くしてもイイー?ボク南の産まれだからジメジメしたの苦手なのヨー」
( ^ω^)「あ、どうぞ。好きな温度に」
£°ゞ°)「ありがとネー」ガチャガチャ
( ^ω^)「……しかし、署長の言ってたこと本当なんですかおね?」
£°ゞ°)「オー、あれネー。ボクもにわかには信じられないけどー」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
从 ゚∀从『俺の知り合いにヴィラン研究の第一人者がいてよ』
从 ゚∀从『そいつが言うには、ヴィランには普通の攻撃より体の内部へ衝撃を与えた方が効くんだそうだ』
从 ゚∀从『なんか色々研究した結果、衝撃を受けると同時に能力が停止するヴィランも多かったらしい』
(;^ω^)『はぁ……なんか色々ですかお』
( "ゞ)『なんだか上手く想像できませんが』
从 ゚∀从『拳銃パンパンぶっ放すより、アホのトレジャーのパンチ一発のが効くだろ?そういうことみたいだぜ』
£°ゞ°)『けど、あれに匹敵する攻撃ってなかなかないヨー?』
从 ゚∀从『まぁ何もあそこまでの威力じゃなくてもいいみてぇだがな』
从 ゚∀从『とにかく、ヴィランを見つけたら外じゃなく中身を痛めつけてやれっつうことだとよ』
_
( ゚∀゚)『中身ねぇ……どうやるんだか。言うは易し行うはタカシってか?』
.
-
.
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
( ^ω^)「内部への衝撃って言われても、よく分かんないですおねー」
( ^ω^)「ボクらにはトレジャーさんやハハジャ=サウスガットみたいな怪力はないですし」
£°ゞ°)「そうネー。まぁおいおい考えるヨ!」
£°ゞ°)「今はレイニーキッスが犯行に及んでないか、目を皿にして探すんだヨー!」
( ^ω^)「そのことなんですけど……ボクちょっと考えたんですお」
£°ゞ°)「ワッツ?」
( ^ω^)「犯人が犯行を犯す場所に特徴がある気がして……」
£°ゞ°)「オー?マジでー?ちょっと聞かせてみー」
.
-
.
( ^ω^)「出掛けにレイニーキッスの犯行の履歴に目を通してきたんですけど」
( ^ω^)「死体の発見された場所、最初が廃工場の裏手で二度めがショッピングモールの路地裏ですおね?」
£°ゞ°)「そうネー。三度めがビル街の死角で四度めが見張らしの悪い小路の奥でー、あとは以下略だネ!」
( ^ω^)「これ、一見するとどこも接点なさそうに見えるんですけど」
( ^ω^)「よく見たらどこも排水溝の集積地点(※)があるところなんですお」
※雨水を一時的に溜めて下水路へ流す地点
£°ゞ°)「マジ!?」
( ^ω^)「ですおですお。もしかしたらレイニーキッスの能力は、排水溝が側にあった方が利便性が高いのかもしれないですお」
( ^ω^)「それに、普通排水溝の集積地点って人目に着きにくいとこにあるらしいですし」
£°ゞ°)「オー、なるほどネー……自分の能力を生かせる場所と、人目につかない場所の両方を兼ねてるってことカ!」
(;^ω^)「ただ、排水溝の集積点って山ほどあるんで、地道に探してくしかないですけど……」
£°ゞ°)「それでもノーヒントよりは全然オッケーよー!!デルタさんと署長にも伝えなきゃ!!」
.
-
.
( ^ω^)「とりあえずここから一番近い集積地点に進んでおきますお」
£°ゞ°)「オッケーヨー!!モシモシデルタさんー!!応答願うヨー!!」
『はい、こちらポール。どうしたロミス?』ザザッ
£°ゞ°)「ブーンが耳寄りな推理閃いたからヨーク聞いててー!!」
『推理?どんな推理だ?』
£°ゞ°)「あのネー、レイニーキッスは排水溝の集積地点を……」
(;^ω^)「ロミスさん!!」
£°ゞ°)「オウ?何ネーブーン」
(;^ω^)「あれ、見てくださいお!」
£°ゞ°)「ンーフーン?」
.
-
.
爪'ー`)
(,, - )
ズバァァァァァァァァン!!
£;°ゞ°)「何アレ!?人の顔に水がひっついてるヨ!?」
(;^ω^)「あれ、レイニーキッスじゃないですかお!?」
『なんだって!?レイニーキッスを見つけたのか!!』
『すぐに応援にかけつける!場所は?』
£;°ゞ°)「アンダーラヴァショップストリートの裏手側ネ!」
『本当か!?警察署から5kmと離れてないじゃないか!!』
(;^ω^)「すぐに来てくださいお!被害者がヤバいですお!」
.
-
.
(;^ω^)「こうしちゃいられませんお!早く助けにいかないと……」バッ
£;°ゞ°)「待つんだヨ、ブーン!このまま行ったらボクらもみすみす水の餌食だヨ!」
(;^ω^)「そうかもしれませんけど……でも被害者が死んじゃいますお!」
£°ゞ°)「ボクらが死んだらどのみち被害者も死んじゃうノ!今は落ち着いて!」
(;^ω^)「ぐっ……!」
£°ゞ°)「署長の言ったこと思い出して!ヴィランには外より中への攻撃が効くって!」
£°ゞ°)「この雨じゃ拳銃も機能しないし、その説に賭けるしかないヨー!」
(;^ω^)「内部への攻撃……」
£°ゞ°)「そうだヨ!」
( ^ω^)「けど、どうやって……」
£;°ゞ°)「ウーン……?」
.
-
.
£°ゞ°)「……轢く?」
( ^ω^)
£°ゞ°)「パトカーで」
( ^ω^)
(^ω^)
.
-
.
(;^ω^)「いやいやいや流石にそれはあんまりでは!?」
£;°ゞ°)「でもそれしか思い浮かばないヨー……」
(;^ω^)「いやでも……」
£;°ゞ°)「あっ!ブーン大変!被害者が泡吹きだしたヨ!」
£;°ゞ°)「時間ないヨー!早く決めて!」
(;^ω^)「あああああもーーー!!」
(;^ω^)「分かりましたお行きますお!!」
.
-
.
(;^ω^)「ブーナー=ナイトホライゾン、行きますお!」
ブオォォォォォォォ
ギャギャギャギャギャッ!!
爪'ー`)「……ん?」
(;^ω^)「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
£#°ゞ°)「行くんだヨー!!ブーン!!」
ドォーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!
爪;'ー`)「ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
£#°ゞ°)「レイニーキッス!!神妙にするヨー!!」グイグイ
爪'ー`)「……」グタッ
(;^ω^)「あの……彼ちゃんと生きてますおね?」
£°ゞ°)「脈はあるから大丈夫ヨー」
(,,;゚-゚)「ハッ……ハッ……はあぁぁぁぁ……」クテッ
( ^ω^)「あ、大丈夫ですかお?」
(,,;゚-゚)「大丈夫、でもないけど……」
( ^ω^)「大変危険なところでしたおね。お怪我は?」
(,,゚-゚)「溺死しかけた以外は特に……」
::(,,;゚-゚)::ブルッ
(,,;-;)「うっ……」ポロッ
(,,;-;)「うぇ……ふえぇぇぇぇん……」
(;^ω^)「あぁ、そりゃ泣きますおね!」
£°ゞ°)「大丈夫ヨー!警察がちゃんと保護するから!」
(,,;-;)「ありがと……ござましゅ……」グシュグシュ
.
-
.
( ^ω^)「あの、ところで……」
(,,っ-゚)「は、はい……」ゴシゴシ
(;^ω^)「さっきから服がスケスケで目のやり場に困るんですが……」
(,,゚-゚)「えっ」グショ…
(,,;゚-゚)「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ見ないでえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
(;^ω^)「すすすすみませんお!!これ良かったらどうぞ!!」ファサ
£°ゞ°)「オー!ブーン紳士ネー!」
( ^ω^)「落ち着いたらパトカーに乗ってくださいお、署で事情を伺いますので」
(,,゚-゚)「はい……あっ」
( ^ω^)「え?」
£°ゞ°)「オー?」
.
-
.
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
【数日後……】
『お手柄、クラウンシティ中央警察』
『長らく不明のヴィランを逮捕!!』
_
( ゚∀゚)「っかぁ〜〜〜……」パサッ
( "ゞ)「どうしました班長?」
_
( ゚∀゚)「いやな?ここ何日か奴らの評判うなぎ登りじゃねぇの」
( "ゞ)「そうですねぇ。やはりレイニーキッスを逮捕した功績は大きいかと」
_
( ゚∀゚)「だよなぁ〜〜〜……ハァ……」
( "ゞ)「フフフ。やっかみですか?班長」
_
( ゚∀゚)「ちっげぇーよ、こんな話題になったら特犯課の仕事増えちまうじゃん……」
(;"ゞ)「いやそこはちゃんと仕事してくださいよ?」
(;^ω^)「はよーございまーす……」
£;°ゞ°)「ハロー……」
_
( ゚∀゚)「おう、噂をすればヴィラン逮捕のスーパーヒーローどもじゃねぇか」
(;^ω^)「茶化すのやめてくださいお」
.
-
.
( "ゞ)「茶化してなんかいないぞ。実際二人の働きは想像以上の物だった」
(;^ω^)「そうですか……ハァ〜」
_
( ゚∀゚)「なんだぁ?元気ねーなお前ら」
£;°ゞ°)「そりゃ元気も無くなるヨー……」
( "ゞ)「何かあったのか?」
(;^ω^)「それが……レイニーキッスに突っ込んだ際にパトカーのバンパーべっこべこにヘコましちゃいまして」
£;°ゞ°)「今日も朝から本庁の人間に呼ばれて大目玉だヨー……」
(;^ω^)「どうやら僕たち二人、始末書書かされることになりそうですお」
_
(*゚∀゚)「マジかよ!ギャッハハハハハ!」
(;"ゞ)「それは……ツイてなかったな」
(;^ω^)「おまけに人権団体からもやり過ぎだって叩かれるし、踏んだり蹴ったりですお」
£;°ゞ°)「せっかく伝説のヴィランを逮捕したのに、テンション駄々下がりネー」
.
-
.
( "ゞ)「まぁいいじゃないか、お前らのしたことが間違ってないのは我々がよく知っている」
_
( ゚∀゚)「あんましヘコむなよ、ヘコんでた方が面白ぇけど」
(;^ω^)「そうですかお……」
从 ゚∀从「うーっす、お前ら集まってるかー?」ガチャ
( ^ω^)「署長、おはようございますお」
从 ゚∀从「おう、おはよ」
_
( ゚∀゚)「ちょうど良かった。お前ら兄貴にもさっきの話聞かせてやれよ」
从 ゚∀从「あー、知ってるよ。ブーナーとロミス、始末書提出になったんだって?」
(;^ω^)「げっ……もう知ってるんですかお?」
£;°ゞ°)「署長、耳が早いネー……」
从 ゚∀从「そらお前、ここで一番偉い俺の耳に入らん訳ないだろ」
.
-
.
从 ゚∀从「ま、あんま気にすんな。上の判断と現場の総意が食い違うなんざ良くあるこった」
从 ゚∀从「他の課の奴らも、今回のことで日陰部署のうちのことを見直してんだからな」
(;^ω^)「でもやっぱり轢くのはやり過ぎだったかも……」
£;°ゞ°)「そうネー……」
从 ゚∀从「なんだぁ、シケた面してんじゃねーよ」
从 ゚∀从「お前らの判断で市民が一人救われたのは事実なんだろ?ならもっと胸張って堂々としてろ」
从 ゚∀从「じゃねーと、お前らを誇りに思ってる俺までショボくれちまうじゃねーか」
(*^ω^)「署長……」ジーン…
£*°ゞ°)「やっぱり署長はクールガイネー!」
从 ゚∀从「わーったら、さっさと始末書片付けて業務に入れよ!」
从 ゚∀从「ヴィランは警察のことなんざ待ってちゃくれねぇんだからよ!」
( ^ω^)「了解ですお!」
£*°ゞ°)「任せてヨー!」
_
( ゚∀゚)「じゃあ任すわ」
从#゚∀从「オメーはもちっと二人を見習え!」スパァンッ
_
(;゚∀゚)「いってぇ!?」
( "ゞ)「……」プッ
これからも署長についていこう、そう心に誓うブーンであった……。
.
-
【登場人物紹介】
(,,゚-゚) ギャシャール=ホプキンス
本名:キャサリン=ホプキンス
実は女だったフリーのカメラマン。
男のフリをしていた方が色々都合が良いらしい。
今回の事件で何かとヴィランに好かれる体質であると判明した。
事件後、逮捕されるレイニーキッスを写真に収めて新聞社へ売り飛ばした剛者。
爪'ー`) RAINY KISS
本名:カルロ=フォクシー
元インディーズバンドのボーカル、現楽器販売店の店長、その正体は連続殺人鬼。
鬱屈した自己顕示欲をバンドではなく殺人で昇華させるようになった性格破綻者。
能力は水全般を操る物だが、本人の「雨に溺れてこそ美しい」との信条により、雨水しか操作したことはない。
.
-
.
( ^ω^) ブーナー=ナイトホライゾン
£°ゞ°) ロミス=バタリオ
パトカーは凶器と認識した二人。
从 ゚∀从 ハイド=ハートマン署長
今回の件を弟にも見習ってほしいと思っている。
_
( ゚∀゚) ジョージ=ハートマン警部
今回の件で面倒が増えなきゃいいなと思っている。
.
-
乙乙
意外と単純な弱点なんだな
-
第五話『表』終わり
-
.
.
-
ん?
-
.
第五話・裏「ハイド署長とヴィラン特別収容所」
.
-
.
ヴィラン特別収容所は、特殊超常犯罪者(以下、ヴィラン)を専用に収監する刑事施設である。
通常の刑務所の警備体制ではヴィランの持つ能力に対処しきれず、脱獄を許してしまう例が過去に幾度かあった。
それを防ぐため、より厳重な警備の元で刑を執行することが出来るよう作られている。
その目的の特異性により、施設内を訪れる際には司法長官の許可が必要となっている。
(Wikipediaより抜粋)
.
-
.
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
从 ゚∀从「……」スタスタ
从 ゚∀从「うぃっす」コンコン
( ゚¥゚)「お久しぶりであります、署長殿」
从 ゚∀从「おう。アーサー博士はいるか?面会希望だ、アポも取ってる」
( ゚¥゚)「では、認可状を」
从 ゚∀从「おらよ」
( ゚¥゚)「……確認しました。では次にボディチェックを」
从 ゚∀从「好きにしろい」
( ゚¥゚)スッスッ
( ゚¥゚)「……完了です。ではロックを解除しますのでお待ちを」
从 ゚∀从「なぁ、毎回思うんだけどよぉ……」
从 ゚∀从「俺が呼び出されてるのに俺が司法長官の認可状もらいに行くのおかしくねーか?」
( ゚¥゚)「規則ですので」
从 ゚∀从「……あっそ」
.
-
.
『指紋認証確認、虹彩認証確認』
『音声認証を開始します。AからGまでのアルファベットを発音してください』
从 ゚∀从「えーびーしーでぃーいーえふじー」
『認証されました。ロックを解除します』
ガコンッ……
( ゚¥゚)「……」スタスタ
从 ゚∀从「わざわざついて来なくてもいいぞ。初めてじゃねんだしよ」
( ゚¥゚)「署員の随伴は規則ですので」
从 ー∀从「ハイハイ……そればっかりかお前は。どうせならもっと面白ぇこと言ってくれよ」
( ゚¥゚)「私語は慎むよう習っております」
从 ゚∀从「あー……そうな、俺が悪かったよ」
.
-
.
从 ゚∀从「うぃーす。博士いるか?」ウィーン
(-@∀@)「おぉ!署長殿、お待ちしておりましたですよぉ!ウフフフフ」ガタッ
从 ゚∀从「相っ変わらず気持ち悪い笑顔してんなぁ、アーサー?」
(-@∀@)「ホッホッホ、これは生まれつきゆえどうにもなりませんなぁ」
(-@∀@)「お望みとあらば、次からは整形してご面会させて頂きますが?」
从 ゚∀从「冗談よせよ。整形じゃ面は治せてもテメーの腐った性根までは治んねーだろ」
从 ゚∀从「それで?俺に用ってのは何なんだ?」
(-@∀@)「その事でございますよぉ!」
(-@∀@)「実はですねぇ、今回私、ヴィランの弱点とも呼べる物を見つけてしまったでございます!」
.
-
.
从 ゚∀从「ほう?マジかよ」
(-@∀@)「えぇ、えぇ!もちろんですとも!」
从 ゚∀从「あの化け物どもに弱点ねぇ……それがマジならノーベル賞もんだがな」
(-@∀@)「検挙率もアップアップで特犯課の株もうなぎ登りでしょうなぁ」
从 ゚∀从「で、そりゃどんな方法なんだ?勿体つけずに教えろよ」
(-@∀@)「それは実際に見てもらうのが良いでしょう」
(-@∀@) チラッ
( ゚¥゚)「……」
( ー¥ー)ペコ
( ゚¥゚)スタスタ
(-@∀@)「さぁ、署長殿。参りましょうか」
.
-
.
(-@∀@)「これまで、ヴィランを無力化するには600V程度の電流が最良とされておりました」
(-@∀@)「電気は安価に揃えられ、設備による不具合も少のうございますからねぇ」
从 ゚∀从「あぁ。だがそれだと、電気抵抗の強いヴィランには効果がなかったな」
(-@∀@)「えぇ。ですが今回の方法は、一部の例外を除きほぼ全てのヴィランに有効ではないかと」
从 ゚∀从「なんだよ、やっぱ例外があるんじゃねーか」
(-@∀@)「何事も万事解決とはいかないということですなぁ」
(-@∀@)「しかし、それは本当にごく一部の例外でございますよ」
从 ゚∀从「ふーん……」
.
-
.
(-@∀@)「ささ、署長。どうぞこちらへ」
(;<●><●>)「ひっ……」ズザッ
从 ゚∀从「あんだぁ?こいつぁうちの署員が捕まえたヴィランじゃねーか」
(-@∀@)「ちょうど生きのよいヴィランが欲しかったところでしてねぇ。彼に実験に協力してもらおうかと」
(-@∀@)「電気抑制ばかり食らっていると、やはりどのヴィランも衰弱してゆくようで」
(-@∀@)「あー君、ちょっとご自分の能力を使ってもらえませんか?こちらの方に成果を見せなければなりませんので」
(;<●><●>)「頼むっ、頼むからもう止めてくれぇ……もう麻薬もしない、改心するから……!!」
(-@∀@)「ふーむ、聞こえませんでしたかねぇ」
(-@∀@)「私は、能力を、使えと、そう申したんですがね?」カリカリ
(;<●><●>)「あ、あぅ……」
(;<●><●>三<●><●>) ズリュリュッ
(-@∀@)「よろしい。では……」カチッ
ヴヴンッ
(;<◯><◯>)「ギャッ……!!!」ビクンッ
( <●><::; ジュッ
从 ゚∀从「ほぉ?」
.
-
.
从 ゚∀从「今のはなんだ?妙な音が聞こえたと思ったら、分身が消滅しやがったぞ?」
(-@∀@)「これはショックウェーブアブソーバーと呼ばれる機械でしてねぇ」
(-@∀@)「ほら、彼の背中に取り付けてございましょう?」
(;<◯><◯>)「カッ……うぐぅ……」ビクンッビクンッ
从 ゚∀从「おー、あれか」
(-@∀@)「これは振動を衝撃波に換えて物体に浸透させる装置でしてね」
(-@∀@)「今の軽い衝撃で、軽自動車が衝突したのと同じ程度のダメージを与えているのですよ」
从 ゚∀从「ふーむ……原理はよく分からんが、相当なもんみてーだな?」
.
-
.
(-@∀@)「この方法の優れたところは、ご覧の通りヴィランの能力まで封殺できることでございます」
(-@∀@)「電気だと肉体的な抵抗力は失われますが、能力は使えてしまう場合が無くはなかったですからな」
(-@∀@)「これはまだ仮説ですが、ヴィランには体表面への打撃より内部に蓄積する衝撃の方が有効なのではないかと」
从 ゚∀从「ほう……」
(-@∀@)「そして私のこの仮説は、さるお方の存在でほぼ確信へと変わっておりますよ」
从 ゚∀从「ほー?そりゃ誰だ?」
(-@∀@)「ミスタービッグ・トレジャーでございますよ!」
(-@∀@)「彼のパンチを受けたヴィランは、皆一様に能力も使わずお縄となっております」
(-@∀@)「これは彼のパンチが体内まで浸透して、ヴィランの能力を弱めていることの証左に他ならないのでは?」
.
-
.
从 ゚∀从「確かにな……拳銃より奴のパンチが効くのはそういう理由か」
(-@∀@)「なまじの銃では、ヴィランは捕まりませんからなぁ」
从 ゚∀从「アーサー」
(-@∀@)「はい?」
从 ゚∀从「この装置、『奴』にも効くのか?」
(-@∀@)「問題はそれでございます」
(-@∀@)「今ここへ捕らえられているヴィランは、言わば並のヴィランとでもいう輩でして」
(-@∀@)「ハハジャ=サウスガットクラスの肉体を持つ頑強なヴィランにも有用かは、確かめかねる状況でございますねぇ」
(-@∀@)「先ほど申した例外とは、そのように強靭な肉体を持つヴィランに有効か図りかねているからなのですよ」
从 ゚∀从「そうか……」
(-@∀@)「それに、この装置はまだ実験段階でして。装置を体へ密着させないと効果が望めないのですよ」
(-@∀@)「普通人である警察がヴィランに近づき、この装置を密着させるのは現状では困難かと存じますねぇ」
从 ゚∀从「だが、研究が進めば装置の遠隔操作化も出来るってこったな?」
.
-
.
(-@∀@)「えぇ、えぇ!もちろんですとも!」
(-@∀@)「そうなれば、あの憎き仇敵ファニーフェイスをも、きっと倒すことが出来ましょう!」
从 ゚∀从「おい、アーサー」
(-@∀@)「はい?」
ゴッ!
(;-@∀@)「がふっ!?」
从 ゚∀从「俺の憎しみをお前ごときが代弁してんじゃねぇ、このマッドサイエンティストが」
(;-@∀@)「は、はは……これは失礼いたしました」
.
-
.
从 ゚∀从「だが、ヴィランには体外より体内への衝撃が有効か」
从 ゚∀从「情報は有り難く頂いてやるぜ。うちの署員の共通認識にしてやる」
从 ゚∀从「その装置、実戦投入する段階になったらうちの署へ回してくれ。金は落とす」
(-@∀@)「そうさせて頂きますよぉ、ウフフフフ」
从 ゚∀从「じゃ、また何か発見したら連絡くれや。どんな些細なことでも構わねぇからよ」
(-@∀@)「はい、もちろんですとも!」
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-
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从 ゚∀从「じゃーな、アーサー。次に会う時ゃ地獄でな」ウィーン
(-@∀@)「……ふぅ。やはりあの人と話すのは気疲れしますねぇ」
( ゚¥゚)「博士、お怪我は?」
(-@∀@)「いや、大丈夫ですよセモナさん」
(-@∀@)「しかし、ハイド=ハートマン署長……」
(-@∀@)「あれは典型的な、身の破滅をもたらすタイプの人間ですなぁ」
( ゚¥゚)「ですね。あれは厄介な物事に軽率に首を突っ込みすぎる」
(-@∀@)「いえ、そういうことではなく」
( ゚¥゚)「……?」
(-@∀@)「ああいうタイプは、自らの感情に振り回されて死んで行くものなのですよ」
(-@∀@)「あなたには分かりかねましょうがねぇ」
.
-
第五話裏・終わり
-
【登場人物紹介】
从 ゚∀从 ハイド=ハートマン署長
対ヴィランに対する様々なコネクションを持つ男。
それを何に使うつもりかは現時点では不明である。
( ゚¥゚) サニー=セモナ刑務官
ヴィラン特別収容所の守衛を勤める。
軍隊経験もある寡黙な男。
(-@∀@) アーサー=ピーコック博士
対ヴィランのための技術開発を務める客室研究員。
しかし裏ではヴィランに対して拷問紛いの実験を繰り返すマッドサイエンティスト。
利害関係の一致から、ハイド署長とは懇意の仲である。
.
-
ヒェッ…
-
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ヴィラン特別収容所
クラウンシティに程近い荒野のど真ん中へ建てられた収容施設。
刑期を全うして出てきたヴィランは未だ皆無である……。
ファニーフェイス
【Unknown…】
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乙
署長の過去が気になるな
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面白い
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乙!
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【ここはヒーローたちのアジト、総合科学技術研究所……】
川д川「……」カタカタ
(,,゚Д゚)「お、サダコ。何してんだゴルァ」テクテク
川д川「暇つぶしー。今日は珍しく出動少ないから」カコカコ
(,,゚Д゚)「そういやそうだな。こんなにヴィランが大人しいの久しぶりだぜ」
川д川「そういうあんたは何してたの?」
(,,゚Д゚)「こないだ入った新人いるだろ?あの足の早い奴」
川д川「あぁ、あのモララーなんとかくんね」
(,,゚Д゚)「トレジャーの旦那と一緒に、そいつの訓練してやってたとこだぜ」
川;д川「あー……男ヒーロー恒例の鬼シゴキ始まったか」
(,,゚Д゚)「なかなかスジはいいが、まだまだトレジャーの旦那に敵うレベルじゃないみてぇだな!」
川;д川「あのレベルに到達するのは人類には不可能だと思うわ……」
.
-
.
(,,゚Д゚)「サダコもパソコンばっかいじってないで、参加してきたらどうだ?」
川д川「やーよぉ、男のやる訓練なんかしたら足太くなっちゃう」
(,,^Д^)「ギコハハハ!!女はちょっとくらいムッチリしてた方が抱き心地いいぜ!!」
川д川「うるっさいわねぇ、デリカシー皆無の脳筋バカ。セクハラで訴えるわよ?」
川д川「あんたこそ、ヴィラン討伐の活動報告書溜めてるでしょ。ヘリリかんかんに怒ってたわよ?」
(,,゚Д゚)「ヤベッ、忘れてたぜ!」
川д川「たまには実務だけじゃなく、デミさんみたいに事務のこともやりなさいよね」
(,,゚Д゚)「はいはーい、気をつけるぜー」
川д川「まったく、本当に分かってるのかしらねぇ……」カチ、カチカチッ
川д川「……ん?」カチカチッ、ピタ
.
-
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【地下、トレーニングルーム】
(;・∀・)「ハァッ、ハァッ、ハァッ……クッソォ!!」
(´・_ゝ・`)「どうした、モララー!ご自慢の足が止まってるぞ!」
( ,,^Д^)「君はその程度で折れる心の持ち主ではないはずだ!!!」
(;・∀・)「クッ……分かってるよ!!」ドヒュンッ
( ,,#^Д^)「セェイ!!!!!」ブンッ
(;・∀・)「フッ……!!」シュンッ
(´・_ゝ・`)「残念、そこは通せないよ」フッ
(;・∀・)「うおぉ!?」ビクッ
(´・_ゝ・`)「そーら」バキッ
(; ∀ )「ぐぅっ……」グラッ
(´・_ゝ・`)「モララー、君はまだサー・トレジャーの拳の威力に怯えているぞ」
(´・_ゝ・`)「君ならまだまだ、拳の際を見定めて避けられるはずだ。もう一度!」
(;・∀・)「ハァッ、ハァッ……」
.
-
.
川д川「トレさぁーん。トレーニング中ごめんねー、ちょっといいー?」ウィーン
( ,,^Д^)「ムッ!!!どうかしたかね、サダコくん!!!」
(´・_ゝ・`)「サダコさん。どうした?」
(;・∀・)「あー……おっす……」ゼェゼェ
川;д川「……余計なお世話とは思うけど、彼大丈夫なの?」
(´・_ゝ・`)「あぁ、大丈夫だよ。実戦相当の経験を積ませたくて、僕らコンビと戦わせてるだけだから」
川;д川「ヒーロー界の誇る不死身コンビじゃん……」
( ,,^Д^)「ムハハ!!!彼の勝利条件は、私に指一本でも触れることだ!!!」
(´・_ゝ・`)「さっきまではギコもいたから、もう少し難易度は高かったかな」
(;・∀・)「触るだけなのに一時間以上成功してねーんだよ……何なのこいつら……超つえぇ……」
川д川「洗礼って奴ねぇ……まぁせいぜい足掻きなさい」
(´・_ゝ・`)「それで、何か用かい?」
川д川「えぇ。ちょっと気になる物があったから見てほしいの」
.
-
.
川д川「これなんだけど……」パカッ、カタカタ
( ,,^Д^)「それは?」
川д川「クラウン・シティの街BBSよ。たまに面白い書き込みがあるから見てるの」
(´・_ゝ・`)「なんだか、若い娘の趣味とは思えないね」
川д川「あら、そう?でも私がこれを見てなきゃ、この書き込みも見逃してたわよ?」カタカタッ
( ,,^Д^)「ムッ……?」
==========================================================
【急募】
ビッグ・トレジャー氏の所在をご存知の方はおりませんでしょうか?
息子が大変なことになっております。是非お力添えください。
心当たりのある方は下記のアドレスまでご連絡お願い申し上げます。
×××ー×××ー×××
==========================================================
.
-
.
( ,,^Д^)「これは……私に助けを求める書き込みか!!!」
川д川「みたいねぇ」
(´・_ゝ・`)「確かに、我々の居場所が分からなければこういう物に頼らざるを得ないとは思うが」
(;・∀・)「これ、スパムかチェンメじゃねーの……?」ハァハァ
川;д川「あんたは疲れてんだから息整えてなさい」
(´・_ゝ・`)「しかしそれにしては、なんだかアドレスが変だな」
川д川「でしょう?これ、URLからして捨てアド取得してるわよね」
川д川「スパムメールならもっと簡単に足がつかないようなアドレスにすると思うのよ」
( ,,^Д^)「そうだな!!!」
川д川「なぁんかこれ、本当に助けてほしい切羽詰まった物をひしひしと感じるのよね」
.
-
.
川д川「やるんなら早めに応じてあげないと、今頃イタズラメール殺到してるんじゃない?」
(´・_ゝ・`)「そうだな。しかし、ただ文面だけ送っても本人だと信用してはもらえまい」
( ,,^Д^)「それならば、私の写真も添付して送るか!!!」
(´・_ゝ・`)「いいんですか?悪用されたりしませんかね?」
( ,,^Д^)「些末なことを気にして手遅れになるよりは遥かに良いさ!!!」
(´・_ゝ・`)「オーケー。あなたが良しと言うなら、そうさせてもらいます」
∧∧
( ,,^д^) n
⌒`γ´⌒`ヽ( E)
( .人 .人 γ / カシャーッ!!
=(こ/こ/ `^´
)に/こ(
.
-
.
(´・_ゝ・`)「これでよし、と」
(´・_ゝ・`)「サダコさん、これPCに送るんで添付してメール返しておいてくれないか?」
川д川「はぁい」カタカタ
( ・∀・)「しっかしこの書き込みの主も、ヒーロー本人から返事が来るとは思ってなかったろうなぁ」
( ,,^Д^)「それだけ我々の目は多岐に渡っているということだな!!!」
川д川「街BBSなんか見てるの私くらいだと思うけどねぇ。ましてやこんなことになるなんて思ってなかったし」
( ,,^Д^)「しかし、それが今回の件の発覚に繋がったのだ!!!立派な収穫だぞ!!!」
川-川「あら。この歳でも誉められると悪い気しないものね」
( ・∀・)「あんた歳いくつなんだよ?」
川д川「不用意な発言は寿命を縮めるぞ小僧」
(;・∀・)「いきなりコワッ!」
.
-
.
【それから数分後】
<ピロリロリン♪
川д川「あ、返信来たわ」
( ・∀・)「マジ?なんか早くね?」
(´・_ゝ・`)「さすがにこんな怪しいアドレスにメールを送る人間はいなかったのかな」
( ,,^Д^)「それで、返事はなんと?」
川д川「待ってねー、えーと……」
川д川「『まさかトレジャー氏本人から連絡が来るとは思いもよりませんでした』」
川д川「『もしご都合が宜しければ、下記の住所までご足労願えませんでしょうか?』」
川д川「……だって」
( ・∀・)「なぁーんか罠っぽいなぁ?本当に大丈夫なのかよ?」
(´・_ゝ・`)「私も同意見だが、決定権はサー・トレジャーにある」
(´・_ゝ・`)「どうしますか、サー?行くか、留まるか」
( ,,^Д^)「無論、行くしかないだろう!!!私の助けを待つ人がいるなら、いつでもそしてどこへでも駆けつけるのだ!!!」
(´・_ゝ・`)「そうおっしゃると思ってましたよ」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「サダコさん、モララー。君達にも来てもらいたい。頼めるかな」
川д川「おっけぇーい。乗りかかった船だし、最後まで付き合うわよ」
( ・∀・)「おっ、やった!俺も着いてっていいのか?」
(´・_ゝ・`)「あぁ。君の出番があるかは分からないがね」
( ,,^Д^)「フフフ!!!新人の肩慣らしにはちょうどいいかもしれんな!!!」
( ・∀・)「心配しなくても、おっさん達の出番がなくなるようなデカい仕事してやんよ!」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャーの50%にすら触れられなかったクセにか?」
(;・∀・)「お、俺は本番に強いタイプなの!!」
川д川「アホはほっといて行きましょ、トレさん」
( ,,^Д^)「ムハハ!!元気でよろしい!!」
.
-
.
【そして……】
ブロロロロ、キキッ……
( ,,^Д^)「指定の住所はここか!!!」
川д川「わー、立派な一軒家。羨まし」
( ・∀・)「なー、なんで車移動だったんだ?俺とトレジャーのおっさんなら走った方が早くね?」
(´・_ゝ・`)「あのなぁ……僕とサダコさんは、走力においては普通人なんだぞ?」
川д川「みんなが同じ方向を向く必要はないけど、足並みは揃えないとダメでしょ」
( ・∀・)「んなもん後から合流でいーじゃんよー」
川д川「協調性ないわねぇ……ワンマンプレーばっかりしてると命ないわよ?」
( ・∀・)「チェッ」
( ,,^Д^)「雑談はそこまでにしよう!!もしも話が真実なら、この先に助けを求める人物がいるはずだ!!」
( ,,^Д^)「少しでも急がねばな!!!」
川д川「あっ、待ってトレさん」
.
-
.
( ,,^Д^)「ム?どうしたサダコくん!!」
川д川「一応罠の可能性も捨てきれないから、私が先に索敵しておくわ」ザワァッ
( ・∀・)「おぉ!?」
(´・_ゝ・`)「そういえば、サダコさんの能力は久しぶりに見るね」
( ・∀・)「すげー!庭の芝生がぐんぐん伸びてる!」
川д川 サダコ=アヤセガワ
【能力名】 FLOWER COMPANY
草木の操作、成長促進、草木との精神同調
(´・_ゝ・`)「相変わらず効果範囲の広さと早さは半端じゃないな」
( ・∀・)「でもこれでどうやって索敵すんの?芝が伸びただけじゃん」
( ,,^Д^)「原理は解明されていないが、サダコくんは植物と同調して周囲の様子を探ることが出来るらしい!!」
(´・_ゝ・`)「人の気配を感じる程度らしいが、非常に有用な能力だぞ?」
( ・∀・)「へぇー」
.
-
.
川;д川「……ッ!!トレさん!!」ピクッ
( ,,^Д^)「どうしたァ!!!」
川;д川「これ、思ってたよりヤバい案件かもしんないよ……」
( ,,^Д^)「む、どういうことだね?」
(´・_ゝ・`)「説明してくれないか、サダコさん」
川д川「見て、芝生が庭から家へ向かって生えていかないの」
( ・∀・)「マジだ。家の周りだけショボくれてら」
川д川「本当なら、家の床下までワッサワサ生えてくはずなんだけどね」
川д川「これってつまり、私の成長促進能力以上のストレス要因があるってことなのよ」
( ,,^Д^)「フム……つまりこの家の中は危険であると?」
川д川「そうなるわね。本当に罠かもしれないよ?」
(;・∀・)「マジかよ〜〜、罠かもしんなくても行かなきゃならんの?」
(´・_ゝ・`)「当然だろう?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ヒーローたる者が臆してどうする。もしここに人質がいても、同じように罠だと言って駄々をこねるつもりか?」
(;・∀・)「あーもー説教臭いなぁ〜デミのおっさんは!行くに決まってるじゃん!」
( ,,^Д^)「フハハ!!!心配しなくても、彼はいざという時にはちゃんと走り出せる男だ!!!」
(;・∀・)「トレジャーのおっさんはおっさんで買い被りが過ぎるだろ!」
(;・∀・)「俺まだヒーロー始めて一ヶ月も経ってないんだぞ?」
( ,,^Д^)「何を言う!!!君に対する正当な評価だぞ!!!受け取りたまえ!!!」
(´・_ゝ・`)「しかし、どんな危険が潜んでいるかは分かりません。慎重に行きましょう」
川д川「あ、ごめん私パス。今回は屋外から支援するわ」
(;・∀・)「えーっ!?何でだよズリィ!!」
.
-
.
川д川「私の能力って植物と強く同調する分、悪影響のフィードバックも強いのよ」
川д川「ましてやここまで植物の育ちにくい環境ですもの、どんな反動があるか知れないわ」
( ,,^Д^)「承知した!!!では万一の場合は外からの応援を頼む!!!」
川д川「了解よ。ごめんねトレさん、あんまり役に立てなくて」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!!案ずることなどない!!!君は君の出来ることを、だ!!!」
(´・_ゝ・`)「そうですね。ならば我々は我々の目的を果たさなければ」
.
-
.
( ,,^Д^)「先頭は私が立つ!!!デミタスとモララーは周囲を警戒しつつ後に続いてくれ!!!」
(´・_ゝ・`)「了解です」
( ・∀・)「俺が先頭でもいいぜ!」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!!では行こうか、獅子の巣へ!!!」
ピンポーン
(;・∀・)「わざわざインターホン鳴らすの!?」
( ,,^Д^)「何を言う!!!人の家を訪ねる時の基本だぞ!!!」
(;・∀・)「たった今獅子の巣って言ってたじゃん!」
(´・_ゝ・`)「掲示板の文面は、『息子が大変なことになってます』だったよな?」
(´・_ゝ・`)「そういう時は罠を仕掛けるにしても、息子を餌に我々を釣らなきゃ意味がなくなるだろう?」
( ・∀・)「あー、なるほど。出会い頭にいきなりなんか仕掛けるこたぁないのか」
(´・_ゝ・`)「ま、扉を開けていきなり発砲なんてこともあり得るが」
(;・∀・)「じゃあダメじゃねーか……」
ガチャ…
.
-
.
J( 'ー`)し「……」
( ,,^Д^)「ム?あなたは……?」
J( 'ー`)し「あぁ……ビッグ・トレジャーさん……!本当に来て下さったんですね!」
J( 'ー`)し「どうか、どうかあなたの力で……うちの息子を、ヒクソンを助けてください……!!」
(´・_ゝ・`)「奥さん、どうか落ち着いて。僕はサー・トレジャーの補佐のアンドリューと言います」
(´・_ゝ・`)「まずは何があったのか、順を追って説明して頂けませんか?」
J( 'ー`)し「あぁ……すみません、取り乱して……」
J( 'ー`)し「私、しがない主婦をやっております、カーラ=クロマティと言う者です……」
J( 'ー`)し「……実は」
J( 'ー`)し「うちの息子が、ヴィランかもしれないんです」
.
-
.
( ・∀・)「どういうこった?ヴィランかもしれないって、そんなの見りゃすぐに分かんじゃん」
( ,,^Д^)「奥さん!!少々誤解があるようなので、説明させて頂きたい!!」
( ,,^Д^)「ヴィランとヒーローという区分は、明確には存在しないのです!!」
J(; 'ー`)し「……そうなんですか?」
(´・_ゝ・`)「はい。正式にはヴィランもヒーローも、特殊超常能力保持者という名前で一括りにされています」
(´・_ゝ・`)「その能力を、社会に害を与える目的で使う者を便宜上ヴィランと呼んでいるに過ぎないんです」
J(;'ー`)し「そう、なんですね……」
J( 'ー`)し「でもそれならなおのこと、うちの息子はヴィランかもしれません」
( ,,^Д^)「どういうことですかな?」
J( 'ー`)し「説明するより、息子に会って頂いた方が早いんじゃないかと……」
.
-
.
J( 'ー`)し「どうぞこちらに……」
( ,,^Д^)「ウム!!!お邪魔させていただこう!!!」
(´・_ゝ・`)「失礼します」
( ・∀・)「うぃーす」
( ,,^Д^)「これ!!ちゃんと挨拶なさいモララー!!」
(;・∀・)「おかんか、あんたは」
J( 'ー`)し「……ここが息子の部屋です」
J( 'ー`)し「それと……トイレは廊下を突き当たった奥にありますので」
( ,,^Д^)「これはこれは、ご親切にどうも!!!」
J( 'ー`)し「いえ……教えておかないと大変なことになると思うので」
(´・_ゝ・`)「……?」
J( 'ー`)し「ヒクソン、開けるわよ?」コンコン
.
-
.
<……母さん?
J( 'ー`)し「今日はあなたのために凄い人が来てくれたのよ?」
J( 'ー`)し「この人たちなら、あなたのそれを抑えることが出来るかも……」
<……好きにすれば?
J( 'ー`)し「……お願いします」ガチャ
( ,,^Д^)「失礼!!!君がヒクソンくんか!!!」
(´・_ゝ・`)「こんにちは、ヒクソンく……」
( ・∀・)「どれどれ、息子ってどんな奴……」ヒョコッ
ズオォッ!!!
(;´・_ゝ・`)「……!?」ビクッ
(;・∀・)「ッ!!?」ビクンッ
.
-
.
ザザザザザザザザザザッ……
(´;・_ゝ・`)(なんだ、この悪寒……それに、目眩が……)クラッ
(;・∀・)(なんか、気分、悪……)グラァ
(´;・_ゝ・`)(やはり、罠か……?いや、違う……これは……!!)
( ,,;^Д^)「どうした、二人とも!?顔色が悪いぞ!!」
(´;・_ゝ・`)「いえ……大、丈夫……です……」フラァ
(;・∀・)「急に、体……重く、なって……なんか、頭痛い……」ズキンズキン
( ,,;^Д^)「すでにフラフラじゃあないか!!一体君達に何があったと言うんだ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
(´; _ゝ `)「……オェッ」ゴポッ
(; ∀ )「……ゲボッ」ドロッ
( ,,;^Д^)「ま、待て!!ここで吐いてはいかん!!せめてトイレへ行くんだ!!」
.
-
.
(´; _ゝ `) ダダッ
(; ∀ ) ダダッ
<おえぇぇぇぇぇぇぇぇ……
( ,,;^Д^)「むう……何たる不可解!!」
( ,,;^Д^)「奥さん、これは一体……!?」
J( 'ー`)し「……私にも、分からないのですが」
J( 'ー`)し「息子に近づこうとした人間は、必ず今のような嘔吐感や目眩に襲われるんです」
J( 'ー`)し「これまでにも、お医者様やカウンセラーの先生が被害に……」
( ,,;^Д^)「なんと!!ならば最初にそうおっしゃってくれれば……!!」
J(; 'ー`)し「申し訳ありません……もし断られたらと思うと、怖くて……」
J( 'ー`)し「けれど、あなたはなんともないのですか?」
( ,,^Д^)「少々肌がビリビリしますが、精神に失調を来したりはしてません!!」
J(; 'ー`)し「……す、凄い。あなたなら息子を止められるかもしれない」
.
-
.
<ああああああああああ……
( ,,;^Д^)「ムッ!?どうした!!」ダダッ
(; ∀ )「……死にたい」
(; ∀ )「死にたい、死にたい、死にたい死にたい死にたい、ああああああああああああああああ!!!!!!!」ガンッ、ガンッ、ガンッ!
( ,,;^Д^)「や、止めるんだモララー!!!」ガシッ
(´; _ゝ `)「サー……トレジャ……ウグッ……」フラァ
( ,,;^Д^)「いかん!!横になれ、デミタス!!今の君は正常な状態ではない!!」
(´; _ゝ `)「これ……とても、強力な……精神、汚染、能力……」
(´; _ゝ `)「オエェェッ!!」ゲボォ
( ,,;^Д^)「何ィ……!!」
(´; _ゝ `)「早く……我々を……外、へ……頼み、ます……」
( ,,;^Д^)「分かった!!!少々手荒になるが許してくれ!!!」
.
-
.
( ,,#^Д^)「必ッ!!!殺ッ!!!マッスルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・スロォーーーーーーーーーイングッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
マッスル・スローイングとは、ビッグ・トレジャーの超筋力による投擲術である!!!
ブォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!
三三三(´; _ゝ `)「ガッ……」ビュオォン!!
( ,,#^Д^)「もう一丁だ!!!そォれェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!」
三三三(; ∀ )「あぐっ……」ビュヌンッ
( ,,^Д^)「サダコくぅーーーーーーーーーーん!!!!彼らのことを頼むーーーーーーーーーー!!!!」
<トレさん!?なにこれー!?何があったの!?
( ,,^Д^)「すまーーーーーーーん!!!説明している猶予がないので彼らが復調してから聞いてくれーーーーーーー!!!」
( ,,^Д^)「デミタス、モララー!!!無造作な投擲になったこと、許したまえ!!!」
( ,,^Д^)「あとは私に任せて、外で体調を整えるのだ!!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「奥さん!!!」
J(; 'ー`)し「は、はい」
( ,,^Д^)「息子さんと、二人きりで話をさせてもらっても?」
J(; 'ー`)し「はい、構いませんが……この惨状を見ても、まだ話していただけるんですか?」
( ,,^Д^)「勿論ですとも!!!」
( ,,^Д^)「無意識にここまでのことを行っているならば、なんとか制御する方法を探さねばならない!!!」
( ,,^Д^)「逆に意図的に人を遠ざけようとしているならば、私が正せるかもしれません!!!」
J(; 'ー`)し「あぁ……!!ありがとうございます、ありがとうございます……!!」
( ,,;^Д^)「礼を言うのはまだ早いですなぁ……」
J( 'ー`)し「え?」
( ,,;^Д^)「デミタスの見立てが正しければ、これは精神汚染能力という非常に危険で厄介な能力なのです!!!」
.
-
.
J(; 'ー`)し「な、なんですかそれは……?」
( ,,^Д^)「端的に言うと、触れずして人の精神に影響を与える能力のことです!!!」
( ,,^Д^)「彼の体の周囲には、現在目に見えない磁場のような物が迸っていると考えて頂きたい!!!」
( ,,^Д^)「それに触れたものは皆一様に、彼の望んだ通りの精神状態になってしまうのです!!!」
J(; 'ー`)し「息子の望んだ精神状態って……?」
( ,,^Д^)「それはまだ分かりませんが、我々の仲間たちの症状は精神的圧迫からの体調不良のように見受けられましたな!!」
( ,,^Д^)「そして最も厄介なのが、精神汚染能力というのは、効果範囲が非常に広いということなのです……!!」
J(; 'ー`)し「……つまり?」
( ,,^Д^)「たとえば外に出れば、行く先々で先ほどのようなことが繰り広げられることでしょう」
( ,,^Д^)「このまま歯止めが利かなければ、まともな社会生活を送ることさえ困難だということです!!」
J(; 'ー`)し「!!」
.
-
.
J(; 'ー`)し「あぁ……そんな、ひどい……なぜうちの子がこんな目に……」
( ,,^Д^)「原因に、何か心当たりは?」
J(; 'ー`)し「分かりません……ただ、息子は一週間前から部屋を出ようとせず、引きこもっていたんです」
J(; 'ー`)し「もしかしたらその時から、人と顔を合わせたらこうなることが分かっていたのかも……」
( ,,^Д^)「なるほど……やはり本人と話してみる必要がありそうですな」
J(; 'ー`)し「お願いします……もう頼れるのは、あなたしかいないんです……」
( ,,^Д^)「可能な限りの手は尽くしましょう!!!奥さん、どうかご安心を!!!」
.
-
.
( ,,;^Д^)(とはいえ、私もここまでの能力に触れるのは初めてだ……)
( ,,^Д^)(一体何が出来るのか、まずは手探りでやらねばならんな!)
ガチャ…
( ,,^Д^)「ヒクソンくん!!失礼するよ!!」ズンッ
(-_-)「……」オォォォォォォ…
( ,,;^Д^)(むぅ……!!まるで立ち昇る瘴気がごときオーラ!!)
( ,,;^Д^)(モララーとデミタスはこれに当てられたのか!!)
(-_-)「……あなた、見たことある」
( ,,^Д^)「ムッ?」
(-_-)「ビッグトレジャー……ヴィランを捕まえる専門家の……」
( ,,^Д^)「あぁ、そうだ!!君がヒクソンくんだね?」
(-_-)「……あなた、僕を捕まえに来たの?」
.
-
.
( ,,^Д^)「そうではない!!私は、君のお母様に依頼されて君の手助けをしに来たのだ!!」
(-_-)「……嘘だ。だって、ぼくはもう二人もこの力で傷つけてる」
(-_-)「お医者さんと、相談員の人と……それに、あなたの仲間だって……」
(-_-)「これって立派な傷害じゃないか……」
( ,,^Д^)「フム……罰せられるのが怖くて、こんなことをしているのかね?」
( ,,^Д^)「ならば、それは誤解だと言っておく!!私は君を捕まえに来たのではなく……」ノシッ
(;-_-)「……ッ!!近寄るな!!」
グオォォォォォォッッッ!!!!
( ,,;^Д^)「ヌゥオッ!?」ビクッ
.
-
.
( ,,;^Д^)(クッ……デミタスたちほど顕著ではないが、私も頭痛がしてきたぞ)ズキン、ズキン
( ,,;^Д^)(この圧力、私の肉体すら与するというのか……!?)
( ,,;^Д^)「……なかなか、良い能力を持っているな!!ヒクソンくん!!」
(;-_-)「……話すならその場所から動かない方がいいよ」
(;-_-)「僕に近づけば近づくほど、感染の速度と威力は上がってくから」
( ,,;^Д^)「一度、その能力を解いて話をしてくれないか。危害は加えないと約束する!!」
(;-_-)「……無理だよ。これは出たら出っぱなしで、自由にオンオフのできる物じゃあないんだ」
( ,,;^Д^)「そうか……ならばそのままでいい、話を聞いてくれ!!」
.
-
.
( ,,;^Д^)「君のその力は、我々が精神汚染能力と呼んでいる非常に危険なものだ!!」
( ,,;^Д^)「今は屋内ゆえ問題ないが、このまま遮蔽物のない外へ出れば被害は甚大になる!!」
(-_-)「……そうなんだ。それなら僕はもう、外に出ないよ」
(-_-)「一生、この部屋で生きて死んでいくことにする……」
( ,,;^Д^)「何を言う!!君だって平穏な社会生活を送りたいだろう!?」
( ,,;^Д^)「それすらも疎外して、一人で生きていくというのか!!」
(-_-)「……それでいいよ。僕はもう諦めたんだ」
( ,,;^Д^)「むぅ……一体君に何が!?」
.
-
.
( ,,;^Д^)「もしそれが、その力を得てしまったために人生を諦めるという意味なら早計だぞ!!」
( ,,;^Д^)「能力の制御に戸惑うのは、誰でも行き当たる悩みだ!!そのために我々も力を貸しているのだよ!!」
(-_-)「……」シーン…
( ,,;^Д^)(いかん……彼の心身は孤立している!!)
( ,,;^Д^)(このままでは遠からず、本当に心を病んでしまう!!)
( ,,^Д^)「……良かろう、ならばかくなる上は!!」ズンッ
(;-_-)「ッ!!」
( ,,^Д^)「君の能力に屈しない者がいること、証明してみせようではないか!!」
(;-_-)「ヒッ……!!」
ゴウッ!!
( ,,;^Д^)「グヌッ……!!」
.
-
.
( ,,;^Д^)「ムハハハ……素晴らしい!!まるで嵐の中に突っ込んだかのようだ……!!」ズキン、ズキン
( ,,;^Д^)「だが、私のハートを折るにはまだまだ足りないぞ!!」ズシンッ
( ,,;^Д^)「本気で来い!!ヒクソン!!」
(;-_-)「あ……く、来るなァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドッッッ!!!
( ,,;^Д^)「ウヌゥッ!!?」ガクンッ
(;-_-)「お願いだから……もうほっといてよ!」
( ,,;^Д^)「ふはは……やるなヒクソン。私に膝をつかせた人間は、君で三人目だ!!」
(;-_-)「けっこういるじゃないか……」
( ,,;^Д^)「戦った数はその千倍は下らないがね!!胸を張りたまえ!!」ガクガクッ
(;-_-)「……なんで、そんなになってまで僕を助けようとするのさ」
.
-
.
( ,,;^Д^)「それは君の能力が、大きな矛盾を孕んでいるからだ……!!」
(;-_-)「……矛盾?」
( ,,;^Д^)「そうだ!!君の能力は本来、無差別に人を襲う能力のはずだ!!」
(;-_-)「そ……そうだよ。だからあなたの仲間の人も酷い目にあった……」
( ,,;^Д^)「ではなぜ、君の母親はその影響下にないのだ?」
(;-_-)「えっ……あっ?」
( ,,^Д^)「恐らく君は、無意識のうちに彼女を能力の対象から外している!!」
( ,,^Д^)「でなければ、同じ屋根の下で一番に被害を受けているのは、彼女であるはずだ!!」
( ,,^Д^)「それはつまり、君の能力の制御にはまだ開発の余地があるということ!!」
( ,,^Д^)「君が言うほど、現実はまだ絶望的ではないのだよ!!」
(;-_-)「……!!」
.
-
.
( ,,^Д^)(精神汚染が弱まった!!!やはり対話は有効!!!)
( ,,^Д^)「分かるかね?君の能力は、徒に人を傷つける物ではないということだ!!」
( ,,^Д^)「これから訓練を積めば、きっとさらに良い方向へ能力を使うことが出来るようになるぞ!!」
(;-_-)「う……あ……」
( ,,^Д^)「どうか前向きに、その能力を捉えてくれないか?」
( ,,^Д^)「それは君を不幸にするものではないはずなのだからな!!」ズンッ
(; _ )「あっ……」ビクッ
(; _ )「うあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ……!!!
( ,,;^Д^)「何だと!?」
( ,,;^Д^)「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
.
-
.
(; _ )「来るな、来るな、来るな来るな来るな来るな来るな!!!!!!!」
ブワァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!
( ,,;^Д^)「ガァァァァァッ!!!!」
( ,,;^Д^)(これまでにない汚染濃度……!!これは不味い……!!)ズキズキ
( ,,;^Д^)(しかしなぜこうまでして、人との接触を避けようとするのだ……!?)
( ,,;^Д^)(クッ……いかん……思考がまとまらなく、なってきた……)
( ,,;^Д^)(このままでは……彼を救うどころでは……なくなってしまう……)
(; _ )「ハァーッ……ハァーッ……」
(; _ )「……もう、いいだろ。あなただって立ってるのも限界なはずだ」
(; _ )「このまま僕の力を浴び続けてると、本当に発狂するよ!!」
( ,,;^Д^)「フフッ……発狂がぁ、どうしたと言うのだ……!!」グラッ、グラッ
( ,,;^Д^)「今ッ、目の前で……不幸になろうとしている人を……救えずして……何が、ヒーローだ……!!」
( ,,;^Д^)「君の力が精神を汚染する能力ならば!!!」
( ,,;^Д^)「私はそれを!!!肉体で克服してみせるッッッ!!!」
( ,,#^Д^)「行くぞ……!!!マッスルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ……」
( ,,#^Д^)「スーパー・ポジティブッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
.
-
.
マッスル・スーパーポジティブとは、前向きな思考を肉体から捻り出す奥義である!!!
( ,,#^Д^)「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」
( ,,^Д^)「明日の天気は、きっと晴れッッッ!!!」ムキーンッ
( ,,^Д^)「今日の夕飯、プロテインッッッ!!!」バチーンッ
( ,,^Д^)「泣いたあの子も、すぐ笑うッッッ!!!」ピクピクッ
( ,,^Д^)「今日も筋肉、絶好調ォォォッッッ!!!」ムムキィッ
(;-_-)「な、何この人……僕のオーラを押し返してる……!?」
( ,,^Д^)「よぉーーーーーし気分が乗ってきたぞぉーーーーー!!!!!」
( ,,#^Д^)「このままマッスルポージングへ移行だァァァ!!!」
.
-
∧_∧ ___________
__( ,,^Д^ ):!::. :. . ..........:::=≧=‐- 、
_/ .:ヽ :i::::::::/: /:::':.. .:..,. ''. :: `ヽ
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';.:../ /´、  ̄)ヽ. _,r―‐亠- 、! |「: . . - '''´. : :.:/
ヽ! { :..  ̄ ̄厂:く__,.-‐'' ..| |!:. . . .. ... - =_ヲ'
バッキイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(;゚_゚)「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
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∧_∧'"'"{ ̄` ̄ ̄`ヽ、.._
( ,,^Д^)' ', 人 ゙ヽ、
ゝ`ニニ´,\ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i }
. ./´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
. ./ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}'
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / |
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
ムッキイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(;-_-)「ヒィィィィィィィィィィ!!!!!!」
.
-
_,.-‐---‐''"¨τ三ミ
. _,.-‐-'´^ー<.... ,.._ 、,/'"π丿
_,,.._ ,/`‐、_'´´.._,,./ `ヽ', --'ゞ
,.... ∧_∧" ,.-、 リ´ ,/´  ̄
_,,.._-'" _,. ( ,,^Д^) ..,,_ノ-''"
_/´ `ーヽ、ヽ.`ニニ´.λ'´ .{
,. '´ '{′ ; ,, ' _゙.`ーv''´ , ' ,|
_/〉-._,人,._,.,.'__≠''´ .',│ ,.. ' /
,'´ ヽ_,ィ /'"λ `゙ } 、_, .ノ
/.'"`ー、ノー-‐へ ,ノ 《 ゙ヽ、.__.. ノ , ', リ
ヽ. 、. 、!_,-'.ー. \ヽ._ - 、._, '",)ノ
ヽ、ヽ,-'"ニ  ̄} .ヾミ゙ヽ_,'"´ /,、_〃
`ヽ._ ヽ '"〉 {ヘ, ,(`ー_,./,.-'/
``ー--''
ムキムキムキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(;-_-)「あ……あ……!!」
.
-
.
( ,,#^Д^)「ムッハァァァァァ!!!」ブシュゥゥゥゥ…
( ,,^Д^)「やはり私はこうでないとな!!!気落ちしている時間なぞ勿体ない!!!」
(;-_-)「そんな……僕の力が効いてない……!?」
( ,,^Д^)「フッフッフッ……私には分かる!!!感じる!!!」
( ,,^Д^)「君の能力によって体内に取り込まれたオーラが、私の肉体の代謝能力によって分解されてゆく様がな!!!」
(;-_-)「分解!?嘘でしょ!?そんなことが出来るなんて……」
( ,,^Д^)「ヒクソンくん!!!君にいい格言を教えよう!!!」
( ,,^Д^)「『人の為すことに、不可能などない』……のだよ!!!」
(;-_-)「ひぇっ……」
.
-
.
( ,,^Д^)「完全復活ッッッ!!!」
( ,,^Д^)「ビィーーーーーーーーーーーッグ!!!!!トレジャーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
( ,,^Д^)「残念だが君の精神汚染は克服させてもらった!!!」
( ,,^Д^)「あとは君自身の問題だ、ヒクソンくん!!!」
(;-_-)「……」ジリッ
( ,,^Д^)「逃げないでくれ!!!頼む!!!」
(;-_-)「ひっ……!!」
( ,,^Д^)「どうかそのまま、私の話を聞いてくれないか?」
(;-_-)「……」
.
-
.
(;-_-)「……話すことなんか、ないよ。僕は一生ここから出ない。もう決めたんだ」
( ,,^Д^)「そうか。ならばそれもよし!!」
( ,,^Д^)「だが私は、君がそうなった理由までは知りたいと思っている」
(;-_-)「余計なお節介だよ!」
( ,,^Д^)「そうかな?」
( ,,^Д^)「私にはこの能力、助けを求める君の、無言の叫びのように思えるのだ」
(;-_-)「……!」ビクッ
( ,,^Д^)「そもそもヴィランの能力もヒーローの能力も、『己が望んだ肉体へと生まれ変わる』という前提が存在する」
( ,,^Д^)「となると私には、君が人を傷つけるためにこんな力を欲したようには思えないのだ」
( ,,^Д^)「一体君に何が起こったのか、話してみてはくれないだろうか」
(;-_-)「……」
.
-
.
(;-_-)「……ダメだよ、やっぱりダメだ」
(;-_-)「あなたみたいな強い人には、僕の気持ちは分からないんだ」
( ,,^Д^)「それはなぜ?」
(;-_-)「……」
( ,,^Д^)「ふぅむ……ヒクソンくん。君は大きな誤解をしているようだね」
(-_-)「……え?」
( ,,^Д^)「我々は、強いから戦うのではない。そしてさらに言うなら、正義のために戦っているのでもないのだ」
(;-_-)「なんっ……えぇぇ!?」
(;-_-)「だって、ビッグトレジャーは強い正義の味方なんでしょ!?」
( ,,^Д^)「違うな!!私自身は自分を正義と自称したことはない!!」
( ,,^Д^)「そして私の仲間たちにも、正義を名に冠して戦うことがないよう徹底している」
( ,,^Д^)「それはなぜか、分かるかね?」
(;-_-)「わ、分からない……なんで?」
.
-
.
( ,,^Д^)「それはな、ヒクソンくん。人は正義を名乗れば、必ずや人を裁こうとするからだ」
(;-_-)「……」
( ,,^Д^)「人が人を裁く、それそのものは間違いではない」
( ,,^Д^)「法はそのためにあるものだし、許されざる悪というのも間違いなく存在する」
( ,,^Д^)「だが、我々は裁定者であってはならない!!!どんな力を行使しようとも、それは絶対だ!!!」
( ,,^Д^)「我々が誓うことはただ一つ!!!」
( ,,^Д^)「人々を絶望へと至らしめる『理不尽』と戦うことなのだ!!!」
(;-_-)「……!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「理不尽に泣くものに老若男女は関係ない」ズンッ
( ,,^Д^)「そして、いかに強い者でも不条の理に押し潰されることはある」ズンッ
( ,,^Д^)「ゆえに私は!!!理不尽に虐げられし全ての人の味方なのだ!!!」ズンッ
( ,,^Д^)「ヒクソンくん!!!」ズズンッ
(;-_-)「ひっ……」
( ,,^Д^)「今の君は、自らも制御しきれない理不尽な能力に悩まされているね?」
( ,,^Д^)「だからどうか、私を信用して、全てを話してみてはくれないか」
ポンッ
(;-_-)「……あ」
(;_;)「あ、あぁぁぁぁぁ……」ポロッ
( ,,^Д^)「そうだ!!涙で心の澱を流すのだ、ヒクソンくん!!」
(;_;)「たすけて……ビッグ・トレジャー……」
( ,,^Д^)「ウム!!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(;ー∀ー)「おーえ……まだ胃がムカムカしてるわー……」
川д川「水いる?」
( ・∀・)「おう、サンキュ」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャーは大丈夫だろうか。あれから何の連絡もないが……」
(;・∀・)「あんたケロッとしてんなぁ。人の心配してる余裕あんの?」
(´・_ゝ・`)「これでも回復力には自信があるんでね」
川д川「どうする?もう一度部屋に乗り込む?私は行かないけど」
(;・∀・)「ちゃっかりしてんな、姐さんも」
(´・_ゝ・`)「いや、サー・トレジャーが動いたんだ。ここは静観していよう」
( ・∀・)「過信しすぎなんじゃねーの?あんだけの能力なんだし、何かしら備えておくとかしとけば?」
(´・_ゝ・`)「あの人がどうにも出来なかったら、他の誰にもどうしようもないさ」
川д川「ま、トレさんは自分がどうなっても絶対に諦めないでしょうけどね」
( ・∀・)「はぁ……信用してるのなー」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「しかし、何かしら備えておくというモララーの心がけも間違ってはいない」
(´・_ゝ・`)「万が一、いや億が一サー・トレジャーに何かあった時のため、いつでも動けるようにはしておこう」
( ・∀・)「アイ・サー」
川д川「はいはーい」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!
(;・∀・)「うぉっ!?な、なんだ!?」
川;д川「地震!?それともサイクロン!?」
(;´・_ゝ・`)「いや違う、今のは屋内からだ!!」
<待てェェェェェェェェェェェェい!!!!!!!!!!!
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャーの声だ!」
(;・∀・)「言ってる側からなんかあったのかよ!」
川д川「あ、見て!誰か出てくるわ!」
.
-
.
(;’e’)「ヒィィィィ!!!」バァンッ
川;д川「誰!?」
(;・∀・)「いや知らん!」
<みんなーーーーーーー!!!!!!!彼を捕まえてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
(´・_ゝ・`)「よく分からんが……止めた方が良さそうだな」ザッ
(;’e’)「ヒッ!!」
( ・∀・)「逃げようとしても地の果てまで追いかけるぜぇ?」ザザッ
(;’e’)「うえぇ!!」
川д川「こっち逃げてきたら命はないと思いなさい」ザザザッ
(;’e’)「あ……あっ……!!」ジョワァ…
(;・∀・)「わっこいつ漏らしやがった!!」
(;´・_ゝ・`)「やれやれ。何なんだこいつは?」
川д川「とりあえず縛っておこうかしら」ニュルルルル
(;・∀・)「ギャー!!芝が気持ち悪っ!!」
川д川「次に気持ち悪いって言ったらお前も同じ目に合わすぞ」
(;・∀・)「サッセン!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「みんな!!すまない!!」ドドドド
川д川「トレさん、どういうこと?」
(´・_ゝ・`)「この人は誰なんです?」
( ・∀・)「まさか関係ないオッサンなんてこたないよな?」
( ,,^Д^)「この人は、ヒクソンくんの父親……そして、今回の事件の発端となった人間だ!!」ズンッ
(;’e’)「ひぇ……」
( ,,#^Д^)「ヒクソンくんから話は全て聞いた……」
( ,,#^Д^)「あなたは!!ヒクソンくんの能力を悪用し、飲み仲間を殺させたそうだな!!」
(;´・_ゝ・`)「何ですって?」
( ・∀・)「マジかよ最悪じゃん」
(;’e’)「わ……悪気はなかったんだよぉ。まさかこんなことになるなんて思ってもなかったんだぁ……」プルプル
.
-
.
( ,,#^Д^)「その身勝手な思慮が!!!ヒクソンくんをどれだけ苦しめたか分かっているのか!!!」
(;’e’)「ヒィィィィごめんなさいごめんなさいもうしませんんんん……」
( ,,#^Д^)「言い訳は地獄で聞こう……」
( ,,#^Д^)「オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」
(;’e’)「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」
ズドォォォォン!!!
(;・∀・)「お、おい。あいつ死ぬんじゃね?」
(´・_ゝ・`)「安心しろ。素人に手を上げるほどサー・トレジャーは短慮ではないよ」
( ,,#^Д^)「……我々にあなたを裁く権限はない」
( ,,#^Д^)「だが次に家族を不幸な目に合わす真似をしてみろ」
( ,,#^Д^)「今度はこの鉄拳、確実にその顔へ当てよう!!!」
川д川「トレさん。彼もう気絶してるわよ」
(; e )「あ……あっ……」ジョロロロロ
( ,,^Д^)「む……そのようだな」
.
-
.
J(; 'ー`)し「なんですか、この音は!!」
( ・∀・)「あ、おばさん」
(;´・_ゝ・`)「コラ!奥さんと呼べ!」
( ,,^Д^)「……奥さん。私はあなたに大変辛い報告をせねばならない」
( ,,^Д^)「今回のヒクソンくんの能力の暴走は、どうやらお父上が原因にあったようです」
J(; 'ー`)し「そ、そんな!?」
( ・∀・)「どういうこったい、オッサン?」
川д川「あんたは黙って話を聞いてなさい」
( ,,^Д^)「事の発端は一ヶ月前、彼がこの力を習得した時まで遡る」
( ,,^Д^)「ヒクソンくん本人は、この力を『そばにいる人間を憂鬱にさせる』程度と解釈し」
( ,,^Д^)「自分を軽んじていたジョックの生徒を懲らしめるために使っていたらしい」
( ,,^Д^)「この時はまだ、特定の誰かに限定して能力を行使することが出来たそうです」
( ,,^Д^)「しかし、その生徒が本格的に鬱を患い、学校を休みがちになってしまった」
( ,,^Д^)「そうした時に彼がまず相談したのが、実の父親だったようなのです」
.
-
.
( ,,^Д^)「彼はヒクソンくんから話を聞き、最初は父として当然のように親身になっていた」
( ,,^Д^)「しかし事の仔細を知るうちに、私欲のためにこの力を利用出来ないかと考えはじめたようです」
( ,,^Д^)「奥さん、旦那さんが飲み仲間に借金をしていたことはご存知ですか?」
J(; 'ー`)し「いえ……全く……」
( ,,^Д^)「でしょうな。ヒクソンくんも、後々父親が白状するまでは知らなかったそうです」
( ,,^Д^)「それを家族に言い出せなかった彼は、借金をなかったことにするためにヒクソンくんを利用した」
( ,,^Д^)「彼が飲みの席にヒクソンくんを同席させたこと、何度となくあったのでは?」
J(; 'ー`)し「……」
( ,,^Д^)「どうやら、あったようですな」
( ,,^Д^)「彼はヒクソンくんにあれこれと理由をつけて、飲みの席へ同席させ続けた」
( ,,^Д^)「その結果、飲み仲間の人は重度鬱を罹患し自殺。そこへ至りようやく彼も、自分のしでかした事の大きさに気づいたそうです」
.
-
.
( ,,^Д^)「彼はヒクソンくんに口止めをしたが、これがさらに良くなかった」
( ,,^Д^)「ヒクソンくんの中では自責の念がストレスに代わってゆき、そしてついに爆発したのが一週間前」
( ,,^Д^)「そばに寄るものを無差別に襲う、ボーダレスな精神汚染能力へと変貌を遂げたのです」
(´・_ゝ・`)「なるほどね。ストレスによる能力の過剰発現だったワケか」
( ・∀・)「要するに腹に据えかねてブチギレちまったのなー」
川д川「やるせない話ねぇ……」
J(; 'ー`)し「あの……この人はどうなるんですか……?」
( ,,^Д^)「どうもなりませんよ。これまで通り働き、自らの意思で罪を償う他にない」
( ,,^Д^)「相手は自殺ゆえ事件としても扱われず、自殺を強要したという事実もない」
( ,,^Д^)「自首したところで、警察もまともに取り合いますまい」
J(; 'ー`)し「……そう、なんですね」
.
-
.
( ,,^Д^)「そしてさらに、あなたには悲しい報せをしなければならない」
J( 'ー`)し「えっ……」
( ,,^Д^)「ヒクソンくんの身柄を、我々に預からせてもらえまいか」
J(; 'ー`)し「あっ……そうですね。無自覚とはいえ息子は、人を傷つけて殺したんですもの……」
( ,,^Д^)「いえ、そうではない!!私は彼を、ヒーローの仲間として迎え入れたいのです!!」
J( 'ー`)し「えっ……」
( ,,^Д^)「彼自身も今後、多くの葛藤や悩みに打ちのめされることでしょう!!」
( ,,^Д^)「その時に我々は、身近で彼をフォローして差し上げたい!!」
( ,,^Д^)「しかし今彼を家庭から引き離すのは、あなたを孤立させることに他ならない!!」
( ,,^Д^)「どうかあなたの考えを、聞かせてもらえまいか」
( ,,^Д^)「その主張を私は、最大限尊重させていただこう!!」
J(; 'ー`)し「……わ、私は」
.
-
.
J(; 'ー`)し「……私は母親として、何も出来なかった」
J(; 'ー`)し「だから、あの人と一緒に罪を償って……息子の帰りを、待ちたいと思います」
( ,,^Д^)「……そうですか。ありがとうございます、奥さん。あなたの決断には頭が下がります」
( ,,^Д^)「だが、あなたは決して何も出来なかった訳ではない。それだけは心へ刻んでおいてください」
J(; 'ー`)し「……」コクリ
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!!」
( ,,^Д^)「どうした、デミタス!!!」
(´・_ゝ・`)「ヒクソンくんの保護、終わりました。疲れからか今は眠っているようです」
( ,,^Д^)「そうか、ご苦労!!!」
J(; 'ー`)し「……どうか息子を、よろしくお願いいたします」
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川д川「……奥さん」
J(; 'ー`)し「は、はい?」
川д川「……これ」ポンッ
J(; 'ー`)し「えっ……花?どこから……?」
川д川「ヒーローはみんな信用できる人ばかりだから、どうか心配しないでください」
川д川「同じ女として、奥さんの心細さが分かるから」
J(; 'ー`)し「……」
川д川「きっと彼、大物になるわ。あなたはその時に、彼の帰る場所になってあげて?」
J( 'ー`)し「……はい」
川д川「これ、私の個人的な連絡先。辛いことあったら気軽に連絡してちょうだい」
J(; 'ー`)し「あっ……ありがとうございます!」
( ,,^Д^)(フフフ……ナイスフォローだ、サダコくん!!)
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( ・∀・)「あーあー、結局役立たずは俺だけかー」
(´・_ゝ・`)「僕だって似たり寄ったりさ。あまり気落ちするな」
( ・∀・)「あーい」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!!ならば帰ったら反省も兼ねて、もう一度トレーニングのし直しだな!!!」
(´・_ゝ・`)「お、いいですね。心身ともに皆でイチから鍛え直しますか」
(;・∀・)「ゲェー!!勘弁してくれよ!!」
川д川「あんたにはちょうどいいシゴきでしょ」
アハハハハ…
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第六話終わり
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【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
理不尽に抗うため戦うナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
今後のため精神鍛練の必要性を切に感じた。
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(,,゚Д゚) RAPID STITCH
本名:ギコラ=サムスン
サダコをからかうのが日課。
川д川 FLOWER COMPANY
本名:サダコ=アヤセガワ
植物操作、成長促進、精神同調等様々な能力を持つ。
年齢については禁忌である。
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J( 'ー`)し カーラ=クロマティ
ヒクソンの母親。
今後は旦那を支えて生きて行くことを誓った。
(’e’) ジョーンズ=クロマティ
在宅ワーカー。
家族思いであったがギャンブルに手を出し借金にまみれる。
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(-_-) BORDERLESS
本名:ヒクソン=クロマティ
希少な精神汚染能力の持ち主。
ジョックに対するコンプレックスはあるが普通の青年であった。
趣味は模型作りと読書。
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( ・∀・) SUPER SPEED STAR
本名:モララード=マクレガー
今回の件で改めてビッグ・トレジャーの怪物性を認識した。
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おまけ
(-_-)「う……うん……」
(-_-)「……あ?」パチッ
ミセ*゚ー゚)リ「おー、起きたかね青年」
(-_-)「……ここは?それに、あなたは……」
ミセ*゚ー゚)リ「ここは総合科学技術研究所!略して総科研!」
ミセ*゚ー゚)リ「ヒーローの総本山って言えば分かりやすい?」
(;-_-)「ヒーローの……そっか……」
(;-_-)「あの、僕……何かのペナルティを受けるの……?」
ミセ*゚ー゚)リ「はえ?なんで?」
(-_-)「だって、そのために僕はヒーローの住み処まで連れて来られたんでしょう……?」
ミセ*゚ー゚)リ「ちがうちがう!」
ミセ*゚ー゚)リ「トレさんは君をヒーローとの仲間にしたくてここへ連れてきたの!」
(;-_-)「へっ……?僕なんかを……?」
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-
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ミセ*゚ー゚)リ「そうそう!それで私が君の教育係に任命されたんで、ヨロシクねー」
(;-_-)「えっ!?トレジャーさんは?」
ミセ*゚ー゚)リ「あの人もヒマじゃないし、ここへ常駐してるヒーローって案外少ないのよ」
ミセ*゚ー゚)リ「大抵が普通の仕事の合間にヒーローしてる兼業さんばっかりでねー」
(;-_-)「そうなんだ……ヒーローって意外と所帯染みてる……」
ミセ*゚ー゚)リ「そうよー?トレさんだってそういう人のこと、ちゃーんと認めてあげてるんだから」
(-_-)「あの……」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?」
(-_-)「僕も、トレジャーさんみたいなかっこいいヒーローになれますか……?」
ミセ*゚ー゚)リ「なれるよー、きっとね!」
(*-_-)「そ、そっか。えへへ……」
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-
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ミセ*゚ー゚)リ「でもそのためには、体もハートもタフにならなきゃね!」
ミセ*゚ー゚)リ「ミセリお姉さんがビッシバシシゴいてあげるから、覚悟しといてね!」
(;-_-)「ひぇ……」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、でもその前に」
(-_-)「は、はい」
ミセ*゚ー゚)リ「私、アイアンメイデンのミシェーラ=ポワソン。ミセリでいいよ!」
ミセ*゚ー゚)リ「君の通称もなんか考えとかないとねー」
(-_-)「あ……えと、僕はヒクソン=クロマティです。よろしくお願いします、師匠……」
ミセ*゚ー゚)リ「師匠!!」
ミセ*゚ー゚)リ「そっかぁー師匠かぁ。私が師匠ねぇ、ウフフフフ……」
(;-_-)(大丈夫かな、この人)
(-_-)(……がんばろ)フンス
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おしまい。
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乙
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待ってたぞ!乙!
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乙!
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今更だけどsage進行なの勿体ないな
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乙乙
トレジャーに膝つかせた化け物があと二人はいるんだな
…まさかあの犬だったりしないよな?
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おつ
今回も楽しかった
仲間集めて冒険に行く感じなのかな
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貞子フラカンかよハタチ族かな
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トレジャーかっけーな
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クーに肩膝をついて告白したとか?
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>>421
イケメンな発想だ
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ミ・ー・ミ にょらー
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トレジャーかっこいいけど「今日の夕飯、プロテインッッッ!!!」でさすがにワロタ
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ビッグ・トレジャー×マーケティング・レンタルコミック特別篇
『三位一体!!!漢舞いのようです!!!』
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その日、鬱田ドクオは一日の業務を終えた後、漢の戦場である厨房に居残っていた。
目前には鶏のモモ肉がべろんと広げられている。ブロイラーなどの安物ではない、正真正銘の地鶏である。
それを一口大に切り込み、生姜とニンニクの効いた醤油タレへ漬け込む。
仕上げにカレー粉を一つまみ。これで味の引き締まった唐揚げが出来る。
それをよく混ぜ、チャック式のビニールパウチの中へぶちこむと、口を閉めて食材保管庫にしまう。
('A`)「よーしゃ、こんなもんかぁ」
厨房に立つのはご存知この漢。
料理人にして一児のパパ。そしてカフェレストラン『Y.M.C.A』のチーフシェフ。
鬱田・『問おう、貴方が私のマスターか』・ドクオである。
調理に使った器具を洗浄して、見かけとは裏腹に丁寧に手を洗い、ドクオは厨房に背を向ける。
ハードな業務の後にも関わらず彼が居残っていたのは、翌日の仕込みをするため……ではなかった。
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(#'A`)『たとえ空からサメが降ってきて!!!!!!!!!日本が壊滅的な被害を被っても!!!!!!!!!』
(#'A`)『明日は絶っっっっっっっ対に休むからな!!!!!!!!!!!!!!!!!』
(#'A`)『仕事入れやがったらお前と言えど輪切りのホルマリン浸けにすんぞ!!!!!!!!!』
(;^ω^)『シャークネードかよ……別に休んでいいから輪切りのソルベは止めろ』
……以上のようなやりとりを経て、掻き入れ時の週末に休みをねじ込んだのである。
('A`)「さぁーって……明日も早いし、さっさと帰って寝るか」
ゴキゴキと首を鳴らし、コック服から私腹へと着替えて行く。
上着を脱けば隆々とした山脈のごとき筋肉が、ズボンを脱げば雄大な大河のごとき筋肉が主張する。
マッチョの貴重な脱衣シーンである。
マッチョの貴重な脱衣シーンである。
もう一度繰り返すが、マッチョの貴重な脱衣シーンである。刮目しろ。
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-
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('A`)「……」モソモソモソ
(#'A`)「フンッッッ!!!」ビキィッ
('A`)「……」ゴソゴソゴソ
(#'A`)「ムンッッッ!!!」ミキィッ
マッチョには一人の時間に耐えられなくなると、やたらに筋肉を動かす習性がある。
ドクオもその例に漏れず、会話のない空間に耐えかねて一人筋肉を震撼させていた。
その震えたるや、西野カナが顔色を変えて秦王の前に跪くレベルである。
('A`)「……やっぱ最高やな、俺の筋にk」
( A ) カクゥーンッ
そしてその途中、何の前置きも無しに突如として、彼は意識を失った。
.
-
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【9秒前の白】
('A`)「……」
(;'A`)「まぁーーーーたここかよ!!!!」
(;'A`)「ってことは、またあのハゲがなんかしでかしたのか!?」
( ^ω^)「恐らくそうだろうな」ノソッ
彼こそはドクオの相棒であり、カフェレストラン『Y.M.C.A』のオーナー。
内藤・『アルターエゴ』・ホライゾンである。
('A`)「おぉ、ホライゾン。お前も呼び出されたクチか」
( ^ω^)「あぁ。せっかくこれから久々に嫁さんとシッポリかまそうとしてたのによ」
('A`)「待って親友の夫婦生活とかあんまり聞きたくない」
( ^ω^)「フランス書院レベルの筆致で事細かに聞かせてやろうか」
('A`)「止めて嫉妬で頭が狂っちゃう」
( ^ω^)「ごめん俺のが聞かせる気失せたわ」
.
-
.
('A`)「で、だ。俺らを呼び出したあのビチグソハゲインキン不能口臭変態ゴキブリゲロ鼻くそウンコマンはどこだ?」
( ^ω^)「思いつく限りの罵倒並べたなお前」
(#'A`)「っっったりめぇーだ!!こちとら仕事終わりの疲れを娘の『パパ……あっちいってて』の台詞で癒すのが日課なんだよ!!」
( ^ω^)「お前悲しいな……」
('A`)「最近娘が一人で映画見るの覚えちゃってさ……パパ孤独で死にそう」
( ^ω^)「でぃちゃんしっかりしてるからな、察するわ」
('A`)「まぁともかく、天国だか神の国だかでのうのうとこっちを盗撮してるだけの神なんかに、コキ使われてたまるかってんだ」
( ^ω^)「俺も早く帰って嫁と乳繰りあいたい」
(*'A`)「俺でよければ今すぐでも乳首クリクリしあってやるぜ……?(※)」
( ^ω^)「死ね」
('A`)「お前が死ね」
(※マーケティング・レンタルムービーズ参照)
.
-
.
『やぁ、君たち』
('A`)「あ」
( ^ω^)「この声は」
(´・_ゝ・`) 「今期アニメ何見る?」デミッ
/ `ニニ´彳 `` ー 、
_,ノ´、, ,..>、リ,. -- 、. ヽ--、
/  ̄´ {-_,. -、 、,' ヽ
/ 〃,.. 'r _,.. 、}>、.. r-{.
/、 _,..イ´ ト. ´ i ´ }
/ ゙ー'´ }ヘ _,..ノヘ`ー- ...ィ! ', ハ {
,' ,' リヾニ=ニ´ ,. ‐'' h ー 、 ハ リ ノ}
,'八 , / \ミヽ、ヽ. |! } 彡N ', ハ
} (.,/ ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.' i
,ハ', ii { 入__ _ノ.__,ノ | ∨ ,{
i : v リ /、 { ゚ ´,| | |, }
{ Y, ,' ィ‐‐-ミ、_`', リ } ,' ヽ
iヽ ! ,' : ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y ,}
}. ∨ ./ ノ / ∨' ,. _,./ ! `''"i ', {ノ'′
', `ヽ_,..{,' ノ i /´ 、 ヽ、.__ ,〉 ト,)
', r‐ヤ ' 人ノ >‐‐イ / ` }
ヽ、∨ /`ヽ、 / ハ , /
y' ,' ; / `{ ,/-‐ /
i i' /' ,/ ,.. ´
i ,リ /-'" ,. '´
-
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('A`)「ホライゾン、ちょっとそいつの顎に時間制限でバカッと拡がる装置着けてやって」
(;´^_ゝ^`)「SAWの殺しに特化した拷問器具かよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜最近のマッチョ怖っ!」
( ^ω^)「俺らの腕力なら素手でも同じこと出来ると思うけど」
(;´^_ゝ^`)「軽率に神殺しに走る不敬者かな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜??????????」
('A`)「安心しろ元から1ミリたりとも敬ってない」
( ^ω^)「お前敬うくらいなら上野動物園のレッサーパンダご神体にするわ」
(;´^_ゝ^`)「レッサーパンダよりかわいいだろが〜〜〜〜〜〜〜〜節穴どもが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
('A`)「なんで臭いキモいカリ細いの3Kがレッサーパンダに勝るんだよ……」
( ^ω^)「レッサーパンダに謝れや」
(;´^_ゝ^`)「俺のはカリ太だボケナスどもが。話を聞け頼むから」
.
-
.
('A`)「おう聞いてやるからスーパーマンが地球一周するより早く喋れよ」
( ^ω^)「まさかの光速越えである」
(´^_ゝ^`)「スーパーマンか……フフフ。これから話す話題の前フリにちょうどいい」
(´^_ゝ^`)「君たち、ちょっとこれからアメリカまで飛んでくれる?」
('A`)「は?」
( ^ω^)「アメリカ?」
(´・_ゝ・`)「そう。ヒーローとヴィランの本場アメリカ」
(´・_ゝ・`)「上手くすればスーパーマンどころか、かの有名な宇宙ゴリラ氏にも会えるかもよ?」
(;'A`)「なんでサノスをチョイスした……」
(;^ω^)「絶妙に会いたいような会いたくないような人選だな」
(´^_ゝ^`)「という訳で君たち、松千代代表としてヨロリンコ☆」
('A`)「待て待て待て、理由も説明せずに送り出そうとすんな」
( ^ω^)「これだから説明不足のハゲは困る」
(;´^_ゝ^`)「ハゲてねぇわ心のかさぶたが髪と一緒に剥がれ落ちただけだわ」
.
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(´・_ゝ・`)「簡単に説明させてもらうと、今アメリカのとある都市で大変な事件が起こってる」
(´・_ゝ・`)「それを解決するために、君たちの力を拝借したいってワケだよ。明快だろ?」
('A`)「自分でやれウンコクズ」
(´・_ゝ・`)「神は軽々と現世に降臨出来ないんだよ知ってるだろ包茎」
('A`)「ズル剥けだわバカにすんなハゲ」
( ^ω^)「お前にお鉢が回って来てるってこたぁ、アメリカにはマッチョの神っていないのか?」
(´・_ゝ・`)「もちろんあちらさんにもマッチョの神はいるさ。何たってアメリカは筋肉の見本市みたいなもんだからね」
(´・_ゝ・`)「その神に、事件を解決するには人手不足だから助けてくれって泣きつかれたんだよ」
(;^ω^)「うっさん臭ェ話だな!!」
('A`)「こんなのを頼るしかないアメリカのマッチョ神が不憫だぜ」
(´・_ゝ・`)「神同士にも横の繋がりってもんがあるんでね。僕もそう簡単には断れんのよ」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「まぁ説明できる事情はそんなとこだから、後は君たちに任せたよ」
('A`)「断る!!!」フンス
(´・_ゝ・`)「だよねー、そう言うと思ったよ」
(´・_ゝ・`)「でも例のごとく、首を縦に振るまではここから出られないから」
(#'A`)「ならお前を殺してでも押し通る!!!」
(;´・_ゝ・`)「おやおや、カルシウム足りてない猛牛みたいな様子だね」
(´・_ゝ・`)「彼、なんかあったの?」
( ^ω^)「明日は娘の運動会なんだとさ」
(#'A`)「こっちはこの日のためにスケジュール調整してやっとの休みやぞ」
(´・_ゝ・`)「なーる」
('A`)「美味しいお弁当作ったり、ビール腹の保護者どもをゴボウ抜きしてでぃの勝利に貢献せにゃならんのに」
(#'A`)「たかだかアメリカの危機くらいお前が解決せんかい!!!!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「その意気は買ってあげてもいいが、僕を殺したらこの空間を開ける存在がいなくなるだけ」
(´・_ゝ・`)「つまり、どっちにしろ僕の言うことを聞くしかないんだなこれが」
(#'A`)「クソが……人の足元見やがって」
(#'A`)「次に会ったら瞼閉じれないように縫い止めてから『ソドムの市』千回視聴させっからな?」
(;´^_ゝ^`)「見る拷問とかそういうレベルじゃねぇ〜〜〜〜〜〜普通に拷問じゃねぇかよぉ〜〜〜〜〜〜」
( ^ω^)「まぁドクオの言うことももっともだろ」
( ^ω^)「こちとら嫁とのアハンウフンも我慢させられてんだ。それなりの見返りはあるんだろうな?」
(´・_ゝ・`)「見返りねぇ。僕の使用済みパンツいる?」
('A`)「ブーン、こいつの脳天カチ割るぞ」
( ^ω^)「内臓も引きずり出して天日干しにしとくか」
(;´^_ゝ^`)「冗談だってば〜〜〜〜〜〜恐ろしいな君たちは〜〜〜〜〜〜」
('A`)「次に神経を逆撫でするようなこと言ったらケツに頭蓋を挟んでぺしゃりだぞ?」メメタァッ
(;´^_ゝ^`)「ジョジョみたいな擬音のするケツとか何の冗談だよ〜〜〜〜〜〜〜〜……」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「それじゃあ君たちをアメリカまで送るね。報酬については追々考えさせてもらうから」
( ^ω^)「さっさとせーや」
('A`)「その無駄口のせいでマイナス100点だったお前の印象値がマイナス50000000000000000点まで下がってるからな」
(;´^_ゝ^`)「マイナス五京とかどんだけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜??????????????」
('A`)「しつこい」
( ^ω^)「黙ってやれ」
(´・_ゝ・`)「はいはい。まったく最近のマッチョは早漏なんだか」
(´^_ゝ^`)「ラァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!!!!!!!!!」
(;'A`)「うぉビックリした!!」
(;^ω^)「なんだこいつ…」
(´^_ゝ^`)「ライライラライライライラライライライライラライライライラライライラァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(;'A`)「おいなんか原西みたいな動きしだしたぞ」
(;^ω^)「キッショ!」
(´^_ゝ^`)「因果を越えて絶望を断つ希望ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
(´^_ゝ^`)「あなたは、わたしの、最高の友達だったんだね……!」パァァ…
(;'A`)「ま…」
(;^ω^)「まど神様……?」
.
-
.
('A`) パッ
( ^ω^) パッ
('A`)「お?」
( ^ω^)「え?」
ここはアメリカ、クラウン・シティ上空100m地点……。
(;'A゚)「落ちてるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!??!!??!!!」ヒュー
(;゚ω^)「ギャアァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」ドヒューン
『あ、ごめん。転送する座標間違えちゃった。なんとか死なないように頑張ってー』
(;'A゚)「お前だけは絶対に殺すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!」
(;゚ω^)「同じくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!」
ヒュルルルルル……
.
-
.
(;'A゚)「アァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」
(;^ω゚)「オァァァァァァァァァァァァス!!!!!!!!!!!!!!!」
(;'A`)「掴まれホライゾンーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
(;^ω^)「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
(;'A`)っと(^ω^;) ガッシィーンッ
(#'A`)「漢前体操、『百足連弾』ッッッ!!!!!!!!!!」
ドパパパパパパパパパパパパパンッ
(;^ω^)「おぉっ!?」フワッ
(#'A`)「ダァーーーーーーーーーーラッシャイッッッ!!!!」ズダァンッ
(#^ω^)「どっこいしょーーーーーーーーー!!!!!!」ズドォンッ
('A`)「ナイス着地だ、兄弟」
( ^ω^)「お前もな、相棒」
.
-
.
('A`)「ケツをブースターにして逆噴射させることで衝撃を緩和できて良かったぜ」
( ^ω^)「説明乙。しかしまさか、お前のケツに命を救われる日が来るとはな」
('A`)「俺が規格外のマッチョじゃなかったらアメリカに血の雨が降ってたな」
('A`)「あのハゲ帰ったらケツから杭刺して口まで貫通させよう」
( ^ω^)「ブラド公かお前は」
('A`)「……てかよ、ここ本当にアメリカ?」
( ^ω^)「俺もそう思ってたとこだ」
ドクオとブーンが着地した地点。
そこは鬱蒼とした樹々の生い茂る密林だった。
('A`)「そりゃアメリカにも森くらいあるだろうがよ、これじゃまるきりジャングルだぜ」
('A`)「まさかあいつ、間違って俺達をアマゾンにでも送り込んだんじゃねぇだろうな?」
( ^ω^)「……いや、待てドクオ。下見ろ」
('A`)「あん?」
( ^ω^)「地面が土じゃなくてアスファルトだ」
('A`)「……マジだな」ガッガッ
.
-
.
( ^ω^)「それに、あれ見ろよ」
(;'A`)「おぉぅ、なんじゃありゃあ……」
ドクオたちが目線を移した先には、生い茂る樹々の隙間から高層ビルが見えた。
(;'A`)「こいつぁ、どーなってんだ?全く意味が分からんぞ」
( ^ω^)「……見たところ樹の根っこがアスファルトを砕いて生えてやがるな」
( ^ω^)「ニュアンス的には、街の中に突然森が出来たって感じか?」
('A`)「相棒の観察眼が鋭すぎて濡れる」
( ^ω^)「よせやい」
『Hey!! You guys Who are you? What are you doing!?』
('A`)「んあ?」
( ^ω^)「なんだ?」
.
-
.
(´・_ゝ・`) ザッ
(#'A`)「あっ、テメェこのハゲ野郎!!よくそのツラ出せたなぶっ殺してやる!!」
(´・_ゝ・`)「ん……?」
(;´・_ゝ・`)「あっ!?」
( ^ω^)「おい待て相棒、なんか様子が変だぞ」
(#'A`)「止めてくれるな、ホライゾン。俺たちにはこいつの腹を割いて中に美味しいご飯を詰める権利がある」
( ^ω^)「イカ飯かよ」
(;´・_ゝ・`)「君たちはいつぞやの日本人……?」
(;´・_ゝ・`)「その節は、サー・トレジャーが大変なご迷惑を……」ペコリ
('A`)「サー・トレジャー?」
('A`)「……あ、あんたもしかして」
( ^ω^)「前に松千代で会った、メリケン変態マッチョのマネージャー?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「マネージャーと言われるとちょっと語弊がありますが……まぁ間違ってはいないか」
('A`)「なんだよ別人かよ」
( ^ω^)「よく見りゃ髪もフサフサだしな」
('A`)「せっかく生皮剥いでドブに捨てようと思ったのに……」
(;´・_ゝ・`)「あの、僕何かしました?」
( ^ω^)「あぁ、気にしねぇでくれ。俺らのいけ好かないヤツがあんたにソックリってだけだから」
(;´・_ゝ・`)「いけ好かないってだけで生皮剥ごうとするのも凄い憎悪ですね……」
('A`)「皮程度じゃ生温い」
( ^ω^)「百回死なしてもまだ足りない」
(;´・_ゝ・`)「その人一体何したの……?」
.
-
.
('A`)「まぁ、俺らのことはどうでもいいわな。今知りたいのはここの現状だけだ」
( ^ω^)「何をどうこねくり回したら、こんな珍妙な状況になるってんだ?」
(´・_ゝ・`)「どちらかと言うとそれはこっちの台詞なんですけどね」
(´・_ゝ・`)「この辺り一帯は今封鎖されてて、一般人の入れないようになってるはずですが?」
('A`)「上空100mから落とされた」
(;´・_ゝ・`)「えぇ……パラセーリングとか?」
( ^ω^)「いや非装備で」
(;´・_ゝ・`)「なんで生きてるのか教えて欲しいんですけど」
(´・_ゝ・`)「ともかく、ここは今とても危険です。送って行きますから早く退避してください」
.
-
支援
-
途中かよ!
-
.
('A`)「それがさー、俺たち強制的にここまで連れてこられたもんでな」
( ^ω^)「パスポートも何も持ってねぇのよ」
(;´・_ゝ・`)「不法入国ですか!?」
('A`)「結果的にはそうなるな」
( ^ω^)「なんかそう考えるとますますあのハゲへの怒りが募ってきたわ」
('A`)「これでお縄になったりしたらあのハゲ二度と泣いたり笑ったり出来ないようにしてやる」
(;´・_ゝ・`)「理由は知らないけどもう少し穏便に行きましょう?」
『デミさん!』ザザッ
(´・_ゝ・`)「どうした、サダコさん!」
『BTがそっちに向かってるわ!すぐに迎撃体勢を!』
(;´・_ゝ・`)「よりによってこっちに向かって来たか……」
(´・_ゝ・`)「すみません、二人とも。逃がしてあげる時間はあまりなさそうです」
.
-
.
('A`)「BT〜〜〜〜〜〜?」
( ^ω^)「なんじゃそりゃ」
(´・_ゝ・`)「見れば分かります。ひとまずそこらの木陰に隠れてください」
('A`)「あいよ」
( ^ω^)「こうして隠れてるとマッスルかくれんぼを思い出すな」
('A`)「あぁ、懐かしいな。昔よくやったわ」
(;´・_ゝ・`)「何ですかそのいわく言い難い遊びは?」
('A`)「子は筋肉を見せつけるポーズをして好きな場所へ隠れる」
( ^ω^)「鬼に見つかったらその場でポージング対決して勝ったら鬼を交代する」
(;´・_ゝ・`)「ポージング対決って誰が審判するんです?」
('A`)「そりゃ完全に主観だな」
( ^ω^)「残念なことに俺ら二人にしか流行らなかったから」
('A`)「ニダーも誘ったけど曖昧な笑みを浮かべたまま『ハ、ハハ……遠慮しとくニダ』って帰ってったなぁ」
( ^ω^)「今ではいい思い出である」
(;´・_ゝ・`)「バカなんですか君たち?」
.
-
.
ズンッ…!!
(;´・_ゝ・`)「来たか……」
('A`)「ん……?おいおいあれって」
( ,, Д )「オォォォォォォォォ……」ズンッ、ズンッ
( ^ω^)「メリケン変態マッチョじゃねーか」
('A`)「なんか前に見た時より微妙に浅黒くなってる?」
(´・_ゝ・`)「あれがBTことブラック・トレジャー。サー・トレジャーのコピーキャットです」
('A`)「コピーキャットだぁ?」
( ^ω^)「つまり偽物ってことか?」
(´・_ゝ・`)「イエス。ですが身体能力は本物とほぼ同等と見て間違いありません」
.
-
.
('A`)「なんでそんな物騒なもんが産まれたんだよ……」
( ^ω^)「アメリカの闇怖いわぁ……」
(;´・_ゝ・`)「いやいや、遺伝子工学とかの副産物ではなくて」
(´・_ゝ・`)「恐らく、サー・トレジャーの影が盗まれたのだと思います」
('A`)「意味がわからん」
( ^ω^)「同じく」
(´・_ゝ・`)「影を利用して人間のコピーを作るヴィランがいるんですよ」
('A`)「へぇー……ところでお前んとこの息子もうおちんこの皮ムケたの?」
( ^ω^)「ムケてる訳ねーだろまだ小二だぞ」
(;´・_ゝ・`)「あの、ちゃんと話聞いてもらえません?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ともかく、犯人の居場所が特定されるまでは危険です。どうかそのまま隠れていてください」
('A`)「つーかさ、その影を盗まれた当の本人はどこ行ったのよ?」
( ^ω^)「身体能力が同じなら、なおさら出て来て相手するべきなんじゃね」
(´・_ゝ・`)「それが……サー・トレジャーは今、国外に出てるんです」
(´・_ゝ・`)「他国のヒーローと連携を取るための会合が開かれていて、帰ってくるのは早くても明日明朝といったところなんですよ」
('A`)「おもっきし本人不在の隙を突かれてるじゃねーか」
( ^ω^)「ヒーローガバガバだな」
(´・_ゝ・`)「いやはや、お恥ずかしい限りで」
(´・_ゝ・`)「しかし、我々にも対処する術がない訳ではない」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「幸いなことに奴の知能は赤子並みです。基本的に動く物を追撃するしか能がありません」
(´・_ゝ・`)「ですから……」ザッ
( ,, Д )「コォォォォォ……」ピタ
(´・_ゝ・`)「ヘイ!カモンBT!!お前の標的はこっちだ!!」
( ,, Д )「オォ!!」
( ,, Д )「ヴオォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
(´・_ゝ・`)「このように、我々が囮になれば一般人への被害は最小限に食い止められる」
(´・_ゝ・`)「さぁ、あなたたちはこの隙に早く逃げて」
(´・_ゝ・`)「どうした、BT!!叫ぶだけしか出来ないのか!!」タタッ
( ,, Д )「ガオォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」ドォンッ
('A`)「……おい、ホライゾン。あいつ俺たちに逃げろだとよ」
( ^ω^)「ジャパニーズマッチョの底力、ナメられちゃ困るな」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「……」ザザザザッ
( ,, Д )「オォォォォォォォォ!!!!!」ドドドド
(´・_ゝ・`)「チッ……やはり腐ってもサー・トレジャーのボディだ。追跡を撒くのも一苦労だな」
(´・_ゝ・`)「あの日本人の二人、上手いこと逃げていてくれるといいが……」チラッ
('A`)「わーい!!!!!!!!!!」ズドドドドド
( ^ω^)「たっのしー!!!!!!!!!!」ドドドドドンッ
(;´・_ゝ・`)そ「なんで着いてきてるの!?」
( ,, Д )「オォォ!!!」ブォンッ
(;´・_ゝ・`)「おっと!危ねっ!」サッ
('A`)「なんだ口ほどにもねぇな」
( ^ω^)「もっと余裕持って避けて見せろや」
(;´・_ゝ・`)「あなたたちが追ってきてるから動揺したんですよ!!」
.
-
.
(#'A`)「囲むぞ、ホライゾン!!エセマッチョの追い込み漁じゃあ!!」
( ^ω^)「ガッテン!!」
(;´・_ゝ・`)「ちょ、ちょっと待って!!こちらから手を出さなければ相手は何もしてこないから……」
('A`)「それがよぉ、おっさん」
( ,, Д )「オゥゥゥルルルルル!!!!!」ゴァァッ
('A`)「どうも俺たち、こいつを倒すために呼び出されっぽいんだよ……なっと!」シュンッ
(;´・_ゝ・`)(なっ……ノールックでBTの拳を避けた!?)
( ^ω^)「俺たちも事を済ませてさっさと帰りたいんでね」
(#^ω^)「遠慮なくイカせてもらうぜ……オルァッ!!!」ドゴォッ
( ,, Д )「ガッ……ガアァッ!?」フラッ
(;´・_ゝ・`)「効いてる……あのBTに攻撃が通ってるぞ!?」
(#'A`)「どうしたパチもん!!あの変態はそれくらいでフラついたりしなかったぜ!!」
(#^ω^)「日本男児をナメてかかったこと、後悔して地獄へ落ちろや!!」
(;´・_ゝ・`)「まさかこの二人……サー・トレジャーに匹敵する力を持ってるのか?」
.
-
.
(#'A`)「ラッセィィィッッッ!!!!!」ガコォッ
( ,, Д )「ガッ……!!」
(#^ω^)「おんどりゃ元気印ィィィッッッ!!!!!」ボゴォンッ
( ,, Д )「ゴアァァ……!!」
(;´・_ゝ・`)「何てこった……まさかあのBTをここまで一方的に処するとは」
(#'A`)「何見てんだおっさん!!」
(#^ω^)「オメーも攻撃に参加するんだよォッ!!!」
(;´・_ゝ・`)「そ、そうだな!すまない!」
(;´・_ゝ・`)「しかし敵はサー・トレジャーのコピー……このまま押しきれるのか?」
(#'A`)「んなワケねーだろ!!」ドゴッ、バキッ!!
(#^ω^)「あぁ!!こいつさっきから反撃の隙を伺ってやがるぞ!!」ゴガッ、ドゴォッ
(;´・_ゝ・`)「これだけやられてるのに?」
(;´・_ゝ・`)「……まさか!?」ハッ
.
-
.
( ,, Д )「オ……オァァ……」グラァ
(#'A`)「ホライゾン!!敵は足にキてるぞ!!」
(#'A`)「このまま一気に、畳み掛ける!!!」ダダッ
(#^ω^)「おうよ!!」ドォッ
(;´・_ゝ・`)「待て、それは『溜め』だ!!弱ってる訳じゃない!!」
( ,, Д )「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(;'A`)「なんっ…!?」ビリッ
(;^ω^)「うぉ…!?」ブルッ
( ,, Д )「オアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ブゥンッ
(;´・_ゝ・`)「クッ……間に合え!!」バッ
ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン……
(;'A゚)「うおぉぉぉぉ!!?」
(;^ω゚)「ぬあぁぁぁぁ!!?」
.
-
.
パラパラ……
(;'A`)「くぅ……なんだ今のは?」ガラッ
(;^ω^)「10mもぶっ飛ばされたぞ……」ズシャッ
(;´ _ゝ `)「ゲホッ……」ドロッ
(;'A`)「おっさんっ!?」
(;^ω^)「まさか、今のが直撃したのか!?」
(;´ _ゝ `)「ガッ……ガハッ!!」
(;'A`)「どてっ腹に穴空いてんぞ!!大丈夫かよ!?」
(;´ _ゝ `)「ガァッ……アァァァァァ!!!!!」ビクッビクンッ
(;^ω^)「おいこれ人が死ぬときの痙攣じゃねーか!?」
(;'A`)「ホライゾン!!敵は!?」
(;^ω^)「あ、ヤッベ……」
.
-
.
( ,, Д )「……」
( Д ,,)彡「……」クルッ
(;^ω^)「……帰ってくみたいだぞ」
(;'A`)「そうか……だがなんでヤツは追撃してこない?」
(;´ _ゝ `)「知能が……追いついてない、から……です……」
(;´ _ゝ `)「一撃……放てば、ヤツは、離れてゆく……」
(;´ _ゝ `)「それだけ……己のパワーに……自信が、あるってこと……だから……」
(;'A`)「おいあんた喋んなって……」
(;^ω^)「待て。なんで腹に穴空けられて喋れるんだ?」
(;´ー_ゝー`)シュウゥゥゥゥ……
(;^ω^)「……傷がみるみる治ってく」
(;´ー_ゝー`)「フゥゥゥ……もう大丈夫。あなた方と話せる程度には回復しましたよ」
(;'A`)「まさかあんたも、マッスルキュアーの使い手なのか……?」
(;´・_ゝ・`)「なんですかその妙な呪文は?」
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「人の代謝蘇生力を凌駕する超速再生能力が僕の持ち味でしてね」
(;´ー_ゝー`)「……しかし、背骨をやられたのは実際痛かった」
(;´・_ゝ・`)「でかい骨を折られると、それだけ再生まで時間がかかってしまうんです」
(;´・_ゝ・`)「この傷だと、動けるようになるまで十五分ってとこでしょうか」
(;'A`)「十五分程度で腹に空いた穴が塞がるのかよ……」
(;^ω^)「俺が驚くような話でもないけどやっぱり驚くわ」
(;´ー_ゝー`)「けどやっぱ痛ぇ〜……この感じだと内臓も二、三個破れてるわぁ〜……」
(;´ー_ゝー`)「あと脊椎はやっぱやられちゃダメだな……めちゃくちゃ気分悪い……吐き気する……オェッ」
('A`)「へっ。痛そうにするだけあのクソハゲよりは親しみが持てるぜ」
( ^ω^)「命が無事と分かるや毒を吐いていくスタイル嫌いじゃない」
('A`)「さよけ」
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「……恥を承知で、お二人にお願いがあります」
(;´・_ゝ・`)「どうかあのブラック・トレジャーを倒して頂けませんか?」
('A`)「最初からそのために来たって言ってんだろ」
( ^ω^)「何聞いてたんだお前」
(;´ー_ゝー`)「ハハ……辛辣ですね。だが、敵はあの通りの強さだ」
('A`)「そうだな、それは認めねぇとな……」
( ^ω^)「あの無茶苦茶な腕力は相当だぞ」
(;´・_ゝ・`)「特にあの振りかぶりからの右ストレート、『ビッグ・カタルシス』には気をつけてください」
(;'A`)「何あれそんな名前あんの?」
(;^ω^)「クソダセェ……」
(;´・_ゝ・`)「渾身の右ストレートはサー・トレジャーの必殺技です。名前で侮らないでください」
(;´・_ゝ・`)「我々の仲間には、あのパワーを止められる者はいませんでした」
.
-
支援
面白い
-
.
(;´・_ゝ・`)「あなたたちにこれを」スチャ
(;´・_ゝ・`)「そのインカムは僕の仲間と繋がっていて、敵の居場所を教えてくれるはずです」
('A`)「おう」スチャ
(;´・_ゝ・`)「こちらから通信したい時は、横のボタンを押して声をかけてください」
(;´・_ゝ・`)「あと、このジャングルから奴を出すと探知は不可能になります。気をつけて」
( ^ω^)「なんで?」
(;´・_ゝ・`)「僕らの仲間に、植物を介して敵を探知出来る子がいるんです」
(;´・_ゝ・`)「このジャングルも、その子が一晩で作りました」
('A`)「わりと化けもんだな」
( ^ω^)「なんかもう何言われても驚かんわ」
(;´・_ゝ・`)「ハハ……順能力が高くて助かります……」
.
-
.
('A`)「したら後は任せてその辺で横になっときな」
( ^ω^)「何なら今からでも救助呼ぶか?」
(;´・_ゝ・`)「いえ、もう治りかけですから。しかし一般人の方にこの状況を託すのは心苦しいですが……」
('A`)「あいにくこっちも、世界の危機には慣れっこでね」
( ^ω^)「鼻くそほじるくらい朝飯前だっての」
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャーを侮らないで欲しいですが、今はその軽口が心強いですよ」
(;´・_ゝ・`)「すみません、どうかクラウン・シティを救ってください……」
(;´ _ゝ `) ガクッ
('A`)「さすがに気力が切れたか……」
( ^ω^)「まぁそうだろうな。後は俺たちの踏ん張りにかかってると」
('A`)「あぁ、そうだな相棒。いっちょ気合い入れていくか」
( ^ω^)「おうよ、兄弟」
.
-
.
『デミさん、聞こえる?』ザザッ
('A`)「お、通信だ」
『なんか森の中に覚えのない気配が増えてるんだけど。あとさっきの爆発音はなに?』
('A`)「あー、もしもしオペレーター?聞こえてっか?」
『ギャッ……何、誰!?日本語!?』
('A`)「あんたらの仲間が重傷負ったんでピンチヒッターのおじさんイキまーす」
『デミさんが!?てか、あんたら何者!?』
('A`)「通りすがりのドゥエイン・ジョンソンだ」
( ^ω^)「恐れ多いぞ不細工」
『悪いけど、一般人を巻き込む訳にはいかないの。ヒーロー気取りは止めて早く避難して!』
(#'A`)「じゃっかぁしぃわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!はよ奴の居場所教えろやウンコぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
『ひえぇ!?そこから西二キロの地点ですぅ!?』
('A`)「オッケー。最初からそう言え」プツッ
( ^ω^)「お前は鬼畜か」
.
-
.
('A`)「しかし、あのアホマッチョどうやって倒すかね」ザザッ
( ^ω^)「さぁな……当たって砕けるしかねぇだろ」ザザッ
('A`)「当たったら砕けるのは向こうの方だがな」
( ^ω^)「……ハハッ。それでこそ俺の相棒だ」
('A`)「おっとストップ、ホライゾン。奴を見つけた」ザッ
( ^ω^)「把握」ザッ
( ,, Д )「……」ゴルルル…
('A`)「さて、無策で突っ込んでもいいがどうするかね?」
( ^ω^)「もう一回囲んで反撃出来ないくらいボコすか?」
.
-
.
('A`)「……ん?」
( ^ω^)「どうした、相棒」
('A`)「ホライゾン。あいつの右肘、さっきと違って変な風にねじくれてないか?」
( ,, Д ) シュウゥ…
( ^ω^)「なんだぁ?なんか輪郭がぼやけてるような?」
('A`)「……なぁ、もしかしてだがよ」
('A`)「あいつ、自分の攻撃の威力に体が耐えらんねーんじゃねぇか?」
( ^ω^)「その根拠は?」
('A`)「お前もさっき見たろ、あの野郎の馬鹿力を」
('A`)「人の体に風穴空けて、大の大人を三人まとめてぶっ飛ばす、あの規格外のパワーをよ」
('A`)「となりゃあ、パンチ力の反作用も相当なもんになるんじゃねーか?」
( ^ω^)「たとえパワーをコピーできても、体の強さまでは真似できなかったってことか?」
.
-
.
( ^ω^)「ただ、それが分かったからってどうするんだ?」
( ^ω^)「どっちにしろ、あいつのパワーが半端ねぇってことは変わらないぞ?」
('A`)「そのアホマッチョの攻撃、敢えて全部受けきってみるってのはどうだ?」
( ^ω^)「なんだと?」
('A`)「こっちが攻撃に耐えきれれば、奴は自分の力に負けて自壊するんじゃねーかって思ったんだよ」
( ^ω^)「あいつの肘がボロけてる原因がさっきの攻撃って確定した訳じゃねーぞ?」
('A`)「なんだよ、怖じ気づいたか?」
( ^ω^)「いいや。『受けて』『耐えきる』その漢意気、嫌いじゃねぇお」
('A`)「さすが元一流レスラー。乗って来ると思ったぜ」
.
-
.
('A`)「お前は俺の後ろで支えてくれ。矢面には俺が立つ」
( ^ω^)「大丈夫か?あの強烈な打撃を受けきれる自信があるんだな?」
('A`)「ま、やるだけやってダメなら帰ってワイフに泣きつくさ」
( ^ω^)「ハッ、コブラかっての」
('A`)「腹ァ括れよホライゾン。一撃の重さなら奴はあの西川以上だからな?」
( ^ω^)「こっちも修羅場くぐって来てんだ。あの頃の俺たちと同じじゃねーよ」
('A`)「そうだな……なら、やってやりますか!」
( ^ω^)「応ッ!!」
.
-
.
(#'A`)「オラァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
(#^ω^)「そこのエセマッチョ止まれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
( ,, Д )「……!」ピクッ
(#'A`)「鬱田ドクオ!!」
(#^ω^)「内藤ホライゾン!!」
(#'A`)「「さっきの借りを、返しに来たぜ!!!」」(^ω^#)
( ,, Д )「オアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」ゴゥッ
.
-
.
(#'A`)「オッシャッ!!!」ゴガッ
(#^ω^)「どりゃあ!!!」ドゴォッ
まず最初に二人は、当初の作戦に則らず普通の攻撃へと転じた!!
これはダメージを与えるためのものではなく、敵の攻撃の呼び水とするための「餌」であった!!
( ,, Д )「ゴァッ……!!!」
(#'A`)「オラオラァ!!!デカいのは図体だけかァ!!?」ドムッ
(#^ω^)「五歳児と戦ってた方がまだ歯ごたえがあらぁ!!!」メシャッ
この段階では彼らも本気の打撃を打つことはない!!
あくまでも敵が反撃しやすいよう、わざと隙を多く作っている!!
そして言葉は通じないと分かっていても、二人が煽り文句を絶やすことはなかった!!
( ,, Д )「ブシュルルル……」イラッ
案の定ブラック・トレジャーは、その攻撃に強いフラストレーションを感じた!!
彼が敵へリアクションを取るための条件が、「自らにストレスを与えた物へのカウンター」であるためだ!!
森を徘徊していたのは、ストレス要因となる敵が現れなかったため!!
しかし、今は違う!!
目の前の筋肉オバケは、明確に自分を壊そうと意図している!!
ならば、彼の取るべき行動はただ一つだった!!
.
-
.
( ,, Д )「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!」ズォォッ
(#'A`)「来るぞホライゾン!!!備えろ!!!」バッ
(#^ω^)「把握!!!」バッ
敵が反撃の体勢に移るや、二人は距離を置き防御に回る!!!
ドクオは腕を十字に組むクロスガード、ブーンはその背後に回りその太い腕でドクオの背中を支える!!!
( ,, Д )「アアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
奇態なる声を上げ、偽トレジャーは火を吹くような拳を突き出す!!!
それがドクオの腕に食い込むや、地面はボコリと音を立てて陥没した!!!
(;'A゚)「いっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」メキメキ
(#^ω^)「痛いの承知でやったんだろが!!!我慢しろ!!!」ズズッ
(;'A゚)「ダメだこれ折れる折れる!!!!!」
(#^ω^)「折れても止めろ!!!」
(;'A`)「チクショウ!!!漢前体操、『百足連弾』ッ!!!」ババンッ
( ^ω^)「えっ?」
.
-
.
(#'A`)「ラァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」パパパパパパ
(;^ω゚)「あっづぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」
(#'A`)「イケるぞ!!!このまま押し切れる!!!」パパパパパパ
(;^ω゚)「待ってお前のケツのせいで俺の足がめっちゃ熱い!!!」
(#'A`)「焼き切れても堪えろ!!!」
(;^ω^)「クッソ……漢前体操ッ、『粉骨砕身』!!」シュウゥゥゥ
(#'A`)「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
(#^ω^)「ラァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
( ,, Д )「ゴアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」ミシミシミシィッ
.
-
.
(#^ω^)「ドクオさーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!」ベキベキッ
(#'A`)「なんじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」メリッメリッ
(#^ω^)「これ俺たち前後逆の方が良かったんじゃないですかねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
(#'A`)「気にすんな些細なことだーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
(#^ω^)「足もげたら恨むぞボケェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!」
(#'A`)「だが見ろ!!!見立て通り奴も弱って来てるぞ!!!」
( ,, Д )「ゴガッ、ゴガァァァァァッ!!!!!」ジュゥゥゥ
(#^ω^)「ならこれがラストスパートか!!?」
(#'A`)「おうよ!!!気張れホライゾン!!!」
メリィッ……!!!
.
-
.
(#'A`)「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
(#^ω^)「オオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
( ,, Д )「オア……アアアアアアアアアアアアアアア……」グラッ
( ,, Д )「アァァッッッ!!!」ズゴォッ
(;'A`)「ぐぅっ……イタチの最後っ屁か!!」ビキィッ
(;^ω^)「重っ!!」ズズンッ
( ,, Д )「アアアアア……アァ……ァァァァァ……」ブシュゥゥゥ
( ,, Д )「ア……」ガクンッ
(;^ω^)「……止まったか?」
(;'A`)「……あぁ、多分な」
( ,, Д )「ア……ア……」ズシャァッ
('A`)「こいつ、自分のパンチで全身ズクズクになりやがったぜ」
( ^ω^)「こうなるとお得意のパワーも持ち腐れだな」
(;'A`)「……しかし、これを平然と打つ本家ってどんだけよ?」
( ^ω^)「敵に回ることがないといいがな」
(;'A`)「切実にな」
.
-
.
('A`)「さて、約束は済ませたし帰るか。ホライゾン」
( ^ω^)「まだ息あるみたいだが、ほっといていいのか?」
('A`)「俺もう腕上がんね。お前は?」
( ^ω^)「足ぶっち切れそう」
('A`)「だろ?あとは本場の人間に任せて、さっさとお暇しようぜ」
('A`)「いくらなんでもここまで弱体化させて、取り逃がしましたはないだろ」
( ^ω^)「そうだな……いくら俺らでもさすがに疲れたわ」
('A`)「どんだけ疲れてても明日の運動会は強制出席でしてよ?」
( ^ω^)「言われんでも出るからウザい体育会系のノリ止めろや」
.
-
.
('A`)「あークソ、日本時間だと今何時なんだろ……」
( ^ω^)「弁当作ってやる時間くらいはあんじゃね」
('A`)「こちとら腕ズタボロでコンディション最悪だっつの。あのハゲ本気で殺す」
( ^ω^)「あぁ、殺そう」
( ,, Д )「……」シュゥゥ
( ,, Д ) + カッ
( ,, Д )「ルゥアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」ズボォッ
(;'A`)「何っ!!?」
(;^ω^)「まだ動けんのか!?」
( ,, Д )「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」ズドドドドッ
(;'A`)「ヤベッ……完全に不意突かれた……」
(;^ω^)「こいつぁ死んだか……」
.
-
.
『マッスル・ビッグバンプレス!!!!!!!!!!』
.
-
.
ズドォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!
(;'A`)「なっなんだ!?」
(;^ω^)「今の声、まさか……」
( ,,^Д^)「フゥーハハハハ!!!戦う前に諦めるとは、マッチョらしからぬ思考だな!!!」
( ,,^Д^)「海外渡航からただいま帰宅ッッッ!!!」
( ,,^Д^)「ビィーーーーーーーーーーーッグ!!!!!トレジャーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
(;'A`)「出たーーーーーー!!?」
(;^ω^)「メリケン変態フルチンマッチョ!!」
( ,,^Д^)「久しいな、友よ!!!」
(;'A`)「友って呼ぶな」
(;^ω^)「同じく」
( ,,;^Д^)「酷くない!!?」
.
-
.
(;'A`)「あんた、帰ってくるの朝方じゃなかったのかよ?」
( ,,^Д^)「そのつもりだったがな!!!凶悪なヴィラン出現の報を受け、急遽予定を繰り上げ駆けつけたのだ!!!」
(;^ω^)「それが出来るなら最初からそうしろよ……」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!!いくら私でも、他国の領海を走って渡るのは限度があるのでね!!!」
(;'A`)「あぁ、そう……走って海を、ね……」
(;^ω^)「なんかもう突っ込む気も失せて来た」
( ,,^Д^)「だが、君たちが協力してくれなければ流石の私も間に合わなかったかもしれない!!!」
( ,,^Д^)「心から礼を言うぞ!!!」
('A`)「いらん」
( ^ω^)「ほんとに」
( ,,;^Д^)「むう!!!これがジャパニーズ・ツンデレというやつか!!!」
.
-
.
( ,, Д )「ギ……ギギ……」
( ,,^Д^)「おっと!!!思い出話は後にしなければな!!!」
( ,,^Д^)「どうやら敵は、私のボディプレスをすら耐えきる強者らしい!!!」
( ,,^Д^)「今から奴にトドメを刺す!!!協力をお願い出来まいか!!!」
(;'A`)「えぇ〜〜もう俺たち疲労困憊なんだけど?」
(;^ω^)「出来るなら早く帰って寝たいんだが」
( ,,^Д^)「すまないな!!!だが、確実に奴を仕留めるには三人同時攻撃が有効!!!」
( ,,^Д^)「最後の見せ場だ!!!頼む!!!」
(;'A`)「チクショウ……自分だけ楽しやがって」
(;^ω^)「ほんっとにこれが最後だからな!!」
(;'A`)「討ち漏らしたらお前が倒せよ!!」
( ,,^Д^)「無論!!!漢に二言はない!!!」
.
-
.
( ,,#^Д^)「ビッグ・カタルシスッッッ!!!!!!!!!!」
(#'A`)「漢前体操が一、『疾風怒濤』ッ!!!!!!!!!!」
(#^ω^)「内藤家秘伝、ぶちかましラリアートォッ!!!!!!!!!!」
.
-
.
( ,,; Д )「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????? 」
.
-
,,-' _,,-''" "''- ,,_  ̄"''-,,__ ''--,,__
,,-''" ,, --''"ニ_―- _ ''-,,_ ゞ "-
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ {
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-"
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"
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i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i
_,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
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-
.
( ,,^Д^)「フッフフフ!!!キマッたな!!!」
('A`)「……ふぅっ。オラこれで満足か変態?」
( ,,^Д^)「あぁ、バッチリだ!!!奴の気配は完全に消滅した!!!」
( ^ω^)「ホントかよ」
( ,,^Д^)「本当だとも!!!嘘なら私の三角筋を進呈しよう!!!」
( ^ω^)「心の底からいらない」
('A`)「まぁ何でもいいわ。終わったなら早く日本に帰してくれ」
( ,,^Д^)「ワハハハ!!!日本のサムライよ、ありがとう!!!私は君たちへ心からの感謝を送ろう!!!」
('A`)「そういうのもういいから……あ、それとあんたのマネージャーがあっちでケガして寝てるぞ。早く助けてやれ」
( ,,^Д^)「マネージャー?デミタスのことか!!!」
( ^ω^)「あぁ。偽者のパンチ受けて腹に穴空いてたぞ」
( ,,;^Д^)「なんと!!通りで姿が見えないと思った!!」
( ,,^Д^)「すまないが私はそちらへ行かせてもらう!!!謝辞は後ほどな!!!」ドドドド
('A`)「もういいっての」
.
-
.
('A`)「はぁ……何とか終わったな」
( ^ω^)「で、こっからどうやって帰るんだ?」
('A`)「大体こういう時ってあのハゲ待ちだよなぁ。クソムカつく」
『ヤッホー。よくあいつを倒してくれたね、神として鼻が高いよ』
( ^ω^)「あ、この声」
('A`)「おうハゲ、依頼は完遂したぞ」
『あれ?君たちのことだからもっと噛みついてくると思ってたけど』
('A`)「そんな元気もねーんだよ察しろよだからハゲなんだよ……」
『ハゲハゲ言うなよ、繊細な乙女のような私はただただ傷つくぞ』
('A`)「んなことどうでもいいから早く帰せ。こちとら明日は朝四時起きなんじゃ」
『ハイハイ。二人ともお疲れ様』
( ^ω^)「待て。俺はドクオと別便で送ってくれ」
('A`)「は?」
.
-
.
('A`)「どうしたホライゾン、こんなとこにまだ未練があんのか?」
( ^ω^)「そういう訳じゃないがな。事後処理みてーなもんだ」
('A`)「んなもんこっちの奴らに任せときゃいいのに。律儀だな」
( ^ω^)「お前は一足先に帰って鋭気を養っとけ」
『じゃあドクオ君から先に送るね?』
('A`)「おう。ちなみに今度上空100mから落としたらてめぇの命はない」
『やたらプレッシャーかけるね……あの時は悪かったって』
('A`)「言い訳は聞かん。はよ」
『分かった分かった。よっこらセックス』
シュンッ
( ^ω^)「おー、綺麗に消えたな」
( ^ω^)「……さて」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
('A`)「……」ポツン
('A`)「ここは……Y.M.C.Aの更衣室か」
('A`)「今度はちゃんと送り帰したなあのハゲ」
('A`)「……今何時だ?」モゾ
【 AM 03:58 】
(;'A`)「もう普通に起きようと思ってた時間じゃねーか!!」
(;'A`)「アメリカの危機を救ったと思ったら休みなく家族サービスかよ……」
(;'A`)「……弁当作ろ」ハァ
.
-
.
【数時間後、松千代小学校……】
( ^ω^)「おいーす」
('A`)「おうホライゾン。体の調子は?」
( ^ω^)「腹に穴空けられたオッサンが助かってんだ。俺がヘタれる訳ないだろ」
('A`)「ハハ、確かにな」
( ^ω^)「お前こそ、腕は?」
('A`)「多分両腕亀裂骨折してるな。根性で弁当は作ったが」
('A`)「それよりも朝帰りしたせいで家族にいらん心配かけちまったのがな」
( ^ω^)「たまには無理せずに休めよ。アメリカを救ってましたなんて誰も信じねーんだから」
('A`)「さすがに綱引きと玉入れは辞退したよ。だが父兄二人三脚は意地でも出る」
( ^ω^)「そんなにでぃちゃんに良いとこ見せたいか……」
('A`)「あたぼうよ」
.
-
.
('A`)「にしてもよぉ、まだ午前の部が終わったばっかりだよな?」
( ^ω^)「おう」
('A`)「なのになんで」
白組:540点
紅組:200点
('A`)「……すでに倍以上の大差がついてるんだ?」
( ^ω^)「小学校の運動会らしからないな」
('A`)「なぁーんかうちのでぃ曰く、白組が尋常でないほど張り切ってるらしいが」
( ^ω^)「いいじゃねぇか、でぃちゃんも白組なんだし」
('A`)「うーむ……?」
.
-
.
('A`)「しかしこれだけ大差がついたら紅組ヤル気無くしてんじゃないか?」
( ^ω^)「かもな。だがどーすることもできん」
('A`)「せやな」
『ワーハハハ!!!諦めるのはまだ早いぞ!!!』
(;'A`)「うぇっ!?」
( ,,^Д^)「神出鬼没のスーパーヒーロー!!!ビッグ・トレジャー参上ォォォォォォ!!!!!」
<ワァァァァァ!!!!
<変質者だーーー!!!!
<ヤバい奴だーーー!!!!
(;'A`)「げぇぇ!?なんでお前がここにいんだよ!!」
( ^ω^)「心配するな。俺が呼んだ」
(;'A`)「何考えてんだ!?この場に一番呼んじゃいかん奴だろ!!」
( ^ω^)「まぁ聞けって」
.
-
.
( ^ω^)「昨日、俺はお前とタイミングずらして帰らせてもらったろ?」
('A`)「あぁ」
( ^ω^)「あれな、例の死にかけのジャーマネと連絡先交換するためだったんだわ」
(;'A`)「えぇ……俺としては金輪際連絡取れなくてもいいんだけど」
( ^ω^)「化け物みたいな変態と変態みたいな化け物が横にいる者同士、気が合うかと思ってな」
(;'A`)「待って俺あれと同じカテゴライズなの?」
( ^ω^)「概ね」
(;'A`)「マジかよ……ここ数年で一番のショックだわ」
.
-
.
( ^ω^)「したらなんかあのオッサン、日本にも寄る用事があったらしくてな」
( ^ω^)「ちゃんとパンツ穿いてくるって約束で運動会に誘ったんだよ」
(;'A`)「ホントだ、真っ裸じゃない」
(;'A`)「しかし余計なことを……ガキども半狂乱じゃねーか」
( ^ω^)「見慣れりゃそのうちイケるだろ。見ろよ」
( ,,^Д^)「フハハハハ!!!たかだか300点差程度で諦めてはいかん!!!」
( ,,^Д^)「人はいつでも可能性の生き物!!!チャンスは必ず巡ってくるぞ!!!」
<かっけぇ…
<パンイチだけど
<パンイチおじさんかっけぇ!
( ^ω^)「ほらな?子供たちに大人気じゃん」
('A`)「解せぬ」
.
-
.
( ^ω^)「あー、それと軽く業務連絡な」
('A`)「まだなんかあんのかよ」
( ^ω^)「例のオッサンのコピーを作ったヴィラン、まだ捕まってねーんだとよ」
('A`)「……あっそ。ならなおさらこんなとこで遊んでる場合じゃないだろうに」
( ^ω^)「知ったこっちゃねーとはいえ、またアメリカくんだりまで駆り出されるのはゴメンだからな」
('A`)「まぁ次は奴らも独力でなんとかするだろ」
( ^ω^)「是非ともそうであってほしいな」
.
-
.
('A`)「まぁいっか。白組は勝ってるし弁当はギリッギリ作れたし」
('A`)「あとは俺が骨折を理由にヘマしないだけだな」
( ^ω^)「おう、頑張れパパ」
('A`)「任せろ、全部任せろ」
(#゚;;-゚)「……パパ」
('A`)「おう、でぃ!クラスリレーのアンカー頑張ったな!一位は凄かったぞ!」
(#゚;;-゚)「パパ、骨折してるの?」
(;'A`)「し、してないよ!?なんで?」ドキッ
(#゚;;-゚)「今こっちに歩いてくる時、骨折って聞こえたから」
(#゚;;-゚)「でも骨折れてたらお弁当も作れないもんね。気のせいだね」
(;'∀`)「そうそう!全部気のせいだから!」
( ^ω^)「必死だな、パパ」
.
-
.
(#゚;;-゚)「ねぇ、ところでパパ」
('A`)「おう、どーした?」
(#゚;;-゚)「さっきね、リレー走る前に変なものが空から落ちてきたの」
('A`)「変なもの?」
(#゚;;-゚)「何かの花びらだと思うんだけど、見たことなくて……」
(#゚;;-゚)「パパはこれ、何の花びらか分かる?」
('A`)「どれ、見せてみ?」
(#゚;;-゚)「これなんだけど……」
('A`)「……!!」
.
-
.
('A`)「おーい!ホライゾン!ちょっとこっち来い!」
( ^ω^)「はいはい、そんな大声出さなくても来るわ」
( ^ω^)「で、なんだ?」
('A`)「これ、見てくれ。何か思い出すことないか?」
( ^ω^)「……!!」
( ^ω^)「こいつは、もしかして」
('A`)「あぁ、多分あの時のアレだよな?」
( ^ω^)「つーことは、今回白組が異常にヤル気満々だったのって……」
('A`)「十中八九こいつのせいだろうな。人の頑張りに水差すようなことしやがって」
( ^ω^)「あのハゲ、これが今回の報酬とでも言うつもりかね?」
('A`)「キザな真似しやがって……」
(#゚;;-゚)「なぁに、二人とも。中年同士分かりあってないで子供にも教えて?」
('A`)「あぁ、これはな……」
.
-
.
('A`)「俺たちみんなの、青春の証だよ」
( ^ω^)「……だな!」
(#゚;;-゚)「……?」
二人が空を見上げ、でぃが小首を傾げた時。
(#゚;;-゚)「……きゃ!」
ひときわ強い風が、でぃの掌に収まっていた花びらを舞い飛ばした。
それは、人里ではまず見ることの出来ない、朱色に染まった桜の花びらであった。
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【9秒前の白】
(´・_ゝ・`)「やぁ、調子はどう?」
『えぇ、とても良いです』
(´・_ゝ・`)「そうか、それなら良かった」
(´・_ゝ・`)「悪かったね、僕の個人的な恩返しに付き合わせて」
『それは構わないんですが……私が勝手に力を行使しては、他の神々に叱られるのでは?』
(´・_ゝ・`)「あぁ、いいよいいよ。他の頭でっかちな神どもは無視するから」
(´・_ゝ・`)「それに、直接力を貸すならまだしも、君の『加護』を与えるだけならセーフだよ」
『そうですか。それならば良いのですが……』
.
-
.
『それにしても、あの方たちは19年経った今も全く変わらないのですね』
(´・_ゝ・`)「あぁ、そうだね。強く、優しいところは何ら変わらない」
(´・_ゝ・`)「そして家族が出来た分、彼らはより雄々しく逞しく、そしてタフになった」
(´・_ゝ・`)「それが彼らの変化したところだよ」
『ふふ……頼もしいですね。まるで猛々しき獅子のよう』
(´・_ゝ・`)「フフフ。だが、彼らにはこの程度で満足してもらっては困る」
(´・_ゝ・`)「彼らに振りかける困難は未曾有の物だ。今後まだまだ強くなってもらわないと」
(´・_ゝ・`)「性別を越え、国籍を越え、人種を越え、ありとあらゆる力と仲間を味方につけなくてはね」
『ならばその時は、私もささやかながら力添えさせて頂きますね』
(´・_ゝ・`)「あぁ、頼むよ勝利の女神……」
(´・_ゝ・`)「いや、今だけはこう呼ぼうか。しょーちゃん、と」
『……はい』
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(#'A`)「おいっちに!!おいっちに!!」
(#゚;;-゚)「いっちに、いっちに」
( ^ω^)「ドクオーーー!!!やれーーー!!!」
( ,,^Д^)「紅組も負けるなァァァーーーーーー!!!!!」
(´・_ゝ・`)「興奮しすぎですよ、サー・トレジャー」
( ,,^Д^)「ヌゥン!!!何だか力がみなぎってきたゾォ!!!」
( ,,^Д^)「私も飛び入りで参加できないかな!!デミタスよ!!」
(´・_ゝ・`)「ダメです、あなたが走ったらパンツ破けちゃうでしょ。そんなことになったら大惨事ですよ?」
( ,,´^Д^) シューン
(#'A`)「でぃ!!ラストスパートだ!!行くぞ!!」ドドドド
(#゚;;-゚)「うんっ、パパ!!」
.
-
.
『松千代運動会父兄二人三脚!!一位はやはりこの親子ー!!』
『鬱田ドクオ・でぃ親子だァーーーーーーーー!!!!!!!!』
.
-
.
ビッグ・トレジャー×マーケティング・レンタルコミック特別篇
『三位一体!!!漢舞いのようです!!!』
おしまい!!!
-
あとがき
ティン・コのクロスに触発されて書き始めたら大分ティン・コ寄りの作風になってしまいました。
今回の話が何のこっちゃ分からんという人は、マーケティング・レンタルコミック特別編『俺たちの勝利の女神』をご一読ください。
次回からはまたフルチンマッチョが大暴れします。
-
乙ぅ!
めっちゃ面白くて一気に読めたよ
本編も楽しみにしてるな
-
乙
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乙!面白かった
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やっぱりムカデだったの?
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ティンコをクロスさせるとは卑猥な…
-
かぶとあわせ
-
.
【某月某日、サウスガットファミリーアジトにて……】
( ´_ゝ`)モグモグ
(´<_` )「姉ちゃん胡椒取ってくれ」
∬´_ゝ`)「ハイ」
アンネ=サウスガット:サウスガットファミリー長姉
(´<_` )「サンキュ」
l从・∀・ノ!リ人「ナージャパセリ嫌いなのじゃ!おっきぃ兄者にあげる!」
ナージャ=サウスガット:サウスガットファミリー末妹
( ´_ゝ`)「こーら、ナージャ。好き嫌いすると母者にまた怒られるぞ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`) カチッ、カチッ
∬´_ゝ`)「父さん、ご飯食べながらタバコは止めてってば。ナージャの体に毒でしょ?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ハイハイ。家庭でも分煙せんといかんかねぇ、世知辛いこっちゃ」ジュッ
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたたち、集まってるかい!!」バンッ
( ´_ゝ`)「あいよー」
(´<_` )「全員いるぜ」
∬´_ゝ`)「準備はオッケーよ」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃー!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「のじゃー」
(´<_` )「あんたはナージャの真似しても可愛くないぞ?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「息子がお茶目な親父に辛辣だわ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ごちゃごちゃうるさいよ、野郎ども!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「これより、サウスガットファミリー月例家族会議を行う!!」
( ´_ゝ`)「イェーイ」
(´<_` )「フゥッフー」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「まずは今月の収支報告からだ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「今月の稼ぎは301,270$!前月と比べて9,530$の利益増だよ!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「今月はかなり稼いだなぁ」
l从・∀・ノ!リ人「みんな頑張ったから当たり前なのじゃ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「今月は特にトレジャーとバッティングしないよう、細心の注意を払ったからね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「出来れば毎月こうであってほしいもんさね」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「まったくだね」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「さて、お次は分け前の分配だよ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「いつもの通り、金額は各々の働きによって決めてるからね!不服があるならこの場で言いな!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「まずは、あんた!!おいで!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「あいよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「いつも先陣切ってくれて助かってるよ、あんた。汚れ仕事ばかりさせてすまないね」ドサッ
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ははは。俺はファミリーのためなら捨て石になるのも厭わんよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それでこそ私の惚れた旦那さね。愛してるよあんた」
l从・∀・ノ!リ人「ヒューヒューなのじゃー!」
( ´_ゝ`)「ナージャはピュアだなぁ」
(´<_` )「あぁ。俺らは両親の愛情表現にここまで素直になれないよな」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「次、アンネ!!」
∬´_ゝ`)「はぁい」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「情報の奪取と撹乱、両方ともファミリーには欠かせない要素だ。今後も精進おし」ドサッ
∬*´_ゝ`)「イエス!そうこなくっちゃね!」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「次、ナージャ!!」
l从・∀・ノ!リ人「はーい!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ナージャは少々前に出過ぎるところはあるが、まぁまだ子供だしね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「今後の課題はまず他のファミリーとの連携を意識すること。いいね?」ドサッ
l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃ!もっとみんなと仲良くするのじゃ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フフフ……そういうこった」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「最後!!アーニーとオットー!!」
( ´_ゝ`)「ヤフー」
(´<_` )「待ってました」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ほらよ、受け取りな」パサ
(;´_ゝ`)「えぇっ!?たったこれだけ!?」
(´<_`;)「いちにーさんの……二人合わせて100$しかないぞ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「何か不満かい?」
(;´_ゝ`)「もうちょい色つけてもらえないかなぁ」
(´<_`;)「ナージャでさえ束でもらってるのに」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「うちは出来高だって言ってるだろ!!ナージャの方があんたらより働いたんだから当たり前だよ!!」
(;´_ゝ`)「でもさぁ……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アーニー、私ゃ口先だけの人間が一番嫌いなんだ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたら二人、ここ何ヵ月かろくな働きしてないだろうが。違うかい?」
(;´_ゝ`)「それは……」
(´<_`;)「確かに否定できないが」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「こちとら、いつ寝首を掻かれるか分からん闇稼業なんだよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「甘えは即、死に繋がる。特にこの街ではそれが顕著だ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それをあんたらと来たら、ソロでも駄目ファミリーでも駄目と来てる!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「トレジャーにビビるわカフェオレデミタスにビビるわ、一体誰になら勝てるんだい!?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ヴィランとして自立したいなら、いい加減足を引っ張らない程度にはなってほしいもんだがね!」
(;´_ゝ`)「待ってくれ、母者!次こそは必ずやれるから!」
(´<_`;)「俺たちにも最後のチャンスをくれよ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「何度目の最後のチャンスだい!!その台詞は聞き飽きたんだよ!!」
(;´_ゝ`)「そんなぁ……」
(´<_`;)「殺生な……」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フゥー……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アーニー、オットー。あんたらやっぱり、致命的に犯罪者には向いてないねぇ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「言い訳ばかりで実益が伴わないままなら、早いとこ他の道を探した方が自分らのためさね」
(;´_ゝ`)「そんなこと言わないでくれ!」
(´<_`;)「俺たちは名高いサウスガットの一員として、役に立ちたいだけなんだ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「名が人を決める訳じゃないし、うちに関してだけ言えば悪人の子が悪人である必要もないんだよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ハッキリ言ってこのままじゃ、あんたらの芽が出ることは金輪際ありゃしないね」
(;´_ゝ`)「ぐぬぅ……」
(´<_`;)「母者め、本格的に俺らを下ろしにかかってやがる」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたらが必要なら、偽造の身分証明だって用意してやれる」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「もし他にやりたいことが見つかったなら、資金援助だってしてやろう」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「だが、このまま何の成果も出さずにファミリーを名乗ることは私が許さないよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「どちらにしろ、これ以上エラーを重ねるようならファミリーには無用の人間ってことさね」
l从・∀・`ノ!リ人「母者、キビシーのじゃ……」
∬´_ゝ`)「甘ったれのアーニーとオットーが悪いのよ。ナージャが気にすることじゃないわ」
(;´_ゝ`)「それなら、最後のお願いに相応しい成果を出せばいいってことだな?」
(;´_ゝ`)「そしたら母者は俺たちを認めてくれるって、そう言うんだな?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あぁ、異論はないね」
.
-
.
(;´_ゝ`)「それなら俺、アーニー=サウスガットはここに宣言するよ」
(;´_ゝ`)「今日から一週間以内に、俺たちの力だけでビッグ・トレジャーを倒すってな!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ほう?」
(´<_`;)「マジかよ兄者!?」
(;´_ゝ`)「あぁ、俺は本気だぜ?」
∬´_ゝ`)「あのねぇ、アーニー。ビッグマウスも大概にしときなさいよ?」
∬´_ゝ`)「相手は母さんが生涯の敵と見定めた男よ?それをどうやってヴィランでもないあんたらが倒すっていうの」
(;´_ゝ`)「だが、母者に認められたいならそうするしかないだろう?」
l从・∀・;ノ!リ人「ナージャ知ってるのじゃ!ビッグ・トレジャーはナージャのマグネティカも弾き返したのじゃ!」
l从・∀・;ノ!リ人「おっきい兄者もちっちゃい兄者もたぶん勝てないのじゃ!!」
(;´_ゝ`)「分かってるよ!でもやるしかないんだ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「いいだろう。やれるもんならやってみな」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「倒すまで行かなくても、奴を30秒止められるだけの弱点を見つければサウスガットの一員として認めてあげるよ」
(;´_ゝ`)「本当か!母者!」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ただし、ファミリーの掟を破るからには相応のリスクを背負ってもらうよ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「サウスガットファミリー十掟、忘れた訳じゃないだろうね?」
(;´_ゝ`)「あぁ……サウスガットファミリー十掟その一、『ビッグトレジャーとは事を構えるな』だな?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そうさ。奴は徹底して甘ちゃんだが、この街のヒエラルキーの最上位にいることに間違いはないんだ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「他のどんな掟より先に、奴と敵対しないことを上げてるのはそういう理由からなんだよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「もしあんたのせいで、ファミリーがトレジャーの野郎から狙われることにでもなれば……」
(;´_ゝ`)「皆まで言うな、母者よ。俺だってそれくらいのことは理解してる」
(;´_ゝ`)「その時はファミリーに塁が及ばないように、俺一人で責任を取るよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フンッ、そう上手く行くかねぇ?半端者は自分のケツも拭ききれないもんだからね!」
.
-
.
(;´_ゝ`)「まぁ期待して待っててくれよ。俺が成長して帰って来るのをさ」ガチャッ、バタンッ
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「あーあ、行っちまったよ。大丈夫かねあいつ?」
∬´_ゝ`)「ほっとくしかないんじゃない?出来る出来ないは別にしてね」
l从・∀・`ノ!リ人「心配なのじゃー」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「形はどうあれ、男はいつか巣から出ていくもんなんだよ。ナージャ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それで、あんたはどうするんだい?オットー」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「話について行けてないとこを見るに、あんたもこの件は初耳だったんだろ?」
(´<_`;)「うん……さすがに」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アーニーを追って出てくなら、あんたもこの話に荷担することになる」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「今ならまだ、なかったことに出来るタイミングだがね?」
(´<_` )「……すまんな母者。これでも俺ら双子なもんでね」
(´<_` )「バカな兄貴を持つと、感化されてこっちまでバカになっちまうみたいだ」
(´<_` )「どうする気かは分からんけど、とりあえず兄者についていってみるよ」ガチャッ、バタンッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「……ったく、バカタレ共が」
.
-
.
( ´_ゝ`)「はぁ……」テクテク
(´<_` )「おーい。兄者ー」
( ´_ゝ`)「おう、弟者。やっぱりついてきたか」
(´<_` )「あたぼうよ。何年双子やってると思ってる」
( ´_ゝ`)「流石だよな、俺たち」
(´<_` )「なんも流石なことないぞ、兄者。あんな大口叩いて、策はあるんだろうな?」
( ´_ゝ`)「あるといえばある」
(´<_`;)「そんな曖昧な。もう俺たちに後はないんだぞ?あんまり不安にさせないでくれ」
( ´_ゝ`)「大丈夫だ、俺に任せろ」
.
-
.
(´<_` )「それで、奴を倒す作戦ってのは一体何なんだ?」
( ´_ゝ`)「それなんだがな、俺は二通りのルートを用意している」
(´<_` )「ルート?ルートってどういうことだ?」
( ´_ゝ`)「結果はほぼ同じだが、そこに至るまでに踏む過程が若干違うんだな」
(´<_` )「ふむ……具体的にkwsk」
( ´_ゝ`)「なぁに。考えれば誰でも思いつくことさ」
( ´_ゝ`)「母者はビッグトレジャーの弱点を探せと言ったが、奴には誰もが周知する弱点が一つあるじゃないか」
(´<_` )「……?」
( ´_ゝ`)「奴は……ビッグ・トレジャーは、乳首が弱い!!」
(´<_` )
( ´_ゝ`)
(´<_` )
( ´_ゝ`)
.
-
.
(´<_` )「兄者よ。今からでも遅くない、母者に謝りに行こう」
(;´_ゝ`)「初っぱなから諦めないでくれ!」
(´<_` )「あれだけ啖呵を切った手前、さぞや成功率の高い作戦なのかと思えば」
(´<_` )「ふざけてるならさすがの俺でも殴るぞ?」
(;´_ゝ`)「待て待て、俺は至極真面目だ」
(´<_` )「真面目に考えてこれならやはりヴィランの道は諦めた方が……」
( ´_ゝ`)「だが、奴が往来で乳首を責められて活動を停止してるのは事実だぞ?」
(´<_` )「それはそうだが……そりゃ奴が変態なだけだろう?」
( ´_ゝ`)「そこで思考停止して先へ進まなかったのが、俺たちヴィランの敗因なんだよ」
.
-
.
( ´_ゝ`)「いいか、弟者。どんなマフィアのビッグボスでも、女を抱いてる最中に襲われて死ぬなんてザラにある」
( ´_ゝ`)「それだけ性的快楽は人の集中力を削ぐってことだ」
( ´_ゝ`)「それをトレジャーは自ら進んでやってるんだぞ?狙い目と言わずして何と言う」
(´<_`;)「うーん……説得力あるようなないような」
( ´_ゝ`)「トレジャーがあの犬に乳首を責められているところを、俺らがスタンで取り囲む」
( ´_ゝ`)「後は全力で痺れさせてフルボッコにしてやるって寸法よ」
(´<_` )「なんか漁夫の利みたいでセコいなぁ……それに、たとえ痺れてても俺らがトレジャーに勝てるかね?」
( ´_ゝ`)「どんな凶悪な手を使ってでも勝ってみせるさ。そうしなきゃ、俺たちの道は閉じたままだからな」
.
-
.
(´<_` )「それで、もう一つの策というのは?」
( ´_ゝ`)「あぁ。もう一つは今言った犬を利用する案だ」
( ´_ゝ`)「あの犬の舌技とトレジャーの反応。奴は恐らく……プライベートでも犬に乳首を舐めさせている!」
(´<_`;)「そのチンカスみたいな推理は脳のどこから出て来たんだ?」
( ´_ゝ`)「つまり犬を捕らえてしまえば、奴は即座に欲求不満に陥るってことさ」
(´<_` )「まぁ……とてつもなく拡大解釈すれば、人質ならぬ犬質と取れないことはないな」
( ´_ゝ`)「だろぉ?搦め手的にトレジャーの戦意を削いでいくのがこの作戦なんだよ」
(´<_` )「しかし、その犬を取り戻すためにヒーローが決起したら」
( ´_ゝ`)「そこだよなぁ……他のヒーローがトレジャーに劣るっていっても、俺たちの手には余るよなぁ」
.
-
.
(´<_` )「それに兄者、忘れたのか?あの犬自体にも一癖ありそうな感じだぞ?」
( ´_ゝ`)「あぁ、覚えてる。父者が科学研究所に忍び込んだ時だな」
(´<_` )「あの犬、何でか父者を逃がそうとしたらしいな」
( ´_ゝ`)「トレジャーの飼い犬なのにな」
(´<_` )「その辺の不可解が解消されないうちに、あの犬に手を出すのは危険だろう」
( ´_ゝ`)「そうだな……知能は高そうだし、トレジャーが何らかの芸を仕込んでてもおかしくないかもしれん」
(´<_` )「ということはやはり」
( ´_ゝ`)「奴の乳首から攻め落とす作戦に決まりだな」
(´<_` )「正気か兄者」
.
-
.
(´<_` )「こんなアホらしい作戦に俺たちの未来を賭けなきゃならんとはな……」
( ´_ゝ`)「誰もやらなかった事にこそ意味がある……そうは思わないか?」
(´<_` )「誰もやらなかったのには理由があるとは思わないのか?」
( ´_ゝ`)「おっと、今さら引くのは無しだぜ?やるなら肚を括って最後までだ」
(´<_` )「いらん恥をかいて終わるだけな気がする」
( ´_ゝ`)「恥をかくのはビッグトレジャーの方だぜ!HAHAHA!」
(´<_` )「兄者のそのやる気はどこから出てくるんだろうなぁ……」
( ´_ゝ`)「弟者、破れかぶれって言葉知ってるか?」
(´<_` )「その破れかぶれにベットしちまった人間の気持ちにもなれ」
.
-
.
(´<_` )「だが、スタン使うなら家まで取りに帰らなきゃいかんな」
( ´_ゝ`)「そうだな。大見得切った手前帰りづらいな」
(´<_` )「まぁ下準備を怠るなは母者の口癖だからな。大目に見てくれるだろう」
( ´_ゝ`)「よし。ならここからが俺たちのスタートだ」
( ´_ゝ`)「作戦名は『乳首ビンビン大作戦』でどうだ?」
(´<_` )「……いいんじゃないか?人前で口に出さなければ」
( ´_ゝ`)「決まりだな。弟者、スタンと大容量バッテリー、家から取ってきてくれるか?」
(´<_` )「おk、任せとけ」
( ´_ゝ`)「頼んだぞ。これに失敗したら家の敷居は跨げないからな」
(´<_` )「それを言い含めたいのはこっちの方なんだが」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
乳首ビンビン大作戦〜概要〜
1.トレジャーの出現しそうな場所を先読みして待機
2.トレジャーが現れ乳首をペロペロされたら物陰からスタンを構える
3.トレジャーが気をやっている隙にスタン発射、痺れたら間髪入れずバットで殴打
4.ついでに犬も痺れたら捕まえて犬質にする
5.他のヒーローがいる時はそちらにもスタンを向ける
( ´_ゝ`)「……完璧だな」
(´<_` )「どこがだよ」
( ´_ゝ`)「どこにツッコミ所があるというんだ?」
(´<_` )「ツッコミ所しかねぇよ」
.
-
.
(´<_` )「まずトレジャーの出現しそうな場所を先読みって、どうやるんだよ」
( ´_ゝ`)「んなもん夜の繁華街をウロついてれば五回に一回は出会えるだろ」
(´<_` )「……兄者はそれまで繁華街をずっと張ってるつもりか?」
( ´_ゝ`)「そのつもりだ」
(´<_` )「効率悪ッ。それに繁華街を見張るにも金はいるぞ?」
( ´_ゝ`)「そうか?」
(´<_` )「そういう張り込みはな、普通ホテルとかに拠点を作ってやるもんだ」
( ´_ゝ`)「なるほど」
(´<_` )「二人合わせて所持金100$の俺たちが、どこにどうやって長期的拠点を作るって言うんだ?」
( ´_ゝ`)「弟者よ……そういう時こそ先人の知恵を利用するのだ」
(´<_` )「というと?」
( ´_ゝ`)「段ボールってけっこう温かいらしいぞ」
(´<_` )「ダメだこいつ行き当たりばったりが過ぎる」
.
-
.
(´<_` )「あとな、スタンで痺れさせるのはまぁいいとして」
(´<_` )「母者ですら倒せなかった男をバットで殴打しただけで倒すのは無理だろう……」
( ´_ゝ`)「痺れてたら案外イケるかもしれんぞ?」
(´<_` )「なぁ、兄者よ。ナージャにすら腕相撲で勝てない兄者よ」
(;´_ゝ`)「な、なんだよ……」
(´<_` )「もっと打撃力の高い武器はなかったのか?俺らレベルの腕力でも勝てそうなやつ」
(´<_` )「兄者さっき、どんな凶悪な手を使ってでも勝ってみせるって言ったよな?」
(´<_` )「それに期待して、どんな凄い武器を用意するのかと少し期待してた俺がいるんだが?」
( ´_ゝ`)「そんなものはないな」
(´<_` )「よし、母者に土下座しに行こう」
(;´_ゝ`)「待て待て待て!まだ時は早い!」
.
-
.
(´<_` )「ダメだぁ兄者……こんなんじゃあ全然ダメだぁ……」
(;´_ゝ`)「な、なんだよ!そんな哀れな物を見る目で俺を見るな!」
(´<_` )「全てにおいてザル過ぎるよぅ……もっと緻密でリカバリーの効く作戦じゃないと破綻するよぅ……」
( ´_ゝ`)「あのな、弟者!たとえ作戦に穴があっても、俺たちはもう進むしかないんだ!」
( ´_ゝ`)「サウスガットの足手まといだとか、二人合わせて2ドル5セントとか言ってきた奴らをギャフンと言わせたくないのか?」
(´<_` )「その作戦が成功しても俺は喜んで兄者とシェイクハンド出来ないと思う」
( ´_ゝ`)「形に拘るんじゃない、ようは結果を残すことだ」
( ´_ゝ`)「やるぞ弟者。俺たちはやるしかないんだ!」
(´<_` )「もうやだこの兄貴」
.
-
.
( ´_ゝ`)「さっきから聞いてれば、弟者は人の作戦にケチつけるようなことしか言わないな」
( ´_ゝ`)「文句があるなら代替案でも出してほしいもんだ」
(´<_` )「そもそも自分が言い出しっぺだってこと忘れてないか?」
( ´_ゝ`)「それに乗ったのはお前の責任だ。納得しようがしまいが、乗り掛かった船からは下りられないんだぞ?」
(´<_` )「……ハアァァァァ。分かったよ、確かに俺も兄者のアホさ加減を考慮してなかったのは悪かった」
(´<_` )「せめて軌道修正くらいはしないと、本当にただの無能になっちまうからな」
( ´_ゝ`)「おう、その意気だ。頼むぜブラザー」
(´<_` )「もっとしっかりしてくれって頼みたいのはこっちだぜブラザー?」
<キャアァァァァァァァ!!!
(´<_`;)「……!?」
( ´_ゝ`)「ん?なんだ?」
.
-
.
ミ;*゚∀゚彡「変態よーーー!!!変態が出たわーーー!!!」
( ,,#^Д^)「待てぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!パンティ・スナッチャーーーーーーーー!!!!!」ドドドド
(;^ν^)「待てと言われて待つバカがいるかよー!!」ズドドド
( ´_ゝ`)
(´<_` )
( ´_ゝ`)「弟者よ。今俺の視界にパンティを全身にあしらった男とフルチンの変態が見えた気がしたのだが」
(´<_` )「……気のせいじゃないか?」
(;´_ゝ`)「気のせいじゃないよ!ビッグ・トレジャーだよ今の!」
( ´_ゝ`)「こうしちゃおれん!弟者、千載一遇のチャンスだ!追うぞ!」
(´<_` )「えぇ〜追うの〜?あそこに割って入るのかなり勇気がいると思うんだが」
( ´_ゝ`)「このくらいで気後れしてどうする。ほら早よ、早よ」
(´<_` )「やる気満々かよ〜……トホホ」
.
-
.
( ,,^Д^)「追い詰めたぞ!!!パンティ・スナッチャーよ!!!」
( ,,^Д^)「世の女性の下着をつけ狙う卑劣漢め!!!覚悟しろ!!!」
(;^ν^)「お前にだけは責められたくないんだけど!!」ジリッ
( ,,;^Д^)「何故!?」
(;^ν^)「パンツ穿いてないからだよ!!」
( ´_ゝ`)(見ろ、弟者。事態はクライマックスのようだぞ)ヒソヒソ
(´<_` )(クライマックスというか大オチというか)
( ´_ゝ`)(ここであの犬が出てくれば完璧なんだが……)
.
-
.
( ,,^Д^)「さぁ、パンティスナッチャーよ!!!パンティを返せ!!!」
(;^ν^)「わ、分かった!パンティは全部返す!だから見逃してくれ!」ポイポイポイ
( ,,#^Д^)「コラ!!女性の所有物を地面に放るんじゃぁない!!!」
(;^ν^)「男性の所有物を世間にまろび出してる奴が言うな!!」
( ´_ゝ`)(修羅場だなぁ)
(´<_` )(修羅場……か?)
(;^ν^)「こ、これでいいだろ!?もう下着泥棒なんてしねーよ!!」
( ,,^Д^)「本当だな?今後一切、女性の下着に手をかける事はないな?」
(;^ν^)「誓う誓う!!神にでもなんでも誓うから!!」
.
-
.
▼・ェ・▼ ヒョコッ
▼・ェ・▼「アンアンッ」
( ,,^Д^)「ムムッ!!ドルチェ!!」
(;^ν^)「……?」
( ´_ゝ`)(来た!!例の犬だ!!)
(´<_` )(あーあ、来ちゃった)
▼・ェ・▼「ハッハッハッ……」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,;^Д^)「オゥフッ!!い、いかんドルチェ!!ダメだそんな……アフゥン!!」
(;^ν^)「な、なんだこいつ……」
▼・ェ・▼ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,;^Д^)「ヌッホォン……オゥッ……オゥンフイェェェェス……オゥイェェェェェェェェェス……!!!!!」ビクンビクン
(;^ν^)「なんかよう分からんけど、今のうちに逃げよ!」シュタタッ
(´<_`;)(相変わらず奴のヨガる様は醜悪だなぁ……)
( ´_ゝ`)(ボーッとしてる場合じゃないぞ!スタンを準備しろ弟者!)
.
-
.
( ´_ゝ`)(いいか、スリーツーワンでスタン発射だ。最初から出力はMAXでやるんだぞ)スチャッ
(´<_` )(……ここまで来たらやるしかないか)スチャッ
( ,,;^Д^)「ハァ、ハァ……またヴィランを取り逃してしまったか」
( ,,^Д^)「ドルチェよ。お前はそんなに私の乳首が好きなのか?」
▼・ェ・▼「アウンアウンッ」
( ,,^Д^)「ワハハハハ!!!そうかそうか!!!」
(´<_`;)(普通に犬と会話してる……)
(;´_ゝ`)(気にするな!集中力を削がれるぞ!)
(´<_`;)(把握)
.
-
.
(;´_ゝ`)(スリー、ツー、ワン……)
(;´_ゝ`)(今だ!!)バッ
(´<_`;) バッ
( ,,^Д^)「ヌッ!?」
▼;・ェ・▼「?」
(;´_ゝ`)「食らえトレジャー!!そして倒れろ!!」タァンッ
(´<_`;)「俺たちの執念を味わえ!!」タァンッ
( ,,;^Д^)「あばばばばばば!!!!」ビビビビビビ
▼×ェ×▼「ギャンッ!!」ビリッ
(;´_ゝ`)「奴が確実に落ちるまで手を緩めるな、弟者!!」
(´<_`;)「あぁ、分かってるよ!!」
バリバリバリバリ!!
( ,,;^Д^)「ムグゥッ……君たちは、サウスガットの双子くんか!!」ビリビリ
.
-
.
(;´_ゝ`)「サウスガットファミリー、アーニー!訳あってお前のクビ、取らせてもらうぞ!」ババババ
(´<_`;)「同じくサウスガットファミリー、オットー!恨みはないがこれも俺たちの未来のためだ!」バリバリバリ
( ,,;^Д^)「くぅっ……完全に隙を衝かれたか!!」ガクッ
(;´_ゝ`)「イケるぞ弟者!!やはり乳首を責められている時は無防備なんだ!!」
(´<_`;)「あぁ!!スタンの充電切れるまでやるぞ!!」
( ,,;^Д^)「ヌウゥ……これしきの電気……!!!」ググッ
(;´_ゝ`)「あ、ヤベッ……」
(´<_`;)「電撃喰らいながら立ち上がるかよ……」
(;´_ゝ`)「怯むな弟者!!ここで電撃を止めたら元の木阿弥だ!!」
(´<_`;)「心臓が止まっても止めねぇよ!!」
( ,,;^Д^)「グアァァァァァァ!!!」ガガガガ
▼#・ェ・▼「ガルルルルゥ……」
▼#・ェ・▼「アンッ!!アンアンッ!!」
(;´_ゝ`)「うわっ!なんだこの犬!?」
(´<_`;)「えぇい邪魔だな!チワワごときが横槍入れんじゃない!」
.
-
.
▼ーェー▼ スゥッ
( ,,;^Д^)「!!」
( ,,;^Д^)「ま、待て!!止めるんだドルチェ!!」
▼・ェ・▼「アォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!」
(;´_ゝ`)「うるせっ!?」
(´<_`;)「なんだ!?」
( ,,;^Д^)「逃げろ、双子くん!!ここは危険だ、早く……!!」
『ガウッ』ザッ
『ワンッ、ワンッ!!』ザザッ
『グルルル……』ザザザッ
(´<_`;)「お、おい兄者……なんか犬が集まってきたぞ……?」
(;´_ゝ`)「なっ……」
.
-
.
▼#・ェ・▼「……」テクテク
ザッ……
(;´_ゝ`)「ひぇ……」
(´<_`;)「怖っ!!」
▼#・ェ・▼「ガァッ!!」
『バウワウッ!!』
『ガウゥッ!!』
『グルルルッ!!』
(;´_ゝ`)「逃げろ弟者!!」
(´<_`;)「ぎゃあ!噛まれたぁ!」
(;´_ゝ`)「クッソぅ!!覚えてろトレジャー!!いって!!!」
▼#・ェ・▼「アンッ、アンアンッ!!」
( ,,;^Д^)「ドルチェ!!止めなさい、ドルチェ!!」
.
-
.
▼#・ェ・▼「フルルル……」
( ,,;^Д^)「ドルチェ、ステイ!!ステイ、ドルチェ!!」
▼・ェ・▼「……」
▼・ェ・▼「アンッ」
( ,,^Д^)「落ち着いたかね、ドルチェ?」
▼・ェ・▼「アゥン」
( ,,^Д^)「よーしよし、いい子だ」
( ,,^Д^)「しかし、ヴィランでない人間に犬をけしかけてはいかんぞ!!」
▼・ェ・▼「クゥーン……」
( ,,^Д^)「ワハハ!!そんなに謝らなくていい!!」
( ,,^Д^)「元はと言えば、私が不覚を取ってしまったせいなのだからな!!」
( ,,^Д^)「さぁ、帰ろうドルチェ!!」
▼・ェ・▼「……アンッ!!」
ミ;*゚∀゚彡(あの人一人で何をブツブツ言ってるのかしら……?)
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(;´_ゝ`)「ハァ、ハァ……弟者、犬は?」
(´<_`;)「あらかた散ったみたいだ……」
(;´_ゝ`)「そうか……あークソ、まさか犬に邪魔されて失敗するなんて」
(´<_`;)「何が障害になるか分からんもんだな」
( ´_ゝ`)「これで『乳首ビンビン大作戦』は頓挫か……」
(´<_` )「そうだな。これで兄者も身の程がわかったろ」
( ´_ゝ`)「ああ。早速次の作戦を考えないとな」
(´<_`;)「まだヤル気なの!?」
( ´_ゝ`)「当たり前だ。俺は言ったはずだぞ、『一週間以内にトレジャーを倒す』ってな」
( ´_ゝ`)「まだ初日がダメだっただけなのに、何を諦めるって言うんだ?」
( ´_ゝ`)「さー気持ち切り替えてやるぞ弟者!!」ブンブンッ
(´<_`;)「……」
こいつ懲りねぇなぁ、弟者はそう思ったという……。
.
-
【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
変態にも恩情を与えるナイスガイ
▼・ェ・▼ DOGGY
本名:ドルチェ
チワワの一種。
遠吠えで犬を操れる。
.
-
.
( ´_ゝ`)(´<_` )THE TWINS
本名:アーニー=サウスガット、オットー=サウスガット
打倒ビッグ・トレジャーを心に誓う双子。
兄の方がアホと思われがちだが実は二人ともどっこいどっこい。
@@@
@#_、_@
( ノ`) OGRE
本名:ハハジャ=サウスガット
息子たち二人の将来を案じている。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`) THE HOLLOW
本名:チチジャ=サウスガット
息子たちに関しては長い目で見てやろうと思っている。
∬´_ゝ`) HAND WORKER
本名:アンネ=サウスガット
サウスガットファミリー長姉。
情報の奪取と撹乱を得意とする。
l从・∀・ノ!リ人 MAGNETICA
本名:ナージャ=サウスガット
サウスガットファミリー末妹。
若干七歳にしてヴィランの才の片鱗を見せる。
磁力操作と磁性体を生成する能力を有する。
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( ^ν^) PANTIES SNATCHER
本名:アルフレッド=ニューマン
クラウン=シティを代表する下着泥棒。
盗んだ下着を身につけ今日も夜の街を疾走する。
ミ*゚∀゚彡 フーリー=ワンダー
近頃の変態の多さに引っ越しを考えている。
.
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第七話終わり
-
.
おまけ〜パンティ・スナッチャーの大冒険のようです〜
.
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( ^ν^)
俺の名前はパンティ・スナッチャー。
クラウン=シティに生息する漢の中の漢だ。
俺から言わせればこの街に本物の漢は俺しかいない。
何故かって?
パンティこそ至高の物体であり、俺ほどパンティに習熟した漢は他にいないからだ。
どんなヒーロー、ヴィランだろうとパンティを前にした俺を止めることは不可能だ。
パンティのデルタは真理の三角形、その全てをこのゴッドハンドに掴むまで。
俺の躍進はどこまでも続くだろう。
.
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.
俺が神との邂逅を果たしたのは五歳の時だ。
その頃から俺はすでに、パンティという物体を性的な眼ではなく神聖な物として見つつあった。
そしてある夜。
俺の夢の中に、淡い燐光が差した。
海中にこぼれる夜光虫の光のような、微かで、それでいて力を感じる光。
幼いながらに俺は、何かとんでもない事が起きている事を察したものだ。
その光は、声ならぬ声で俺にこう語りかけた。
『望め』と。
今であればきっと、聖書の一節「望めよ、されば与えられん」が浮かぶことだろう。
しかしまだ小さな子供だった俺は、ただ己の拙い願望を口にすることしか出来なかった。
即ち。
.
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( ^ν^)「ギャルのパンティおくれーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
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-
.
それ以来俺は、女性の下着に対する嗅覚とでもいう物が非常に鋭くなった。
そして俺の手は、女性の下着を吸引する神の手となったのだ。
それは、その場に置いてある下着だけに止まらない。
例えば信号待ちの交差点で、俺が女性の後ろに立ったとする。
ミ*゚∀゚彡「……」
( ^ν^)スッ
( ^ν^)シャッシャッ
ミ*゚∀゚彡(……なんかスカートの下がスースーする?)
ミ;*゚∀゚彡「……!?」
<キャアァァァァァ!!!
( ^ν^)「チッ……最近の娘はこんな小せぇ下着履いてやがるのか」
とまぁこんな要領で、現在進行形で履かれているパンティも手中に収めることが出来るのだ。
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-
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そんなこんなで、二十年間に渡り収集したパンティの総数四千枚。
まだまだ神の域にはほど遠い。精進が必要である。
しかし神域には届かないまでも、人の耳にはパンティスナッチャーの技が届きつつあるようだ。
クラウン=シティ七大都市伝説
・全裸で前を隠さないヒーロー
・地下水道に潜むヴィラン
・雨の殺人鬼レイニーキッス
・空飛ぶ怪盗クイーン
・不死身の怪物
・一夜にして産まれたジャングル
・いつの間にか消えるパンティ
こうして、クラウン=シティの重要な謎の一つに数えられるほどなのだから。
.
-
.
しかし、そんな俺でももちろん窮地に陥ることはある。
( ,,#^Д^)「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!!!!!!!!!」
(;^ν^)「誰が待つかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
例えば今日は、変態の教祖に見つかってしまい散々後を追われた。
俺としたことが、干してあるパンティに目がくらんで屋根伝いに移動する変態に気づかなかったとは。
(;^ν^)「迂闊の極みだぜ……クソッ!!」
こんな所で捕まっては、俺の目指す真理への道は程遠い。
何としても逃げ仰せなければ……!!
.
-
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(;^ν^)「パンティ・スナッチャー妙技、下着乱舞(パンティ・ランブル)!!」
( ,,;^Д^)「ヌオォッ!!?」
パンティランブルとは、手持ちの下着を操作して敵の視界を塞ぐ技である。
今日手に入れたパンティが十五枚、個人の眼を欺くには充分な枚数だ。
( ,,;^Д^)「いかん、前が見えん!!」
( ^ν^)「ククク、あーばよ!」
しかしいかんせんこの技にも弱点はある。
操作したパンティが鞄に戻る訳ではないので、使用後はパンティを体に吸着させたまま走らなければならないのだ。
( ^ν^)「ふは、ふはははは!!」
変態を撒いた後、俺の体にパンティがまとわりつく。
絢爛たる布の集まりに囲まれ、俺は夜の中を疾った。
.
-
その後、変態が犬と変態行為をし始めたおかげで何とか運良く逃げ切ることができた。
手に入れたパンティはほとんどを投げ捨てて来てしまったが、捕まるよりはマシだろう。
これでまた俺は神へと近づくことが出来る。
( ^ν^)「……おー、今日は月が綺麗だ」
見上げた夜空には、満月に近い月が浮かんでいた。
月とパンティには重大な接点があるように俺は思う。
もしあの月の加護で逃げきれたのなら、こんな夜も悪くはない。
.
-
.
今日も俺は真理に一歩近づいた。
明日もまた真理に一歩近づくのだろう。
パンティ・スナッチャーは止まらない。
パンティ・スナッチャーは不敗である。
パンティ・スナッチャーはパンティと共に。
.
-
.
〜パンティ・スナッチャーの大冒険のようです〜
おわり
-
こんなニュッくん初めて見た
-
第一話 >>1
第二話 >>67
第三話 >>144
第四話 >>212
第五話 >>271
第六話 >>344
第七話 >>510
特別編 >>425
しおり作りました。話数ごとに追いたい方はご利用ください。
-
ツッコみ所が多すぎる・・・
-
>>544
>>( ,,^Д^)「しかし、ヴィランでない人間に犬をけしかけてはいかんぞ!!」
流石兄弟はヴィラン認定されてないんだな
-
特殊能力持ちで反社会的活動をする輩をヴィランて呼んでるんじゃない?
-
.
( ・∀・)「〜♪」テクテク
( ,,^Д^)「やぁ、モララー!グッドイブニング!」
( ・∀・)「おいーす、トレのおっさ……」
(;・∀・)「ゲッ!?」
( ,,^Д^)「どうした!!私の姿がそんなにおかしいかね?」
(;・∀・)「い、いや……」
( ,,^Д^)「そうかね!私はこれから少し出かけるが、もしもの時があったら皆と協力して対処してくれ!」
(;・∀・)「は、はい……」
( ,,^Д^)「ワハハ!今日は素直だな!!それでは、後は任せたぞ!!」
(;・∀・)「……」
.
-
.
(;・∀・)「た、大変だー!!!」ウィーン
川д川「あら、どしたの大騒ぎして」
川 ゚ -゚)「何か事件でも起こったか?」
*(‘‘)*「せっかくのティータイム邪魔しないでほしいです」
(;・∀・)「事件じゃねぇけど……いややっぱ事件なのかな……とにかく大変なんだ!!」
*(‘‘)*「何が大変なのか全然分からんです」
川 ゚ -゚)「落ち着け、モララー。深呼吸して要点をまとめてくれ」
(;ー∀ー)「そ、そうだな……スー、ハー……スー、ハー……」
川д川「それで?何があったのよ?」
(;・∀・)「トレのおっさんが……おっさんがよぉ……」
*(‘‘)*「トレパパが、どうかしたですか?」
(;・∀・)「……服、着てたんだよォ!!!」
.
-
.
川д川「あらら。それは大変ね」
*(‘‘)*「へー、トレパパが服着てたですかー」
(;・∀・)「みんな平然としすぎじゃね!?もっと驚こうぜ!!」
(;・∀・)
(;・∀・)「いや服着てて驚かないのが普通なんだけどさ!!」
川д川「まぁトレさんも人の子だしねー。365日のうち3日くらいは服着てる日もあるわよ」
*(‘‘)*「そーですそーですー。レアな物見れたと思って胸に留めておくですよー」
(;・∀・)「そんな1/100以下の確率の出来事に遭遇して動揺しないはずないだろ!」
川 ゚ -゚)「ふーむ。今日は被服しての外出か……着るものを見繕ってやれば良かったな」
(;・∀・)「お、お前ら案外あっさりしてんなー……一人でバタバタしてる俺がバカみてぇじゃん」
.
-
.
(,,゚Д゚)「オィーッス」ウィーン
川д川「おいーす」
*(‘‘)*「おいすですー」
(;・∀・)「あ、ちょうどいいとこ来た!なぁギコ、今トレのおっさんがな……」
(,,゚Д゚)「あー、ちょっとタンマ。俺ぁクー博士に用があっからよ」
川 ゚ -゚)「ん?私に何の用が?」
(,,゚Д゚)「トレの旦那が車貸して欲しいつってるんだが、キーどこにやったか知ってるかい?」
(;・∀・)「ウッソだろ!?年中素っ裸で走り回ってるおっさんが車!?」
川 ゚ -゚)「えーと、ちょっと待ってくれ。社用車のキーは確か引き出しに……」ゴソゴソ
川д川「あ、待った。そういえば車のキーならさっきデミさんが持ってったわよ?」
(,,゚Д゚)「マジか。行き違いになっちまったな」
.
-
.
(,,゚Д゚)「したらメールでデミさんと落ち合うようにって送っとくか」ポチポチ
(;・∀・)「しっかし服着るわ車使うわ、今日のおっさんはどうしたんだ?」
(;・∀・)「天変地異の前触れか何かか?」
川д川「たまにはそういう日もあるってことじゃなーい?」
*(‘‘)*「ですねぇ。たまにはクールに決めたい日もあるですよ」
川 ゚ -゚)「……おや?もしや今日は19日か?」
川д川「そうよ、9月19日。それが?」
川 ゚ -゚)「あぁ……そういうことか。すっかり忘れていたよ」
川 ゚ -゚)「すまないが、今日は彼をゆっくりさせてやってくれないか」
( ・∀・)「なんだよ、なんか訳知り顔だな?」
川 ゚ -゚)「まぁ、一応……な。モララー君もそこに座りたまえ」
川 ゚ -゚)「今日は彼にとって忘れ得ない、特別な日なんだ」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【クラウン=シティ中央警察署】
( ^ω^)「いよっこいしょお!!」ドサッ
( "ゞ)「よぅ、ブーナー。どうしたんだその資料は?」
( ^ω^)「ジョージさんに片付けとくように頼まれたんですおー」
( ^ω^)「捜査資料くらい自分で片付けてほしいもんですけど……おっ!!」ドサドサ
( "ゞ)「ハハハ、そうだな。でも言って聞く人なら誰も苦労しないよな」
£°ゞ°)「あの人ワガママだからネー。手伝うよブーン」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
( ^ω^)「そういえば、今日は署長いないんですかお?朝から姿見ないですおねー」
£°ゞ°)「署長なら一日休み取ってるヨー。だから今日はジョージさんのやりたいホーダイネ」
(;^ω^)「うへぇ……本当ですかお。こりゃしんどい一日ですおね……」
.
-
.
£°ゞ°)「あとネー、出来れば今日は緊急時以外連絡するなって言ってたヨー」
( ^ω^)「はぁ……家族の誕生パーティーかなんかですかおね?」
£°ゞ°)「さぁ?そういう家族サービスする人とは思えないけドー」
( "ゞ)「そもそも署長は独身だしな」
( ^ω^)「ですおね。風邪でもひいてなきゃいいんですけど……」
( "ゞ)「……んん?ロミス、今日は何日だ?」
£°ゞ°)「9月の19日だヨー!それが?」
( ^ω^)「やっぱり誰かの誕生日ですかお?」
( "ゞ)「あぁ……そうか。もうそんなに日が経つのか。俺としたことが失念してた」
.
-
.
( "ゞ)「ブーナー。その捜査資料、たぶん署長が見た後の奴だよ」
( ^ω^)「えぇ?署長は雑だけど、資料の類いをほっぽらかしたりしないと思いますお?」
( "ゞ)「片付けをジョージさんに頼んで、それをお前が押し付けられたんじゃないかな」
£°ゞ°)「そのパティーンはありそうネー」
(;^ω^)「子供じゃないんだから後片付けくらい自分でしっかりして欲しいですお……」
( "ゞ)「いや……うーん、そうだな。その理由は今からちゃんと話すよ」
( "ゞ)「だから署長を許してやってくれ」
( ^ω^)「……?」
( "ゞ)「今日は署長にとって、あまりいい思い出のある日じゃないからなぁ」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【クラウン=シティ市営共同墓地】
ブロロロロ、キキィッ……
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー、着きましたよ」
( ,,^Д^)「うむ。運転ありがとうデミタス!!」
(´・_ゝ・`)「いえ。僕も献花くらいはしたかったですから」
( ,,^Д^)「そうだな……出来れば毎月来たいものだが、なかなか来れないものだな」
(´・_ゝ・`)「……おや?」
从 ー∀从「……」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。先客がいるみたいです」
( ,,^Д^)「……ハイド署長」
.
-
.
从 ー∀从
从 ゚∀从 パチ
从 ゚∀从「あん?」
( ,,^Д^)「やぁ、署長!!」
从 ゚∀从「あんだ、てめぇらも来たのか」
(´・_ゝ・`)「お久しぶりです、署長」
从 ゚∀从「おう、カフェオレの。シケた地味面は変わんねぇな」
(´・_ゝ・`)「あなたこそ、毒舌は相変わらずのようで何よりです」
( ,,^Д^)「今日は、仕事は?」
从 ゚∀从「有給休暇だよ。こんな日に仕事してちゃあ、部下が化けて出て来らぁな」
.
-
.
从 ゚∀从「お前らこそ、こんなとこでのたくってるヒマあんのかい?」
从 ゚∀从「正義のミカタがサボりなんざ、笑い話にもなんねーぜ?」
(´・_ゝ・`)「意地の悪いことを言う。僕たちがここへ来たのは、あなたと同じ目的ですよ」
( ,,^Д^)「その通り!!だが署長殿の邪魔になるなら、我々は隅へ控えておこう!!」
从 ゚∀从「気にすんな、俺も墓参りは終わったとこだ」
从 ゚∀从「オメーらもさっさと済ませて、おうち帰ってマスでも掻いてろよ」
(´・_ゝ・`)「お気遣い、感謝します」
( ,,^Д^)「では、我々も」
.
-
.
( ,, ーДー)
(´ー_ゝー`)
( ,,^Д^) パチ
(´・_ゝ・`) パチ
( ,,^Д^)「……ここへ立つと、今でもあの日のことを思い出すな」
(´・_ゝ・`)「えぇ……奴は今もこの街に潜んでいるんでしょうか」
( ,,^Д^)「恐らくな……いずれは決着をつけねばなるまい」
( ,,^Д^)「それが、没していった者たちへのせめてもの報いだ」
从 ゚∀从「よう。お祈りは済ませたかい、変態」
( ,,^Д^)「うむ」
从 ゚∀从「そうかい。じゃあちょっくら面ァ貸せや、話がある」
( ,,^Д^)「私にか?」
从 ゚∀从「オメー以外誰がいるってんだ?トボけたこと言ってんなよ」
从 ゚∀从「そのマヌケ面ぶん殴られたくなかったら、さっさとこっちへ来な」
(´・_ゝ・`)「でしたら僕は、車で待っていますので」
( ,,^Д^)「うむ。すまんな、デミタス」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
川 ゚ -゚)「あれは私が九歳の時だから、もう十五年も前になるのか……」
川 ゚ -゚)「この中に、十五年前からここに住んでいた者はいるかな?」
川д川「私はその頃まだ日本にいたわね」
*(‘‘)*「ヘリは地方のジュニアスクール通ってたです」
(,,゚Д゚)「俺もそん時ゃ地元で暴れてた時期だなぁ」
( ・∀・)「同じく」
川 ゚ -゚)「そうか。なら知らないのも無理はないな」
川 ゚ -゚)「十五年前の9月16日、この街でヴィランによる大規模なテロが起こった」
川 ゚ -゚)「そして三日後の9月19日、事件は鎮圧された」
川 ゚ -゚)「そのたった三日間で死傷者は100名を越え、被害総額は市の税収の半年分にも及んだそうだ」
川 ゚ -゚)「その事件こそ、私が両足を失う原因となった事件であり、トレジャーをこの街に留め続ける原因となった事件なんだ」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(;^ω^)「十五年前にそんなことがあったんですかお……」
£;°ゞ°)「そんなの、全然知らなかったヨー……」
( "ゞ)「この街以外では、混乱を避けるために情報が規制されていたからね」
( "ゞ)「確か表向きは、大型のタイフーンが襲来したってことになってたんじゃなかったかな」
£°ゞ°)「オー!それなら覚えてるヨー!」
£°ゞ°)「うちの父ちゃんと母ちゃんが、竜巻にしては予報がなかったって不思議がってたネー!」
( ^ω^)「そういえば、僕も聞いたことあるような……」
( ^ω^)「事前の予報は晴れだったのに、何の前触れもなく出現したタイフーンありましたお」
( "ゞ)「情報隠匿のための偽装災害だからなぁ。そりゃ不審がる市民も多かったろうさ」
( "ゞ)「その捜査資料も、多分その事件にまつわる物なんじゃあないかな?」
£°ゞ°)「本当ダー!ヴィラン災害に関する報告書ばっかりネ!」
( "ゞ)「そう、ヴィラン災害。この事件を契機にヴィランの大規模犯罪は、事件ではなく災害として扱われるようになった」
( "ゞ)「それほどまでに、この事件がクラウン=シティに与えた影響は大きかったのさ」
( "ゞ)「かの悪名高いヴィラン特別収容所が出来たのも、この事件がきっかけだったって専らの噂だ」
( ^ω^)「デルタさんは、直接その事件に関わってたんですかお?」
( "ゞ)「あぁ。私はまだ新人のぺーぺーだったがね」
( "ゞ)「『跳ね馬ハイド』の異名を誇った署長と一緒に、ヴィランの確保に奔走していたよ」
.
-
.
*(‘‘)*「でも、おかしいですね?それだけの事件なら例え隠してても、もっと人の耳に入ってもおかしくないはずです」
川 ゚ -゚)「個人間でなら伝聞もあったろうが、市の公式見解が首を縦に振らなかったからな」
川 ゚ -゚)「どれだけ不審に思おうと、調べる術が無ければ納得するより他にない」
川 ゚ -゚)「事を知るのは為政者と、軍や警察の関係者だけだったということだ」
川д川「なるほどねぇ……いつの時も犠牲になるのは、市民の知る権利ってワケね」
( ・∀・)「つーかさ、テロって言うからには犯人にも何か目的があったんだろ?」
( ・∀・)「そいつら一体何がしたくて、そんなメチャクチャやらかしたんだよ?」
(,,゚Д゚)「そうだよな。無目的に街を破壊してハイおしまいじゃあ、意味がないぜ」
川д川「なーんか相当な裏がありそうな話よねぇ?」
川 ゚ -゚)「あぁ、すまない。テロというのは言葉の綾でな」
川 ゚ -゚)「この事件は多数のヴィランが、たった一人のヴィランの暴走に乗じて街を破壊してまわったという」
川 ゚ -゚)「ただそれだけの事件なんだよ」
.
-
.
( "ゞ)「一般に、ヴィランたちは徒党を組んで悪さすることは少ないという話は知ってるよな?」
( ^ω^)「はい。名の知れたヴィランほどプライドが高く、自分の力に酔う傾向が強いからそうなると」
£°ゞ°)「サウスガットファミリーが例外で、あとほとんどのヴィランはソロで動いてるネー」
( "ゞ)「だろう?幾つかの例外を除いて、ほとんどのヴィランはヴィラン同士手を組むことはない」
( "ゞ)「そんなヴィランが、ここぞとばかりに集結して街を荒らし回った最悪の三日間」
( "ゞ)「それが十五年前の今日の真相なんだ」
(;^ω^)「とんでもないですおね……」
£;°ゞ°)「聞いてるだけで吐き気がしそうだヨー」
( "ゞ)「そして、この事件の発端となった一人の凶悪なヴィラン」
( "ゞ)「それが署長の仇であり、長年追い続けている最大の敵」
.
-
.
川 ゚ -゚)「その名は、ファニーフェイス」
( "ゞ)「その名は、ファニーフェイス」
.
-
.
*(‘‘)*「ファニーフェイス、ですか……」
( ・∀・)「かわいい名前だなオイ」
川 ゚ -゚)「名前だけはな。だが実力の程は侮れないぞ」
川 ゚ -゚)「あのトレジャーが全力で対処して、なお手に余る強敵だ」
川;д川「トレさんが……」
(,,゚Д゚)「俺もヒーロー歴は短くねぇが、トレの旦那の全力なんざ見たことねぇな」
川 ゚ -゚)「恐らく、トレジャーが初めて本気で戦い、苦戦した相手だろうな」
川 ゚ -゚)「そして、デミタスとトレジャーとファニーフェイスには、浅からぬ因縁があるらしい」
川 ゚ -゚)「それが、事件の引き金になったとも聞いたよ」
.
-
.
( "ゞ)「私も詳しくは知らないが、どうもその一件の起こりにはヒーロー達が関係していたらしいな」
( ^ω^)「どういうことですかお?」
( "ゞ)「あくまでも噂だが、ファニーフェイスの初めて敗北した相手がビッグ・トレジャーで」
( "ゞ)「リベンジを果たそうと動いたファニーフェイスに、他のヴィランも乗じたということらしい」
£°ゞ°)「そんなの、ただの逆恨みやないカーイ」
( "ゞ)「そうだな……しかしファニーフェイスは、それだけ強い影響力を持つヴィランだった」
( "ゞ)「誰ともつるまず一人牙を研ぎ、ビッグ・トレジャーの首を狙っていた」
( "ゞ)「その結果が、一つの都市を崩壊寸前まで追い込んだんだ」
.
-
.
川 ゚ -゚)「そして私も、ビルの倒壊に巻き込まれ両足を失った」
川 ゚ -゚)「ファニーフェイスの力によって、瓦礫と化したビルの下敷きになってな」
川;д川「そんな……トレさんと同等ってだけでも信じられないのに」
*(;‘‘)*「それが本当ならモンスターですよぅ……」
川 ゚ -゚)「まさしくその通り。奴は前代未聞のモンスターさ」
(,,゚Д゚)「よぅ、クー博士。それならどうして俺らに、今までそいつの存在を知らせてくれなかったんだい?」
(,,゚Д゚)「そんなドえれぇヴィランがいるなら、俺らに注意くれぇしてくれても良かったじゃねぇか」
( ・∀・)「そらぁお前、トレジャーのおっさんが倒しちまったからじゃね?」
*(‘‘)*「そうです!トレパパは強いですから、そのファニーちゃんも十五年前にもう倒してるです!」
川 ゚ -゚)「いや、残念ながら結果は痛み分けだ」
川 ゚ -゚)「あまりにも痛すぎる、痛み分けだったがな」
.
-
.
( "ゞ)「ここから先は俺も現場にいなかったから、署長に聞いた話なんだがな」
( "ゞ)「トレジャーとファニーフェイスの戦いは、三日間休みなく続けられたらしい」
( "ゞ)「そして双方の力の余波を受けて、街は見る影もなく崩れ落ちていった」
(;^ω^)「それだけでもう化け物ですお……」
£;°ゞ°)「街が崩壊したの、半分はトレジャーのせいヤン……」
( "ゞ)「そう責めてやるな。トレジャーとて全力で応じなければ、自らの命が危うかったんだ」
( "ゞ)「そしてその死闘の果て、最後に立っていたのはファニーフェイスだった」
£;°ゞ°)「oh……変態トレジャー、負けちゃったノネ」
( "ゞ)「うむ。しかしその時すでに、ファニーフェイスも気力と体力の限界を迎えていた」
( "ゞ)「奴はトレジャーにとどめを刺さず、最後の力を振り絞って逃げ出したんだ」
( "ゞ)「そこで署長は、全署員に撤退命令を下した」
( "ゞ)「『ファニーフェイスは追わず、他のヴィランの確保に専念せよ』ってな」
.
-
.
川 ゚ -゚)「追い込まれた獣は何をするか分からない」
川 ゚ -゚)「ゆえにトレジャーは、気絶する寸前デミタスに、奴を絶対に追うなと厳命した」
( ・∀・)「おっさんらしからねぇ判断だなぁ。いつもならイケイケなのによ」
川д川「それだけそのファニーが厄介な敵だったってことでしょ」
(,,゚Д゚)「旦那が警戒するたぁ、よっぽどのことだったんだろうなぁ」
川 ゚ -゚)「あぁ……しかし、当時のヒーローはトレジャーの指揮下にあって、まだ敗北を知らなかった」
川 ゚ -゚)「デミタス以外のヒーローは、トレジャーの命令を不服としてファニーフェイスを追ってしまったんだ」
*(;‘‘)*「……どうなったですか?」
川 ゚ -゚)「慰霊碑に刻む名前が増えた、とだけ」
*(;‘‘)*「ひえぇ……」
.
-
.
( "ゞ)「思えば警察も、少なからず慢心していたんだろうな」
( "ゞ)「普段なら上司からの命令違反なんて、絶対にするはずがないんだ」
( "ゞ)「しかしその時は、ヒーローの一部と結託して気が大きくなってたんだ」
( "ゞ)「気づけばファニーフェイスの逃げ込んだマンホールに、署員十数名とヒーローたちが集まっていた」
£;°ゞ°)「……」ゴクリ
(;^ω^)「それで、どうなったんですかお?」
( "ゞ)「警察もヒーローも、帰って来た者は一人もいなかった」
( "ゞ)「後の現場検証では、マンホールの内部が真っ赤に染まっているのだけ確認できたそうだよ」
(;^ω^)「わぁ……」
£;°ゞ°)「ショッキング……」
.
-
.
川 ゚ -゚)「それからトレジャーも奴の足跡を追っているが、マンホール内に逃げた以上の情報は得られていない」
川 ゚ -゚)「それどころか、奴がマンホールから出てきたという情報すら伝わってはいないんだ」
*(;‘‘)*「それってもしかして、この街の地下にファニーちゃんが潜伏してるってことですか?」
川 ゚ -゚)「あぁ、そうなるな」
*(;‘‘)*「ひえぇぇぇ!!怖いですぅ!!」
川д川「でも、そんなキレたヴィランなら、下水道伝ってとっくに逃げてるんじゃないの?」
川 ゚ -゚)「いや……トレジャーの話だと、ファニーフェイスが自分との決着を着けずに逃げることは有り得ないらしい」
川 ゚ -゚)「デミタスともその見解は一致している」
( ・∀・)「つーことは、十五年前と同じことがまた起こるかもしんねーってことか?」
川 ゚ -゚)「可能性は低くないな。何せファニーフェイスは見境がない」
川 ゚ -゚)「勝てると踏んだ状況になれば、いつでも襲いかかってくるだろう」
(,,゚Д゚)「とんだ戦闘狂だなゴルァ」
*(;‘‘)*「うえぇ……なんか今日眠れなくなりそうですぅ……」
.
-
.
( "ゞ)「なぁ、ブーナー。お前が特犯課に配属されてしばらく経つが、不思議に思ったことはないか?」
( "ゞ)「なぜヴィラン犯罪が特別多いクラウン=シティに、たった五人しか専門の警官が配属されていないのか」
( ^ω^)「そうですおね……考えてみれば、たった五人で現場を回してる状況って有り得ないですおね」
( "ゞ)「答えは、十五年前の事件を皮切りに特犯課が縮小されたから」
( "ゞ)「多くの署員に死者を出してしまったせいで、大幅な人員削減の口実にされたんだよ」
( "ゞ)「それまで特犯課は、署内で一番の署員を有する部署だったからね」
£°ゞ°)「ナニソレ、本末転倒ネー。僕らがやらなきゃなおさらヴィラン好き放題だヨー」
(;^ω^)「上はいつも現場のことなんか分かってくれないですおねぇ……」
( "ゞ)「そしてそれと同時に、署長は部下を止めきれなかったことに責任を感じて、辞表を提出した」
(;^ω^)「えぇ!?そんなっ……」
( "ゞ)「あの人なりのケジメだったんだろうがな……けど、他の部署や他所の署からも嘆願があって、なんとか謹慎処分で済んだんだ」
£°ゞ°)「ブーンなに驚いてるノー。辞表が受理されてたら署長もここにおらへんやロー?」
(;^ω^)「いや、なんか動揺しちゃって……」
.
-
.
川 ゚ -゚)「そういう訳で、今日のトレジャーは十五年前の被害者へ花を手向けに行っているのさ」
川 ゚ -゚)「さすがにそんな場へ、全裸で向かう訳には行かなかったんだろう」
(;・∀・)「違いないや」
川д川「どうせなら私たちも連れてってくれれば良かったのに……」
(,,゚Д゚)「アホか。当事者でもねぇ俺らが見舞ってどうすんだっつうの」
川д川「何よぅ、祈る気持ちがあればいいじゃない」
川 ゚ -゚)「それも分からんでもないがな……まぁ、今日だけは彼の気持ちを汲んでやってくれ」
川 ゚ -゚)「彼が今までこの話をしなかったのは、この事件が彼にとってまだ終わってないことの証なんだから」
( ・∀・)「……ハァ。なーんか聞いてるだけで疲れっちまったよ」
( ・∀・)「悪ィけど俺はもう席外すぜ。あんまりクサクサしてると腹ん中腐っちまうわ」バッ
川 ゚ -゚)「あぁ、すまないな。長く引き止め過ぎた。後はゆっくりしてくれ」
*(‘‘)*「もー、モララーは自分勝手ですねー!こんな大変な話聞いたのに何も思わなかったですか!」
川д川「まぁでも、そこまで動じてなさそうなら良かったのかしらね」
(,,゚Д゚)「全くだぜ!ギコハハハ!」
.
-
.
( "ゞ)「それ以来あの人は、毎年9月19日には欠かさず部下と被害者の慰霊に赴いてる」
( "ゞ)「前日まで徹夜して、十五年前の捜査資料とにらめっこしてからね」
( ^ω^)「あ……」
( "ゞ)「分かったかい?僕らは偉大な男と仕事を共にしてるってこと」
( "ゞ)「だから資料の片付けくらい、大目に見てやってくれよ」
( ^ω^)「……はい」
£°ゞ°)「署長、スゴい人だったんだネー……」
( "ゞ)「そんなことはおくびにも出さないから、つい忘れがちだがね」
( "ゞ)「正直、僕がこの日のことを忘れていたのが一番の失態だよ」
( ^ω^)「でも、話してくれなきゃ僕たちも知らなかったことですお」
£°ゞ°)「そうネー!なんだかヤル気がみなぎってきたヨー!」
( "ゞ)「よーし、それじゃこの話はここまでだ!」
( "ゞ)「みんな仕事に戻れ!署長は待ってくれても、ヴィランは待ってくれないからな!」
( ^ω^)「はいですお!」
£°ゞ°)「オーケーヨー!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【再び、クラウン=シティ共同市営墓地……】
从 ー∀从「……フゥー」
( ,,^Д^)「……」
从 ゚∀从「……なぁ、トレジャー」
( ,,^Д^)「何かな、ハイド署長」
从 ゚∀从「オメー、十五年前の今日のこと覚えてっか?」
( ,,^Д^)「忘れようはずがない。あの日負った痛手はあまりに大きく、取り返しのつかない物でしたからな」
从 ゚∀从「そうか、なら良かったぜ」
从 ゚∀从「普段バカばっかやってっから、記憶もアッパラパーになっちまったのかと思ってたぜ」
( ,,^Д^)「それに関しては、私もあなたと気持ちを同じくしているはずだ」
从 ゚∀从「へっ、どーだかな」
从 ゚∀从「オメーさん、またクラウン=シティが壊れっちまうんじゃないかって不安なんじゃねーか?」
( ,,^Д^)「……!!」
从 ゚∀从「お前が周囲の被害を気にして本気出してねーのは、有名な話だからなぁ」
.
-
.
从 ゚∀从「因果な話だぜ。奴を倒せる可能性が一番高いテメーが、奴との接触を一番恐れてるなんてよ」
( ,,^Д^)「しかし、ヒーローとして私が市民を巻き込む訳には……」
从 ゚∀从「それが驕りだっつってんだよ」ガッ
( ,,;^Д^)「ぬっ……!!」
从 ゚∀从「テメー、考えたことあっか?自分に力のないせいで、指咥えて見てるしか出来ねぇ人間のことをよ?」
从 ゚∀从「テメーが尻込みしてる間に、奴はどんどん体勢を整える」
从 ゚∀从「それが終わりゃあ、お前がどう動こうがどのみちこの街はおしまいなんだよ」
从 ゚∀从「だったら後先考えず、奴をぶっ殺す算段くらい考えておきやがれ」
( ,,^Д^)「……すまん。やはり私は甘いのかもしれない」
( ,,^Д^)「私はあなたほど、奴と戦う気構えを備えていなかったようだ」
从 ゚∀从「ケッ……甘いも甘い、大甘チャンだぜ」
从 ゚∀从「こんなんがこの街一番のヒーローじゃ、クラウン=シティのお先も知れてんな」
.
-
.
从 ゚∀从「それを踏まえて、テメーに聞くぜ」
从 ゚∀从「奴の居場所、ヒーローサイドもまだ掴めてねぇんだな?」
( ,,^Д^)「あぁ……執念深い奴が、私との勝負を忘れてこの街を離れるとも考えにくいがね」
从 ゚∀从「そーかい、それなら安心したぜ」
( ,,^Д^)「安心?」
从 ゚∀从「さっきはテメーに奴をぶっ殺せなんて言ったがよ、ファニーフェイスを殺すのはこの俺だ」
从 ゚∀从「どんな手段を取ろうと、悪魔に魂を売ろうとな」
( ,,^Д^)「署長……あなたはやはり、まだ奴を憎んでいるのか」
从 ゚∀从「さぁな。んなもんテメーで考えな」
.
-
.
从 ゚∀从「馴れ合いはここまでだ。こっから先はいつものよーに、お互いのやり方でやりゃあいい」
从 ゚∀从「だが、忘れるなよ。俺の肩には、奴に殺された署員十三人の命も背負ってる」
从 ゚∀从「テメーが腑抜けた真似しやがったら、まずは俺がお前を殺すぜ?」
( ,,^Д^)「私とて、殉死した仲間たちのことは忘れない」
( ,,^Д^)「だが、あなたのように怒りと憎しみに染まることも、出来そうにないな」
从 ゚∀从「ケッ、勝手にしやがれ。どっちが正解だったかは、奴の前に立った時分かるだろーぜ」
从 ゚∀从「じゃーな、変態。頼むからもう素っ裸になって、無駄に逮捕されたりすんなよ?」
( ,,^Д^)「あなたこそ、憎しみに焼かれ呑まれることがないように」
从 ゚∀从「一人で心配してろ、バーカ」
.
-
ぬえぇ……NGワード引っ掛かった
すみませんちょっと何が悪かったのか調べてきます
-
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
川 ゚ -゚)「……」テクテク
ミセ*゚ー゚)リ「あっ。クー博士ー、ちょうど良かった」
川 ゚ -゚)「む、ミセリ。どうした?」
ミセ*゚ー゚)リ「やー、それがちょっと困ったことになっちゃって」
川 ゚ -゚)「なんだ?私で良ければ相談に乗るが」
ミセ*゚ー゚)リ「うちの弟子がモララーに呼ばれたんですけど、なんか凄いことになってて」
.
-
.
(;・∀・)「ハァッ、ハァッ、ハァッ……!!」
(;-_-)「どうしたんですかモララーさん……今日はちょっとトレーニングに身が入り過ぎじゃないです?」
(;・∀・)「なんでもねーよ!最近鈍ってたから火ィ入れただけだ!」
(-_-)「凄いやる気ですね……僕も見習わなきゃ」
(;・∀・)「ヒクソン、次は精神汚染レベル5で頼む」
(;-_-)「えっ……レベル5って、トレジャーさんが膝をついた汚染強度ですよ!?」
(;・∀・)「いいんだよ!やれ!」
(;-_-)「トレーニングで死んでも知りませんからね?」
(;・∀・)「この程度で死ぬんならヒーロー失格だろ?さぁ、やれ!!」
(;-_-)「もー、分かりましたよ。ダメそうだったら途中で止めますからね!」
.
-
.
ミセ*゚ー゚)リ「見えます?なんかモララー、妙に張り切っちゃって」
ミセ*゚ー゚)リ「うちのヒッキーの練習台にもなるからいいっちゃいいんですけどねー」
川 ゚ー゚)「……そうか」
ミセ*゚ー゚)リ「……?どうしたんです、ニコニコして」
川 ゚ー゚)「いいや、彼も彼なりに思うところがあったんだなと」
ミセ*゚ー゚)リ「はぁ……まぁいいんですけど」
川 ゚ -゚)「私もこうしてはおれないな」
川 ゚ -゚)「トレジャーのために、まずは自分に出来ることから始めないと」
ミセ*゚ー゚)リ「……?」
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-
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
『……すみません、署長。つい流れで勝手なことを喋ってしまって』
从 ゚∀从「別に構いやしねーよ。ヴィランに関わってりゃいずれ耳に入ってたろ」
从 ゚∀从「お前も変なとこ堅物で律儀だな、ポールよぉ」
『いえ、私も十五年前のことはずっと気にかかっていたので』
从 ゚∀从「だろうな……それで、ブーナーとロミスはなんか言ってたか?」
『それが、二人とも妙に殊勝になっちゃいましてね』
『ロミスなんか、署長の顔見たら泣くかもしれないって言ってましたよ』
从 ゚∀从「おいおい、止めてくれ。辛気臭ぇツラされたらぶん殴っちまうぞ俺は」
『一応、普段通り接するよう注意はしておきましたがね』
从 ゚∀从「まぁともかく、二人がファニーフェイスの存在を知ったのはデカい」
从 ゚∀从「ジョージの野郎は逃げ腰だし、本気で奴ら鍛えてやんねーとな」
从 ゚∀从「こっからはスパルタでビシバシ行くぜぇ、ポール」
『……はい!』
.
-
第八話終わり
-
【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
重き宿命に翻弄されるナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
ファニーフェイスとの間に浅からぬ因縁を持つ。
.
-
.
川 ゚ -゚) COOGAL ROCKETS
本名:クォッサ=サリエリ
総合科学技術研究所主任。
十五年前の『災害』に遭遇している。
( ・∀・) SUPER SPEED STAR
本名:モララード=マクレガー
(,,゚Д゚) RAPID STITCH
本名:ギコラ=サムスン
川д川 FLOWER COMPANY
本名:サダコ=アヤセガワ
*(‘‘)*
本名:ヘリカ=サワーニャ
各々クー博士の話に思うところがあったようである。
.
-
.
ミセ*゚ー゚)リ IRON MAIDEN
本名:ミシェーラ=ポワソン
(-_-) BORDERLESS
本名:ヒクソン=クロマティ
突然やる気を出したヒーローズに戸惑いを隠せない様子。
.
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.
从 ゚∀从 ハイド=ハートマン署長
復讐に燃える警察署長。
( "ゞ) ポール=デルタニアン
現在最も署長の意思を汲むことの出来る男。
( ^ω^) ブーナー=ナイトホライゾン
£°ゞ°) ロミス=バタリオ
署長の凄さを目の当たりにして身の引き締まる思いがした。
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ファニーフェイス
クラウン=シティ最大のヴィラン。
その消息は未だ不明である……。
.
-
乙
-
乙!みんな死んでほしくないな…
-
シリアスな回だったんだけど、変態トレジャーの語感の良さに笑ってしまった
-
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-
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第八話・裏「ハイド署長と骨博士」
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-
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从 ゚∀从「……」テクテク
Prrr、Prrr……
从 ゚∀从「あん?」
【着信:ジジィ】
从 ゚∀从「あんだぁ?珍しい奴から電話きやがる」
从 ゚∀从「ヘイ?」ピッ
『よぉう、跳ね馬ぁ。元気してっか』
从 ゚∀从「テメーがくたばってねぇのに俺が先に死ぬかっての」
『カッカ!いーい毒だぁ、その調子なら仕事もさぞや順調だろうなぁ?』
从 ゚∀从「ジジィの妄言に付き合ってる暇ぁねーんだよ。用がないなら切るぞ?」
『まぁ待て待て、用ならちゃんとある』
『お前さん、時間があるなら今から俺の家に来ねぇかい?ちょっくら面白ぇもんを手に入れたんでな』
从 ゚∀从「面白ぇもんだぁ?」
『ま、来れば分かる。待ってるぜ跳ね馬』プツッ
从 ゚∀从「あん?……なんだぁあいつ」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
从 ゚∀从「ジジィ、いんのか?勝手に入んぞ」ドンドン
/ ,' 3 「よぅ、跳ね馬。待ってたぜ」ガチャ
从 ゚∀从「おう、耄碌ジジィ。この忙しいハイド様が特別に、オンボロアパートメントまで来てやったぜ」
/ ,' 3 「カカッ、そりゃありがてぇこった。だがどうせ今日は仕事、休んだんだろ?」
从 ゚∀从「……あぁ」
/ ,' 3 「だろうなぁ……お前もまだ昔を吹っ切れてねぇと見える」
/ ,' 3 「いい加減ワイフの一人や二人でももらって、新生活てぇのを始めちゃどうかね?」
从 ゚∀从「勘弁しろよ、ジジィ。まさかその加齢臭漂う口から説教でもタレようってのか?」
/ ,' 3 「口が減らねぇのは変わらんな。まぁ座んな跳ね馬、コーヒー飲むか?」
从 ゚∀从「いらねぇ。お前ビーカーにコーヒー注ぐだろ、ベタ過ぎんだよ」
.
-
.
/ ,' 3 「おらよ。ありがたくいただきな」ドンッ
从 ゚∀从「だから要らねぇっつぅのに……このビーカー消毒してあんだろな?」
/ ,' 3 「心配すんな、加熱殺菌消毒済みだ!」
从 ゚∀从「あーそーかい……」ズズ
从 ゚∀从「……不味っ」
/ ,' 3 「古き良き昔から、米国警察の飲む物は不味いコーヒーと相場が決まっとる」
从 ゚∀从「てめぇの安いドリップを勝手に伝統にしてんじゃねーよ」ズズズ
从 ゚∀从「で?今日は俺に何の用だよ?」
从 ゚∀从「まさか安楽椅子で思い出話に花咲かそうってんじゃないんだろ?」
/ ,' 3 「うむ……ちょっくらお前さんに見せたい物があってな」
.
-
.
/ ,' 3 「おい、トソン。入ってくんな」
(゚、゚トソン「はい」トテトテ
从 ゚∀从「あん?誰だあんた」
/ ,' 3 「紹介しよう。俺の姪っ子のトソン=コーレクだ」
(゚、゚トソン「初めまして、お噂はかねがね伺ってます」
/ ,' 3 「エンバーミングの仕事がしてぇらしくてなぁ、一時的に俺が預かってんだ」
从 ゚∀从「へぇー、あんたに姪がいるなんて聞いてなかったぜ」
/ ,' 3 「そりゃ言ってなかったからな。トソン、例の物をこいつに見せとくれ」
(゚、゚トソン「はい」
.
-
.
(゚、゚トソン「どうぞ、署長さん」コトン
从 ゚∀从「こいつぁ……まさか、人骨か?」
/ ,' 3 「あぁ、どこの骨かは分かるな?」
从 ゚∀从「大きさと形状から、身長170cm代の男性の右大腿骨。亀裂なし染みなし、外傷は見当たらず……ってとこか」
/ ,' 3 「正解だ」
从 ゚∀从「ハッ、そいつぁ良かった。賞金でもくれんのかい?ジジィよぅ」
/ ,' 3 「聞け、ハイド。こりゃただの骨じゃねぇ」
/ ,' 3 「こいつはな、とあるヴィランの骨なんだよ」
从 ゚∀从「……あ?」
.
-
.
从;゚∀从「お前、なんでそんなもん持って……」
/ ,' 3 「出所は聞くな、所詮非合法のもんよ」
/ ,' 3 「お前さんの知らないツテから入手したもんだってことだけ、教えとくぜ」
从 ー∀从「……わーったよ。古いよしみだ、聞かねぇでおいてやる」フゥ
从 ゚∀从「んで?その骨使って俺に何を教えてくれんだい、ジジィ」
/ ,' 3 「あぁ。こいつを見てくれ」パキッ
从;゚∀从「おい!割っちまっていいのかよ?」
/ ,' 3 「大声出すな。隣の部屋に聞こえるだろうが」
/ ,' 3 「心配せんでも、これは断面を見せるために加工してあんだよ」
从 ゚∀从「はぁ?」
/ ,' 3 「その断面から何が見える、ハイド?」
.
-
.
从 ゚∀从「……おいおい、こりゃなんだ?」
从 ゚∀从「ジジィ、まさか俺を担ごうとしてやがるのか?」
/ ,' 3 「そんな暇があるなら、犬の散歩でもしとった方がマシだわ」
从 ゚∀从「じゃあこりゃ何だよ。人の骨がこんな虹色してるわきゃねーだろ」
/ ,' 3 「人の骨は、な。だがこれはヴィランの骨よ」
/ ,' 3 「この骨には骨髄も血管も、およそ人の骨に必要な組織がほとんどない」
/ ,' 3 「その代わりに骨自体の密度と強度が上がり、こんな風に虹色の内部を形成してる」
从 ゚∀从「意味が分かんねぇな。つまりヴィランは宇宙人だってことか?」
/ ,' 3 「少なくとも、人の体を為していないということは言えるだろうな」
从;゚∀从「正気かよ……笑えねぇジョークなら他所でやってくれや」
.
-
.
/ ,' 3 「見てな、ハイド。今から手品をお披露目するぜ」ギュッ
从 ゚∀从「……何してんだ?」
/ ,' 3 「ほらよ」ポィッ
从 ゚∀从「あ……?」
从;゚∀从「……骨が繋がってる?」
/ ,' 3 「折れやすくはなってるが、間違いなく繋がっとるよ」
/ ,' 3 「こうして骨同士くっつけて握るだけで、元の形に戻るんだよ」
从 ゚∀从「んなら断面見るための加工って、切っただけなんじゃねーか……」
/ ,' 3 「カカッ、その通りさね」
/ ,' 3 「だが、どうだい。こいつぁもしや、特殊超常能力者の異常な肉体再生に関係してるたぁ思えねぇか?」
从 ゚∀从「……」
/ ,' 3 「察しのいいお前さんならもう気づいたろ」
/ ,' 3 「普通の人間とヒーロー、ヴィランの違いは『骨』だ。間違いねぇよ」
.
-
.
从 ゚∀从「……そーいや、何となくだが分かるとこはあるぜ」
从 ゚∀从「俺の知り合いが、『ヴィランには内部に浸透する攻撃が有効』つっててな」
/ ,' 3 「ほう?そいつぁ俺の論の裏付けにもなりそうだな」
从 ゚∀从「あぁ。体組織でなく、その奥の骨にまで打撃を通せばヴィランは弱る……って意味なのかもな」
/ ,' 3 「クック……いいねぇ、俺も検死やってた頃を思い出すぜ」
/ ,' 3 「点と点が繋がって線になる、この瞬間がたまんねぇのよな」
从 ゚∀从「セーヘキ出してんじゃねーよ、ジジィ。大人しく隠居してろ」
/ ,' 3 「カカッ。まだまだ枯れるにゃ早いわ」
从 ゚∀从「……ところで、ジジィよ」
/ ,' 3 「うん?」
.
-
.
从 ゚∀从「今の会話、あんたんとこの姪っ子に全部聞かれてるがいいのか?」
从 ゚∀从「全体的に聞かれちゃマズい話じゃねぇか?」
(゚、゚トソン
/ ,' 3 「あぁ、構わん……どころか、骨の違いについて最初に気づいたのはこのトソンよ」
从 ゚∀从「あぁ?マジかよ?」
(゚、゚トソン「恐縮です」
/ ,' 3 「最初にトソンが気づいたのは骨密度の違いだったな?」
(゚、゚トソン「はい。骨を誤って取り落としてしまった時に、落ちた音色が金属のような高い音色だったんです」
(゚、゚トソン「だから、内部まで調べてみるべきだと叔父さんに提案しまして」
从 ゚∀从「ふーん……エンバーマーつうより解剖学者みてぇな発想だな」
(゚、゚トソン「いえ、そんな」
/ ,' 3 「ともかく、この発見はただの人間にとっちゃデカい発見だと俺は踏んでる」
/ ,' 3 「今後研究が進めば、警察がヴィランを圧倒する日も遠くねぇかもな?」
.
-
.
/ ,' 3 「だからよ、ハイド。この骨は一旦お前に託してぇ」
从;゚∀从「はぁ!?こんなもん持ってんのバレたら俺が怪しまれんだろ!!」
/ ,' 3 「バレねぇように細工するくらい簡単に出来るだろ?」
/ ,' 3 「お前ならこいつについて、もっと穿った見方が出来るかもしれねぇと思ってな」
从;゚∀从「ったく……とんだ大事に巻き込まれちまったぜ。やっぱ呼び出しなんざ無視すりゃ良かった」
/ ,' 3 「どっちにしろこいつぁ、現役の警官であるお前が持ってた方が益になる」
/ ,' 3 「この程度の厄介事なら慣れっこだろ?跳ね馬ハイドさんよ?」
从 ゚∀从「……わーったよ。それならこいつぁ、一旦俺が預かっておくぜ」
从 ゚∀从「それで何が分かるかは、神のみぞ知るって奴だがな」
/ ,' 3 「カカッ。何なら気付けにコーヒーもう一杯やろうか?」
从 ゚∀从「それはいらん」
.
-
.
/ ,' 3 『何か分かったら、俺にも連絡してくれ』
/ ,' 3 『それさえ守ってくれりゃ、そいつぁもうお前のもんだ。好きに扱ってくれて構わねぇよ』
从 ゚∀从「……っつわれてもなぁ」
从 ゚∀从「骨なんざ眺めたとこで、何が分かる訳でもなし」
从 ゚∀从「アーサーんとこ持ってって調べさせるかねぇ……」
从 ゚∀从(……にしても、だ)
从 ゚∀从(あのジジィ、ヴィランの骨なんざどっから仕入れてきたんだ?)
.
-
.
从 ゚∀从(骨だけでヴィランか普通の人間か判断するのは不可能……)
从 ゚∀从(なのにジジィは、これはヴィランの骨だと断定していた)
从 ゚∀从(あの姪っ子が音の違いに気づく前から、ヴィランの骨だと知っていたのか?)
从 ゚∀从(……ヒーローの骨だとは一切思わずに?)
从 ゚∀从(恐らく、骨の組成はヒーローもヴィランも大差ねぇ。なのにジジィはこれをヴィランの骨だと言う)
从 ゚∀从(てことは、これはある程度名の知れたヴィランの死体から骨を削いだもの……?)
从 ゚∀从(……なんてな)
从 ゚∀从(さすがに考えすぎか)
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(゚、゚トソン「……」
(゚、゚トソン「跳ね馬ハイド署長さん」
(゚、゚トソン「どうか上手に、私の手のひらで踊ってくださいな」
(゚、゚トソン「ね、叔父様?」
/ ,' 3 「あぁ……そうだなぁ、トソン……俺の、大事な……トソン………トソン…………」
(゚、゚トソン「んふ、んふふ」
( 、 トソン「うふふふふ……」
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第八話裏・終わり
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【登場人物紹介】
从 ゚∀从 ハイド=ハートマン署長
対ヴィランにおける「何か」に近づきつつある男。
現時点ではそれが良い物か悪い物かの判断はつかない。
/ ,' 3 アルバート=マクマホン
元検死官。現在は定年して独り暮らし。
ハイド署長の古い仲間である。
(゚、゚トソン トソン=コーレク
アルバートの姪っ子(?)。エンバーマー志望らしい。
その本意は謎に包まれている。
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乙…と言いたいとこだがidが気になって仕方ない
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乙
謎は深まる……そしてIDのセッ
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idに全部持って行かれた
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4回か
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めちゃくちゃ面白いけどIDが4回戦
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せっかく今回全裸じゃないのに……
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直近の本編の雰囲気とまるで乖離してるのがまた
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(,,゚-゚)
やぁ、みんな元気?
クラウン=シティの名物カメラマン、ギャシャール=ホプキンスだよ。
最近ようやく写真が売れるようになったから、たまには洒落たカフェでもって思ったんだ。
もちろん、スクープの種が落ちてればいいなーっていう下心はあったんだけどね。
o川*゚ー゚)o「我々はトムガール窃盗団!!」
lw´‐ _‐ノv「客は全員、金目の物をテーブルに置いて伏せな!!」
川*` ゥ´)「逆らうと鉛玉を食らわすよォ!!ピャーッピャッピャッ!!」
(,,゚-゚)「……」
いきなり強盗団と遭遇するなんてハプニングは、いらなかったなぁ……。
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【事の起こりは一時間前……】
(,,゚-゚)「〜♪」
(,,゚-゚)「今日はおっ金の振り込み日〜♪ちょっとゼイタクしちゃおかな〜♪」
(,,゚-゚)「あ〜こんな生活ちょっと前なら絶対考えられなかったよぉ〜」
(,,゚-゚)「クラウン=シティに来てから大分生活の向きも良くなって来たしー」
(,,゚-゚)「カメラのレンズも新しいのが買える!座椅子もギッシギシのボロ使わなくていい!」
(,,゚-゚)「ああ〜〜〜幸せ〜〜〜♪」
(,,゚-゚)「このままどっかがカメラマンとして雇ってくれれば、もっと幸せなんだけどなー」
(,,゚-゚)「……あ、そうだ」
(,,゚-゚)「いつもマクドナルドばっかじゃ代わり映えしないし」
(,,゚-゚)「たまには街行くオシャレ人の真似して、カフェにでも入ってみようかな」
(,,゚-゚)「〜♪」テクテク
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(,,゚-゚) テクテク
(,,゚-゚)「……あれ?」
( ,,^Д^) デデェーン!!
(,,゚-゚)「あれって……ビッグトレジャーさん?今日はちゃんとパンツ履いてるんだ」
(,,;゚-゚)「……あんなとこで、一体何してるんだろ?正直場違い感がスゴいけど」
(´・_ゝ・`)「皆さーん、今日はプライベートなんでミスタートレジャーの写真は撮らないでくださいねー」
(´・_ゝ・`)「SNSで拡散したらアカウント凍結されますよー」
(,,゚-゚)「あ、デミタスさんだ」
(,,゚-゚)「デミタスさーん」
.
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(´・_ゝ・`)「おや……きみはギャシャール君、だったかな?」
(,,゚-゚)「そうです、お久しぶりです!」
( ,,^Д^)「ム?デミタス、そちらの方は?」
(´・_ゝ・`)「こちら、さる件で知り合ったカメラマンの、ギャシャール=ホプキンス君です」
(,,゚-゚)「こんにちはー」
( ,,^Д^)「ムハハハ!!初めましてギャシャール君!!」
(,,゚-゚)「いえ、実は初めましてでもなかったりして……」
(´・_ゝ・`)「確かワコード=アイノーを捕らえた時に、現場に居たんだったかな?」
(´・_ゝ・`)「後々君の撮った写真がスクープになってたから、よく覚えてるよ」
(,,゚-゚)「ハイ!その時に遠巻きですけど、お顔は拝見してます」
( ,,^Д^)「おぉ、なんと!!」
(,,゚-゚)「その節は大変なスクープを撮らせていただいて、ありがとうございました!」
( ,,^Д^)「何をおっしゃる!!それは私の力ではなく、あなたが日々積んだ研鑽の賜物でしょう!!」
(,,*゚-゚)「そ、そうですかね……エヘヘ」
.
-
.
(,,゚-゚)「ところで、これから何かあるんですか?」
(,,゚-゚)「なんかすんごい野次馬が群がってますけど……」
(´・_ゝ・`)「あれ。君もサー・トレジャーの写真が目的で来たんじゃないのかい?」
(,,゚-゚)「いえ。新聞社から写真代が入ったんで、たまにはカフェでお茶でもって……」
( ,,^Д^)「それはすまない!!これから少し騒がしくなるかも知れないが、許してくれたまえ!!」
(,,゚-゚)「はぁ……トレジャーさん、ヒーローショーでもやるんですか?」
(´・_ゝ・`)「いや、サー・トレジャーはこれからデートなんだ」
(,,゚-゚)「ふーん、デートですか……」
(,,;゚-゚)「……デートぉ!!?」
.
-
.
(,,;゚-゚)「えっちょっと待ってトレジャーさんって恋人いらっしゃるんですか!?」
(´・_ゝ・`)「いるねぇ」
(,,;゚-゚)「えぇ〜……そ、そうなんだ……」
( ,,^Д^)「ヒーロー活動は忙しいからな!!フリーと思われても仕方あるまい!!」
(,,;゚-゚)「いえそういう疑問じゃなくもっと根本的な……」
(´ー_ゝー`)「君の言いたいことは分かるよ、ギャシャール君」ポン
(,,;゚-゚)「は、はい?」
(´・_ゝ・`)「僕から言えることは、裸でもモテる男はモテるということだけだ」ボソッ
(,,;゚-゚)「うわぁ……的確な回答ありがとうございます」
.
-
.
(,,゚-゚)「じゃあこの人だかり、みんなトレジャーさんのデートが目的なんです?」
(´・_ゝ・`)「いや、多分みんな面白半分で集まってきてるだけだろうね」
(´ー_ゝー`)「なにせサー・トレジャーは、そこにいるだけで否が応でも目立ってしまうから」
( ,,^Д^) ←身長250cm
(,,;゚-゚)「あぁ……なるほど」
(´・_ゝ・`)「せっかくのデートで申し訳ないと思うが、人避けの垣根くらいにはならないとね」
( ,,^Д^)「すまないな、デミタス!!迷惑をかける!!」
(´・_ゝ・`)「いえいえ。自分から名乗り出たことですから」
(,,゚-゚)「お忍びデートで忍べないっていうのも大変ですねぇ……」
.
-
.
(,,゚-゚)「それならデートの邪魔しても悪いし、ボク別の席に移りますね?」
( ,,^Д^)「そうかね?どうせなら相席してもっと話をしたいが……」
(,,゚-゚)「そんなこと言ったら、彼女さんに怒られちゃいますよー」
ざわっ……
(,,゚-゚)「……ん?なんかあっちの方でざわめきが」
以`゚益゚以 デデェーン!!!
(,,;゚-゚)「ぎゃあぁぁぁ!!!」
( ,,^Д^)「おぉ!!クー、こっちだ!!」
以`゚益゚以『大丈夫、君の姿は10メートル先からでも見える』
(´・_ゝ・`)「また奇抜な格好を……」
.
-
.
以`゚益゚以『待ち合わせ時間にはまだ早かったが、待たせてしまったかな?』
( ,,^Д^)「なんのなんの!!ヒーローたるもの時間前行動は当たり前!!気にすることはない!!」
(´・_ゝ・`)「その台詞、モララーやギコにも聞かせたいですね。うちの男衆はとかくルーズだから」
(,,;゚-゚)「いやあの……平然と話してるけど何なんですか、その厳ついマスク?」
以`゚益゚以『これか?これはイトーイマスクという、高性能生活防護マスクだ』
以`゚益゚以『顔バレはさすがに不味いかと思って着けてきたが、この人だかりを見るに正解だったようだな』
(,,;゚-゚)「デートに関しては確実に不正解だと思うな……」
以`゚益゚以『ところで、君は誰だ?』
(,,゚-゚)「あ、えと。初めまして、ボクはデミタスさんの知り合いで……」
(´・_ゝ・`)「ギャシャール=ホプキンス君。今回たまたまここへ居合わせてね」
以`゚益゚以『なるほど、デミタスの顔見知りか』
以`゚益゚以『私はクォッサ=サリエリ、今後ともお見知りおきを』
(,,;゚-゚)(クラウンシティに移住してから変な知り合いばっか増える……)
.
-
.
*(‘‘)*「トレパパー!!」テトテト
▼・ェ・▼「アンッ!アンッ!」
( ,,^Д^)「ヘリカル!!待っていたぞ!!」
(,,゚-゚)「わ、今度はなんか可愛い娘が寄ってきた」
*(‘‘)*「ごめんですー、お洋服何着ていくか迷っちゃって……」
*(;‘‘)*「って、クー博士!!?」
以`゚益゚以『ん?なんだ?』
*(;‘‘)*「なんでマスク着けて来ちゃったですか!?せっかくのデートなのに!!」
(´・_ゝ・`)「理解に苦しむが、マスコミ避けらしいよ?」
*(‘‘)*「もー、そんなの着けてたら盛り下がること甚だしいです!早く取って下さい!」
以`゚益゚以『そうは言ってもだな……』
(,,;゚-゚)「……トレジャーさんの娘さんかな?」
.
-
.
*(‘‘)*「そういう時はヘリみたいに、こんなプレートを首から下げとくといいですよ」
『スラムに住む子供たちに愛の手を。◯◯基金』
*(‘‘)*「写真撮られそうになったら、これを顔の近くに掲げるです」
*(‘‘)*「そしたら写真と一緒に、基金の宣伝にもなるですよ!」
以`゚益゚以『なるほど、顔を撮らせる代わりに人々に善意を伝えると。その方が隠すよりもいいな』
(※実際にハリウッドスター等が使用している手段である)
(,,゚-゚)「わぁ、凄い。あの子パパラッチの習性よく分かってるなぁ」
(,,゚-゚)「賢い子ですねぇ!さすがトレジャーさんの娘さん!」
( ,,^Д^)「ム?あの子は私の娘などではないぞ?」
(,,゚-゚)「あれ?そうなんですか?」
( ,,^Д^)「ウム!!あの娘は私の恋人だ!!」
(,,゚-゚)「……ん?」
.
-
.
*(‘‘)*「そう言うと思って、クー博士の分のプレートも持ってきたですよー」
川 ゚ -゚)「おお、すまない。気が利くな」
*(‘‘)*「やっぱり博士はマスク取った方がかわいいですよー」
川 ゚ -゚)「ふふ……ありがとう。ヘリは誉め上手だな」
(,,゚-゚)「……あっちの小さい子が、トレジャーさんの恋人?」
(,,゚-゚)「じゃあ、クォッサさんは?」
( ,,^Д^)「彼女も私の恋人だ!!」
(,,;゚-゚)「二人とも!?」
( ,,^Д^)「その通り!!!」
(,,;゚-゚)「ふ、不潔!!」
( ,,;^Д^)「何故!?」
(,,;゚-゚)「だってそんなの公然と浮気してるようなものじゃないですかー!!」
(,,;゚-゚)「トレジャーさんがそんな人だとは思わなかったですよ!!」
( ,,;^Д^)「そ、それは違うぞ!!」
(,,゚-゚)「違いません!!トレジャーさんのスケベ!!」
( ,,;^Д^)「むむぅ……」
.
-
.
川 ゚ -゚)「何か誤解をしているようだが……ギャシャール君、我々も彼の複数愛には納得ずくだぞ?」
(,,゚-゚)「えっ?」
*(‘‘)*「誰ですかこの人?」
(´・_ゝ・`)「僕の知り合いの……って説明するのもいい加減面倒になってきたな」
川 ゚ -゚)「皆、トレジャーの懐の深さに引かれて自分からアピールしたんだ。彼に悪い所なぞない」
(,,゚-゚)「えぇー……でもそれって、単なるいい顔しぃの八方美人なだけじゃないですか?」
*(‘‘)*「誰か知らないけど、トレパパのこと悪く言うのはよすです!!」
*(‘‘)*「ヘリたちは健全なお付き合いしかしてないですよ!文句言われる筋合いはないです!」
(,,;゚-゚)「う、うーん……なんか腑に落ちない……」
(´・_ゝ・`)「まぁ何というか、この件に関しては看過しておいてくれないか」
(´・_ゝ・`)「別にサー・トレジャーが色欲異常者ってことじゃあないから」
( ,,^Д^)「ウム!!私は皆、平等に愛しているぞ!!」
(,,;゚-゚)「な、納得いかねぇ〜〜……」
.
-
.
(,,;゚-゚)「それにしても恋人が二人もいるなんて、ボクには信じられないなぁ……」
川 ゚ -゚)「ハハ、二人か。そうだといいんだがな」
(,,゚-゚)「えっ?」
*(‘‘)*「聞いて驚くです。トレパパには全部で五人の恋人がいるですよー?」
(,,;゚-゚)「ふえぇぇぇ!?」
(´・_ゝ・`)「確かに二人とも恋人と言っただけで、二人しか恋人がいないとは言ってないね」
( ,,^Д^)「残念ながら今日は予定が合わず、三人しか来れなかったがね!!!」
(,,;゚-゚)「えぇ……じゃあ女の子がもう一人ここへ来るんだ……やらしい……」
( ,,^Д^)「いや、もう全員揃っているぞ!!!」
(,,゚-゚)「え?どこに?」
(´・_ゝ・`)「ほら、そこ」
.
-
.
(,,゚-゚)「そこって……」
▼・ェ・▼
(,,゚-゚)「……かわいいわんこしかいませんけど」
( ,,^Д^)「彼女も私の恋人だ!!!」
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)「ズーフィリアはボクもさすがにダメだと思いますよ……?」
( ,,;^Д^)「ち、違うそうじゃない!!!」
(´・_ゝ・`)「ペットに遺産を分ける富豪とかいるだろう?その類型だよ」
( ,,^Д^)「いや、私は本気で彼女を愛して……」
(´・_ゝ・`)「話がこじれるんでそういうことにしておいて下さい」
(´・_ゝ・`)「あなたの愛情を誰もが理解できる訳じゃないんですから」
( ,,;^Д^)「ムググ……」
(,,;゚-゚)「ていうか、クーさんたちは犬と同等でいいんですか?」
川 ゚ -゚)「別に構わんが」
*(‘‘)*「ドロチーは人間並みに頭いいですからねぇ。多分人の話してることも理解してるですよ?」
*(‘‘)*「ねー?」
▼・ェ・▼「アンアンッ!!」
(,,;゚-゚)「あぁ……問題の定義が違いすぎて頭おかしくなりそう……」
.
-
.
( ,,^Д^)「私にとっては皆大事な人だ!!!そこに差などありはしないのだよ!!!」
(,,;゚-゚)「は、はぁ……まぁ好きにしてくれていいんですけど」
(,,゚-゚)「このままだと洗脳されちゃいそうな気がするから向こう行きますね……」
( ,,^Д^)「そうか!!ならばまたどこかで!!」
パリィンッ!!
(,,;゚-゚)「!?」
( ,,^Д^)「ムッ!!」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
*(‘‘)*「何の音ですか?」
ブシュウゥゥゥゥゥゥ……
(;´・_ゝ・`)「これは……催涙ガスか!?」
(;´・_ゝ・`)「みんな、目と口を覆え!!急げ!!」
.
-
.
<キャアアアアア!!
<逃げろー!!
(,,;゚-゚)「ゴホッ……ゲホ……なんなのこれぇ……」
シャシャシャッ!!
(,,゚-゚)「……うん?今、何か……?」
▼#・ェ・▼「ガルルルル……」
▼#・ェ・▼「アンッ!アンアンッ!」
*(;‘‘)*「ドルチェ!静かにするです!」
以`゚益゚以『おかしいな……ドルチェは公共の場では、めったに吠えないんだが』
(,,;゚-゚)「てゆーかいつの間にマスクを!?」
.
-
.
タタタタタァンッ!!!
(,,;゚-゚)「ギャッ……何、何!?」
o川*゚ー゚)o「全員、動くなー!!」
lw´‐ _‐ノv「この場は我々が占拠した!!」
川*` ゥ´)「命が惜しかったら、大人しく従うんだよ!!」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー、あれは……!」
( ,,^Д^)「武装強盗か!!!」
o川*゚ー゚)o「我々はトムガール窃盗団!!」
lw´‐ _‐ノv「客は全員、金目の物をテーブルに置いて伏せな!!」
川*` ゥ´)「逆らうと鉛玉を食らわすよォ!!ピャーッピャッピャッ!!」
.
-
.
(,,;゚-゚)「ひえぇ……武装強盗!?」
o川*゚ー゚)o「オラー!!さっさとしろー!!」
(,,;゚-゚)「怖っ!!」
lw´‐ _‐ノv「小僧!その首にかけてるカメラもだ!」
(,,;゚-゚)「名指し!?」
川*` ゥ´)「逆らったら命はないよ!!」
(,,;゚-゚)「うへえぇ……これボクの唯一の財産なのに……」コトン
*(‘‘)*「へぇー、女の子だけの強盗って珍しいですねぇー」
以`゚益゚以『あぁ。どういう経緯で生まれたのか、是非とも背後関係を洗ってみたいな』
(,,;゚-゚)「ちょっと二人とも落ち着きすぎじゃないです!?」
*(‘‘)*「心配しなくても事件はすぐに収まるですよ」
以`゚益゚以『そうだな。何と言ってもこの場には……』
.
-
.
( ,,^Д^) ザッ…
(´・_ゝ・`) ザッ…
以`゚益゚以『最強と名高い、二人のヒーローがいるんだからな』
.
-
.
o川;゚ー゚)o「お、お前は……ビッグ・トレジャー!?」
lw;´‐ _‐ノv「なんでこんなところに!!」
川;` ゥ´)「来るの早すぎるだろ!!」
( ,,^Д^)「ムハハハ……運が悪かったな強盗よ!!!」
( ,,^Д^)「悪いがこの後デートなものでね!!!すぐに片付けさせてもらおう!!!」
(´・_ゝ・`)「おっと、下手に発砲しない方がいいぞ?」
(´・_ゝ・`)「もしも弾が客に当たったら、君たちが痛い思いをすることになる」
lw;´‐ _‐ノv「どうする、キュート?」
o川;゚ー゚)o「取り乱すな!我々にはボスがついてる!」
川;` ゥ´)「そうだな……おいトレジャー!やるならやれ!」
.
-
.
( ,,^Д^)「では行かせてもらおう!!!デミタス、フォローを!!!」
(´・_ゝ・`)「オールライト、サー」
( ,,#^Д^)「ハァァッ!!!」ビリビリビリィッ
(,,;゚-゚)「パンツ破れた!!!」
*(‘‘)*「トレパパのパワーに着てるものが耐えらんないんですよ」
以`゚益゚以『これからデートなのになぁ……途中どこかで新しい下着を買っていくか』
o川;゚ー゚)o「くっ……クソォッ!!」
タタタタタァンッ
( ,,#^Д^)「フゥンッ!!!」バツゥンッ!!
lw;´‐ _‐ノv「弾丸を弾いた!!」
川;` ゥ´)「この筋肉モンスターめ!!」
( ,,#^Д^)「もらったァッ!!!」ドドンッ
o川;゚ー゚)o「ひっ……」
lw;´‐ _‐ノv「キュート!!」
川;` ゥ´)「危ない!!」
.
-
.
『下着乱舞(パンティ・ランブル)!!!』
.
-
.
( ,,;^Д^)「ヌォッ!?」
( ,,;^Д^)「こ、この技は……!!」
( ^ν^)「ククク……久しぶりだな、トレジャー」バァァァァァン!!!
( ,,;^Д^)「パンティ・スナッチャー!!」
o川*゚ー゚)o「ボスー!!」
lw´‐ _‐ノv「どこ行ってたんですか、ボス!!」
( ^ν^)「ちょっとトイレでナニしてたところだ……」
川*` ゥ´)「ピャピャピャ!!ボスが来たからには、百人力だよー!!」
(,,;゚-゚)「な、なんですかあの第二の変態!!」
(´・_ゝ・`)「パンティ・スナッチャー……夜な夜な女性の下着を強奪する、クラウンシティ史上最低なヴィランだ」
*(;‘‘)*「わぁ……パンツが宙に浮いてるです」
以`゚益゚以『変態もここまで来ると壮観だな』
.
-
.
(´・_ゝ・`)「だがまさか、お前が武装強盗団の頭をやっていたとはな……」
( ^ν^)「勘違いするなよ、ヒーロー?俺にとって強盗なんてのはただの暇潰しだ」
( ^ν^)「俺はパンティ・スナッチャー。三度の飯よりパンティを選ぶ」
( ^ν^)「パンティさえあれば生きていける男なのさ」
o川*゚ー゚)o「ヒュー!カッコいい!」
lw*´‐ _‐ノv「惚れるゥー!」
川*` ゥ´)「抱いてー!」
(,,゚-゚)「頭おかしいのかなあの人たち」
*(‘‘)*「否定はできないです」
以`゚益゚以『人生楽しそうだな』
.
-
.
( ,,^Д^)「パンティ・スナッチャー……卑劣な輩よ!!!」
( ,,^Д^)「前回は取り逃がしたが、強盗を犯した今回は逃さんぞ!!!」
( ^ν^)「そりゃあどうも!!パンティ・スナッチャー妙技、下着縛(パンティ・バックル)!!!」
ギュウゥゥゥゥゥッ!!
( ,,^Д^)「ムゥッ!!!早い!!!」
( ,,#^Д^)「だがッ!!!私をこの程度の拘束技で止められると思うな!!!」ビキッ…
( ^ν^)「待ちなトレジャー!!」
( ^ν^)「貴様を拘束しているそのパンティは、この店に来店した客から盗んだ物だ!」
( ^ν^)「下手に破けば、そいつらが全員ノーパンで帰るハメになるぜぇ?」
( ,,;^Д^)「なっ……なんだとォッ!?」
(,,;゚-゚)「え……ま、まさか?」ゴソゴソ
(,,;゚-゚)「ギャアァァ!!いつの間にか履いてるパンツ盗まれてる!!」
*(;‘‘)*「ヘリもです!!」
以`゚益゚以『おや、私も』
.
-
.
*(;‘‘)*「あ!もしかしてさっきドルチェが吠えてたのって……」
以`゚益゚以『パンティ・スナッチャーの気配を感じ取っていたのかもな』
▼・ェ・▼「アンアンッ!!」
( ,,;^Д^)「くぅっ……まさかこんな形で私の力が無力化されるとは!!!」
(´・_ゝ・`)「やれやれ、厄介な変態技だ……サー・トレジャー、後はお任せを」
(´・_ゝ・`)「パンティ・スナッチャー、僕が相手になろう。かかってこい!」
( ^ν^)「お前の相手はこいつだ!!下着人間(パンティ・ヒューマン)!!」
ギュォォッ!!
(;´・_ゝ・`)「何ッ!?」
o川*゚ー゚)o「出た!!ボスの必殺技!!」
lw´‐ _‐ノv「パンティ・ヒューマンから逃れられた敵はいない!!」
川*` ゥ´)「終わりだよヒーローども!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「なるほどね、下着で出来た動く人形みたいなものか……」
( ^ν^)「どうだい二番手?トレジャーを縛るのに枚数使っちまったが、それが逆に厄介だろ?」
(´・_ゝ・`)(確かにここまで薄っぺらだと、ナイフも拳銃も効果はなさそうだな…)
(´・_ゝ・`)(だが逆に、人形自体の攻撃力もほぼ皆無と見た)
(´・_ゝ・`)「なら、強行突破と行かせてもらおうか!!」バッ
( ^ν^)「甘い!!下着圧着(パンティ・チャック)!!」
(;´ _ゝ `)「ぐわぁ!?」ビタァッ
( ^ν^)「どうだぁ?パンティに窒息させられるなんて男の本望だろ?」
(;´・_ゝ・`)「クッ……」ビリィッ
( ^ν^)「パンティヒューマンに使われたパンティは、全てお前を窒息させるために動く」
( ^ν^)「それをかわして俺を捕まえられるってんならやってみな!」
(;´・_ゝ・`)「クソッ……!なんでパンティなんかに苦戦を強いられなきゃならないんだ!」
.
-
.
( ^ν^)「お前ら、ぼさっとすんな!ポンコツヒーローが手間取ってる間にとっととずらかるぞ!」
o川*゚ー゚)o「ヘイ!ボス!」
lw´‐ _‐ノv「金目の物はもう集めときましたぜ!」
川*` ゥ´)「ピャーピャピャ!あばよマヌケども!」
( ,,;^Д^)「待てェイ!!!悪漢どもォ!!!」
(;´・_ゝ・`)「クッ、下着に邪魔されて追いきれん!」
(,,;゚-゚)「あぁ〜〜……私のカメラ〜〜……」
*(#‘‘)*「もー、警察は何してるですか!!遅すぎです!!」
以`゚益゚以『ふむ……さすがにここまで来ては捨ておけんか。私も行こう』
ヒュボッ…
o川*゚ー゚)o「え」
以`゚益゚以『やぁ、ごきげんようレディ』
.
-
.
説明しよう!!クーの足は義足であり、その内部には最新鋭のロケットブースターが仕込まれている!!
以`゚益゚以『我らがヒーローの邪魔はすまいと思っていたが、やれることはやっておかんとな』
o川;゚ー゚)o「うわあぁ!?なんだこいつ!?」
以`゚益゚以『ひとまず荷物は返してもらおうか』パシッ
lw;´‐ _‐ノv「あ!返せこの!」
以`゚益゚以『返せとは異なことを、これは元々人の物だろう?』
川*` ゥ´)「強盗に正論で返してんじゃねー!!」ブンッ
以`゚益゚以『そう易々と捕まりはしない』ヒラリ
( ,,^Д^)「クー!あまり無理はするな!」
*(;‘‘)*「トレパパはもっと頑張ってください!今すっごくカッコ悪いですよ!」
( ,,;^Д^)「いやしかし、なまじ力をこめると皆のパンティが……」
*(;‘‘)*「あーもう!ヘリがほどいてあげるですよ!こっち来てください!」
( ,,;^Д^)「す、すまん」モゾモゾ
.
-
.
*(#‘‘)*「むぎぎぎ……」グィグィ
*(;‘‘)*「ダメです、取れないですぅ……」
( ,,;^Д^)「何か特殊な力で捕縛されているのか……!!」
*(;‘‘)*「パンティに負けるヒーローなんて嫌です!パンティ破いてくださいよぅ!」
( ,,;^Д^)「む、むぅ……」
▼・ェ・▼ ピョコッ
*(‘‘)*「あ!ドルチェ!どこ行ってたですか?」
▼・ェ・▼「ワフワフ」
▼・ェ・▼「アウンアウン」ゴロゴロ
*(;‘‘)*「……何してるですかドルチェ。和んでる場合じゃないですよ」
.
-
.
▼・ェ・▼「ワフン」ツンツン
( ,,;^Д^)「な、なんだドルチェ!!」
▼・ェ・▼「ワウ」ゴロゴロ
( ,,;^Д^)「……?」
▼#・ェ・▼「ガウッ!!」
( ,,^Д^)「……!!」ハッ
( ,,^Д^)「そうか!!つまり私に転がれと!?」
▼・ェ・▼「ワウ」
( ,,^Д^)「なるほど……確かに転がりつつ移動すればパンティは傷つかない!!」
*(;‘‘)*「えぇ……」
( ,,^Д^)「ありがとうドルチェ!!早速やってみよう!!」
.
-
.
o川#゚ー゚)o「えぇい、ちょこまかと鬱陶しい奴め!!」タタタタタッ
lw#´‐ _‐ノv「いい加減くたばれぇ!!」ドパァンッ
以`゚益゚以『ハハハ、のろいのろい』スーイ
( ^ν^)(チッ、あっちも変なのが出て来て苦戦してやがる)
( ^ν^)(加勢してぇがパンティはもうねぇ……それに、使ったパンティも回収しねぇと)
……ウォォォォォォォォォォ!!!!
( ^ν^)「……ん?」
( ,,#^Д^)「マッスル・ローーーーーーーーーーリングッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
ゴロロロロロロロロロロロロロ!!!!!!!!!!!!!
(;^ν^)「はっ!?」
( ,,#^Д^)「食らえィ!!!!」ドォンッ
(;^ν^)「ぐわっ!!」グラァッ
( ,,#^Д^)「今だ!!!マッスル・ボディプレス!!!!」ドシーンッ
(;^ν^)「ぬぎゃー!!!」
.
-
.
o川;゚ー゚)o「あぁっ、ボス!!」
lw;´‐ _‐ノv「ボスがやられた!!」
川;` ゥ´)「みんな、ボスを助けにいくよ!!」
以`゚益゚以『させん!!』グワッ
o川;゚ー゚)o「こいつは私が止める!あんたらはボスを助けて!」
lw´‐ _‐ノv「オーケー!」タッ
川*` ゥ´)「任せな!」タッ
(´・_ゝ・`)「ハッ!!」ドンッ
川;` ゥ´)「ぐぅっ!?」ゲホッ
lw;´‐ _‐ノv「お、お前は!?」
o川;゚ー゚)o「パンティヒューマンを倒したのか!?」
(´・_ゝ・`)「相手が布なら長物で押さえて絡め取ればいい」
(´・_ゝ・`)「こんな簡単なことにすぐ気づかなかった僕は、とんだマヌケだな」
.
-
.
ファンファンファンファン……
(´・_ゝ・`)「どうやら警察も来たようだね」
(´・_ゝ・`)「ここらで観念したらどうだい?パンティ・スナッチャー」
(;^ν^)「くっ……まだだ!」ジタバタ
( ,,^Д^)「悪あがきはよすんだ!!無駄に罪を重ねるんじゃぁない!!」
(;^ν^)「くっそぉ……」
o川;゚ー゚)o「チクショウ!このままじゃボスが捕まっちまう!」
川;` ゥ´)「やいそこのブス!!道を開けろ!!」
以`゚益゚以『お断りだね。君たちこそ、大人しくお縄につくといい』
lw;´‐ _‐ノv(何か……何か起死回生の手段はないか……!?)
lw´‐ _‐ノv(……!)ハッ
(,,゚-゚)「あぁ〜良かったぁ、カメラちゃんと返って来そう」
lw´‐ _‐ノv「……」ダダッ
(,,゚-゚)「えっ?」
.
-
.
lw´‐ _‐ノv「ヒーローども、こっちを見ろ!!」ガシィッ
(,,;゚-゚)「ひぇっ!?」
lw´‐ _‐ノv「こいつの脳天に穴を空けられたくなけりゃ、道を開けて引き下がるんだ!」
o川*゚ー゚)o「そうか!!まだ人質って手があったか!!」
(;^ν^)「おぉ!!ナイスファインプレーだシュー!!」
川*` ゥ´)「これで形勢逆転だよぉ!!」
(,,;゚-゚)「待ってー!!ボク人質なんて初めてだから!!慣れてないから!!」
lw´‐ _‐ノv「やかましい!誰でも初めては痛いもんなんだよ!」
o川*゚ー゚)o「すぐに慣れてよくなるから黙っておきな!」
(,,;゚-゚)「なんの話してるの!?」
.
-
.
( ,,#^Д^)「おのれ!!!無関係な市民を盾にするとは卑怯なり!!!」
lw´‐ _‐ノv「聞く耳ないね!!さぁトレジャー、ボスを放せ!!」
( ,,#^Д^)「むむぅ……!!」ゴロゴロゴロ
(;^ν^)「お、おぉ……さすがお前ら俺の認めた部下だぜ」タタッ
o川*゚ー゚)o「ついでに盗んだ物も返してもらおうか?」
以`゚益゚以『チッ……背に腹は代えられんな。持ってけ』ドサッ
川*` ゥ´)「よーし、そのまま私らが出るまで大人しくしてるんだよ!!」
lw´‐ _‐ノv「おいお前!!」
(,,;゚-゚)「は、はひっ!?」
lw´‐ _‐ノv「私たちがここを出るまで、お前が盗品を持ちな!!」
(,,;゚-゚)「は、はい……うぅぅ……」
.
-
.
o川*゚ー゚)o「さぁどけー!!トムガール団の凱旋だよ!!」
lw´‐ _‐ノv「警察も蹴散らしてやるから覚悟しな!!」
( ^ν^)「お前たち。奴らにやられたパンティも出来るだけ回収していってくれ」
( ^ν^)「パンティがあればあるだけ、警察を撒くのに使えるからな」
川*` ゥ´)「あいよぅ、ボス!!」
(,,;゚-゚)(ぶえぇ〜〜……これじゃあボク、丸きりこいつらの仲間じゃんかぁ……)
(,,;゚-゚)(ちゃんと生きて帰してくれるならいいけど……)
( ^ν^)「警察がどけるまで、人質は手放さずにいた方が無難だな」
o川*゚ー゚)o「そうですね!!」
lw´‐ _‐ノv「終わったあとは荒野にでもおっ放っておきますよ!」
(,,゚-゚)(あ、これボク今日死ぬかも)
.
-
.
(´・_ゝ・`)「どうしますか、サー・トレジャー。このままではみすみす奴らを逃すことに」
( ,,^Д^)「落ち着くんだデミタス!!!まずは人質の安全が優先だ!!!」
( ,,^Д^)「奴のパンティ捕縛術が解け次第、私も奴らを追う!!!」
(´・_ゝ・`)「そうですね……何か、僅かでも隙が出来ればいいんだが」
(,,゚-゚)(うぅ〜〜……どうにかしないとこのままじゃハゲタカの餌になっちゃうよぅ〜〜)ガシャガシャ
o川*゚ー゚)o「おい、盗品はもっと丁寧に運べ!袋ん中で壊れてたらぶち殺すぞ!」
(,,;゚-゚)「ひぇっすいません!!」
(,,゚-゚)(そんなグダグタ言うんだったら自分たちで運べよ〜〜……もー腹立つ……)
(,,゚-゚)(……ん?)
(,,゚-゚)(あ。私のカメラ、袋の上の方にある)
(,,゚-゚)(……!!)
(,,;゚-゚)(こ、これ……逃げるのに使えないかな……?)
.
-
.
(,,゚-゚)(強盗、こっち見てないよね……?)
(,,゚-゚)(よし!今のうちに……)ゴソゴソ
川*` ゥ´)「何してるんだい!!」
(,,;゚-゚)(ひぇっ速効バレた!!)
lw´‐ _‐ノv「余計なことするんじゃない!!風穴空けられたいか!!」
(,,;゚-゚)(えーいもうこうなったらイチかバチか!!)バッ
( ^ν^)「!!」ハッ
( ^ν^)「お前ら、顔伏せr……」
(,,;゚-゚)「す、ストロボフラーッシュ!!」バシィィィィッ!!
-
.
lw;´‐ _‐ノv「ぐあぁ!!」
o川;゚ー゚)o「シュー!!」
川;` ゥ´)「お前、よくもシューを!!」
(,,;゚-゚)(走れボク!!風よりも早く!!)ダダダッ
川#` ゥ´)「よっぽど死にたいらしいね!!覚悟しな!!」ジャキッ
*(;‘‘)*「危ないです!!」
▼#・ェ・▼「アウアウッ!!」タァンッ
川;` ゥ´)「なっ……!?」
▼#・ェ・▼「ガルルルル……ッ!!」ガブゥッ
川;` ゥ´)「いってぇー!?なんだこの犬、離れろ!!」
▼#・ェ・▼「グルルル……」ギリギリィッ
川;` ゥ´)「いってぇ死ぬ死ぬ!!手首ちぎれる!!」
*(;‘‘)*「お兄さん、こっちです!!」
(,,;゚-゚)「ひえぇぇぇぇ!!」ズザァッ
.
-
.
(´・_ゝ・`)「フッ……!!」ザシュッ
(;^ν^)ハッ
(´・_ゝ・`)「チェックメイトだ、パンティスナッチャー」ガシッ
(´・_ゝ・`)「銃を下ろし、速やかに投降しろ」
(;^ν^)「……詰み、か」
( ,,^Д^)「ナイスだ!!デミタス!!」
(,,゚-゚)「あっ!トレジャーさん、パンツほどけてますよ!」
( ,,^Д^)「む?……おぉ!!いつの間に!!」
*(‘‘)*「きっとあいつが諦めたからパンティも解けたです!!」
以`゚益゚以『一件落着かな?』
以`゚益゚以『ところで君は大丈夫かい、ギャシャール君』
(,,;゚-゚)「大丈夫ですけどそのマスクで詰め寄られるとあんまり大丈夫じゃないです」
.
-
.
ドドドド…
(゚A゚* )「いっけー!突入やーッ!!」
爪;゚ー゚)「なんでお前が仕切ってんだよ!」
¥・∀・¥「……あれ?」
(´・_ゝ・`)「やぁ、警察の皆さん」
( ,,^Д^)「事態は収拾しましたぞ!!!」
(゚A゚* )「なんやトレジャーのおっちゃん、おったんかいな!!」
¥・∀・¥「手回しが早い」
爪゚ー゚)「完全に勇み足だったな」
(´・_ゝ・`)「ちょうど良かった、強盗団の身柄の確保をお願いします」
(゚A゚* )「ありがとな兄ちゃん!ほな、お縄につきや!」
(;^ν^)「くそぉ……パンティさえあれば……」
o川;゚ー゚)o「ボス!私たちは捕まっても一緒です!」
lw;´‐ _‐ノv「共に死ぬまで添い遂げましょう!」
川#` ゥ´)「おいケーサツ!ボスをそんなに無理やり引っ張るんじゃないよ!」
(,,゚-゚) カシャーカシャーカシャーッ!!
(,,゚-゚)「……奴ら、最後までブレないですね」
*(‘‘)*「どうやったらあの変態を信用できるのか分からんです」
(,,゚-゚)「それはあんまり人のこと言えないと思うな……」
.
-
.
(゚A゚* )「お疲れさん!あんたらにも事情聴取あるからちょっと体借りるで!」
(,,゚-゚)「あ、ハイ」
以`゚益゚以『我々はこれからデートなんだがな』
*(‘‘)*「面倒だからバックレるです」
(,,゚-゚)「それ堂々と言っちゃダメですよね?」
¥・∀・¥「すみませんね、すぐ終わりますから」
(´・_ゝ・`)「簡単な事情なら、こちらでも話せますけどね」
( ,,^Д^)「彼らはトムガール団という強盗団、そしてその頭がパンティ・スナッチャーというヴィランだ!!!」
爪゚ー゚)「トムガール団?あれが?」
(゚A゚* )「マジか!トムガール団とヴィランに繋がりがあったんやな!」
.
-
.
(,,゚-゚)「あの人たち、そんなに有名な強盗なんです?」
(゚A゚* )「せやでー。盗みに入るとこに女装して押し込む強盗なんて、奴らくらいやで!」
(,,゚-゚)「は……?女装……?」
(゚A゚* )「あいつら全員男や!だからトムガール(男の娘)言うんやで!」
(,,;゚-゚)「えぇぇぇぇぇぇぇ…………」
*(;‘‘)*「驚愕の真実です」
(゚A゚* )「しかし、目立つ割になかなか捕まらん強盗や思たらヴィランの配下やったんやなー」
爪;゚ー゚)「おいノーム、無駄口叩いてる場合じゃないぞ!店内が大変だ!」
(゚A゚* )「なんやー、奴ら強盗の上に器物損壊まで上塗りかいな?」
¥;・∀・¥「店内が女性ものの下着で溢れてるんですよ!」
(゚A゚*;)「なんで!?」
(;´ー_ゝー`)「……パンティスナッチャーは、その名の通り下着を自由に操れるヴィランなんです」
(゚A゚*;)「名前聞き間違えたかなー思て流してたけどドエラいヴィランやな!?」
.
-
.
以`゚益゚以『しかしこれだけ下着の数があると、自分の物を探すだけでも一苦労だな』
以`゚益゚以『今日は一日ノーパンで過ごすか。ハハハ』
*(;‘‘)*「嫌ですよぅ!!ヘリは意地でも探して帰りますから!!」
(,,゚-゚)「ボクも出来れば探して帰りたいな……新しいの卸したばっかだし……」
以`゚益゚以『……おや?君も下着を盗まれたのか?』
(,,;゚-゚)「あ……そ、そうなんですよボク華奢だから女と間違われやすくて!」
*(‘‘)*「へぇー、それは大変ですねぇ」
( ,,^Д^)「ワハハハハ!!ノーパンはいいぞぅ!!」
(゚A゚* )「あ、そうそうトレジャーはん。ちょっとええか?」
( ,,^Д^)「む?何ですかな!!」
.
-
.
ガチャリ……
(゚A゚* )「ビッグ・トレジャー、猥褻物陳列罪で現行犯逮捕や。カンニンな」
( ,,;^Д^)「ぬぉあっ!!?」
(;´・_ゝ・`)「あ……しまった。前隠させるの忘れてた」
*(;‘‘)*「えー!?じゃあ今日のデートは!?」
以`゚益゚以『残念だが後日に持ち越しだな……』
(゚A゚* )「見逃したらんことも無いけど、うちも仕事なもんでな」
(゚A゚* )「強盗団とおんなじパトカーいうのも、気まずいもんやろうけど頑張り」
( ,,;^Д^)「す、すまん二人とも!!この埋め合わせは後日必ず、必ず!!」
以`゚益゚以『いいんだ、ゆっくり体を休めてきてくれ』
*(;‘‘)*「拘置所は休憩所じゃないですよ?」
(;´ー_ゝー`)「フゥー……また保釈金用意しておかないとな」
(,,;゚-゚)「……ねぇ、わんこちゃん。モテるって一体、何なんだろうね?」
▼ーェー▼「……Zzz」
.
-
第九話終わり
-
ほんとこの作品はさくさく読めるな
-
乙
地味な強敵感のあったニュッ君があっさり捕まってしまった
あとトムガール団かわいい
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乙!
-
> *(;‘‘)*「拘置所は休憩所じゃないですよ?」
ワロタ
-
おつおつ
トレジャーの恋人あと二人が気になる
-
.
ガヤガヤ…
(´・_ゝ・`)「こちらデミタス、各員に連絡。状況に変わりはないか?」
『こちらサダコ。異常なしよ』
『こっちも異常なしだゴルァ』
『こちらミシェーラとヒクソン、状況に問題なーし』
『こっちも大丈夫だ、おっさん』
(´・_ゝ・`)「了解。引き続き警戒に当たってくれ」ザザッ
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。そちらに不審な人物は見当たりませんか」
『いいや、いないな!!加えて不審物の発見も未だに無しだ!!』
(´・_ゝ・`)「了解です。何か発見したらこちらまで連絡をお願いします」プツッ
(´・_ゝ・`)「ふぅ……」
(´・_ゝ・`)「情報がガセなら助かるんだがな……」
.
-
.
从 ゚∀从「よう、カフェオレの」
(´・_ゝ・`)「やぁ、こんにちは署長」
从 ゚∀从「オメーら、何しに来やがったんだ?会場の警備なら警察がもうやってんぞ」
(´・_ゝ・`)「そりゃもちろん、イチ市民として市政の動向は気になりますから」
从 ゚∀从「ウソつけ。だったらそのインカムはなんだ?」
(´・_ゝ・`)「お気になさらず。万一のための備えですよ」
从 ゚∀从「……ま、いいがよ。くれぐれも俺たちの邪魔するんじゃねーぞ?」
(´・_ゝ・`)「もちろん。警察の顔に泥を塗るようなことはしませんよ」
从 ゚∀从「ハッ、だといいがな!」ザッ
(´・_ゝ・`)(……相当気が立ってるな、あれは)
(´・_ゝ・`)(やはり警察も相当警戒してるってことか)
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【数日前、某喫茶店にて】
(´・_ゝ・`)「……」
('、`*川「ハァイ、アンディー。お・ひ・さ♪」
(´・_ゝ・`)「やぁ、ミス・ペニー。五分の遅刻だが、それに関して何か言うことは?」
('、`*川「カタいこと言いっこなしよ。こっちだって暇なティーンじゃないんだから」
(´・_ゝ・`)「そうかい、じゃあ早く用件を言ってくれ。暇じゃないのはこっちも同じなもんでね」
('、`*川「つれないわね、あんたも。店員さーん、カプチーノちょうだい」
(´・_ゝ・`)「僕はブラックで」
('、`*川「あら、二杯め?カフェイン中毒になっても知らないわよ?」
(´・_ゝ・`)「いいや、四杯めだ。一時間前からここにいるもんでね」
('、`*川「あっそう。脳ミソまでコーヒーが巡りそうだわね」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「それで?僕に買ってほしい情報ってのは一体何なんだ?」
(´・_ゝ・`)「忙しいペニーナ嬢がお手を煩わすからには、よほど重要な情報なんだろうね?」
('、`*川「もっちろんよ。けどまずは商談から行きましょ」
(´・_ゝ・`)「情報の譲与が先だ。金額はこちらが決める」
('、`*川「そうはいかないのよ。手遅れになってもいいなら構わないけどね」
(´・_ゝ・`)「……フゥー、オッケー分かった。金額は言い値でいい」
('、`*川「さすが話が早いわね。あんたのそういうとこ愛してるわよ?」
(´・_ゝ・`)「君がそういう揺さぶりをかける時は、本当に切羽詰まった事態が起こってる時だからね」
('、`*川「分かってるじゃない。さすがキレ者は違うわぁ〜」
(´・_ゝ・`)「おべっかはいいから、早く情報を寄越せ」
('、`*川「フフ、そうねぇ」
.
-
.
('、`*川「今度の市長選挙で、明日から現職と候補者の市長演説が始まるでしょ?」
(´・_ゝ・`)「あぁ、それが?」
('、`*川「そこを狙って、警察へ爆破予告が来たらしいわよ」
(´・_ゝ・`)「なんだって?」
('、`*川「当然あんたたちも警戒してたでしょうけど、情報があるのとないのとじゃあ大違いよねぇ?」
(´・_ゝ・`)「その情報、本当だろうな?」
('、`*川「ウソついてお金掠めとるようなセコい真似しないわよ」
('、`*川「情報元は伏せるけど、警察に犯行声明が送られてるのは確かよ」
(´・_ゝ・`)「それもだが、ただのイタズラって可能性は?」
(´・_ゝ・`)「ここじゃその程度のことしょっちゅう起こる。大騒ぎしてたらこっちの身が保たないね」
('、`*川「そんなこと、言われなくても分かってるわよ」
(´・_ゝ・`)「犯行グループの詳細と、犯人の要求は?」
(´・_ゝ・`)「そこまで分かっていて初めて、警察も腰を上げるだろう?」
.
-
.
('、`*川「それがね、声明文にはどこの組織の名前も書いていなかったらしいのよ」
('、`*川「特別収容所から全てのヴィランを解放せよって文言だけが届いたんですって」
(´・_ゝ・`)「それはまた……大きく出たもんだな」
('、`*川「ヴィランだと言うだけで不当な扱いを受けていることに怒りを覚えてる、だってさ」
(´・_ゝ・`)「収容所に関しては僕らヒーローにも実態が掴めてないのに、どこから情報を得たのやら」
('、`*川「案外、憶測と予断かもよ?社会正義を盾に好き放題したい輩って、少なくないものね」
(´・_ゝ・`)「やれやれ……それじゃなおさらイタズラの線が強まっただけじゃないか」
('、`*川「そうかしら?案外そうとも言えないかもよ?」
(´・_ゝ・`)「なに?」
.
-
.
('、`*川「あんたの言うように、質の悪いジョークで済めばそれでいいわ」
('、`*川「会場の警備は厳重だし、爆発物なんて容易に持ち込める環境じゃないのも正解よ」
('、`*川「でももし、そんな大規模な犯行を単独で行える悪党がいたとしたら?」
(´・_ゝ・`)「……ヴィランの犯行ってことか」
('、`*川「えぇ。それなら収容所の解放っていう大義名分とも合致するでしょ?」
('、`*川「警察もそれを警戒して動いてるみたいねぇ」
(´・_ゝ・`)「そこまでするなら、いっそ演説自体を中止にしてほしいもんだがね」
('、`*川「無理でしょうねぇ。現職のトニー市長って、反ヴィラン政策で市長までのしあがった右翼派閥だもの」
('、`*川「私はテロになんか屈しないとか、いかにも言いそうじゃない?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「やれやれだな……市民の安全と政治と、どっちが大事かも分からないのか」
('、`*川「そういうもんよ、為政者ってのは」
('、`*川「私からの情報提供は以上ね。他に何か質問は?」
(´・_ゝ・`)「警察は犯人の目星がついてるのか?」
('、`*川「恐らくついてないわね。過去の犯罪歴を洗っても、そこまで過激な行動に出るヴィランはいないもの」
(´・_ゝ・`)「オーケー、分かった。帰ったら情報の洗い出しからだな」
(´・_ゝ・`)「感謝する、ペニー。金はいつもの口座に入れておく」
('、`*川「そうねぇ。今回は特別ご奉仕価格として200万$でいいわよ?」
(´・_ゝ・`)「フー……了解。背に腹は代えられないからな」
('、`*川「あら。足許見たような言い方は止めてくださる?これでもちゃーんと適正価格なんだから」
(´・_ゝ・`)「分かった分かった、ちゃんと払うよ」
(´・_ゝ・`)「セレブの適正価格を持ち出されちゃ敵わないね、全く」
.
-
.
('、`*川「あら、もうこんな時間。私もう行かなきゃ。お代はカードで良かったかしら?」
(´・_ゝ・`)「あぁ、構わんよ。慌てて事故って、人様に迷惑かけないようにな」
('、`*川「あんたっていっつも引き留めてくれないわよねぇ。まだ五分程度しか経ってないわよ?」
(´・_ゝ・`)「そうかい。こっちは明日からの行動について考えるのに忙しいんでね」
('、`*川「お見送りくらいしてくれても、罰は当たらないと思うけど」
(´・_ゝ・`)「ビジネスライクな関係を望んだのは君だぞ。用が済んだらサヨナラだ」
('、`*川「あっそう。じゃあ最後に耳寄りな情報を教えてあげるから、耳貸しなさい?」
(´・_ゝ・`)「……?なんだ?」
('、`*川「フフ、あのねぇ……」
チュッ
(´・_ゝ・`)「……!」
('、`*川「あんたも精々、頑張んなさいよ?じゃあねー」フリフリ
(´ー_ゝー`)「……ハァ。相変わらず、掴めない女だ」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【そして、市長演説当日……】
(´・_ゝ・`)(ギリギリまで調べたが、こんな大それたことをしでかす犯人の見当はつかなかった)
(´・_ゝ・`)(やはりただのイタズラか、それとも愉快犯か……取り越し苦労で済んでくれよ?)
(´・_ゝ・`)「デミタスより各員へ連絡。間もなく現市長が入場する 。特に警戒を強め周囲の監視を怠らないように」ザザッ
『了解』
『把握』
『オッケーィ』
『任せとけ』
(´・_ゝ・`)「さて、何が出てくるか……とくと拝ませてもらおうか」
.
-
.
『それではこれより、今期市長選挙における候補者演説を始めます』
『まずは現職市長、Mr.トニー=ダーマン。壇上へお上がり下さい』
<ヽ`∀´>「ウェハハハ」
ザワ…
<ヽ`∀´>「皆さん、ご静粛に。現市長のトニー=ダーマンです」
<ヽ`∀´>「まずは本日ご足労いただいた市民の皆さんへ、厚い御礼を申し上げたい」
<ヽ`∀´>「人種性別年齢問わず、様々な人々がここへ来たことを、まずは誇らしく思います」
<ヽ`∀´>「ヴィランまでも紛れこんでいたら、少々問題かとは思いますが」
<ワハハハ…
.
-
.
<ヽ`∀´>「さて皆さん。私は在任期間中、自らに幾つかの課題を課して来ました」
<ヽ`∀´>「薬物汚染の根絶、横行するギャングの撲滅、闇献金の浄化等」
<ヽ`∀´>「僅かずつではありますが、確実に成果を出していると自負しています」
<ヽ`∀´>「しかしながら、数値の上で未だ減少しない犯罪が一つだけあるのです」
<ヽ`∀´>「それが、ヴィランによる犯罪の割合。いわゆる『特殊超常能力者犯罪率』と呼ばれる物です」
<ヽ`∀´>「さる統計によれば、全米の約八割のヴィラン犯罪がここ、クラウン・シティで行われていると言われています」
<ヽ`∀´>「このような嘆かわしい事実は、何としても払拭しなければならない!!」
<ヽ`∀´>「私は常々、そう考えて市政に携わって参りました」
.
-
.
<ヽ`∀´>「そこで私は、市民の皆さんへ一つの提案をしたい!」
<ヽ`∀´>「私が来期の市長選に当選した暁には、米軍直轄の駐屯所を誘致し、ヴィラン犯罪のさらなる減少を目標とします!」
<ヽ`∀´>「警察と軍部との連携を密にし、特殊超常犯罪者の検挙率を大幅に増加させること」
<ヽ`∀´>「それが引いては、市民生活の向上に繋がると信じています!」
<ヽ`∀´>「我がクラウン・シティは、卑劣なヴィランになど屈しません!」
<ヽ`∀´>「超常なる力などなくとも人は強いのです!我々こそ、そのモデルケースにならねばならない!」
<ヽ`∀´>「いかなる不運、不遇にもこの街は耐えてきた!その実績がある!」
<ヽ`∀´>「十五年前のハリケーンの上陸にも、この街は耐えたではありませんか!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ・∀・)「はぁ〜、軍の誘致ねぇ〜。そんなこと出来るのかよ?」
川д川「さぁねぇ。不可能ではないのかもしれないけど、私らにとっては有難いことじゃないわね」
( ・∀・)「あ?軍が働いてくれりゃ、俺たちヒーローが出しゃばらなくて良くなるんだろ?」
川д川「違うわよ。市長はこの街でヒーローが大きい顔してるのが、気に入らないだけよ」
川д川「あの人が掲げてるのは反ヴィランじゃなくて反超常能力者。つまり根っからのヒーローアンチってこと」
( ・∀・)「なんだそりゃ?つまりあいつは、俺たちも追い出そうとしてんのか?」
川д川「そう。現市長はヴィランとヒーローに対するレイシストって、一部じゃ有名なハナシよ」
( ・∀・)「っへぇ〜〜〜。そう考えるとなんかムカつくな」
川д川「ま、現状私たちがいないとどうしようもないのが事実だけどね」
( ・∀・)「お?壇上に誰か上がってくぞ?」
.
-
.
<ヽ`∀´>「もう一度言いましょう。我々市民が団結する限り、この街は何者にも負けません!」
<ヽ`∀´>「市民と市政が手を結ぶこと!それこそがこの街の理想の在り方なのです!」
<ヽ`∀´>「そして今日は、この街の団結力の象徴とも呼べる方をお呼びしています!」
<ヽ`∀´>「ピーター=ショボンニ先生!どうぞこちらへ!」
ザワッ…!!
(´^ω^`)「やぁ皆さん。お初の方はお見知りおきを、そうでない方はお久しぶりです」
(´・ω・`)「本日はお日柄も良く、このような名誉ある場へお呼び頂けたことを光栄に思います」
(´・ω・`)「ただいま紹介に預かりました、前市長のピーター=ショボンニです」
.
-
.
(;"ゞ)「こりゃ驚いたな!まさか前市長まで引っ張り出してくるとは……」
( ^ω^)「誰なんですかお?あのお爺ちゃん」
从 ゚∀从「ピーター=ショボンニ。この街で長らく市長を務めた、伝説の男さ」
£°ゞ°)「オー?レジェンドなのー?なんで?」
从 ゚∀从「トニー市長が椅子に座るまで、十年以上もの長い間市長で居続けた野郎だ」
( "ゞ)「そして、その間には例のヴィラン災害が起こった年も含まれている」
从 ゚∀从「奴がいなきゃあ、クラウン・シティの復興は五年は遅れただろうって言われてる敏腕だよ」
(;^ω^)「はぁ〜……凄い人なんですおね」
£°ゞ°)「つまり、トニー市長の後ろにはベリビーッグな前市長がついてるってコト?」
( "ゞ)「そう考えて差し支えないだろうな」
.
-
.
(´・ω・`)「さて皆さん、この街に住まう全ての皆さん!」
(´・ω・`)「私は十年以上の長きに渡り、この一大都市の市長職に従事しておりました」
(´・ω・`)「その経験から、トニー市長の演説へ少々捕捉をさせていただきたい」
(´・ω・`)「数値の上では減少を辿っていないと言われるヴィラン犯罪ですが」
(´・ω・`)「これはより正確な母数の計測が可能になったがゆえの、統計的増加だと考えられます」
(´・ω・`)「私が現職の頃より、警察の捜査能力は格段に向上し、ヴィランへ対抗する術も増えている」
(´・ω・`)「しかしそれゆえに、これまで看過されていたヴィラン犯罪までもが、捜査の俎上に上るようになってしまったのです」
(´・ω・`)「しかしこれは決して嘆かわしいことではありません」
(´・ω・`)「警察の能力は向上し、人々を悲しませるヴィラン犯罪も必ずや根絶出来ると!」
(´・ω・`)「それを成すことが出来るのはトニー市長だけであると!」
(´・ω・`)「私は確信しているのです!」
.
-
.
(´・ω・`)「市民の皆さんは、例えるならば一人一人が宝石のようなもの。そして都市はいわばその土台となる王冠です」
(´・ω・`)「ならば我々為政者は、市民の皆さんと土台を研磨する研石だと言えましょう」
(´・ω・`)「そのどれが欠けても、この街に輝きは訪れないのです!」
(´・ω・`)「そう!あのクラウン・シティの王冠のように、皆さんには輝く権利がある!」
(´・ω・`)「トニー市長はそれを放棄せず、全ての市民の意思を汲み取ってみせると!」
(´・ω・`)「ここへ断言するものであります!」
<ワァァァァァァァァァ!!!!!
(´^ω^`)「ハハハハハ……」
.
-
.
ミセ*゚ー゚)リ「へぇ〜……まるで現役みたいな演説するわねぇ」
ミセ*゚ー゚)リ「トニー市長の応援なのに、かなり力入ってるじゃん」
(-_-)「あの、師匠。話を遮って悪いんですけど」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?なぁに?」
(-_-)「前市長が言ってたクラウン・シティの王冠って何なんですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「あー、あんた知らないんだ。そういや未成年だもんね」
ミセ*゚ー゚)リ「クラウン・シティの市庁舎にね、本物の王冠が飾ってあるのよ」
(-_-)「へぇ……知らなかった」
ミセ*゚ー゚)リ「なんでも、ショボンニ市長がどこかから持ってきた由緒ある物らしいけど」
ミセ*゚ー゚)リ「ヒマな時にでも見てきなさいよ、綺麗だから」
(-_-)「てことは……ショボンニ前市長は、市民をその王冠に見立てて演説したんですね?」
ミセ*゚ー゚)リ「そうねー。さすがヤリ手ってとこかしらね」
.
-
.
【舞台袖にて……】
(´ーωー`)「……フゥー」
<ヽ`∀´>「ショボンニ先生、ありがとうございます」
(´・ω・`)「あぁ、トニー君。こんなものでどうだったかな?」
<ヽ`∀´>「先生と政権を争わずに済んだのは、私の僥倖と言わざるをえないかと」
<ヽ`∀´>「やはり先生のカリスマ性は未だ健在のようだ」
(´・ω・`)「なぁに、私はもう一線から退いた身だよ」
(´・ω・`) 「老兵は前線に立たず、後方から支援するのみだ」
<ヽ`∀´>「何をおっしゃいます。先生はまだお若いですよ」
(´^ω^`)「ハハハ。さぁトニー君、最後の一押しだ」
(´・ω・`)「有権者の票を全て刈り取ってきたまえ」
<ヽ`∀´>「ウェハハハ。では……」
.
-
.
<ヽ`∀´>「ただいま、ショボンニ先生より大変ありがたいお言葉を頂戴いたしました」
<ヽ`∀´>「若輩の身なれど、皆さんの期待には大いに応えたいと思います」
<ヽ`∀´>「この地に跋扈するあらゆる犯罪は、我々の敵であると認識して差し支えない」
<ヽ`∀´>「ことに、ヴィラン犯罪はこの街の根幹をゆるがす大敵であります」
<ヽ`∀´>「人とは社会的な生き物であり、その調和を乱す者は決して許してはなりません!」
<ヽ`∀´>「我々が災厄から身を守る時が、そのために決起する時が来たのです!」
<ヽ`∀´>「卑劣なるヴィランには然るべき制裁を!そして我々の街に絶対の安寧を!」
<ヽ`∀´>「それが、私の目標とするクラウン・シティの在るべき姿なのです!」
.
-
.
(,,゚Д゚)「ぶち上げるねぇ、おっさんも。パフォーマンスに余念がねぇって感じだな」
( ,,^Д^)「まずいな……」
(,,゚Д゚)「何がだい、旦那?」
( ,,^Д^)「犯人がヴィランだとしたら、今の演説に逆上して犯行に及ぶ危険性がある」
( ,,^Д^)「私は警戒するため下へ下りる。ギコは持ち場を離れないように!」
(,,゚Д゚)「あいよ、旦那」
( ,,^Д^)「トウッ!!」シュタッ
(※現在、二人の居場所は会場を高所から見渡せる電柱の上である)
.
-
.
『ありがとうございます。それでは今一度、トニー市長へ盛大な拍手をお願いします』
パチパチパチ
<ヽ`∀´>「ウェハハハ」
トニー市長が壇上から下りようとしたその時!!
( ,,;^Д^)「危ない!!!」ダァンッ
ビッグ・トレジャーが彼を庇うように覆い被さった!!
<;ヽ`∀´>「ホァッ!?」
そしてそのタイミングに合わせたかのように、舞台上へ『何か』が投げ込まれる!!
.
-
.
ドオォォォォォォォォォォンンンン!!!!!!!
.
-
.
<キャァァァ!!!
<爆弾だァッ!!!
<逃げろォッ!!!
恐慌をきたす一般市民!!
( ,,;^Д^)「ぐうぅっ!!!」ビリビリッ
爆風から市長を守る盾となったトレジャー!!
<;ヽ`∀´>「ひっ……!!」
訳が分からず狼狽する市長!!
从#゚∀从「やりやがったな!!テメェら、犯人確保だ!!」
( ^ω^)「はい!!」
( "ゞ)「了解!!」
£°ゞ°)「任せてヨー!!」
爆発物を投擲した犯人を、速やかに捕まえようと動く警察!!
全ては、ほんの数分の間に起こった出来事であった!!
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!!怪我は!?」
( ,,;^Д^)「大丈夫だ!!それより、市長と聴衆を避難させてくれ!!」
(´・_ゝ・`)「分かりました」チャキッ
(´・_ゝ・`)「デミタスより各員に連絡!速やかに一般市民を避難させよ!」
(´・_ゝ・`)「挙動の怪しい人物がいたら身柄を拘束するように!!」
<;ヽ`∀´>「あっ……あぁ……」
(´・_ゝ・`)「市長、立てますか?」
<;ヽ`∀´>「だ、大丈夫だ!!自分で立てる!!」
(´・_ゝ・`)「そうですか。今SPが来ますから避難を」
<;ヽ`∀´>「そんなことは分かっている!!」
( ,,;^Д^)「デミタス!!」
(´・_ゝ・`)「はい!」
( ,,;^Д^)「爆発物は二時の方向から投げられた!!」
( ,,;^Д^)「警察も同じ場所へ向かっている。彼らに協力して犯人の逮捕を!!」
(´・_ゝ・`)「Yes,sir!」
.
-
.
从#゚∀从「オラどけぇ!!」ダダッ
(#^ω^)「ウオォォ!!」
(;l v l)「ひぇっ!」ダッ
从#゚∀从「デルタ!!犯人がそっち逃げたぞ、囲めェ!!」
( "ゞ)「了解!!」ザッ
(;l v l)「うわぁ!!ま、待ってくれぇ!!」
£#°ゞ°)「爆発犯にかける慈悲はないヨー!!」
(;l v l)「違うんだ!俺は犯人じゃない!」
从#゚∀从「るっせぇ!!無駄な抵抗すんじゃねーよ!!」
(;l v l)「本当だ!!俺は頃合いを見て壇上に飲み物を投げるよう言われただけなんだ!!」
从#゚∀从「あん?」
.
-
.
从#゚∀从「だったら誰にそれを頼まれた!!吐きやがれ!!」
(;l v l)「し、知らない!!この会場で初めて会った奴だ!!」
从#゚∀从「嘘つくんじゃねぇ!!テメェも犯人の一味か!!」
(;l v l)「本当だよぅ!!演説がつまんねーならこれ投げてやれよってペットボトル渡されて……」
(;l v l)「中身はただのジュースだったんだよ!!信じてくれ!!」
从#゚∀从「んなこと信じるか!!ブーナー、ロミス。こいつを署まで連行……」
ドオォォォォォォォォォォンンンン!!!!!!
从;゚∀从「ッ!?」
(;"ゞ)「また爆発!?」
£;°ゞ°)「ナンで!?犯人捕まえたのに!?」
.
-
.
从#゚∀从「だったら誰にそれを頼まれた!!吐きやがれ!!」
(;l v l)「し、知らない!!この会場で初めて会った奴だ!!」
从#゚∀从「嘘つくんじゃねぇ!!テメェも犯人の一味か!!」
(;l v l)「本当だよぅ!!演説がつまんねーならこれ投げてやれよってペットボトル渡されて……」
(;l v l)「中身はただのジュースだったんだよ!!信じてくれ!!」
从#゚∀从「んなこと信じるか!!ブーナー、ロミス。こいつを署まで連行……」
ドオォォォォォォォォォォンンンン!!!!!!
从;゚∀从「ッ!?」
(;"ゞ)「また爆発!?」
£;°ゞ°)「ナンで!?犯人捕まえたのに!?」
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ,,;^Д^)「クゥ……不覚を取ったが、この程度で折れる私ではない!!」ググッ
( ,,;^Д^)「犯人はどこへ……ん?」
( ,,^Д^) クンクン
( ,,^Д^)「この匂いは……!!」ザッ
( ,,^Д^)「……この絨毯、爆破に使われた液体が染みているのか!!」ペロッ
( ,,;^Д^)「これは……オレンジジュースの味!?」
( ,,;^Д^)「デミタス、聞こえるか!!」ザザッ
『はい、サー・トレジャー。どうされました?』
( ,,^Д^)「爆発物の正体は飲料水だ!!犯人は水分を爆破させる能力を持っている!!」
『なんですって!?』
( ,,^Д^)「直ちに水場から離れ、水分を含む物は触れずに回収するんだ!!!」
( ,,^Д^)「それと、避難民が飲み物を持っている場合はそれも破棄させてくれ!!爆破される恐れがある!!」
『把握しました、サー・トレジャー!!』
.
-
.
(´・_ゝ・`)「……今聞こえた通りです、署長」
(´・_ゝ・`)「恐らくその人も、真犯人に利用されただけですよ」
从#゚∀从「ケッ。通りで爆発物なんざ微塵も見つからんかったはずだぜ!」
从#゚∀从「おいテメェ!!犯人の特徴は!!」
(;l v l)「ひぃぃ!!あ、赤いスカジャンにキャップを被った派手な出で立ちの男だ!!」
ドオォォォォォォォォォォンンンン!!!!!!!
从#゚∀从「クソが!!またやりやがった!!」
(;"ゞ)「駄目です、市民が集団ヒステリーを起こして避難誘導が上手く行きません!!」
(;^ω^)「このままじゃ被害が大きくなる一方ですお!!」
从 ゚∀从「慌てんじゃねぇ!!お前らは避難経路に水がねぇか確かめて市民をもう一度逃がせ!!」
从 ゚∀从「俺は犯人の捜索に当たる!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「僕も手伝います、署長」
从 ゚∀从「ハッ、ありがてぇこった!だが、どうやって探す?」
从 ゚∀从「恐らくパーカーとキャップはミスリードだ。今ごろ着替えて高笑いしててもおかしかねーぞ?」
(´・_ゝ・`)「犯人は爆破地点のすぐ近くにいます」
从 ゚∀从「なぜ断言できる?」
(´・_ゝ・`)「我々の能力には幾つかのルールがある」
(´・_ゝ・`)「それは、『物質を遠隔操作する場合、五感のいずれかで感知しなければならない』というルールです」
(´・_ゝ・`)「この喧騒、音で水を探知しているとは考えにくい。つまり犯人は爆破する水を視認できる場所にいる」
从 ゚∀从「なるほどな……だが、次の爆発まで手をこまねいて見てる訳にゃいかねーぞ?」
(´・_ゝ・`)「それも大丈夫です」
(´・_ゝ・`)「今我々の仲間が、水の回収に当たっています」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(,,゚Д゚)「ハァァァッ!!!」ピシュンッ、シュルルルルッ
(,,゚Д゚) ギコラ=サムスン
【能力名】RAPID STITCH
糸を生成し、物体を吸着・縫合する能力。スパイディと呼ぶと怒る。
ミセ*゚ー゚)リ「ほいほいほい!!」ギュワワワッ
ミセ*゚ー゚)リ ミシェーラ=ポワソン
【能力名】IRON MAIDEN
鉄を操作する能力。地面から砂鉄を精製し物体を固めることも可能。
川д川「ハイ、ハイ、ハイ!!」ゾワワワッ
川д川 サダコ=アヤセガワ
【能力名】 FLOWER COMPANY
草木の成長促進、精神同調。
.
-
.
(,,゚Д゚)「モララー、受け取れェ!!」ポポポーン
( ・∀・)「あいよっ!!」パシィッ
( ・∀・)「ハッハァー!!」ズダダダダッ
( ・∀・) モララード=マクレガー
【能力名】SUPER SPEED STAR
高速移動能力。今回は爆発物を外まで持ち出す係。
(-_-)「モララーさん!」
( ・∀・)「おう!なんだ!」
(-_-)「調べてみたけどこの水、正真正銘ふつうの水でした!」
( ・∀・)「そーか。じゃあやっぱトレのおっさんの言う通り、ただの水を爆発させてたのか」
(-_-)「飲み物全部爆発させられるんだとしたら、とんでもなく厄介な能力ですね……」
( ・∀・)「しっかし、警備のマヌケもこんな露骨にペットボトル落っこちてて気づかなかったのかねぇ」
(-_-)「演説始まってから捨てられたら、さすがにそっちに集中するから気づけないんじゃないですか?」
.
-
.
ミセ*゚ー゚)リ「あんたたち!無駄口叩いてないで終わったら住民の避難!」
(;-_-)「は、ハイ!すみません師匠!」
( ・∀・)「トレジャーのおっさんは何してる?」
川д川「犯人の特定を急いでるわ。この状況じゃ、まだ逃げてはいなさそうだからね」
ドオォォォォォォォォォォンンンン……
(,,゚Д゚)「チッ、また爆発か!」
ミセ;゚ー゚)リ「もー!!いったい何個爆弾仕込んでるのよー!!」
川д川「回収、急ぐわよ!!一個も漏らさず見つけなさい!!」
(;-_-)「はい!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
<;ヽ`∀´>「アイゴー……」
<;ヽ`∀´>「とんでもないことになっているな」
SP『市長、避難を!犯人は市長の命を狙っています!』
<ヽ`∀´>「分かっている!こんなところに長々といてたまるかね!」
<ヽ`∀´>「全く、ヴィランなんぞはヒーロー共々さっさと滅んでほしいものだ……」ブツブツ
<ヽ`∀´>「……おや?」
SP『どうされました?』
<;ヽ`∀´>「……ショボンニ先生は、何処へ行ったのかね?」
SP『えっ……あれ?先程までここにいたのに……』
<;ヽ`∀´>「バカ者!先生に万が一のことがあったら一大事だぞ!探せ!」
SP『はっ、ハイ!!』
.
-
.
(´・_ゝ・`)「犯人は騒ぎに便乗してペットボトルをばらまいてるようですね」
从 ゚∀从「ケッ、バカ野郎め。だがそんな大量にペットボトル持ってりゃ不自然だよな?」
从 ゚∀从「どこかへ隠し持つにゃ不便なもんだ。つーことは、必ず隠す場所が必要になる」
(´・_ゝ・`)「ですね。爆発物周辺に不審なバッグ等持った人間がいないか探してみます」
从 ゚∀从「あぁ、俺も探す」
『デミタス!!』
(´・_ゝ・`)「どうしました、サー?」
『君たちから見て会場右手奥、出口側の通路に犯人らしき人物を発見!!』
(;´・_ゝ・`)「本当ですか!?どうやって探し出したんです?」
『含み笑いだ!!マッスル・イヤーで人間の含み笑いを感知した!!』
『この状況で笑っているのは犯人以外にいない!!追ってくれ!!』
从;゚∀从「この騒音から声を聞き分けただと?相変わらずのバケモンだな……」
.
-
.
<警察は何をしてるんだ!!
<早く避難させろ!!
<子供から先に逃がしてよ!!
(;^ω^)「皆さん落ち着いて!順番にお願いしますお!」
(;"ゞ)「列を乱さないでください!」
£;°ゞ°)「これじゃしっちゃかめっちゃかだヨー!」
ノハ ⊿ )「……」
ノハ ⊿ ) スッ
ノハ ∀ ) ニタァ…
(´・_ゝ・`)「おっと、危ない」ガシッ
ノハ;゚⊿゚)「……!!」
(´・_ゝ・`)「君。そのペットボトルは何に使うつもりなのか、聞かせてもらえるかな」
ノハ;゚⊿゚)「お前は……カフェオレ・デミタス!!」
从 ゚∀从「なるほどな……出入口付近の混み入ったとこで爆発させりゃ、より被害が見込めるってワケか」
ノハ;゚⊿゚)「なぜ俺が分かった!?」
(´・_ゝ・`)「そりゃ企業ヒミツでね」
(´・_ゝ・`)「悪いけど逮捕させてもらうよ、名前も知らないヴィラン君」
.
-
.
从 ゚∀从「ブーナー、デルタ、ロミス!人を遠ざけろ!」
(;^ω^)「署長!?」
(;"ゞ)「これは一体……?」
从 ゚∀从「こいつがこの爆破事件の犯人だ!」
£°ゞ°)「マジで!?」
ノハ;゚⊿゚)「くっ……」
(´・_ゝ・`)「ジタバタしても無駄だ。お縄につけ!」
ノハ;゚∀゚)「ふ……ははははっ!」
ノハ;゚⊿゚)「くらえっ!!」バシャァッ
(;´・_ゝ・`)「くっ!?」ビチャッ
从;゚∀从「てめっ、まだペットボトル隠し持ってやがったか!!」
ノパ⊿゚)「爆ぜろ!!」パチンッ
.
-
.
ドォンッ!!
(;´ _ゝ `)「ぐあぁっ!!」グラッ
从;゚∀从「クソが!!やりやがったな!!」
ノパ⊿゚)「おっと動くな!!水はまだあるぞ!!」ビチャビチャ
ノパ⊿゚)「俺に近づいたら即刻爆破する!!道を開けろ!!」
从 ゚∀从「ヘッ。カミカゼアタックのつもりか?やれるもんならやってみな!」
ノパ⊿゚)「カミカゼか……それもいいな!!」バシャァッ
(;^ω^)「なっ……!!」
( "ゞ)「水を被った!?」
£;°ゞ°)「死ぬつもりかヨー!!」
.
-
.
ノパ⊿゚)「ハハハ!!どうせ捕まりゃあ後はないんだ!!ならデケェ花火打ち上げないとな!!」
ノパ⊿゚)「俺ごとドカンされたくなけりゃ、要求を呑んでもらおうか!!」
从#゚∀从「囲め、お前ら!!奴を一般市民に触れさせるな!!」
( ^ω^)£°ゞ°)( "ゞ)「「「はい!!」」」
ノパ⊿゚)「市民なんざもうどーでもいいんだよ!!」
ノパ⊿゚)「市長をここへ呼べ!!そして俺の目の前で、逮捕されたヴィランを釈放させろ!!」
从#゚∀从「んなことできっか、ボケナスが!!」
从#゚∀从「おいカフェオレ!!怪我は!?」
(;´ _ゝ `)「目をやられたッ……視界が……!」
从;゚∀从「チッ……他のヒーローは!?」
(;´ _ゝ `)「市民を逃がすために外へ……今無線で呼び掛けましたが……」
从;゚∀从「この人混みじゃあ、ここまで来るのに一苦労か……」
.
-
.
ノハ#゚⊿゚)「どォしたぁ!!さっさと市長を連れてこい!!」
ノハ#゚⊿゚)「全員もろとも爆発されたいかァ!!」
(;^ω^)「一体どうすれば……」ヒソヒソ
(;"ゞ)「水分はいずれ乾燥する。それまで爆破を防いで待てばいいが……」コソコソ
£°ゞ°)「SWATに出動要請しようヨ。遠くから狙撃すれば一発ヨー」ボソボソ
从 ゚∀从「おい、お前ら」ボソッ
从 ゚∀从 b クィッ、クィッ
(;^ω^)「えっ……!?」
(;"ゞ)「署長……」
ハイドが敵に見えないよう出したハンドシグナル!!
それは、『俺が行く、後に続け』の合図である!!
しかしそれは敵の性質上、玉砕覚悟の突進を意味していた!!
.
-
.
从 ゚∀从(俺が奴に被さりゃ、他へ行くダメージも少しは減るだろ)
从 ゚∀从(その隙に、誰かがあいつを捕まえりゃいい)
从 ゚∀从(タイミング逃すなよ……バカ野郎ども!)グッ
(;^ω^)「……!!」
(;"ゞ)「……!!」
£;°ゞ°)「……」ゴクリ
ハイドが正に戦闘の口火を切ろうとしたその矢先!!!
均衡を破ったのは、最も意外な男だった!!!
.
-
.
(´ ノパ⊿゚)「おい、ケーサツ!!妙な動きはするなよ!!こっちは指先一つでここを爆破できるんだ!!」
(´・ ノパ⊿゚)「銃弾が当たってもドカン!!組みしいてもドカンだ!!」
(´・ω・ ノパ⊿゚)「分かったらさっさと市長を呼べ!!こっちはそんなに気は長くねぇぞ!!」
トントン
ノハ;゚⊿゚)「ハッ……!?」
从;゚∀从「なっ!?」
(;^ω^)「えっ!?」
(;"ゞ)「なぜ!?」
£;°ゞ°)「エェー!?」
(´^ω^`)「やぁ、青年。市長代理に前市長ではご不満かな?」
ノハ;゚⊿゚)「お前、いつの間に……!!」
(´・ω・`)「覇ッ!!」ドンッ
ノパ⊿゚)「え」グルンッ
.
-
.
それは一瞬の早業であった!!
うろたえ、振り向く男の隙をつき、ショボンニは彼の足へ杖をかける!!
そして男がバランスを崩したと見るや、素早く襟首を掴み、地面へと引き倒した!!
ノハ; ⊿ )「ぐはっ……!!」ドサッ
まるで日本の合気道を思わせる、迅雷の神業である!!
そしてとどめとばかり、杖の先端を男の喉仏へ叩き込んだ!!
(´・ω・`)「噴ッ」ドスッ
ノハ;⊿ )「おげぇっ!!?」ゲボォッ
(´・ω・`)「ふむ……まぁ、こんなものか」ポンポン
(´・ω・`)「しかしこの程度の輩に怯えて逃げるとは、トニー君も青いね」
(´^ω^`)「市長の席を譲るのは、まだ早かったかな?」
.
-
.
( ^ω^)「犯人、確保ですお!!」
ノハ; ⊿ )「う……げぇ……」ピクピク
(;"ゞ)「ヴィランをこうも容易く無力化するとは……なんて人だ」
从 ゚∀从「ミスターショボンニ。あんた一体こんなとこで何してんだ?」
(´^ω^`)「やぁーハイド君!久しぶりだねぇ、元気にしていたかい?」
从 ゚∀从「俺は何をしてたかって聞いてるんですがね?」
(´・ω・`)「何って、犯罪者の駆逐は為政者の義務じゃないか」
从;ー∀从「そういうことを言ってるんじゃねーっスよ」
从 ゚∀从「あんたはこの街のVIPなんだ。もし怪我でもされたら俺らのクビが飛ぶんだよ」
(´^ω^`)「ハッハッハッ、任せておきたまえ。私もまだ耄碌はしとらんよ」
从;゚∀从「ったく、このジジィは……反省の色なしかよ」
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-
.
(´・ω・`)「ほら、今日この会場って外周に垂れ幕が張り巡らされてるだろ?」
(´・ω・`)「その陰に隠れてコソコソっと移動をね?」
从 ゚∀从「もーいいッス、分かったから後は俺たちに任せてください」
(´^ω^`)「ハハハ。彼が壁を背にしてくれていて助かったよ」
(´・ω・`)「やはりこの街は面白い。実にエキサイティングでスリリングだよ」
从 ゚∀从「スリルのために無茶されちゃあ、こっちの身が保たねぇっつーの」
( ,,^Д^)「よっこいしょおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」ズッドォンッ
从;゚∀从「うぉっ!!何だお前、どっから出て来てんだ!!」
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( ,,^Д^)「空から失礼!!ショボンニ前市長、探しておりましたよ!!」
(´・ω・`)「おや、そうなのかね」
从 ゚∀从「お前、姿見せないと思ったらそんなことしてやがったのか?」
( ,,^Д^)「あぁ!!トニー市長に頼まれたのでね!!」
( ,,^Д^)「しかしまさか現場の一番近くにおられるとは!!市長も安否を気遣われていましたよ!!」
从 ゚∀从「ほらな。こんなことになるから好き勝手動いてもらっちゃ困るんですよ」
(´・ω・`)「やれやれ、まるで子守りでもされてるみたいだね」
(´・ω・`)「だったらそろそろ、この演説も幕にしなければね」
(´^ω^`)「市民の皆さん!我々への脅威は警察の、そしてヒーロー達の活躍でたった今取り除かれました!」
(´・ω・`)「怪我を負った方は遠慮なく申し出てください!!心身に不安のある方は我々が送迎車を用意します!」
(´・ω・`)「犯罪を未然に防ぐことの出来なかった我々には、そうする義務があるのです!」
( ,,^Д^)「さすが歴戦の強者。抜かりないな!!!」
从 ゚∀从「あぁ。結局株を上げたのはあのジイさんだけってオチだな」
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(;´ー_ゝー`)「サー・トレジャー!」フラフラ
( ,,^Д^)「ム!!大丈夫かデミタス!!」
(;´ー_ゝー`)「えぇ。視界を潰された時は死んだかと思いましたが……」
( ,,^Д^)「すまない!!市長の頼みとはいえ、現場を離れたのは私の判断ミスだ!!」
(´ー_ゝー`)「市長の頼み……?」
(´・ω・`)「トニー君は私を探すように彼へ依頼していたそうだよ」
(´ー_ゝー`)「その声、ミスターショボンニですか?」
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(´ー_ゝー`)「どういうことなんです?話が見えないんですが」
从 ゚∀从「犯人をとっ捕まえたのは、そこにいるジイさんだったんだよ」
(;´ー_ゝー`)「……は?本当ですか?」
(´・ω・`)「あぁ。だが、私がはしゃぎすぎたせいでミスタートレジャーの到着が遅れたなら、それは私のせいでもある」
(´・ω・`)「私も元為政者として責任の取り方くらいは弁えているよ。君も救急車を使いたまえ」
(´ー_ゝー`)「いえ、治る傷ですし事後処理もあるので、先に他の市民を……」
从 ゚∀从「どのみち眼ぇ潰されてちゃ使いもんにならねぇよ。オメーもたまにはお言葉に甘えやがれ」
( ,,^Д^)「そうだな!!君とて一人の守られるべき市民であることに変わりはないのだ!!」
(´ー_ゝー`)「……申し訳ない。では、後から合流します」
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【事件から二日後、クラウン・シティ中央病院】
『荒れる市長選挙』
『トニー現市長へ非難殺到』
『ショボンニ氏に復職要求も』
(,,゚Д゚)「……」パラパラ
(´・_ゝ・`)「ギコ、すまない。待たせたね」
(,,゚Д゚)「おう、デミさん。眼はもういいのかい?」
(´・_ゝ・`)「元から一日で治る傷だよ。大事を取って入院させられたが、却って医者を驚かせたくらいだ」
(,,゚Д゚)「便利なのか不便なのか分からん能力だねぇ。デミさんいっつも怪我してるじゃねーか」
(´・_ゝ・`)「自分で望んだ体だからね、仕方ないよ。それで、事件はどうなった?」
(,,゚Д゚)「死者こそ出なかったが、重軽傷者が六人っぱかし出たみたいだな」
(´・_ゝ・`)「フー……そうか。良かったと取るべきか、ゼロで済まなかったことを恥じるべきか」
(,,゚Д゚)「そう自分を責めなくてもいいんじゃねーの?」
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(,,゚Д゚)「ヴィラン犯罪は予測がつかねー、だから臨機応変に事を運ぶことが大事、ってな?」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャーの言葉か……確かに一理あるがね」
(,,゚Д゚)「なんか不満でもありそうな言い方だな?」
(´・_ゝ・`)「いや。今回は敵の無知に助けられた部分も多かったからね」
(,,゚Д゚)「どういうこった?」
(´・_ゝ・`)「手榴弾なんかの爆弾は、爆発そのものより爆発によって飛び散る破片が怪我を呼ぶんだよ」
(´・_ゝ・`)「水とペットボトル片だけじゃ、炸裂してもそこまで重傷を負うことはなかったんだろう」
(,,゚Д゚)「なるほどな。言われてみりゃ怪我した市民も、爆発自体に巻き込まれた奴らばっかだったらしいしな」
(´・_ゝ・`)「奴がもう少し爆発物に造詣があって、釘や鉄片なんかを水に入れてたら被害は格段に増えたろうね」
(,,゚Д゚)「まぁどっちにしろ、あんたが気にすることじゃねーよ」
(,,゚Д゚)「俺らはやれるだけのことをやった、そうだろ?」
(´・_ゝ・`)「だといいがね……悔いの残る仕事ではあったよ」
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(´・_ゝ・`)「にしても、犯人の目的は結局分からず終いか……」
(,,゚Д゚)「そのことだけどな、なんかトレジャーの旦那が事件を調べてたら、意外なことが分かったらしいぜ?」
(´・_ゝ・`)「なんだ?」
(,,゚Д゚)「あの男、最近捕まったレイニーキッスと仲が良かったんだとよ」
(´・_ゝ・`)「そうなのか?」
(,,゚Д゚)「あぁ。名前は確かヒート=マックスガイとか言ったかな」
(,,゚Д゚)「元同じバンドでレイニーキッスと組んでたが、音楽性の違いで止めちまったんだとよ」
(´・_ゝ・`)「そうか……水を爆発させる能力は、レイニーキッスの水を操作する能力から着想を得たのか」
(,,゚Д゚)「レイニーキッスが逮捕されたのを知って、どーにか逃がしたくなって犯行に及んだとさ」
(´・_ゝ・`)「そんな幼稚な動機で、テロが起こせるとはね……」
(´ー_ゝー`)「やはり僕らの能力は、忌むべき物なのかな」
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(,,゚Д゚)「……あんまり悩んでもしゃーねーぜ、デミさん」
(,,゚Д゚)「ようは使い方次第ってこったろ?だったらクヨクヨせず、良い使い方を探した方がマシだわな」
(´・_ゝ・`)「……そうだな、すまない。ありがとう」
(,,゚Д゚)「やっぱ病み上がりだと気がふさぐんだな!よっし、快気祝いにコーヒー奢るぜデミさん!」
(´・_ゝ・`)「いや、しかし早く帰ってやりたいことが……」
(,,゚Д゚)「あんたいっつも仕事浸けじゃねーか。たまにゃ息抜きも必要だぜ?」
(,,゚Д゚)「いいから今日は俺に奢らせろよ?な?」
(´・_ゝ・`)「……そうか、分かった。じゃあ奢ってもらおう」
(,,゚Д゚)「……あ、財布忘れた。やっぱ無しで」
(;´ー_ゝー`)「……いいよ、金は出す。カフェには寄ろう」
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第十話終わり
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おつ!
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【登場人物紹介】
<ヽ`∀´> トニー=ダーマン市長
現職の市長。極右派。
今回の騒動で支持率を大幅に落とした。
(´・ω・`) ピーター=ショボンニ
前職の市長。穏健派。
ヴィラン災害時に私財までをも投じて街を復興させた伝説の男。
今も彼の復帰を願う声は多い。
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今更だけどビッグ・トレジャーって名前はAA元のタカラから取ってるんだな
今日気づいた
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ノパ⊿゚) RAVEL BOMBER
本名:ヒート=マックスガイ
かつてレイニーキッスこと、カルロ=フォクシーと同じバンドに在籍していた男。
方向性の違いから解散してからは運送業に従事していた。
カルロ逮捕の報を受け、ヴィランとしての能力が開花。
レイニーキッス解放へ向けて爆破計画を企てる。
( l v l) アンディ=ムーン
ヒートに巻き込まれた一般人。
特に政治に不満がある訳ではない。
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ショボンニかっけー乙
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>>746
気付かなかった……
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ガラケーだと掘り返すの大変だから一回上げさせてくれい
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おつおつ
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クラウン・シティへ通じる国道の途中に、煤けた様相の古い店が一軒建っている。
店の名前は『HIDE AND SEEK』。クラウン・シティへ向かう途上のドライバーへ、軽食や土産物を提供する店だ。
従業員は店長とボーイのたった二人。
その規模に漏れず、お世辞にも流行っているとは言い難い店である。
街の栄華から取り残されたようなこの店で。
クラウン・シティを揺るがす事件は起こった。
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( ><)「……」
ミ,,゚Д゚彡「……」
( ><)「店長、ヒマなんです」
( ><) ビル=ナインワーカー(21)
ミ,,゚Д゚彡「おうビル、ヒマなら掃除でも呼び込みでもしてこいや」
ミ,,゚Д゚彡 ドミニコ=フッシャー(41)
( ><)「呼び込みって……こんな辺鄙な場所じゃあ呼び込むお客さんもいないんです」
ミ,,゚Д゚彡「わぁーってんだよんなこたぁーよぉ」
ミ,,゚Д゚彡「ったく、これじゃあクリスマスも越せそうにねーぜ」
( ><)「お給料はちゃんと払って欲しいんです……」
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-
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ミ,,゚Д゚彡「あーあ、クソが。本当なら今ごろベガスの個室で悠々してただろーによぉ」
ミ,,゚Д゚彡「ラストで赤が来てさえいりゃあ、今ごろ俺もお前もウハウハだぜ?」
( ><)「ギャンブルで稼ぎスッた店長が悪いんです、自業自得です」
ミ,,゚Д゚彡「うっせぇなー。少ねぇ稼ぎを夢に賭けて何が悪いってんだよ」
( ><)「そんなティーンみたいなこと言ってるから、奥さんに逃げられるんですよ?」
ミ,,゚Д゚彡「ケッ。尻の穴の小せぇ野郎だぜ」バッ
( ><)「どこ行くんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「買い出しだ!マスタード切らしてたんでな」
( ><)「買い出しならボク、行ってきますよ?」
ミ,,゚Д゚彡「こんなチンケな店にいたら息が詰まらぁ。お前は来もしねぇ客待って机でも磨いてろ」
( ><)「はぁ……」
.
-
.
( ><)「店長はギャンブルジャンキー、お店はガタガタ」
( ><)「ボクもそろそろ仕事変え時ですかねぇ……」
( ><)「……考えても仕方ないし、言いつけ通り机磨くんです」
( ><)「えーと、布巾布巾……」
( ><)「……あ、洗剤切れてるんです。倉庫に在庫あったですかね?」テクテク
( ∀ ) …ユラァ
( ∀ ) ドサッ
( ∀ )「……グゴォォ」
.
-
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ミ#,,゚Д゚彡「ダァーッ!!クソが!!」バァンッ
( ><)「あっ、店長。買い出し行ったんじゃなかったですか?」
ミ#,,゚Д゚彡「誰かが表のマンホール開けてやがったんだよ!!」
ミ,,゚Д゚彡「そのせいでタイヤが穴にハマって動かせなくなっちまった!!」
(;><)「えぇ!?そんなイタズラする人いるんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「知らねーよ!オメーもジャッキ持って表出ろ、ワカ!」
( ><)「え、でも……今お客さんが来てて……」
ミ,,゚Д゚彡「あん?」
.
-
.
( ∀ )「ゴゥルルル……グガォァァァ……」
ミ,,゚Д゚彡「あんだぁ?寝てやがんのか?」
( ><)「みたいですね……ぼくが裏の倉庫に行ってる間に来たみたいなんです」
ミ,,゚Д゚彡「タダの迷惑野郎じゃねーか。起こして帰らせろよ」
(;><)「嫌ですよ!拳銃でも持ってたらどうするんですか!」
(;><)「店長行って起こして来てくださいなんです!」
ミ,,゚Д゚彡「やだよめんどい」
(;><)「自分のやりたくないことを人にやらせるななんです!」
.
-
.
ミ,,゚Д゚彡「お前こそ人の嫌がることは率先してやれよ。俺ぁ雇用主だぞ?」グリグリ
(;><)「あぅぅ……ば、バイト代ちゃんと払ってから雇用主を名乗ってほしいんです」
(;><)「あんまり横暴が過ぎると、労働局に訴えるんですよ!!」
ミ,,゚Д゚彡「ったく、チキンがよぉ……んならお前は表の車んとこ行っとけ」
ミ,,゚Д゚彡「俺が起こしてからそっちに合流すらぁ」
( ><)「やった!分かったんです!」スタターッ
ミ,,゚Д゚彡「はぁー、めんどくせぇな。オラ、あんた。ここはモーテルじゃねぇぞ」ガタガタ
ミ,,゚Д゚彡「さっさと起きて注文するか、この店から出てくかしてくんな」バァンッ
( ∀ )「……グガッ、グゴォォ」
ミ,,;゚Д゚彡「まだ起きねーか。しぶてーなー……」
.
-
.
ミ,,゚Д゚彡「ちきしょうめ。こうなったら意地でも起こしてやらぁ」
ミ#,,゚Д゚彡「おらぁぁぁ!!起きろぉぉぉ!!」ガタガタガタッドスンドスン
( ∀ )「ンゴゴ……ンガッ……」
( ゚∀゚ ) 「……」ムク
ミ,,゚Д゚彡「やっと起きやがったか……おいアンタ、客でもねぇのに店で寝ねぇでくれるか?」
ミ,,゚Д゚彡「何か頼むか、さもなくば出てくか、好きな方を選びな」
( ゚∀゚ ) 「……」ボーッ
ミ,,゚Д゚彡「おい、聞こえてんのか?おーい?」
( ゚∀゚ ) 「……メシ」
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
( ゚∀゚ ) 「……食いもん」
.
-
.
ミ,,゚Д゚彡「メシねぇ……あんた金持ってそうな風体じゃないが、支払いは出来るんだろうな?」
( ゚∀゚ ) 「……」
( ∀ ) 「……」スヤァ…
ミ,,;゚Д゚彡「おーい!寝んな寝んな!金持ってねぇなら通報すんぞ!?」
ミ,,゚Д゚彡「ったく……こっちもヒマじゃねぇっつうのによぉ……」
ミ,,゚Д゚彡「おい!あと10数えるうちに出てかねぇならマジで警察呼ぶからな!」
ーーーチリンチリン
ミ,,゚Д゚彡「お?」
\(^o^)/「ヤッホーwww」
ミ,,゚Д゚彡「なんだなんだ?今日は客の多い日だな……」
.
-
.
ミ,,゚Д゚彡「仕方ねぇ、こいつは一旦後回しだ」
ミ,,゚Д゚彡「接客終わってもまだ居座ってたらぶん殴ってやっからな」
( ∀ ) 「……」クカー
ミ,,゚Д゚彡「ヘイらっしゃい。お客さん何をご注文で?」
\(^o^)/「濃厚なパンティと幼女液のブレンドをwwwドゥフフwww」
ミ,,;゚Д゚彡「……は?」
\(^o^)/「おっとwww拙者としたことが間違ったでござるwww」
\(^o^)/「熱々のコーシーと拙者のイチモツのごときソーセージを挟んだホットドッグを所望するでござるよwwwwww」
ミ,,゚Д゚彡(なんだこいつ気持ち悪いな……)
ミ,,゚Д゚彡「あー……ホットコーヒーとホットドッグな?」
\(^o^)/「左様にござるwww冷めないうちに頼むでござるよwww」
ミ,,゚Д゚彡(気色悪ッ……ビルの野郎呼び戻して接客させるか)
.
-
.
ミ,,゚Д゚彡「あぁ、そーだ。お客さん、今マスタード切らしてるんだが構わねぇかな?」
\(^o^)/「なんとwwwマスタードのないホットドッグなど耳を食われたDORAEMONと同じwwww」
\(^o^)/「片手落ちですぞwww片手落ちですぞwww」
ミ,,゚Д゚彡(いちいちウゼェなぁ……相手すんのもダルくなってきたぜ)
ミ,,゚Д゚彡「すいやせんね、今うちの若いのが買いに出たとこなんで」
ミ,,゚Д゚彡「今日だけはマスタード抜きで頼んまさぁ」
\(^o^)/「仕方なきwww妥協点にwwwござ候wwww」
ミ,,゚Д゚彡(ぶっ殺してェ〜……)
\(^o^)/「時にマスターwww拙者お尋ねしたいことがござるwww」
ミ,,゚Д゚彡「あ?あー、なんだい?」
.
-
.
\(^o^)/「拙者これよりwwwクラウン・シティに向かうのでござるがwww」
\(^o^)/「クラウン・シティで最も人が集まる所を教えてほしいでござるwwww」
ミ,,゚Д゚彡「あー……そうさな、平日の今日なら市庁舎前とかビジネス街とかじゃねーか?」
ミ,,゚Д゚彡「休日まで滞在するんならセントラルパークに行くといいぜ」
\(^o^)/「左様でござるかwwwまことwww感謝感激にござるwww」
ミ,,゚Д゚彡「しかし、この暮れも押し迫った時期に旅行たぁ酔狂だね」
ミ,,゚Д゚彡「あんたも一攫千金夢見て都会に出てきたクチかい?」
\(^o^)/「そんなところでおじゃるwwwマロのシャクを返してたもwww」
ミ,,゚Д゚彡「止めとけ止めとけ。夢なんて見るだけムダだぜー?」
\(^o^)/「ほう?wwwそれはなにゆえ?www」
.
-
.
ミ,,゚Д゚彡「俺も若い頃はでけぇ店のオーナーになるんだなんて息巻いてたがよ」
ミ,,゚Д゚彡「気づいたらこんなチャチな店でぐーたらしてらぁな」
ミ,,゚Д゚彡「自分の器を知るのは大事だぜ……って、初対面の人間にするような話じゃねーやな」
\(^o^)/「なるほどwwwしかし心配はゴム用にござるwww」
\(^o^)/「拙者これでもwww飛天御剣流免許皆伝にござればwww」
ミ,,゚Д゚彡「は?」
ミ,,゚Д゚彡(やっべぇ、頭のおかしい奴に説教くれちまった)
ミ,,゚Д゚彡「はは、そ、そーですか。そりゃ良かった……」
\(^o^)/「おやwww信じてござらんな?www」
\(^o^)/「ならば見せてやりましょうぞwww飛天御剣流www龍槌閃www」
ミ,,ーДー彡「はいはい、お好きにどうぞ……」
.
-
.
スパァンッ
ミ,,゚Д゚)「え」
彡 パサッ
\(^o^)/「おやおやwww光るは親父のハゲ頭とはこのことですなwww」
ミ,,;゚Д゚)「な……なんっ……!?」
\(^o^)/「さっきより男前が上がったでござるよwwwフォカヌポゥwww」
ミ,,;゚Д゚)「なんだ、テメェは!?」
\(^o^)/「拙者wwwカンザス州では少しばかり名の知れたヴィランにござるwww」
\(^o^)/「こたびは更なる名声を上げるためwwwクラウン・シティまでやってきた次第www」
\(^o^)/「貴殿wwwスラッシャージョーという名前を聞いたことはありませんかな?wwwww」
ミ,,;゚Д゚)「スラッシャージョーだぁ?一度たりとも聞いたことねー」
\(^o^)/「なんというローカルヴィランwww悔しいのぅwww悔しいのぅwww」
.
-
.
\(^o^)/「これでもカンザスではwww五人殺して指名手配中の身なのにwwwテラカナシスwww」
ミ,,;゚Д゚)「んだとぉ……!?」
\(^o^)/「ゆえにwwwスラッシャージョーのクラウンシティデビューはwww」
\(^o^)/「このボロくて臭くてwwwオワテる店からということにwwwなりますなwww」
\(^o^)/「光栄にwww思wwwwうがwwwwwいいwwwwww」
ミ,,;゚Д゚)「想像以上にヤバい奴だった!!」
\(^o^)/「さぁwww金と食糧を渡しなさいwww今なら特別に五体満足で帰して差し上げましょうwww」
\(^o^)/「うはwww俺テラフリーザ様www憧れの上司待ったなしwwwww」
ミ,,;゚Д゚)「クソが……言っとくが金なんかねーぞ!!」
\(^o^)/「ズコーッ!!wwwシケた店にござるwwwww」
.
-
.
\(^o^)/「しょうがないwww金がないなら店を刻んで燃やすでござるwww」
\(^o^)/「キャンプファイヤwwwキャンプファイヤwww」
ミ,,゚Д゚)「……」ススッ
ミ,,゚Д゚)y=ー「バカが!こちとら犯罪都市に住んで何の備えもねーはずねぇだろ!!」チャキッ
ミ,,゚Д゚)y=ー「鉛玉食らって血反吐はきな!!」ドパァンッ、ドパァンッ!!
\(^o^)/「おっとwww」
フォンッ……
ミ,,゚Д゚)「……?」
\(^o^)/「いたいけなヴィランに銃を向けるなどwww貴様の血は何色でござるかwww」パラパラ…
ミ,,;゚Д゚)「あ……当たってねぇのか!?」
\(^o^)/「拙者の手刀はエクスカリバーwwwこの世に切れない物などないのでござるwww」
\(^o^)/「散弾だろうとマグナムだろうと一刀両断wwwwテラカプリコーンwww」
ミ,,;゚Д゚)「ば……化け物が!!」
.
-
.
( ><)「店長ー?なんか凄い音したですけど、どうかしたんですか?」ヒョコッ
ミ,,;゚Д゚)「わっ、バカ!!こっち来んな!!」
( ><)「え……」
\(^o^)/「おっと、もう遅いでござるwwww」
ガシィッ!!
(;><)「ギャー!!何なんですかこの人!?」
\(^o^)/「やいやいwwwこの見るからに童貞臭漂う青年の命が惜しくばwww銃を捨てるのだwww」
ミ,,゚Д゚)「……チッ!」ガシャンッ
(;><)「て、店長ォ!?どういう状況なんですかコレ!?」
ミ,,゚Д゚)「強盗だよ見りゃ分かんだろ!!」
(;><)「強盗って……銃も刃物も持ってないじゃないですか!」
(;><)「いつもイキッて大口叩いてるんですから、さっさと倒してくださいよ!!」
ミ,,;゚Д゚)「バッカおめーそいつはそういうんじゃなくて……!!」
.
-
.
\(^o^)/「ふぉふぉふぉwww百聞は一見にしかずwww」
\(^o^)/「飛天御剣流奥義www九頭龍閃wwww」
スッパァァンッ
(;><)「ぎゃあああ!!机が切れた!?」
\(^o^)/「グッフォwwwナイスリアクションwwwクソワロタwww」
\(^o^)/「お前もwwwこの机のようにwwwしてやろうかwww」
(;><)「あぁぁぁ……や、やなんですうぅぅぅ……!!」
ミ,,゚Д゚)「おいコラてめぇ!!うちの店の備品傷つけるんじゃねぇよ!!」
(;><)「備品より店員の心配しろです!!」
ミ,,゚Д゚)「ビル……お前は勇敢に戦ったと、故郷(くに)のお袋に伝えておくぜ……!!」
(;><)「この人でなしー!!」
.
-
.
\(^o^)/「案ずることなかれwwwじきに室内の全てがズタズタになり申すwww」
\(^o^)/「そうまるでwwwまるでwwwアレのようにwww」
\(^o^)/「喩えが思い浮かばんかったwww」
( ><)「ボキャブラリー少なっ」
\(^o^)/「なんだとwww貴様のボデーを切り刻んで思い出してやろうかwww」
(;><)「ぎゃあ!止めるんですぅ!」
ミ,,゚Д゚)「犯人を刺激すんなバカ!!アホ!!マヌケ!!チェリー!!」
(;><)「チェリーは関係ないんです!」
\(^o^)/「……おや?www」
.
-
.
( ∀ ) 「ンガガガ……」スヤァ
\(^o^)/「おやおやwww蚊帳の外で寝ているおバカさん発見www」
\(^o^)/「おいコラバカ野郎wwwてめぇこの野郎www」
\(^o^)/「起きるでござるwww深夜アニメの見過ぎでござるよwww」ユサユサ
( ∀ ) 「……」シーン
\(^o^)/「起wwwきwwwwねぇwwwww新手のスタンド使いでござるかwwwww」
\(^o^)/「これはwww背中から唐竹割にwwwするにしかないwww」
ミ,,;゚Д゚)「や、止めろ!!客に手を出すな!!」
(;><)「お客さん逃げてー!!」
\(^o^)/「もうwww遅いwwwwイエァァァァァァwwwww」
フォンッ
.
-
.
ヒュンッ!
\(^o^)/「んぇっ?」
(;><)「き、消えた……!?」
ミ,,゚Д゚)「後ろだ、ビル!!」
( ゚∀゚ ) 「……」スタッ
\(^o^)/「なんだとwww拙者の手刀をかわすとはwww」
\(^o^)/「これはいかなるトリックかwwwお分かり頂けただろうかwww」
( ゚∀゚ ) 「……」ボーッ
\(^o^)/「ぬぅんwwwこのイカレチンポwwwもといイカレポンチめwww」
\(^o^)/「拙者の高貴で崇高で神聖なる手刀をwww避けるでないwww」
フォフォンッ
.
-
.
バスッ…
(;><)「えっ!?」
ミ,,;゚Д゚)「なっ!?」
\(;^o^)/「!!?」
\(;^o^)/「き、切れないでござる!?なにゆえ!?」
\(;^o^)/「イエァ!!イエァァァ!!」フォンッフォンッ
( ゚∀゚ ) 「……」バスッバスッ
\(;^o^)/「これはwww思わず草を生やすのも忘れる衝撃www」
\(;^o^)/「お主一体www何者でござるかwww」
.
-
.
\(;^o^)/「ぬぅぅwwwかくなるうえはwww」
\(^o^)/「拙者の本当の力www見せてしんぜようwww」
\(#^o^)/「ハアァァァ……」ビキッビキッ
∧(#^o^)∧「マックスwwwwwwエクスカリバーwwwwww」ビキィッ
( ゚∀゚ ) 「……」
∧(^o^)∧「グフフフwwwwwwこの姿を見たものは死、あるのみwwwwww」
∧(^o^)∧「草の量も二倍になってパワーアップにござるよwwwwww」
三三三∧(#^o^)∧「死ねぃ!!!wwwwww」ビュオンッ
( ゚∀゚ ) 「……」
(;><)「ヒエェェ!!」
ミ,,゚Д゚)「ビル!!隠れろ!!」
.
-
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ぶぢんっ……
.
-
.
∧(^o^)「……ひゅ?」
( ゚∀゚ )っ∧ ブラン……
∧(;^o^)「え……あれ……?」
∧(;^o^)「あれは、拙者の……腕……?」
∧(;^o^)「あっ……うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
∧(;^o^)「腕がっ!!拙者の腕がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
( ゚∀゚ ) 「……」
ミ,,゚Д゚)「お、おい……なんだ今の。何が起こった……?」
(;><)「わ、分かんないんです……」
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-
.
∧(;^o^)「うっぐぅぅ……貴様よくも拙者の腕をぉぉぉぉぉ……!!」
( ゚∀゚ ) タンッ
ぶちぃっ!!
(;^o^)「ぎいいいいいいいっ……!!?」
( ゚∀゚ )っ∧ グチャァ……
:(;^o^):「あがっ……あがぁっ……!!」ビクンッビクッ
(;><)「おぇぇっ……!」
ミ,,゚Д゚)「おい、ビル」ボソッ
(;><)「は、はい……?」
ミ,,゚Д゚)「今のうちに裏口から逃げんぞ。そんで警察に通報だ!」
(;><)「は、ハイなんです!」
.
-
.
(;^o^)「ぐえぇ……お、おぐぅっ……」
( ゚∀゚ )「……」ドスッ
(; o )「おげぇっ!?」ゲボッ
( ゚∀゚ ) 「……」ダンッダンッダンッダンッ
ぐぢゃっ、ぐぢゃっ、ぐぢゅり、ぐぢゅっ
:(; o ):「あっ……あっ……」ビクッ
( o )「……」ガクンッ
( ゚∀゚ ) 「……」
.
-
.
ミ,,゚Д゚)「……中ぁ今どうなってんだ?」
(;><)「見に行きたくもないんです……」
ミ,,゚Д゚)「あっ……出てきたぞ」
( ゚∀゚ ) 「……」ビチャッ
( o )「……」ズルッ、ズルッ
ミ,,;゚Д゚)「うぉ、ひでぇ……」
(;><)「オェェッ!!」
( ゚∀゚ ) 「……おっさん」
ミ,,;゚Д゚)「お、おう!?」
( ゚∀゚ ) 「メシ、やっぱいらねぇ」
ミ,,゚Д゚)「え?お、おう……そうか?」
( ゚∀゚ ) 「あぁ……これで足りる」
ミ,,゚Д゚)(……これで足りる?)
.
-
.
( ゚∀゚ ) 「……」ズルッ、ズルッ
ミ,,;゚Д゚)「……」サッ
(;><)「……」ササッ
ミ,,;゚Д゚)(……何か知らねぇが、さっきの奴よりこいつのが億万倍ヤバい)
ミ,,;゚Д゚)(触れずに帰すのが得策だな……)
(;><)(店長!警察まだ来ないんですか!?)
ミ,,;゚Д゚)(知らねぇよ!!警察に聞け!!)
ガシャアァァンッ!!!
ミ,,゚Д゚)「な、なんだ!?」
(;><)「店の裏からです!!」
.
-
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プシュウゥゥゥ……
ミ,,;゚Д゚)「ぎゃあ!!俺の車ァ!!」
(;><)「横転してるんです……」
ミ,,゚Д゚)「……まさか、さっきのあいつがやったのか?」
(;><)「うわ……見てください。マンホールに血の跡がついてます……」
(;><)「もしかして、車をどかしてここに逃げたんじゃ……?」
ミ,,゚Д゚)「待て待て。てことはだぞ?」
ミ,,゚Д゚)「片手で死体を引きずって、片手で車を持ち上げてぶっ転がした?」
(;><)「……そう、なりますね」
ミ,,;゚Д゚)「どんな腕力だっつーの……」
.
-
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ファンファンファン……
£°ゞ°)「デルタさーん、現場の遺留品の回収終わったヨー」
( "ゞ)「あぁ、ありがとう」
ミ,,゚Д゚)「……はぁ」
( ^ω^)「大丈夫ですかお?」
ミ,,゚Д゚)「俺は何ともねぇが、ビルの奴ぁどうなんです?」
( "ゞ)「ちょっと消耗してるみたいなので、あちらで休んでもらってます」
ミ,,゚Д゚)「そうか……まぁ無理もねぇや」
£°ゞ°)「そうネー。屋内血まみれで酷いことになってたモノ!」
£°ゞ°)「ありゃトラウマもんだヨー!」
ミ,,゚Д゚)「ちげぇねぇっすわ」
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从 ゚∀从「うーす、おめぇら」ズカズカ
( "ゞ)「お疲れ様です、署長」
从 ゚∀从「お疲れさん。あんたがこの店のオーナーかい?」
ミ,,゚Д゚)「あぁ……そうだ」
从 ゚∀从「そうかい。この度は災難だったな」
ミ,,゚Д゚)「まったくだ。保険屋呼んで改修費くれぇ出させねぇとよ」
( "ゞ)「署長、カンザスの警察とは連絡が取れましたか?」
从 ゚∀从「あぁ。どうやら被害者はマジで指名手配犯だったみてぇだ」
从 ゚∀从「本名はジーン=オタワ、通称スラッシャー・ジョー」
从 ゚∀从「ジャパンかぶれでニンジャだかサムライだかの真似をしたがる、イカれた野郎だったとよ」
ミ,,゚Д゚)「あぁ……えらく気持ち悪い男だったぜ」
.
-
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( ^ω^)「けど、そんな危ない奴を物ともせずに殺害した男がいるんですおね……」
从 ゚∀从「あぁ。嫌な予感がしやがる……店長、犯人の特徴は分かるかい?」
ミ,,゚Д゚)「特徴か……赤茶けた髪の大柄な男で……」
ミ,,゚Д゚)「浮浪者みてーなオンボロの服なのに、体はえらくガタイが良かった」
ミ,,゚Д゚)「あと、そうだな……めちゃくちゃドブ臭かったからさっさと帰れと思ったな」
(;^ω^)「それ特徴ですかお?」
ミ,,゚Д゚)「くせーもんはくせーんだもんよ……あっ、そうだそれと」
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ミ,,゚Д゚)「左側の口元に、でっけぇひきつれ傷みたいなのがあったぜ」
ミ,,゚Д゚)「その傷のせいで口角が引っ張られて、何となし笑ってるみてぇに見えるのよ」
(;"ゞ)「……!!」
(;"ゞ)「署長、これは……!!」
从 ー∀从「……あぁ。嫌な予感が当たっちまいやがった」
从 ゚∀从「赤髪で大柄、頬のひきつれ、ヴィランの攻撃を物ともしねぇタフさ……全てが奴の特徴と一致する」
从 ゚∀从「こいつは、ファニーフェイスだ。ほぼ間違いねぇだろう」
(;^ω^)「ふぁっ……!?」
£;°ゞ°)「本当ナノ!?」
从 ゚∀从「頬の傷は奴がトレジャーと戦った時に負った傷だ。見間違えるこたねぇよ」
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しえしえ
-
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ミ,,゚Д゚)「おいおい、何だよ。あいつそんなヤベー奴だったのか?」
(;^ω^)「えぇと……何と言いますか」
£°ゞ°)「一言で言うなら、生きてて良かったネって感じ?」
ミ,,;゚Д゚)「マジかよ……カジノが当たんねぇ訳だぜ……」
从 ゚∀从「デルタ、ちょっとこっち来い」
( "ゞ)「はい」
从 ゚∀从「今すぐ本署に連絡しろ。内容は『ファニーフェイス出現、最重要警戒要請在り』だ」
( "ゞ)「……分かりました。すぐに連絡します」
从 ゚∀从「それと、マンホールには誰も近づかないよう徹底させろ」
从 ゚∀从「奴がまたひょっこり顔出したら、今度は被害者一人じゃ済まねぇからな」
( "ゞ)「了解、そちらも手配しておきます」
.
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从 ー∀从(……ついに、この時が来ちまったか)ギュッ
从 ゚∀从(帰ったら特犯課全員……いや、署員全員集めて対策だな)
从 ゚∀从(だが、何だって奴ぁこんなところに現れたんだ……?)
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ガリッ、ブチュッ、クチャ、クチャ…
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第十一話終わり
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【登場人物紹介】
( ><) ビル=ナインワーカー
ハイドアンドシーク店員。21歳童貞。
後にファニーフェイスを夢に見て十数年ぶりにおしっこを漏らした。
ミ,,゚Д゚彡 ドミニコ=フッシャー
41歳飲食店オーナー。バツイチのギャンブル狂い。
後にファニーフェイスの訪れた店を売りにしようとして失敗する。
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\(^o^)/ SLASHER JOE
本名:ジーン=オタワ
鋼鉄をも切り裂く手刀を持つ男。
元はカンザスの田舎に住むイキりオタク。
( ゚∀゚ ) FUNNY FACE
本名:不詳
かつてクラウン・シティを壊滅寸前に陥れたヴィラン。
詳しい経歴は全くの不明である。
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第十一話・裏「ビッグ・トレジャーと来訪者」
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【時は前後し、ここは総合科学技術研究所……】
川 ゚ -゚)「……」カタカタッ
prrr、prrr…
川 ゚ -゚)「はい、こちらクォッサだ。何か?」
『クォッサ博士。1番応接室にてトニー・ゲイリー様がお待ちです』
川 ゚ -゚)「……!」
川 ゚ -゚)「あぁ、分かった。すぐに向かう」
⌒*リ´・-・リ「博士、何かご用ですか?」
川 ゚ -゚)「来客だ、すぐに戻る」バッ
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【地下トレーニング室】
( ,,^Д^)「ムンッ!!!ムンッ!!!」ムワァァァァ!!!
(;・∀・)「ホッ、ハッ……」ギシッギシッ
prrr、prrr…
( ,,^Д^)「ム?内線か!!!」
( ,,^Д^)「すまないモララー!!!代わりに取ってくれないか!!!」
(;・∀・)「あいよー」
( ・∀・)「ふぃー……もしもーし、モララーだけど」
( ・∀・)「あ?なんて?」
( ・∀・)「……おっさんにそう伝えれば分かるんだな?オーケーオーケー」
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( ・∀・)「おっさーん、クォッサ博士から1番応接室にトニー=ゲイリーが来客だってよー」
( ,,^Д^)「……!!」
( ,,^Д^)「そうか、分かった!!!すぐに向かう!!!」
( ・∀・)「なぁ、トニー=ゲイリーって誰?」
( ,,^Д^)「トニー=ゲイリーは招かれざる来客という意味の隠語だ!!!」
( ,,^Д^)「研究所に私宛の来客があった場合、そう伝えられる!!!」
( ・∀・)「へぇー……あれ?でもなんで研究所におっさんがいるってバレてんだ?」
( ・∀・)「確か一般人には、俺らのアジトがここって公開されてないよな?」
.
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( ,,^Д^)「それが不明ゆえに、隠語で私まで伝えているのだよ!!!」
( ,,^Д^)「私の居場所を嗅ぎ付けた、危険人物が来訪することもあるからな!!!」
( ・∀・)「へぇー。なんか面白そうだなソレ」
( ・∀・)「俺も応接室まで着いてっていいか?」
( ,,^Д^)「構わないが……もし君の同席が都合の悪い話なら、席を外してもらうことになるぞ?」
( ・∀・)「その時は食い下がったりしねーよ。な、いいだろ?」
( ,,^Д^)「フム……良かろう、ならば後学のために同席したまえ!!!」
( ・∀・)「さっすがおっさん!そー来なくっちゃな!」
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【1番応接室】
( ,,^Д^)「失礼ッッッ!!!」ウィーン!!!
( ・∀・)「ちわーす」ヒョコ
Σz ゚ー )リ「お?」
( ・∀・)「あ?」
Σz ゚ー )リ「よぉ〜モララー!!お前まで着いてきたのか!!」
( ・∀・)「ダスティ!来客ってお前のことだったのかよ!」
( ,,^Д^)「君はいつぞやの……!!!」
Σz ゚ー )リ「よぉう、元気してたかい?トレジャーさんよぅ」
( ,,^Д^)「なぜここに私がいると分かった?」
Σz ゚ー )リ「これでもちょっとは情報通なもんでな。悪いが探り入れさせてもらったぜ」
.
-
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( ,,^Д^)「そうか!!だが君が一般人とはいえ、漏洩を危惧するなら拘束せねばなるまいな!!」
Σz; ゚ー )リ「いや物騒だな!?ヒーローって誰にでもそんななのかよ!?」
( ・∀・)「お前いかにも口軽そうだもんなー」
Σz; ゚ー )リ「モララーてめぇ!!」
( ,,^Д^)「ならば、君の目的を話したまえ!!!なぜ私と接触を図った?」
Σz ゚ー )リ「なぁに、ちょいとあんたらに協力してやろうと思ってな」
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Σz ゚ー )リ「あんたたち、あのファニーフェイスの居場所、知りたかねぇか?」
( ,,^Д^)「……!!」
( ・∀・)「?」
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第十一話裏・終わり
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最高に不気味だなファニーフェイス
乙
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おつおつ
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追いついた
面白いし読みやすい。乙!
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( ,,^Д^)「どういうことだね?君はファニーフェイスについて何か知っているのか?」
Σz ゚ー )リ「さぁ、どうだろうね?ヒントは与えてたはずだが?」
( ・∀・)「まどろっこしい言い方しないでチャチャッと教えろよ」
Σz ゚ー )リ「お前はせっかちだねぇ。もうちょっと頭巡らせてから喋れよ」
(#・∀・)「なんだと……?」
( ,,^Д^)「これモララー!!すぐカッとなるのは悪い癖だぞ!!」
( ・∀・)「……チッ」
.
-
.
( ,,^Д^)「だが、君がファニーフェイスと懇意だと言うなら話は別だ!!!」
( ,,^Д^)「逃走した奴を匿っているなら、君は犯人隠匿罪に問われる可能性がある!!!」
( ,,^Д^)「となれば我々も、警察に協力せねばならない立場にあるのでな!!!」
Σz ゚ー )リ「まぁ待てって。それに関しちゃあんたらも同罪なんだぜ?」
( ・∀・)「はぁ?どういうこった?」
Σz ゚ー )リ「俺はちゃんと答えを提示してたんだ。あんたらも気づかないはずがないだろ?」
( ,,^Д^)「ちょっと待ってくれ!!!話が全く見えないのだが!!!」
Σz ゚ー )リ「鈍いなぁ!!俺からあんたに渡した物があったろうが!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「……あっ!!!」
Σz ゚ー )リ「そうだよ、ようやく思い出したか」
Σz ゚ー )リ「USBメモリだよ!モララーとのレースに勝った賞品の!」
Σz ゚ー )リ「あれには正確な排水路の図面と、暗号化された潜伏場所が書いてあったんだ」
Σz ゚ー )リ「それ見りゃ誰でも、地下に逃げたファニーフェイスと関連づけるだろ?」
Σz ゚ー )リ「そうでなくても、その意味について俺に尋ねるくらいするはずだと踏んでた」
Σz ゚ー )リ「ところがお前ら、あれからずいぶん経つのに一向に俺へコンタクトすら取らねぇ!!」
Σz ゚ー )リ「だからこーして今日、わざわざ忙しい合間を縫って会いに来たってワケよ」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「逆に俺から聞きてぇよ。あんたあの図面を見てピンと来なかったのか?」
( ,,;^Д^)「……」
(;・∀・)「……」
Σz ゚ー )リ「……何だよ、その沈黙は?」
( ,,;^Д^)「……すまん!!!ミスターダスティ!!!」
Σz; ゚ー )リ「いやいや、なんで謝るんだよ?」
( ,,;^Д^)「私はあのUSBの中身を、見ていないのだ!!!」
Σz; ゚ー )リ「はぁ!?ふざけんなよあのレースからもう半年以上経ってるだろ!!」
(;・∀・)「あのUSBな、レースの直後に犬が持ってってどこかに隠しちまったんだ……」
Σz; ゚ー )リ「ハァァァァッ!!?バカなのかテメーら!!!」
( ,,;^Д^)「そんな大事な物だとは露知らず、ぞんざいな扱いをしてしまって……本当に申し訳ない!!!」
.
-
.
Σz# ゚ー )リ「ったくよぉ!!ヒーローってのがここまで間抜けだとは思わなかったぜ!!」
( ,,;^Д^)「全ては私の不徳の至り……今一度ドルチェがどこにUSBを隠したか、探してみよう!!!」
( ・∀・)「まぁその話はおっさんがヌケてたってことでいいとして」
Σz; ゚ー )リ「それでいいのかよ……」
( ・∀・)「大事なのはなんでお前が、ファニーフェイスの居場所を知ってるかってことだろ?」
( ,,^Д^)「確かにな……うやむやには出来ない問題だ!!!」
Σz ゚ー )リ「奴とはちょっとした腐れ縁でね……まぁ、話すと長くなるから割愛するわ」
( ・∀・)「いや話せよ、だいぶ核心だろうがよ」
.
-
.
prrr、prrr…
( ,,^Д^)「ム……失礼!!また内線だ!!」ピッ
( ,,^Д^)「こちらトレジャー!!!どうしたかね!!!」
『デミタスから電話だ。どうやら急を要するようだが出れるか?』
( ,,^Д^)「……」チラッ
Σz ゚ー )リ「俺のことは気にすんなよ、そっちの用事から済ませちまいな」
( ・∀・)「俺がテキトーに相手しとくからそっち優先してくれよ」
( ,,^Д^)「……分かった、繋げてくれ!!!」
.
-
.
『もしもし、サー・トレジャー。緊急事態です!』
( ,,^Д^)「あぁ!!!どうしたデミタス、何の用事だ?」
『クラウン・シティ郊外より、ファニーフェイス出現との報がありました!』
( ,,;^Д^)「なんだって!?」
『場所は国道×××号線沿い、ハイドアンドシークという店です』
『サー・トレジャーもすぐにこちらへ来ていただけませんか?』
( ,,^Д^)「ウム……分かった、すぐに向かう!!!」
( ・∀・)「電話、なんだって?」
( ,,^Д^)「ファニーフェイスが、郊外に現れたそうだ!!!」
(;・∀・)「マジ!?」
Σz; ゚ー )リ「なんだって!?」
.
-
.
( ,,^Д^)「モララー!!!君は留守を頼む!!!」
( ,,^Д^)「ミスターダスティ!!!火急の用ゆえ話を後回しにすること、許して欲しい!!!」
( #,,^Д^)「ハァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」ダンッ
ズドォンッ!!!
Σz; ゚ー )リ「おわっ!?」
シュウゥゥゥゥゥ…
Σz; ゚ー )リ「き、消えた?」
( ・∀・)「ちげーよ。走って出ていっただけだ」
Σz; ゚ー )リ「はぁー……相変わらず脳筋だなお前ら」
( ・∀・)「あの人と一緒にされても俺が困るわ」
.
-
.
( ・∀・)「にしても、お前がファニーフェイスと関係があったとはな」
Σz ゚ー )リ「ん?……あぁ」
( ・∀・)「よっし。トレジャーのおっさんに代わって俺が聞いてやる」
( ・∀・)「おら話せよ、おらおら」
Σz ゚ー )リ「お前頭悪そうだからよしとくわ」
(;・∀・)「失礼な!これでも体大は出てんだぞ!中退だけど!」
Σz ゚ー )リ「ま、なんつーか……奴とは単なる同郷のよしみって奴だ」
Σz ゚ー )リ「デケぇ声で話すほどの事でもねーよ」
( ・∀・)「あん?同郷なのか」
Σz ゚ー )リ「まぁな……」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( #,,^Д^)「ヌオォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」ドドドドドッ
キキィッ!!!
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!!こちらです!!」
( ,,^Д^)「ご苦労、デミタス!!!」
从 ゚∀从「来たか、トレジャー」
( ,,^Д^)「署長!!!」
从 ゚∀从「オメーの見解が聞きてぇ、こっちだ」
( ,,;^Д^)「これは……!!!」
从 ゚∀从「ひでぇもんだろ?奴は被害者の両腕をもいで、死体と一緒にマンホールへ消えたそーだ」
(;´・_ゝ・`)「なんとも、残虐極まることだ……」
( ,,^Д^)「奴め……こんなことをしでかすとは……!!!」
从 ゚∀从「これくらいは予想の範疇だろ?考えるべきことはもっと他にある」
(´・_ゝ・`)「それは?」
从 ゚∀从「さぁここで問題だ。奴の目的は、一体何だろうな?」
从 ゚∀从「これまで十五年もナリを潜めてた悪党が、何を目当てに表へ出てきた?」
.
-
.
( ,,^Д^)「ならば僭越ながら、私から忌憚のない意見を言わせてもらおう!!」
从 ゚∀从「あぁ、聞かせろ」
( ,,^Д^)「奴は当時、私との決着を着けることだけに異常に執着していた!!!」
( ,,^Д^)「そしてそれは、今も変わらないと断定できる!!!」
从 ゚∀从「ほう、それは何故だ?」
( ,,^Д^)「奴は私と同等の力を持っているからだ!!!」
( ,,^Д^)「十五年前の戦いでは我々の力は拮抗し、どちらが勝ってもおかしくない状況だった!!!」
( ,,^Д^)「それ故に、奴は私以外の人間と戦おうとはしないのだ!!!」
( ,,^Д^)「どうせ勝つ戦いだから、とな!!!」
从 ゚∀从「じゃあなんで今回は奴が出てきたんだろーな?」
( ,,^Д^)「フム……その口振りからして、もう予測はついているのでは?」
.
-
.
从 ゚∀从「あぁ……どーにも胸糞悪い結論だがな」
从 ゚∀从「マスター、ちっとこっち来てくれ」
ミ,,゚Д゚)「おう」
( ,,^Д^)「こちらは?」
从 ゚∀从「この店の店主だ。逃げる前のファニーフェイスと会話したとよ」
( ,,^Д^)「なんと……!!無事で何よりです!!」
ミ,,゚Д゚)「あぁ……そんなヤベェ奴とは思わなかったが」
从 ゚∀从「この人がちょっくら気になる会話をしててな」
从 ゚∀从「さっきの話、このバカにも聞かせてやってくんねぇか?」
.
-
.
( ,,^Д^)「それで、話とは?」
ミ,,゚Д゚)「あぁ、いやな。あいつぁいつの間にか店に入り込んで高いびきかいてやがってよ」
ミ,,゚Д゚)「無理やり起こして会話したんだが、どうやら腹ァ減ってたみたいでな」
ミ,,゚Д゚)「それでよぉ……マンホールに逃げ込む直前によ、『飯はいらねぇ、これで足りる』……って」
( ;,,^Д^)「……!!」
从 ゚∀从「分かったか、トレジャー。この意味がよ?」
( ;,,^Д^)「まさか奴が被害者をマンホールに連れ込んだのは、証拠隠滅などのためではなく……!!」
从 ゚∀从「あぁ。そういうこったろうぜ」
( ;,,^Д^)「なんというおぞましいことを……!!」
.
-
.
从 ゚∀从「ついでに言うなら、奴はこれが初犯じゃねぇんじゃねぇかとも思ってる」
( ,,^Д^)「なんですと!!」
(´・_ゝ・`)「どういうことです?」
从 ゚∀从「考えてもみろ。十五年間奴の目撃情報はゼロ、なのに奴ァ飢えた様子も見せやがらねぇ」
从 ゚∀从「んなこたぁ奴に協力者でもいねぇ限り不可能だ」
从 ゚∀从「つーことはだ。今回みてぇなことが、バレないように度々起こってたとしてもおかしかねぇと思わないか?」
( ,,^Д^)(協力者……!!)ハッ
从 ゚∀从「どうした、トレジャー?」
( ,,^Д^)「いや……何でもない」
从 ゚∀从「まぁその辺は、この街の行方不明者の多さも考えての結論だ」
从 ゚∀从「まさか十五年もの間、人知れず奴の被害が増えてたたぁ思わなかったがな」
.
-
.
从 ゚∀从「つまり今回の事件は、単に表沙汰になっただけの氷山の一角である可能性が高ぇってこった」
从 ゚∀从「オメー、これを受けてどうするつもりだ?トレジャーよぉ」
( ,,^Д^)「……」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。結論はあまり急ぎませんように」
从 ゚∀从「お前は黙ってろ!カフェオレ!」
从 ゚∀从「トレジャー!俺はお前に結論を促してんだ!」
从 ゚∀从「本来なら警察が一般人に物を頼むなんざあり得ねぇ」
从 ゚∀从「だが奴ァ別だ。てめぇしか対処できる相手がいねぇんだからな!!」
从 ゚∀从「腹ァ括れよ、トレジャー。てめぇが決めねぇと、またこれ以上被害者が増えるかもしんねぇんだぞ?」
.
-
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( ,,^Д^)「……分かった!!!私が奴を追おう!!!」
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャー……!!」
( ,,^Д^)「だが、今回の目的は奴との決着を着けることではない!!!」
( ,,^Д^)「あくまでも奴を無力化し、捕まえることに主軸を置きたい!!!」
( ,,^Д^)「そのためにチームを組んで行動したいのだが、構わないかね?」
从 ゚∀从「あぁ。そのチームを組むのにかかる時間は?」
( ,,^Д^)「一時間……だな!!常駐しているメンバー以外にも声をかけねばならないのでな!!」
从 ゚∀从「オーケーだ。なら一時間後にもう一度ここに集まりな」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!」
( ,,^Д^)「デミタス……!!」
(´・_ゝ・`)「……本当に行かれるのですか?」
( ,,^Д^)「あぁ。事情が事情ゆえにやむを得まい!!!」
(´・_ゝ・`)「そうですか……戦闘にならなければいいですがね」
( ,,^Д^)「そのために、チームには戦闘力でなく抑止力となるメンバーを連れて行きたい!!」
( ,,^Д^)「君も、奴とは浅からぬ因縁のある身だ。来てくれるかね?」
(´・_ゝ・`)「もちろん。ですが、他のメンバーは誰に?」
( ,,^Д^)「常駐メンバーからはヒクソン君を連れてゆこう!!!」
( ,,^Д^)「あとはミス・ダードリーとマオ・デイジーに声をかけるつもりだ!!」
(;´・_ゝ・`)「ワォ……それは確かに豪華なメンバーだ」
( ,,^Д^)「君はダードリー氏に連絡を取ってくれないかね?私はマオの元へ直接向かうことにする!!!」
(´・_ゝ・`)「了解。では一時間後に」
( ,,^Д^)「ウム!!!頼んだぞデミタス!!!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【クラウンシティ某所…】
<(' _'<人ノ「あっ……先生、そこっ、気持ちイイです……ぅ……」
|(●), 、(●)、|「ん〜ん?ここぉ?」ツツーッ…
<(' _'<人ノ「アッ、ハイ……うぅ……あうぅ……」ビクンビクン
|(●), 、(●)、|「じゃあ、こっちは?」ギュッ
<(' _'<人ノ「あっあっあっ……そこっ、そこもいいですぅ……あぁ!!」
|(●), 、(●)、|「ふぅん……じゃあこんなことされたらどうなっちゃう?」ギュゥゥッ
<( _ <人ノ「あっダメ、ダメェ……あぁぁぁぁ!!」
|(●), 、(●)、|「フフフ……」
.
-
.
|(●), 、(●)、|「さて、これで施術はおしまいよ!」パンパンッ
<( _ <人ノ「ハァ、ハァ……あ、ありがとうございますぅ……」
|(●), 、(●)、|「アナタ肩凝り酷くってよォ?ちゃんと姿勢正してる?」
<(' _'<人ノ「オフィス仕事なものでなかなか……」
|(●), 、(●)、|「ダメよぉ!姿勢が歪むと体全部にガタが来るんだから!」
|(●), 、(●)、|「あとお肌の張りも無くなっていてよ?ちゃあんと睡眠取ってるゥ?」
<(' _'<人ノ「いやぁ……夜更かしが祟っちゃって……」
|(●), 、(●)、|「でしょお?寝不足は美容だけじゃなく生活の大敵よ?」
|(●), 、(●)、|「いいから今は、ゆっくりお眠りなさい☆」スッ…
<(' _'<人ノ「アッ……」
<( _ <人ノ「……」スヤァ
.
-
.
|(●), 、(●)、|「さてと、これで午後の予約分はオシマイね」
|(●), 、(●)、|「あとは駆け込みのお客が来るかどうかだけど……」
prrr、prrr……
|(●), 、(●)、|「……あら。デミちゃんからだわ」ピッ
|(●), 、(●)、|「もしもぉ〜し、お久しぶりっこ〜」
『ご無沙汰してます、ミスター……じゃなくて、ミス・ダードリー』
|(●), 、(●)、|「あらま。あなたまだアタシをミスターって呼ぶクセ抜けてないのね?」
『す、すみません……以降気をつけます』
|(●), 、(●)、|「ま、いいわよ。それで、今日は何のご用かしら?」
『サー・トレジャーより協力要請が来ています。お力を貸していただけませんか?』
|(●), 、(●)、|「ま、珍しい。あの人いっつも自分一人で解決しちゃうのにね?」
『今回は少々厄介な相手でして。今はお仕事の方は?』
|(●), 、(●)、|「ちょうど客もハケたところよ。あと三十分もすれば出かけられるわ」
『助かります。では、今から三十分後に迎えにあがりますので』
|(●), 、(●)、|「おっけぇ〜。じゃ、また後でねん☆」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【クラウン・シティより少し外れた町の某所…】
( `ハ´)「……」カンッ、カンッ
(#゚;;-゚)「……」パチンッ
( `ハ´)「マオ、水」
(#゚;;-゚)「あいヨー」ジュワッ
( `ハ´)「お前ならこれをどう加工するアルか?」
(#゚;;-゚)「……頭と尻にハサミを入れて鳥にするヨ」
( `ハ´)「フム、悪くない」パチンッ、キュッキュ
<……ウォォォォォォォォォォォォォォォォ
( `ハ´)「ム!この声は……!!」
(#゚;;-゚)「!!」ガタッ
( ,,#^Д^)「ヌフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!!!!」ズザザザザザァッッ
(#゚;;-゚)「トレジャー!!」
(#`ハ´)「アイヤー!!また来たアルか変態!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「お仕事中失礼ッッッ!!!ビッグ・トレジャー、私用により参上しました!!!」
(#`ハ´)「ホァタァッ!!!」ビュンッ
( ;,,^Д^)「うぉう!!?」シュザッ
(#`ハ´)「うちの娘には近づくなと言ったはずヨ変態!!」
( ;,,^Д^)「相変わらず鋭い手刀!!!おみそれします!!!」
(#`ハ´)「フンッ、お前が来なきゃ磨くこともなかった手刀アルヨ!!」
(#゚;;-゚)「トレジャー……会いたかったヨー」ギュウ
( ;,,^Д^)「マオくん、お父上の前でそれは……!!!」
(#`ハ´)「マオ、その変態から離れるアル!!」
(#゚;;-゚)「ん〜……ウォーアイニー……」スリスリ
.
-
.
(#゚;;-゚)「ところで、今日は何のご用事?」
( ,,^Д^)「そのことだが……マオ、君の力を貸してほしいのだ!!!」
(#゚;;-゚)「ヴィラン討伐?」
( ,,^Д^)「そうだ……だが今回の相手は並みの相手ではない!!!」
( ,,^Д^)「戦って勝つことではなく、あくまでも無力化を主眼として欲しいのだ!!!」
(#゚;;-゚)「ん。分かったヨ、準備する」
(#`ハ´)「うちの娘を危険に晒すつもりアルか!!許さないヨ!!」
( ,,^Д^)「無論、彼女は傷つけずにお返しします!!!ですから……」
(#`ハ´)「ならん!!帰れ帰れ!!」
( ;,,^Д^)「む、むぅ……!!!」
.
-
.
(#゚;;-゚)「パーパ。トレジャーは私たちの命の恩人ヨ」
(#゚;;-゚)「恩人の頼みを断るのは義に反するノと違う?」
(#`ハ´)「私は娘に悪い虫がつくのが許せないだけアルヨ!!特に股間丸出しの奴は!!」
( ;,,^Д^)「これはやむを得ない事情でそうしているだけでして……」
(#゚;;-゚)「いいヨ、ほっとこ。夜になるまでには帰るから夕飯よろしくネ」
(;`ハ´)「待つアル、マオ!!」
(#゚;;-゚)「……あんまりうるさいと、私も黙ってないヨ?」キラン
(;`ハ´)「ぐっ……なら私を殺してから出かければいいネ!!」
( ;,,^Д^)「物騒なやり取りはそこまでになさい!!!」
( ,,^Д^)「お父さん、彼女の安全は私が保障します!!ですからどうか娘さんの意思を尊重してあげてください!!」
(#゚;;-゚)「そうだヨ。トレジャーがいれば何も危険なんてないヨー」
(;`ハ´)「……あーもう!!勝手にするヨロシ!!怪我しても知らないからネ!!」
(#゚;;-゚)「ウェイウェイ。全く過保護な親ネ」
( ;,,^Д^)(私のせいとはいえ非情に申し訳ない……!!)
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【そして一時間後……】
ブロロロ、キキッ
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー、ミスダードリーとヒクソン君、お連れしました」
|(●), 、(●)、|「ハァイ、トレジャー。お元気してた?」フリフリ
( ,,^Д^)「ウム!!そちらも久しく会っていなかったが、ご健勝で何よりだ!!」
(;-_-)「……」
( ,,^Д^)「ヒクソン君もご苦労!!突然すまなかったな!!」
(;-_-)「あの、僕なんかが同行していいんですか?市長選以来一度も任務に当たってないですけど……」
( ,,^Д^)「今回は君が適任だ!!!頼んだぞ!!!」
(´・_ゝ・`)「いやぁ、疲れましたよ。他のメンバーもこぞってここへ来たがりましてね」
( ,,^Д^)「だが今回は、人手があれば良いという訳でもないからな!!!」
(;-_-)「荷が重いなぁ……大丈夫かな……」
|(●), 、(●)、|「ウフフフフ。新人クンはウブでかわいいわねぇ?食べちゃおうかしら☆」
(;-_-)「……」
.
-
.
(#ー;;-ー)「……」スゥ、スゥ
|(●), 、(●)、|「あら、そちらの娘さんは?」
( ,,^Д^)「彼女も今回の作戦の一員だ!!!名をマオ=デイジー君という!!!」
|(●), 、(●)、|「あらま!ということは彼女、トレジャーの娘さん?」
( ;,,^Д^)「いや、そうではなく……」
(´・_ゝ・`)「マオさんはサー・トレジャーの恋人ですよ」
(;-_-)「ひぇ……恋人なんだ……」
|(●), 、(●)、|「それは野暮なこと聞いちゃったわね。ごめんなさぁい!」
(#゚;;-゚)「……ん」パチ
.
-
.
|(●), 、(●)、|「あら、お目覚めかしら?」ヌーン
|(●), 、(●)、|「はじめまして、お嬢さん。私はオニキス=ダードリーって者よ」ズズンッ
:(#゚;;-゚):「ヒッ……!?」ビクゥッ
パキパキパキパキッ
(;´・_ゝ・`)「わぁぁっ!?」
(; ,,^Д^)「ストォーップッッッ!!!彼女は味方だ、能力を収めてくれ!!!」
(#゚;;-゚)「そ、そうなの……?」スッ
|(●), 、(●)、|「あらまぁごめんね?私の美貌に驚いちゃった?」
(#゚;;-゚)「……化け物と思ったヨ」
|;(●), 、(●)、|「やだこの娘!失礼しちゃうわ!」
(;´・_ゝ・`)「まぁ確かに起き抜けで見る顔ではないかもしれないな……」
|;(●), 、(●)、|「デミタスまで酷い!!私泣いちゃうからね!?」
(;´・_ゝ・`)「おっと、これは失敬」
( ;,,^Д^)「すまない、ミスダードリー!!!」
(-_-)(今……マオさんの腕から変な音がした……?)
.
-
.
从 ゚∀从「おう、集まったかトレジャー」
( ,,^Д^)「ウム!!!お待たせしました、署長!!!」
从 ゚∀从「全部で六人か……えれぇ大人数になっちまったなもんだな」
(´・_ゝ・`)「六人?まさか、あなたも着いてくるつもりで?」
从 ゚∀从「ったりめーだろ。警察からも人手出さにゃ示しがつかないだろが」
|(●), 、(●)、|「お上の考えることって分からないわね」
|(●), 、(●)、|「オカマの私が言えたことじゃないけど!」プークスクス
(#゚;;-゚)「面白くないネ」
|(●), 、(●)、|「まっ、辛辣ねこの娘!」
从 ゚∀从「だが、奴の足取りを追うにしても排水路は広大だ」
从 ゚∀从「ある程度は血痕を追って行けるだろうが、それも消えてたらどうする?」
.
-
.
( ,,^Д^)「そのことなのだが……デミタス!!!彼を連れて来てくれたかね?」
(´・_ゝ・`)「えぇ。ミスター、どうぞこちらへ」
Σz ゚ー )リ「おーっす」ガチャッ
从 ゚∀从「あん?誰だこいつぁ?」
( ,,^Д^)「彼はミスターダスティという!!!今回協力してくれる仲間の一人です!!!」
从 ゚∀从「ダスティ……違法な配信動画で儲けてる小悪党だったか」
从 ゚∀从「だが、なんでそんな輩が着いてきてんだ?」
(´・_ゝ・`)「彼はファニーフェイスの居所を知っているかもしれないんです」
从 ゚∀从「なんだと……?」
Σz ゚ー )リ「あー、待った。面倒事はゴメンだから先に断っとくぜ」
Σz ゚ー )リ「俺ぁ協力しても罪に問われねぇと言われたからここまで着いてきたんだ」
Σz ゚ー )リ「そこんとこヨロシク頼むぜ、刑事さんよ?」
.
-
.
从 ゚∀从「ふざけんじゃねーぞ。おい、トレジャー。お前いつから警察の仕事にちょっかい出せるようになった?」
从 ゚∀从「そいつがファニーフェイスの居場所を隠してたってんなら、立派な殺人幇助と隠匿罪だぜ?」
Σz ゚ー )リ「四の五の抜かしてんじゃねーよ。今はファニーフェイスをとっ捕まえるのが最優先なんだろ?」
从 ゚∀从「黙れ。だいたいテメーらどういう繋がりだ?あまりにもタイミング良すぎんだろ」
( ,,^Д^)「彼は我々に、ファニーフェイスの情報を提供しようと来てくれていたのだ!!!」
( ,,^Д^)「協力を求めたのは私だ!!!責めるなら私を責めてくれ!!!」
从#゚∀从「だったら先に、警察に通報するのが筋じゃねぇのか!?」
Σz ゚ー )リ「警察みてぇな無能に貴重な情報渡せっかよ。なぁ?」
从#゚∀从「お前が奴の居場所を通報してりゃ、市民に被害が出るこたなかったとは思わねぇのか?」
Σz ゚ー )リ「あぁ、思わないね。奴に対しては誰もが無力だ。このトレジャー以外はな」
.
-
.
|(●), 、(●)、|「はいはい、ストーップ!ケンカはそれくらいになさい?」
|(●), 、(●)、|「いい加減にしないと、アタシも実力行使に出ちゃうわよン?」ポンポンッ
Σz ゚ー )リ「あ?オカマは引っ込んで……」
Σz ー )リ「……」カクン
从;゚∀从「あ……!?な、なんだ……」
|(●), 、(●)、|「あなたも、警察なら少しは落ち着いて話をなさい?」ポンッ
从; ∀从「あぅっ……」フラッ、ドサッ
|(●), 、(●)、|「ハイ、おしまい。これでいいんでしょ、トレジャー?」
( ,,^Д^)「すまない、手間を掛けさせてしまったな!!!」
(;-_-)「こ、これって?」
.
-
.
从 ∀从「……」ガーッ
Σz ー )リ「……」スゥ
(#゚;;-゚)「……完璧に寝てるネ。催眠術か何か?」ツンツン
|(●), 、(●)、|「そんな上等なモノじゃなくってよ」
|(●), 、(●)、|「アタシの能力は強制入眠。触れた生き物を無条件で眠らせることが出来るの」
(;-_-)「うわぁ……す、すごい厄介な……」
|(●), 、(●)、|「快眠快適、寝起きもスッキリよ☆僕ちゃんも一回試してみる?」
(;-_-)「いえいえ!僕はそんな……!!」
(#゚;;-゚)「寝てる間に襲われたら無抵抗で身ぐるみ剥がされちゃうネ」
|;(●), 、(●)、|「そんなことしないわよぉ!人聞きが悪いわね!」
(;´・_ゝ・`)「二人とも、仲良くしてくださいね?」
.
-
.
|(●), 、(●)、|「アタシをミッションに呼んだのは、無傷で捕まえたい相手がいるからかしら?」
( ,,^Д^)「その通り!!!察しが良くて助かる!!!」
( ,,^Д^)「今回の任務は、マンホール内に逃げたヴィランを追うこと!!!」
( ,,^Д^)「但し戦闘は厳禁だ!!!対象を見つけたらまずは、ヒクソン君とマオに動いてもらう!!!」
(;-_-)「は、ハイ!」
(#゚;;-゚)「アイヨー」
( ,,^Д^)「二人で精神的・肉体的に負荷を掛け、対象が動けなくなったところを私とデミタスが捕獲する!!!」
|(●), 、(●)、|「仕上げにアタシが眠らせて完成ってトコロ?」
( ,,^Д^)「その通り!!!!!!!」
( ,,^Д^)「但し、少しでも戦闘になりそうな時は即時退却することを忘れないでいてくれ!!!」
(#゚;;-゚)「足手まとい二人もいるもんネ。仕方ないヨ」
(;-_-)「警察を足手まといって……」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ところでこの二人、どうしましょうか?」
从 ∀从「……」スゥスゥ
Σz ー )リ「……」スヤァ
( ,,^Д^)「フハハハ!!まるで子供のようだな!!!」
|(●), 、(●)、|「本当にただ眠ってるだけだから、普通にやれば簡単に起こせるわよ」
|(●), 、(●)、|「日頃の睡眠時間が足りないと、なかなか起きないけどね」
(#゚;;-゚)「おーい、起きるネ駄目人間どもー」ユサユサ
从 ∀从「……」グォォ
Σz ー )リ「……」クーカー
(#゚;;-゚)「ダメネ、ピクリともしないヨ」
|(●), 、(●)、|「あらあら。お二人さんとも普段よほど寝不足なのかしらね」
( ,,^Д^)「私が担いで地下まで降りよう!!!みんなはフォローを頼む!!!」
.
-
.
(;^ω^)「トレジャーさん!!」タタッ
(´・_ゝ・`)「ブーナーさん」
( "ゞ)「署長はこちらに?」
( ,,^Д^)「イエス!!!訳あって熟睡中ですが!!!」
£;°ゞ°)「なんで!?」
(;^ω^)「いきなり現場から消えたからどこ行ったのかと……」
(;"ゞ)「すみません、すぐに連れ帰りますから」
(;-_-)「そんな捨て猫みたいな……」
( ,,^Д^)「いえ大丈夫!!!彼にも我々に同行してもらいます!!!」
( ,,^Д^)「署長もファニーフェイスとは因縁のある身!!!追いたいのは山々でしょうから!!!」
(;^ω^)「でも、皆さんの邪魔になりませんかお?」
(#゚;;-゚)「そりゃなるに決まってるヨー」
£°ゞ°)「ですよネー」
(;´・_ゝ・`)「マオさん!!」
( ,,^Д^)「ご安心を!!!誰一人傷つけず、奴を確保してみせます!!!」
( "ゞ)「すみません……署長を、よろしくお願いします」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
从 ー∀从「……」グーグー
从 ゚∀从「……ん?」パチリ
( ,,^Д^)「やぁ、起きたかね署長!!!」
从 ゚∀从「……なんで俺はお前に小脇に抱えられて運ばれてる?」
( ,,^Д^)「喧嘩の仲裁に入った結果、署長が寝てしまわれたのでね!!!」
( ,,^Д^)「起きるのを待たずにマンホールへ突入させてもらいました!!!」
从 ゚∀从「あの大柄なオカマの仕業か……ったくナメやがって」
从 ゚∀从「おら、下ろせ。テメーの腰に抱かれてると不快なモンがチラチラ見えるんだよ」
( ,,^Д^)「ウム!!!」ズンッ
从 ゚∀从「言っとくが、ここから出たらダスティの野郎は事情聴取だ。それは譲れねぇ」
( ,,^Д^)「何とぞ、温情ある采配を頼む!!!」
从 ゚∀从「知るかバカ。テメーの都合で警察動かしてんじゃねえ」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「血痕はこっちに続いてますね」
|(●), 、(●)、|「やーねぇ。もっと動きやすい服着てくれば良かった」
(#゚;;-゚)「薄暗いとなおのこと不気味に見えるネ、おばちゃん」
|;(●), 、(●)、|「マオちゃん、アタシのこと嫌いなの?」
(#゚;;-゚)「おっさんて呼ばれないだけマシヨー」
(;´・_ゝ・`)「やれやれ、何の話をしてるんだか……」
(-_-)「……あの」
(´・_ゝ・`)「ん?どうした?」
(-_-)「こんな時に何なんですけど、マオさんとお話させてもらっちゃいけませんか?」
( ,,^Д^)「どうした、ヒクソン君?何か不安な点でもあるかね?」
(-_-)「個人的にちょっと聞きたいことがあって……」
(#゚;;-゚)「私は別に構わないネ」
(-_-)「あぁ、良かった!」
|(●), 、(●)、|「あらまぁ、若いっていいわねぇ」クスクス
(#゚;;-゚)「邪推は止めるネ、ババァ」
|;(●), 、(●)、|「まっ、口が悪いこと!!」
.
-
.
(#゚;;-゚)「それで、私に何の用ヨ?」
(-_-)「いえ、あの……」
(-_-)「マオさんって、トレジャーさんに前線を任せられるくらいの実力者なんですよね?」
(#゚;;-゚)「そうネ。あんまり戦いたくはないけど」
(-_-)「……僕と組ませるってことは、もしかしてマオさんも広範囲に効果の及ぶ能力なのかなって」
(-_-)「だとしたら、どうやって制御したのか教えて欲しいなぁと」
(#゚;;-゚)「……」
(-_-)「僕、まだチームに入って日が浅いから、上手いこと能力の調整出来ない日があって」
(-_-)「だからもし似たような形質の能力なら、参考にならないかなって……」
(#゚;;-゚)「悪いけど、私のコレはあんまり参考にならない思うヨ」
.
-
.
(#゚;;-゚)「私のチカラただ痛くするだけ。制御も何もないヨ」
(#゚;;-゚)「だから私はトレジャーのためにしか、このチカラ使うつもりはないネ」
(-_-)「あ……そうなんだ……」
(#゚;;-゚)「名前忘れたけど、アナタも私がチカラ使う時はすぐ離れるヨロシ」
(#゚;;-゚)「取り返しつかない大怪我しても知らないヨ」
(;-_-)「……胆に銘じておきます。あと名前はヒクソンです」
Σz; ゚ー )リ「わっ!!なんだなんだ!?」
(#゚;;-゚)「あ。ようやく起きたネ、ダメ人間二号」
Σz; ゚ー )リ「ダメ人間二号!?」
( ,,^Д^)「おはよう、ミスターダスティ!!!調子はどうかね?」
Σz; ゚ー )リ「テメー起き抜けに汚ぇもんブラブラさせてんじゃねーよ!!離せコラ!!」
( ,,^Д^)「ワハハ!!!すまんな!!!」
从 ゚∀从「ったく、騒がしい奴だ。ぜってー後でしょっぴいてやるからな」
(´・_ゝ・`)(署長も同じような物だったけどな……)
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ,,^Д^)「……ムッ!!!」
(´・_ゝ・`)「血痕が途切れてますね」
( ,,^Д^)「そのようだな!!!」
|(●), 、(●)、|「トレジャーの鼻で追えないの?」
( ,,^Д^)「残念だが、さすがにこの場所では排水の臭いに紛れて鼻は効かないな!!!」
( ,,^Д^)「ミスターダスティ、ここから奴の居場所までは、どうやって行けば?」
Σz ゚ー )リ「そもそもここはどの地点だよ。寝かされてたから分かんねーぞ俺は」
(´・_ゝ・`)「我々が元いた場所から2㎞ほど南下した地点です」
Σz ゚ー )リ「んならまだ10㎞以上は歩かなきゃならんぜ」
Σz ゚ー )リ「いったん地上に出てから潜り直した方が早いんじゃねーか?」
( ,,^Д^)「そうだな!!!奴と鉢合わせる可能性もある、慎重に行こう!!!」
(´・_ゝ・`)「……ん?」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー」
( ,,^Д^)「どうした、デミタス!!!」
(´・_ゝ・`)「今、奥から微かに物音が……」
( ,,^Д^)「何だと!!!」
ヒタ、ヒタ…
(#゚;;-゚)「……足音?」
|;(●), 、(●)、|「やだ……怖いわ!」
从 ゚∀从「野郎、まさか人の気配を嗅ぎ付けて来やがったか」
Σz; ゚ー )リ「んなバカな……いくらあいつでも、この広大な排水路から気配なんざ察知できるかよ」
( ,,^Д^)「来るぞ、みんな……!!!署長とダスティ氏は後ろへ!!!」
(;-_-)「……」ゴクリ
.
-
.
ヒタ、ヒタ…
『ワォンッ!!』
(-_-)「えっ?」
|(●), 、(●)、|「なぁんだ、ワンコじゃないの」
(#゚;;-゚)「かわいいヨ〜」
( ,,^Д^)「首輪をしているな……野良ではないのか?」
从 ゚∀从「……おい、トレジャー」
( ,,^Д^)「ん?どうしました、署長!!!」
从 ゚∀从「ありゃもしかしたらうちの犬かもしれん」
( ,,^Д^)「どういうことです?」
.
-
.
从 ゚∀从「オメー、あの犬の首輪が見えるか?」
( ,,^Д^)「ええ。何やらナンバーが刻印されてるようですが……」
从 ゚∀从「ありゃ麻薬取締犬の識別番号だ」
( ,,^Д^)「なんですと?」
从 ゚∀从「シックス!!ステイ!!」
『……』スチャッ
从 ゚∀从「……やっぱりな。あいつぁうちの署の麻薬取締犬、シックスに違ぇねぇ」
(´・_ゝ・`)「待って下さい。だとすると、何故こんなところに警察の犬が?」
从 ゚∀从「さぁな。普通ならコンビの取締官と離れるこたないはずなんだが」
Σz ゚ー )リ「飼い主に似て自由なワンコだってことだろ」
(#゚;;-゚)「ダメワンコ三号ネ」
Σz; ゚ー )リ「犬と同列視するの止してくんねぇかな?」
.
-
.
从 ゚∀从「理由は分からんが、どうにかして署から逃げて来たのかもしんねぇな」
从 ゚∀从「ちょうどいい。こいつもファニーフェイスの探索に加えよう」
从 ゚∀从「カモン、シックス!!俺に着いてこい!!」
『……』グルルル
从 ゚∀从「あんだ?何うなってやが……」
ヒタ、ヒタ…
从;゚∀从「……!?」
ヒタヒタ…
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「なっ……!?」
ヒタヒタ…
(;-_-)「ひぇ……!?」
ヒタヒタ…
(;#゚;;-゚)「……」
ヒタヒタ…
|;(●), 、(●)、|「な、何なのよコレ!?」
ヒタヒタ…
Σz; ゚ー )リ「ウソだろ……?」
ヒタヒタ…
( ,,;^Д^)「これは……野犬の群れか!?」
.
-
.
『……』グルルル
Σz; ゚ー )リ「お、おい。こいつら地味に近寄って来てねぇか……?」
|;(●), 、(●)、|「何だってのヨォ……犬に恨まれるようなことなんてしてないわよ!?」
(;´・_ゝ・`)「みんな、臨戦体勢を取れ。よく分からんがこのままじゃ不味い」
从;゚∀从「ざっけんなよ……シックス、ゴー!!ゴーホーム!!」
『……』ヒタ、ヒタ
(;#゚;;-゚)「こいつら止まんないヨ……」
(;-_-)「もしかして、誰かに操られてるんじゃ?」
( ,,;^Д^)「……まさか!!」ハッ
( ,,;^Д^)「ドルチェ!!!ここにいるのか!?ドルチェーーー!!!」
『……ガァァッ!!』グルルッ
Σz; ゚ー )リ「ヤッベェ!!逃げろォォォォ!!!」
.
-
.
『ガァウッ!!』
(;´・_ゝ・`)「くっ……」バシッ
『フルルルッ!!』ガブゥッ
从;゚∀从「痛ぇっ!!くそがぁっ!!」ゲシッ
『キャインッ』
|;(●), 、(●)、|「ぎゃあ!!だぁれアタシのお尻噛んだの!!」バスンッ
『グルルルッ!!』
|;(●), 、(●)、|「どうなってんのよこの数ゥ!!十や二十じゃ利かないわよ!?」
(;´・_ゝ・`)「ミスターダスティ!!!あなたは僕の後ろへ!!」
Σz; ゚ー )リ「お、おう!!」
( ,,;^Д^)「ミスダードリー!!犬を眠らせることは出来ないか!?」
|;(●), 、(●)、|「やってみるけど、この数さばいて全部眠らすのはムリ!!」
( ,,;^Д^)「ではヒクソン君、君の精神汚染は!?」
(;-_-)「ダメです。動物は精神構造が違うから……あんまり効かないと思います」
.
-
.
( ,,;^Д^)(万事休すか……かくなる上は私が出るしか……!!)
(#゚;;-゚)「トレジャー。私がいくヨ」テクテク
( ,,;^Д^)「なっ……駄目だ、止すんだマオ!!!」
(#゚;;-゚)「みんな早く逃がしてあげるネ。近くにいたら死んじゃうかも」
パキンッ!!
( ,,;^Д^)「……!!!」
( ,,;^Д^)「総員、全力で待避ーーーーーーーーーッッッ!!!!!」ダダダッ
(;´・_ゝ・`)「本気か!?こんな閉塞空間で……!!」
(;´・_ゝ・`)「みんな逃げろ!!巻き添えを喰うぞ!!」
|;(●), 、(●)、|「何々、何が起こるの!?」
(;-_-)「よ、よく分かんないけど、走った方がいいと思います!」
Σz; ゚ー )リ「あぁクソッ!!やっぱ協力なんかするんじゃなかったぜ!!」
从;゚∀从「おいトレジャー!!説明しろよ!!」
( ,,;^Д^)「全ては逃げてからにしてください!!!」
.
-
.
『ガルルル……』ダダッ
『ガゥッ、ガゥッ!!』ダダッ
(#゚;;-゚)「……ごめんネ、ワンちゃん」パキパキパキ
(#゚;;-゚)「私のコレ、とても痛いから……我慢することネ」パキンッ
ギギギギギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ …
从;゚∀从「ぐわぁっ!!何だこの音は!?」
Σz; ゚ー )リ「あの女からだ!!」
(´・_ゝ・`)「始まったか……」
(;-_-)「トレジャーさん。何なんですかこの音……」
( ,,;^Д^)「これは彼女の腕が軋む音!!!」
( ,,;^Д^)「この音を聞いた後、立っていられた者は皆無なのだ!!!」
.
-
.
『ギャンッ!?』ビクンッ
『ギャゥゥッ!!』バタバタ
『ヒィン……!!』ドサッ
(#゚;;-゚)「……」ギギギギッ
(;-_-)「犬が倒れてく!」
Σz; ゚ー )リ「どういうからくりだぁ?超音波でも出してんのか?」
( ,,;^Д^)「彼女の能力はグラスキャット。自身の体をガラスに変化させる能力だ」
( ,,;^Д^)「これはガラスを擦った時に起こる、あの不快音と同じ物なのだよ!!!」
|;(●), 、(●)、|「それじゃ説明になってないわよ。なんでそれがあんなことになるワケ?」
(;´・_ゝ・`)「それが、彼女の能力はとても恐ろしい副産物を孕んでいるんです」
从 ゚∀从「……粉塵か?」
( ,,^Д^)「ム!!!知っているのですか、署長!!!」
从 ゚∀从「何となくな……あの犬どもの苦しみ方で察したぜ」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「お察しの通り、彼女の体がガラス化すると、あの音と共に大量のガラス繊維が飛散するんです」
( ,,^Д^)「すると、どうなると思う?」
(;-_-)「ど、どうなるんですか?」
( ,,^Д^)「まず、鋭いガラス繊維が皮膚や粘膜に突き刺さり、激痛を引き起こす!!!」
(;-_-)「ひぇぇ!!」
(´・_ゝ・`)「倒れたり掻きむしったりすれば、繊維は余計食い込み甚大な被害をもたらすだろう」
( ,,^Д^)「それだけではない……呼吸と共に体内に入れば、肺や気管支をもズタズタにされる!!!」
( ,,^Д^)「無防備で接すれば、生きて帰ることは不可能だ!!!」
|;(●), 、(●)、|「凄まじいわねェ……」
从 ゚∀从「ガラス工場なんかでも粉塵の呼吸器への害が問題になったことがあったな……」
( ,,^Д^)「彼女は私に膝を着かせた数少ない一人……事前に知らねばまず勝利することは不可能でしょう!!!」
.
-
.
『キュウン……』 ドサッ
『アゥゥン……』バタッ
(#゚;;-゚)「……ごめんヨ、わんこたち。まだ間に合うから生きてたら逃げるといいネ」
(#゚;;-゚)「トレジャー。こっち来たら危ないから話だけ聞いてほしいヨ」
( ,,^Д^)「なんだねーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
Σz; ゚ー )リ「うるさっ!!」
从 ゚∀从「ボリューム下げろバカ」
(#゚;;-゚)「この犬たち、首輪してるのが何匹かいるネ。しかもてんでバラバラの」
(#゚;;-゚)「ただの野良犬じゃなくて、飼い犬が誰かに操られてたのカモ」
(#゚;;-゚)「仕方なかったけど、かわいそうなことしちゃったネ……」
( ,,^Д^)「そうか、やはり……!!!」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。先ほどあなたは、ドルチェの名を呼んでいましたね?」
(´・_ゝ・`)「まさかこれは、彼女の……?」
.
-
.
( ,,^Д^)「……確かに、彼女には犬を操るという隠れた能力がある!!!」
( ,,^Д^)「だが、我々と敵対するような理由は彼女にはないはずだ!!!」
从;゚∀从「おい待てよ!!あの舐め犬もヒーローだってのか!?」
(´・_ゝ・`)「僕も初耳です。なぜ隠していたんです?」
( ,,^Д^)「すまない……理由は後で説明しよう!!!」
( ,,^Д^)「今は操られていた犬を助けたい!!!手を貸してくれ!!!」
|(●), 、(●)、|「それはいいけど……あそこ、近づいて大丈夫なの?ガラスがヤバいんでしょ?」
( ,,^Д^)「下水を撒けば、空気中のガラス繊維も散るはずだ!!!私が露払いをしよう!!!」
(#゚;;-゚)「はよしてヨー」
.
-
.
( ,,^Д^)「マオ、今からそこに水を撒く!!!少し離れていてくれ!!!」
(#゚;;-゚)「アイヨー」
ピシッ…
(´・_ゝ・`)「……ん?」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。今何かおかしな音が……」
ピシッ、ピシッ…
カラカラ…
(#゚;;-゚)「……?」
.
-
.
ピキッ、パキッ……
ズゴォッ!!
(;´・_ゝ・`)「あっ!!」
( ,,;^Д^)「マオ!!!」
Σz; ゚ー )リ「崩落!?」
(;#゚;;-゚)「キャァァァ!?」
ドドドドドドドドドドドッッ……!!
( ,,;^Д^)「間に合えぇぇぇぇぇッッッ!!!!!!」ドドドドッ
( ,,#^Д^)「ビッグ・カタルシスッッッ!!!!!!」ビキィッ
ゴパァァァァァァァァァァァンンンンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャー!!」
.
-
.
パラパラ……
( ,,;^Д^)「クッ……大丈夫か、マオ!!!」ズキンッ
(;#ー;;-ー)「うぅ……」
(;´・_ゝ・`)「サー!!」
( ,,;^Д^)「近寄るな!!!まだガラス繊維は消えていないぞ!!!」
( ,,;^Д^)「それより、マオが瓦礫に当たって負傷した!!!今からそちらへ引き渡す!!!」
(;´・_ゝ・`)「はい!!」
从;゚∀从「待てよ!!お前自分も怪我してんじゃないのか!?」
( ,,;^Д^)「私は平気だ!!!それよりも彼女を!!!」
|;(●), 、(●)、|「平気じゃないわよ!腕腫れ上がってるじゃないの!」
(;-_-)「ガラス刺さってるんじゃ!?」
( ,,;^Д^)「これしきの怪我、どうということはない!!!」
(;-_-)「やっぱり怪我してるんじゃないですか!」
.
-
.
(;´・_ゝ・`)「サー、彼女をこちらへ!!」
( ,,;^Д^)「頼む、デミタス!!!」
(;´・_ゝ・`)「今回の探索は中断しましょう。マオさんとあなたがこれでは……」
( ,,;^Д^)「……致し方ない、そうしよう!!!」
(´・_ゝ・`)「署長、申し訳ないですが仲間が怪我を負いました。一度撤収させて下さい」
从 ゚∀从「チッ……おい、ダスティ。まさか俺たちを妨害してんのはお前じゃねぇだろうな?」
Σz; ゚ー )リ「ハァ!?冗談はよせよ!!どうやって俺がこんなことしでかすってんだ!?」
从 ゚∀从「どうだかな……奴を匿ってたなら、動機は充分にあるぞ?」
Σz; ゚ー )リ「とんだ濡れ衣だぜ!!これだから無能な警官は嫌いなんだ!!」
从#゚∀从「んだとコラ……」
.
-
.
|(●), 、(●)、|「あんたたち!ケンカするならまた寝かしつけるわよ!」
Σz; ゚ー )リ「おっと、そいつは勘弁だぜ」ササッ
从 ゚∀从「やってみろ。公務執行妨害で逮捕してやっからよ」
|(●), 、(●)、|「殺気立つのは分かるけど、こっちには負傷者がいるの!」
|(●), 、(●)、|「そんな時に警察が揉めてたら迷惑でしょうが!」
从 ゚∀从「……ケッ」ザッ
(´・_ゝ・`)「署長。どちらへ?」
从 ゚∀从「奴を追えないならこんなとこに用はねーよ」
从 ゚∀从「てめぇらは負傷者かばってゆっくり上がればいい。俺は先に出る」
( ,,;^Д^)「すまない、署長……体が完調になった暁には、再度奴を追い詰めることを約束しよう!!!」
从 ゚∀从「……」ザッ、ザッ
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
从 ゚∀从「……ふぅ」ズズッ
从 ゚∀从「……あん?」キョロキョロ
シィーン…
从 ゚∀从(……どういうこった?外で待機させてたパトカーがいねぇ)
从 ゚∀从(無断で帰るなんてこたないはずだが……)
¥;・∀・¥「署長!!ハイド署長ー!!」
从 ゚∀从「おう、オメーは……交番勤務のマニーだったか」
¥・∀・¥「そうです、覚えておいていただけて光栄です!」
从 ゚∀从「で、俺に何の用だ?」
¥;・∀・¥「いえ、それが……」
.
-
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¥;・∀・¥「サウスガットファミリーが街で大暴れしてるんです!!」
从;゚∀从「んだとぉ……!?」
¥;・∀・¥「特犯課は全員街へ向かいました!!署長も出て来次第追ってほしいとのことです!!」
从;゚∀从「……分かった。すぐに向かう!!」
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第十二話終わり
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【登場人物紹介】
|(●), 、(●)、| SHEEP SLEEPER
源氏名:オニキス=ダードリー
本 名:ロバート=ダードリー
マッサージ店を営むオカマ。その手はあらゆる生物を眠りへと誘う。
普段眠りが不規則だったり、睡眠時間の不足している人間ほど能力の効きは良い。
誤解されがちだが、店では性的なサービスは一切行っていない。
(#゚;;-゚) DAY THE GLASS CAT
本名:昴 濔兒(マオ=デイジー)
父親とガラス細工の工房を営む娘。トレジャー四人目の恋人。
父親の作る美しいガラス工芸品に焦がれるあまりガラス化の能力を得る。
幼い頃にトレジャーに命を救われて以来、彼の虜となった。
( `ハ´)
本名:清 濔兒(シン=デイジー)
アメリカ国籍を取得している中国人。妻と死別してからは娘と二人きりで工房を切り盛りする。
トレジャーに救われた過去を持つが、フルチンで娘に近寄るトレジャーは大嫌い。
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第十二話・裏『犬と美人』
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▼・ェ・▼「……」ヒタ、ヒタ
『ハァーイ、わんこちゃん』
▼・ェ・▼「……!!」
『こっちよ、こっち』
▼・ェ・▼「……ワンッ!!」
('、`*川「ごきげんよう」
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('、`*川「お名前、何だったか忘れたけれど、まさかトレジャーの仲間が私を頼って来るなんてね」
('、`*川「あなたの依頼通り、マンホールは崩落させてあげたわよ」
('、`*川「これでトレジャーたちも、諦めて引き返すんじゃなくて?」
▼・ェ・▼「……」
('、`*川「何よぅ、その顔。何か文句でもあるの?」
('、`*川「こっちは三時間も前から待機して準備してたのよ?少しは報いてほしいものだわ」
▼・ェ・▼「……」
('、`*川「……あのねぇ、あなた本当は喋れるんでしょ?」
('、`*川「応じてくれないと、私が一人でブツブツ言っててバカみたいじゃない」
▼・ェ・▼「……アンッ」
('、`*川「あっそ、あくまでも喋らないつもりなのね。それならいいわ」
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-
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('、`*川「ところで、肝心の依頼料はどう払ってくれるのかしら?」
('、`*川「私の仕事は安くないって断ってたはずだけど……大丈夫なんでしょうね?」
▼・ェ・▼「アンアンッ」ポフッ
('、`*川「……なぁに、それ?」
▼・ェ・▼「ワフン」グィグィ
('、`*川「……通帳?しかも何この額、これが報酬ってワケ?」
▼・ェ・▼「ワンッ!!」コクコク
('、`*川「ご丁寧に暗証番号まで書いてあるじゃない……ここまでするなら口頭で伝えなさいよ」
('、`*川「……ま、物は有り難くちょうだいしときましょうかしらね?」
▼ーェー▼「ワフン」テクテク
('、`*川「……謎の多い犬ですこと」
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第十二話裏・終わり
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しおり
第一話 >>1
第二話 >>67
第三話 >>144
第四話 >>212
第五話 >>271
第六話 >>344
第七話 >>510
特別編 >>425
第八話 >>566
第九話 >>636
第十話 >>689
第十一話 >>752
第十二話 >>806
年内の更新はこれで最後になると思います。皆様良いお年を。
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乙
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うーんドルチェ……
乙
-
乙!
-
乙
兄者弟者は息してんのかな
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【クラウン・シティ中央警察署】
(;^ω^)「……」
(;"ゞ)「……」
£;°ゞ°)「……」
_
( ゚∀゚)「……」
从#゚∀从「……」カツカツ
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-
.
(;^ω^)(署長、怒ってますお?)ヒソッ
(;"ゞ)(そりゃそうだろう。留守の間にヴィランの襲撃を許したらな……)ヒソヒソ
£;°ゞ°)(短気はイヤネー……)ヒソヒソ
从#゚∀从「デルタ!!」
(;"ゞ)「は、はい!!」
从#゚∀从「被害状況の報告!!」
(;"ゞ)「はい……今回サウスガットの被害に遭ったのは、闇金融と薬物のブローカー、ヤクザの事務所……」
(;"ゞ)「ネット詐欺グループ、マネーロンダリングの仲介屋、青年窃盗団の全六件です」
从#゚∀从「で?俺のいない間に何が起こった?」
(;^ω^)「署長がマンホールに潜ってからしばらくして、サウスガットが街で派手に暴れてるって通報がありまして……」
£°ゞ°)「駆けつけた時にはあいつら粗方仕事終わった後だったノネー」
_
( ゚∀゚)「運の悪いこともありやがるぜ。トレジャーも兄貴もいねぇタイミングだなんてよォ」
.
-
.
从#゚∀从「ジョォォー……てめぇ他人事じゃねぇぞ」
_
(;゚∀゚)「ヒェッ……」
从#゚∀从「俺が穴に潜ってる間、お前はどこで何してやがったんだ?」
_
(;゚∀゚)「お、俺か?俺は署から出ようとしたら妊婦と迷子と宇宙人に会っちまってさ……」
从#゚∀从「テキトーこくな!!どうせまたどっかでサボってたんだろが!!」
从#゚∀从「俺がいねぇ時の指揮権はテメェにあんだぞ!?いい加減にしねーと身内だろうがクビだクビ!!」
_
(;゚∀゚)「だ、だってよぉ!! そっちに六人も七人も人取られたら俺だって指揮出来ねぇよ!!」
从#゚∀从「言い訳すんじゃねー!!殺すぞボケェ!!」ドガンッ
_
(;゚∀゚)「ひぃぃぃぃ!!」
(;"ゞ)「署長、落ち着いてください!」
(;^ω^)「今回の件はどうしようもなかったんですお!!」
£°ゞ°)「それにジョージさんが無能なのは今に始まったことじゃないネー」
_
(;゚∀゚)「ロミスてめぇ!!」
.
-
.
从#゚∀从「テメーらもこんな馬鹿かばってんじゃねー!!来いジョー!!」
_
(;゚∀゚)「か、勘弁してくれよ兄貴ィ!!」
从#゚∀从「るっせぇ!!説教だ説教!!」グィグィ
バァンッ
(;^ω^)「あぁ……行っちゃいましたお」
(;"ゞ)「全く。ああいうことは業務時間外にしてほしい物だがね……」
£°ゞ°)「よっぽど腹立ってたんだろうネー」
( ^ω^)「ほんと、なんでジョージさんはあぁなんだか……」
( "ゞ)「産まれ持った性分だろうさ。仕方ないよ」
£°ゞ°)「絶対あのヒト警察向いてないヨネー」
(;^ω^)「はは……」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【場所は変わり、クラウン・シティ中央病院】
(#ー;;-ー)「……」スゥ
|(●), 、(●)、|「……」
(,,゚Д゚)「よーすっ!!」バーンッ
|(●), 、(●)、|「あら、ギコちゃん」
(,,゚Д゚)「研究所から派遣されて来たぜー、ダードリーの旦那」
|(●), 、(●)、|「旦那呼びは止めてよ、私にはオニキスって可愛い名前があるんだから」
(,,゚Д゚)「んなゴツい顔で何言ってんだよ。今回も無傷だったんだろ?」
|(●), 、(●)、|「無傷なもんですか!犬にお尻噛まれて大変だったんだから!」
(,,゚Д゚)「らしいなぁ。なんか、うちのドルチェが関わってたとか何とか……」
|(●), 、(●)、|「そう、聞いたのね」
(,,゚Д゚)「あぁ。ヒーロー関係者に衝撃が走ってるぜ?」
(,,゚Д゚)「ドルチェの奴、みんなに可愛がってもらってたからなぁ」
.
-
.
(,,゚Д゚)「ところで、マオの嬢ちゃんは寝てんのかい?」
|(●), 、(●)、|「えぇ。トレジャーのこと心配してたけど、無理やり寝かしつけたわ」
(,,゚Д゚)「そっか……俺も寝不足の時はあんたに頼むわ」
|(●), 、(●)、|「オニキスって呼んでくれたら、今すぐにでも寝かしつけてあげるわよ?」
(,,゚Д゚)「え……なにそれこわい……」
|(●), 、(●)、|「冗談よ!!あんたアタシの趣味じゃないし」
(,,゚Д゚)「そりゃ良かったぜ、寿命が百年は伸びらぁな」
|(●), 、(●)、|「軽口叩いてる場合じゃないでしょ。なにか用があってきたんじゃないの?」
(,,゚Д゚)「そうそう。居残り組からトレジャーのおっさんたちの様子見てこいって言われてな」
(,,゚Д゚)「で、肝心のおっさんとデミさんはどこに?」
|(●), 、(●)、|「隣の病室を借りてるわ。今は立ち入り禁止ですってよ」
(,,゚Д゚)「マジかよ。それじゃ完全な無駄足じゃんか」
|(●), 、(●)、|「まーいいじゃない。たまにはお姉さんの話相手でもしてきなさいよ」
(,,゚Д゚)「どの口が自分をお姉さん呼ばわりしてやがる」
.
-
.
<トレジャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!
(,,;゚Д゚)「うぉっ!?」
|;(●), 、(●)、|「な、なぁに!?」
(#`ハ´)「トレジャーの馬鹿はどこにいるアルかーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」ドカバァンッ!!
(,,;゚Д゚)「な、なんだこいつ!?あんた誰だよ!!」
(#ー;;-ー)「……」スヤスヤ
(#`ハ´)「マオ!!ここにいたアルか!!」
(#`ハ´)「ということはお前たち、ヒーローの仲間アルネ!?」
(,,;゚Д゚)「そうだけど……」
|(●), 、(●)、|「もしかして、マオちゃんのご家族?」
(#`ハ´)「そうアル!!トレジャーはどこいるアルか!!早く教えるネ!」
(,,;゚Д゚)「と、隣の病室に……」
|;(●), 、(●)、|「バカ!激昂してる人間になんで教えるの!」
(,,;゚Д゚)「あ、すまん。勢いに押されてつい……」
(#`ハ´)「隣アルネ!!今いくアルよ!!」
.
-
.
(#`ハ´)「トレジャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」バァーンッ
((((( ( ,,^Д^) )))))「ムムムムムム……」ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
(;´・_ゝ・`)「わっ!!シンさん!?」
(;`ハ´)「……何をしてるアルか?」
((((( ( ,,^Д^) )))))「おおおおおおととととととううううううささささささんんんんんん……」ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
( ;`ハ´)「えぇい、鬱陶しいアル!その小刻みな振動を止めるヨロシ!」
( ,,^Д^)「失礼!!!」ピタッ
.
-
.
(#`ハ´)「お前、うちの娘ほっといて何してたアルか!!」
(;´・_ゝ・`)「えぇっと……これはですね……」
( ,,^Д^)「微細な瓦礫が腕に食い込んだため、体を振動させて除去していたのです!!!」
(;`ハ´)「……何言ってるアルか?」
( ,,^Д^)「ですから、目に見えない破片を毎秒1000回を越える振動で体の外へと……」
(;`ハ´)「聞いてて頭おかしくなりそうネ!もういいヨ!」
(#`ハ´)「そんなことより、うちの娘が怪我したアルヨ!!お前どうしてくれるネ!!」
(;´・_ゝ・`)「シンさん、それは彼女も納得ずくで……」
(#`ハ´)「お前は黙ってるアルネ!!」
(#`ハ´)「トレジャー!!お前、マオは傷つけないって言ったアルネ!!」
( ,,;^Д^)「それは……確かにそう言いました!!!」
(#`ハ´)「ところがどうアル!?実際にはマオは病院送りヨ!!」
(#`ハ´)「病院から連絡あった時には卒倒しそうになったアル!!」
.
-
.
(#`ハ´)「もう金輪際、ヒーローとお前に娘は近づけないアル!!分かったネ!?」
(;´・_ゝ・`)「待ってくださいシンさん。彼女は我々に必要な人材です、どうか考えて……」
( ,,^Д^)「待つんだ、デミタス!!!」
(;´・_ゝ・`)「……?」
( ,,^Д^)「今回のこと、計画の立案者である私から深くお詫び申し上げます!!!」
( ,,^Д^)「全ては私の至らなさが原因でした。よって今後、マオさんには近寄らないことを約束します!!!」
(;´・_ゝ・`)「サー・トレジャー……」
(#`ハ´)「当たり前ネ!!もし見かけたら包丁で切り刻んでやるアルヨ!!」
(#`ハ´)「マオにも帰ったらそう伝えるアル!!覚悟するアルネ!!」
バァンッ
(;´・_ゝ・`)「……良かったんですか、サー。一方的に非を認めることになりますが」
( ,,^Д^)「仕方あるまい。お父さんの言い分は全く持って正しいのだからな!!!」
( ,,^Д^)「無論、マオくんにも何らかのフォローはせねばなるまいが……」
(´・_ゝ・`)「このままだと、難癖つけられて別れさせられるんじゃないですか?」
( ,,^Д^)「その心配は無用!!!私が恋人から離れる時は、向こうが私に愛想を尽かした時だけだからな!!!」
(´・_ゝ・`)「……フッ。それでこそあなたらしい」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「ところでサー、腕はもう大丈夫ですか?」
( ,,^Д^)「あぁ!!ガラス繊維もあらかた取れた!!痛みは引いてきたぞ!!」
(´・_ゝ・`)「良かった……シンさんにも聞かせてやりたかったですよ」
(´・_ゝ・`)「娘さんの力で害を被ったのはこっちの方だと……」
( ,,#^Д^)「デミタスッッッ!!!!」カァッ!!
(;´・_ゝ・`)「はっ……!?」ビクッ
( ,,#^Д^)「『害を被った』とは何事だ!!!我々は彼女に協力を仰いだ立場だぞ!!!」
( ,,#^Д^)「能力に巻き込まれたのも私の責任だ!!!彼女に何ら落ち度はないッッッ!!!」
(;´・_ゝ・`)「……!!」
( ,,#^Д^)「彼女はヒーローである前に市井の人間なのだ!!!それを忘れるなッッッ!!!」
(;´ー_ゝー`)「……その通りです。失言でした」
.
-
.
|(●), 、(●)、|「……トレジャー」ガチャ
( ,,^Д^)「ム?どうしたミスダードリー!!!」
|(●), 、(●)、|「看護婦さんがうるさいから静かにしてくださいって」
( ,,^Д^)「そうか……すまない!!!少々エキサイトしてしまったな!!!」
|(●), 、(●)、|「珍しいじゃない、トレジャーが怒鳴るなんて」
|(●), 、(●)、|「こっちの部屋まで聞こえてたわよ?」
(;´ー_ゝー`)「原因は僕の不注意です。お恥ずかしい……」
( ,,^Д^)「誰にでもミスはある!!!今後は気をつけてくれたまえ!!!」
(´・_ゝ・`)「イエス、サー」
.
-
.
(,,゚Д゚)「うぃーっす」
( ,,^Д^)「ギコ!!!」
(,,゚Д゚)「様子見に呼ばれて来たんだが、調子はどうだい?トレの旦那」
( ,,^Д^)「あぁ!!!悪くない経過だ!!!」
|(●), 、(●)、|「なぁにが様子見なんだか」
|(●), 、(●)、|「怒鳴り声聞こえて気まずいから見てきてくれって言ったの、あなたじゃない」
(,,゚Д゚)「うっせぇな……バラすんじゃねーよ」キョロキョロ
(´・_ゝ・`)「……?どうした、ギコ。嫌に落ち着きがないが」
(,,゚Д゚)「いや……ドルチェの奴、こっちに来てねぇかなと思ってよ」
( ,,^Д^)「あぁ……ドルチェはここにはいない。研究所も同じかね?」
(,,゚Д゚)「あぁ。デミさんから連絡受けて総出で探したが、どこにもいなかったな……」
(´・_ゝ・`)「そうか……やはりあの犬の群れは、彼女の仕業なんだろうか」
.
-
.
(,,゚Д゚)「なぁトレの旦那よ。あの犬は何者なのか、ちゃんと教えてくれるんだよな?」
(,,゚Д゚)「ただの犬ならやり過ごせるが、こっちの働きを邪魔されるんじゃ見過ごせねーぜ?」
( ,,^Д^)「無論、説明はしよう!!!だが、出来れば研究所へ帰ってから全員の前で話させてくれ!!!」
(,,゚Д゚)「そうか。んならサダコの奴に召集かけとくように連絡入れとくか」ピッピッピッ
|(●), 、(●)、|「あれ?そういえば、あの線の細い子どこ行ったの?」
|(●), 、(●)、|「ほらあの、糸目で病弱そうな男の子」
(´・_ゝ・`)「ヒクソンくんですか?そういえば姿が見えないですね」
( ,,^Д^)「彼はダスティ氏がタバコを吸いたいと言っていたので、付き添ってもらっているぞ!!!」
(´・_ゝ・`)「なるほど。そういえばダスティさんにも、ファニーフェイスとの関係を問い質さなきゃいけないのか」
(,,゚Д゚)「なんか今日は、やること山盛りてんこ盛りだな」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【中央病院屋上、喫煙スペース】
Σz ゚ー )リyー「……」スパー
(-_-)「……」
Σz ゚ー )リyー「……」
(-_-)「……あの」
Σz ゚ー )リyー「あ?」
(-_-)「タバコって、美味しいですか?」
Σz ゚ー )リyー「知らん」
(;-_-)「そ、そうですか……」
Σz ゚ー )リyー「……」スパー
(;-_-)(き、気まずい……)
.
-
.
(;-_-)(別に会話する必要ないんだけど、何となく居心地が悪い……)
Σz ゚ー )リyー「……あのよぉ」
(-_-)「はい?」
Σz ゚ー )リyー「あのおっさんがなんて吹き込んだのかは知らんけどよ」
Σz ゚ー )リyー「別に俺は付き添いなんざいらねーぜ?」
(-_-)「そうは行きませんよ。勝手に帰られても困りますし」
Σz ゚ー )リyー「あっそ……」スパー
<foooooooooo!!!!!!!!!!!!!!
Σz ゚ー )リ「……ん?この声」
.
-
.
( ・∀・)「ヒャッホゥッ!!!」ズザザァッ
(;-_-)「モララーさん!」
Σz ゚ー )リ「やっぱお前か、モララー」
( ・∀・)「おうよ!ヒマだったから俺も来てやったぜ!感謝しな!」
Σz ゚ー )リ「なんで俺がここにいると分かった?」
( ・∀・)「お前俺と会った時から高いとこで黄昏るクセ抜けてねーだろ?」
( ・∀・)「病院にいるって聞いたときからバレバレだっつーの!」
(;-_-)「だからって壁走りは止してくださいよ。患者さんビックリしますよ?」
( ・∀・)「わーりわーり。久しぶりの全力疾走だったもんでな」
Σz ゚ー )リ「……フッ」
.
-
.
( ・∀・)「お?なんだよ、何が可笑しいんだ?」
Σz ゚ー )リ「いいや。俺とレースしてた時より楽しそうで何よりだよ」
( ・∀・)「おかげさんでな。お前こそ最近レースはどうなってんだ?」
Σz ゚ー )リ「キャノンボールも頭打ちになりそうだし、近々ポルノの配信に切り替えようとしてるとこさ」
( ・∀・)「そりゃ抜けて正解だったな。エロ動画の配信なんざ手伝いたくもねーわ」
Σz ゚ー )リ「バーロー、お前が抜けなきゃあと百万は稼げてたんだ。いつか穴埋めはしろよ?」
( ・∀・)「よく言うぜ。人のこと当て馬に使ってたクセによ」
Σz ゚ー )リ「あ?」
.
-
.
( ・∀・)「俺をレースに参加させたのも、トレジャーのおっさんにUSBを渡すエサだったんだろ?」
Σz ゚ー )リ「……」
( ・∀・)「それくらいアホな俺にでも分かっからな」
Σz ゚ー )リ「……そーかい。それでお前は頭にきて、このダスティ様に抗議しに来たってワケか?」
( ・∀・)「は?何の抗議だよ?」
Σz ゚ー )リ「利用されてたことへの報復だよ。違うのか?」
( ・∀・)「ちげーよバーカ。俺は死ぬまで走れりゃ駒でもエサでも何でもいいんだよ」
( ・∀・)「他のことは気にしちゃいねーし関係ねー。それくらい分かんだろ?」
Σz ゚ー )リ「……ククッ。そーかい、そいつぁ悪かったよ」
.
-
.
( ・∀・)「けどな、今の俺は走り屋じゃなくヒーローだ」
( ・∀・)「思い出話に花咲かす気があるなら、とことん付き合ってやるぜ?」
(;-_-)「モララーさん……」
Σz ゚ー )リ「……職務に忠実なこったね。お前さんそんな性格じゃなかったろうに」
( ・∀・)「毎日全裸の上司に付き合ってれば、人間なんざ簡単に変わるもんさ」
Σz ゚ー )リ「……そうかもな」
Σz ゚ー )リ「要するにお前は、他の奴に話しづらいなら俺に話せよって言いに来たんだな?」
( ・∀・)「そうだよ。最ッ高にカッコいいだろ?」
Σz ゚ー )リ「抜かせ、バーカ」
.
-
.
Σz ゚ー )リ「とはいえ、何から話したもんかねぇ……」
( ・∀・)「確かお前、ファニーフェイスと同郷の出なんだろ?話せるこた山ほどあんだろ」
(;-_-)「モララーさん、あんまり急かさない方が……」
Σz ゚ー )リ「……いや、うだうだやってても仕方ねーやな」
Σz ゚ー )リ「核心から話すよ。その方がお前らも分かりやすいだろ?」
( ・∀・)「おう」
(;-_-)「ぼ、僕も聞いてていいのかな……」
Σz ゚ー )リ「かまやしねーよ。誰に聞かれても同じことだ」
.
-
.
Σz ゚ー )リyー カチッ…シュボッ
Σz ゚ー )リyー スパー…
Σz ゚ー )リyー「奴の名前はアヒャルド。アヒャルド=マッケンジーだ」
Σz ゚ー )リyー「俺と同じ貧しい集落の出身でな。スカンピンで地元を飛び出して、この街に辿り着いた」
( ・∀・)「……」
(-_-)「……」
Σz ゚ー )リyー「……俺が原因なんだよ」
( ・∀・)「は?」
Σz ゚ー )リ「アヒャルド=マッケンジーって男が怪人ファニーフェイスになったのは、俺のせいなんだ」
(;・∀・)「はぁっ!?」
(;-_-)「えっ……!?」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【サウスガットファミリーアジト……】
∬*´_ゝ`)「カンパーイ!!」
l从・∀<ノ!リ人「カンパイなのじゃー!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アンネ!あんた何杯目の酒だい!?ほどほどにしときな!」
∬*´_ゝ`)「いいじゃないの、仕事が上手くいった時くらい!」
∬*´_ゝ`)「こんなおっきい上がり久しぶりでしょー?」
l从・∀・ノ!リ人「姉者がんばったからご褒美なのじゃー!!」
∬*´_ゝ`)「ウフフ、ありがとナージャ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「全く……酔って潰れても知らないからね!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「まぁまぁ母さん、いいじゃないか」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「今回はアンネの働きが大きかったんだし、たまにはな?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたは子供に甘すぎるんだよ!あの娘が潰れたら、あんたが介抱しとくれよ!」
.
-
.
ーーーコンコンッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「おや。誰だろうね、こんな夜更けに?」
('、`*川「ハァーイ、私よん♪」ガチャ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ペニーじゃないか。どうしたんだい?」
('、`*川「お夕飯時に失礼ー。ちょっと近くまで来たから寄っちゃった」
('、`*川「ご迷惑だったかしら?」
∬*´_ゝ`)「迷惑なはずないわ!お姉さまならいつでも歓迎よぉ!」
('、`*川「アンネちゃんお久〜♪活躍は聞いてるわよン」
∬*´_ゝ`)「私も、お姉さまのご活躍はいつも耳にしていますわ」
∬*´_ゝ`)「さぁ座って?今夜はゆっくり語り明かしましょ?」
.
-
.
('、`*川「そうそう、これお土産。ケーキだから後でみんなで食べてね?」
∬*´_ゝ`)「わぁっ……ありがとう、お姉さま!」
l从・∀・ノ!リ人「ペニーナお姉ちゃん、こんばんはなのじゃー」
('、`*川「こんばんはナージャちゃん。いい娘にしてた?」
l从>∀<ノ!リ人「もっちろんなのじゃ!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ハハハ。美人が一人増えると食卓が華やかになるねぇ」
('、`*川「ごきげんよう、おじさま。今日も素敵でしてよ?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ありがとう。俺を素敵だと言ってくれるのは君とハハジャだけだよ」
('、`*川「……あら?今日は双子ちゃんたちはお留守かしら?」
∬´_ゝ`)「あー……それがね……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あのバカどもなら、家を飛び出てったよ!」
('、`*川「あら、そうなの。なんで?」
.
-
.
∬´_ゝ`)「前にねぇ、母さんに向かって俺たちがトレジャーを倒すなんて宣言しちゃってね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「一週間の猶予を与えたが、結局いつもの通り口先だけだったのさ!」
∬´_ゝ`)「それで戻ってくるのが気まずいのか、一向に帰って来なくってねぇ……」
('、`*川「あらあら……」
l从・∀・`ノ!リ人「ナージャ心配なのじゃー……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「どうせそのうち泣きを入れて帰って来るさ。あんたは安心おし」
('、`*川「ずいぶんと大きく構えてるわね、ハハジャ?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「帰って来ないなら来ないで、自立したって証拠さね。違うかい?」
('、`*川「ま、ドライですこと。あなたらしいけど」
.
-
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「どっちにしろ、いもしない人間を話題にしても意味はないね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それとも、我が家の双子に何か用事でもあったかい?」
('、`*川「んー、そうじゃないけど」
('、`*川「双子ちゃんたちがいるつもりでケーキ買って来ちゃったから、二個余分になるのよねぇ」
∬´_ゝ`)「それじゃあ一個はお姉さまも一緒に食べましょ?」
('、`*川「そうね。残った一個はナージャちゃん食べる?」
l从・∀・*ノ!リ人「いいのじゃ!?」
('、`*川「えぇ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「その代わり、歯は念入りに磨くんだよ!分かったかい!?」
l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃー!!クリスマス二回分のケーキー!!」
('、`*川「……なんか、双子ちゃんたちがいないならいないで楽しそうね?」
∬´_ゝ`)「まぁこれでも一応、寂しいのよ」
.
-
.
∬´_ゝ`)「元から仕事にはあんまり関与させないようにしてたから、支障はないんだけどね」
∬´_ゝ`)「やっぱりいざいなくなると静かなものよ」
('、`*川「そういうものなのかしらね?私一人っ子だからよく分からないわ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「うちは女系みたいでなぁ……能力を遺伝させてやれなくて、申し訳なく思ったりもしたよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「だが、だからといって能無しを甘やかす必要もないがね!」
∬´_ゝ`)「ま、当然よね」
('、`*川「フフ、家族そろって手厳しいこと」
.
-
.
('、`*川「そうそう。仕事といえば、今日は何かおっきな仕事やらかしたみたいじゃない?」
∬*´_ゝ`)「ウフフ、そうなんですよぉ」
('、`*川「六軒同時襲撃なんて、よく踏み切ったわねぇ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フフフ……これもアンネの功労だよ」
('、`*川「そうなの?」
∬*´_ゝ`)「とある筋から、トレジャーと警察署長が両方街からいなくなるって聞きましたの」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「こんなチャンス滅多にないからな、荒稼ぎさせてもらったよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「警察なんざ、あの署長以外は全員ノータリンみたいなもんだからね」
('、`*川「へぇ……あっ、もしかしてそれって」
∬´_ゝ`)「はい?」
('、`*川「前に私に聞かせた市長選挙のテロリストの情報も、同じ出所かしら?」
∬*´_ゝ`)「んふふー。さぁ、どうでしょう?」
.
-
.
('、`*川「てことはもしかして、情報の漏洩元は警察関係者?」
∬*´_ゝ`)「さぁ。いくらお姉さまでもそれ以上は言えないわ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そこら辺にしときな、ペニー。いくらあんたでも、余計な詮索は死を招くよ」
('、`*川「おっと。ハハジャの怒りに触れる前に引っ込みましょうかね」
∬*´_ゝ`)「それよりもお姉さま!私、お姉さまのお仕事の話も聞きたいわ」
('、`*川「私?私の仕事なんて面白いこと何もないわよ?」
('、`*川「日がな一日パソコンとにらめっこして会議して、たまに現場のご用聞きもしたりね」
∬´_ゝ`)「それでいいのよ。だってその生活は、私が一生かかっても手に入れられない物なんだもの」
l从・∀・ノ!リ人「ナージャもペニーナお姉ちゃんのお話、聞かせて欲しいのじゃ!」
('、`*川「無い物ねだりなのかしらねぇ。ま、それなら聞かせてあげましょうか」
∬*´_ゝ`)「やったぁ!」
l从・∀・*ノ!リ人「わぁい!」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【再び、中央警察署……】
从 ゚∀从 ズリズリ
_
(;゚∀゚)「兄貴っ、俺の話も聞いてくれよ!!兄貴ィ!!」
从 ゚∀从「うっせぇ、座れ」ドンッ
_
(;゚∀゚)「ってぇ……!!」
从 ゚∀从「……」キョロキョロ
ガチャッ
_
(;゚∀゚)「兄貴……何してんだよ」
从 ゚∀从「これでここには誰も入って来れねぇ」
从 ゚∀从「たまには兄弟で腹割って話すとしようや。なぁ?」
_
(;゚∀゚)「……」ゾクッ
.
-
.
_
(;゚∀゚)「兄貴、あのな、俺も好きでサボってるワケじゃなくて……」
从 ゚∀从「あぁ、分かってらぁ。お前はお前なりの事情があってサボってんだよなぁ?」
_
(;゚∀゚)「……?」
_
(;゚∀゚)(おかしいぞ、なんでこんな物分かり良いんだ……?)
从 ゚∀从「……なぁジョー。お前、誰に売った?」
_
(;゚∀゚)「……は?」
从 ゚∀从「警察の動き、お前がどっかに漏らしたろ?」
_
(;゚∀゚)「……!!」ドキンッ
从 ゚∀从「誰に漏らしたか吐け、今すぐにだ」
.
-
.
_
(;゚∀゚)「なっ……何言ってるんだよ兄貴!漏らすだの吐くだの汚ぇなぁ!」
从 ゚∀从「トボケてるつもりか?目ぇ泳いでんぞ」
从 ゚∀从「おかしいと思ったんだよな……いくらサウスガットでも、俺が消えてからの初動が早すぎる」
_
(;゚∀゚)「んなもん知るかよ!兄貴の考えすぎだって!」
从 ゚∀从「お前、兄弟なら知ってんだろ?俺が青筋立ててキレてる時はまだマシな方だってよ」
从 ゚∀从「今の俺は冷静に頭に来てんだ。吐かなきゃ何しでかすか自分でも分からんぞ?」
_
(;゚∀゚)「知らねーよ!俺はただサボってただけだ!」
从 ゚∀从「白切るつもりか、バカが。ならなんでお前は、現場にいた人数を知ってたんだ?」
_
(;゚∀゚)「あ……?」
.
-
.
从 ゚∀从「お前さっき、『現場に六人も七人も取られちゃ指揮なんて取れねぇ』って言ってたな?」
_
(;゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「あの時、現場にゃ俺とポールとブーナーとロミスがいた」
从 ゚∀从「だがお前が指揮を取るなら、俺以外の三人しか把握しておく必要はねぇ」
从 ゚∀从「六人か七人、こいつぁマンホールに入った人間の数だ」
从 ゚∀从「なんでサボって現場に出てなかったお前が、その人数を把握してんだ?」
_
(;゚∀゚)「ロミスに聞いたんだよ!そうだ、それで辻褄は合うだろ!?」
从 ゚∀从「なるほどな……ロミスに聞いた情報を誰かに流したってことか」
_
(;゚∀゚)「違っ……!!」
.
-
.
从 ゚∀从「実の兄として恥ずかしいが、あの面子の中じゃお前が一番疑わしいんだよ」
从 ゚∀从「そんなに潔白を証明してぇなら、今使ってるスマホいじらずに見せてみな?」
_
(;゚∀゚)「……ほらよ」スッ
从 ゚∀从「暗証番号」
_
(;゚∀゚)「081081、だ」
从 ゚∀从「……」スッ、スッ
从 ゚∀从「ほーう?雑でズボラでガサツなお前が、着信履歴を綺麗に掃除するたぁな」
从 ゚∀从「こいつぁ一体どういう風の吹き回しだ?」
_
(;゚∀゚)「……たまには、そういうこともあんだろっ!」
.
-
.
从 ー∀从「……ジョー、お前はいっつもそうだ」ハァ
从 ー∀从「『バレなきゃいいから黙っとこう』が通じるほど、警察と司法は甘くねーんだぞ」
从 ゚∀从「ここで素直に吐いて、俺から四、五発殴られてた方がまだマシとは思わねーのか?」
_
(;゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「……そうか。ならこの件は、上へ報告させてもらうぜ」
从 ゚∀从「俺は減給で済むだろうが、お前は懲戒免職だろうなぁ?いいのかそれで」
_
(;゚∀゚)「……好きにすりゃいいさ」
从 ゚∀从「何を意固地になってんだ、素直に認めりゃ楽になるってのに……」
_
(;゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「おい、テメェまさか」
从#゚∀从「サウスガットに直接情報を売ったんじゃないだろうな……?」
_
(;゚∀゚)「……ッ!」
.
-
.
从#゚∀从「図星か、コルァ。情報屋に金でチクるのたぁ訳が違うぞ?」
从#゚∀从「ヴィランに直接情報を流すってこたぁ、犯罪に荷担する明確な意思があったってこった」
从#゚∀从「そうなりゃ責任は特犯課全員に及ぶ。それを分かっててやったのか?」
_
(;゚∀゚)「……」
从#゚∀从「何とか言えやボケェ!!」ガァンッ!!
_
(;゚∀゚)「しっ……仕方ねぇだろっ!!惚れちまったもんはもんはよぉっ!!」
从 ゚∀从「あ?」
_
(;゚∀゚)「ガチ惚れなんだよ、一目惚れなんだよマジで恋する五秒前なんだよ!!」
_
(;゚∀゚)「俺はっ、サウスガットの姉ちゃんに惚れちまったんだよォ!!」
从;゚∀从「……ここまでバカだとため息も出ねぇよ」
.
-
.
从 ゚∀从「あのなー、言っとくが相手はお前のこと、体のいいお天気予報くらいにしか思ってねーぞ?」
从 ゚∀从「雨が降るって教えたからって、誰も天気予報士に見返りなんか渡さねーだろ。違うか?」
_
(;゚∀゚)「それでもいいんだ!!俺はアンネさんが喜んでくれるなら……」
从 ゚∀从「だったら警察なんか辞めちまえよ。そしたら俺も応援してやっからよ」
_
(;゚∀゚)「それは……嫌だ……」
从 ゚∀从「ほらな?お前だって自分の価値が、情報にしかないって理解してるんじゃねーか」
从 ゚∀从「だから警察辞めたら連絡取れなくなるかもって、ビビりまくってんだろ?」
_
(;゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「ジョー、最後のチャンスだ、サウスガットと手を切れ。そしたら今回の件は俺が不問にしてやる」
从 ゚∀从「ただし、それが出来ないならお前は即刻クビだ。分かったな?」
.
-
.
从 ゚∀从「分かったら仕事に戻れ。そんで、サウスガットとさっさと縁を切るんだ」
从 ゚∀从「どういう経緯で繋がったのか知らねぇが、ヴィランに惚れる警察なんざ洒落にもなってねぇんだよ」
ガチャ、バタァンッ!!
_
(;゚∀゚)「……」
_
(;゚∀゚)「なんだよ……兄貴のやつ……」
_
(;゚∀゚)「好き勝手言いやがって……」
_
(;゚∀゚)「クソッ……クソォッ!!」ガァンッ
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「……」
( ´_ゝ`)「なぁ、弟者」
(´<_` )「なんだ、兄者」
( ´_ゝ`)「俺たち、家を飛び出してどれくらい経つ?」
(´<_` )「……一ヶ月ってとこじゃないかな」
( ´_ゝ`)「そっか」
(´<_` )「母者たち、心配してるかな」
( ´_ゝ`)「してるんじゃね?探しはしないだろうけど」
(´<_` )「だよな……」
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「……」
( ´_ゝ`)「なぁ、弟者」
(´<_` )「なんだよ。聞きたいことあるならいっぺんに聞けよ」
( ´_ゝ`)「あのさ……」
.
-
.
( ´_ゝ`)「俺たち、なんでこんなことになっちまったんだろうな……」
(´<_` )「……さぁ、分からん」
( ∀ )「グゴォォォォォォォ……グゴッ、グゴォォォォォォォ……」
【クラウン・シティ地下下水道、最深部にて……】
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【クラウン・シティ某所】
▼・ェ・▼「……」トコトコトコ
.
-
.
▼ーェー▼「……」スゥッ
▼ーェー▼「アォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン……」
▼ーェー▼「アォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン……」
.
-
.
『ハッハッ……』
ヒタ、ヒタ…
『クゥン……』
ペタ、ペタ…
『ワンッ』
ヒタ、ヒタ…
▼・ェ・▼「……」
.
-
第十三話終わり
-
ジョーはクズだな
-
oh……
-
なんてこった
-
.
(,,゚-゚)
やぁ、ボクはクラウン・シティの名カメラマン、ギャシャール=ホプキンスだよ!
みんなもう覚えてくれたよね?
最近ようやくこの街にも馴染んできて、行きつけの店や顔見知りも増えてきたところなんだ。
誰が悪人で、どんな悪事が働かれてるか分からないクラウン・シティ。
でもだからこそ、人と人との繋がりは大事にしなきゃいけないと思うよね?
(,,;゚□゚)「ムガーッ!!ムガァーッ!!」
ボクはそんなこと考えてたさっきまでの自分を、ぶん殴りたいくらいに後悔してるところだよ!
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
(,,゚-゚)「ん〜っ!!今日もいい天気〜!!」
(,,゚-゚)「こういう日って、いいスクープすっぱ抜けるんじゃないかって期待しちゃうよね〜!」
(,,゚-゚)「気分がいいとテンションも上がるなー!ちょっと小粋なダンスでも踊りたい気分!」
(,,゚-゚)「おういえー、あふーん、ズンズンチャッチャズンチャッチャ」クネクネ
|゚ノ ^∀^)「……おはよう。ギャシャールちゃん」
(,,;゚-゚)「ほぎゃあっ!?」
|゚ノ ^∀^)「今日はすごく機嫌がいいみたいだねぇ?」
(,,;゚-゚)「あ、いえ!そんなでもないですけど……」
(,,;゚-゚)(み、見られたー!!思いっきり恥ずかしいトコ見られちゃったー!!)
.
-
.
この人は、スザンヌ=リモーネさん。
私の住んでるアパートメントの、管理人のおばあちゃんだよ。
|゚ノ ^∀^)「若い子は元気があっていいねぇ。私なんか膝が痛くって痛くって」
(,,;゚-゚)「そ、そんなこともないですけどー」
|゚ノ ^∀^)「そうかい?」
(,,;゚-゚)「そうですよ!普通です、普通!」
|゚ノ ^∀^)「フフフ。その普通が、ババァから見たら羨ましいもんなのさ」
(,,;゚-゚)「そ、そうですかー、アハハハ……」
(,,;゚-゚)(うぅー、めっちゃ恥ずかしい……早くどっか行きたいよ……)
.
-
.
|゚ノ ^∀^)「そうだ。良かったら今度、うちでお茶でもどうだい?」
(,,゚-゚)「えっ?いいんですか!」
|゚ノ ^∀^)「えぇ。美味しいマドレーヌを焼いてあげるよ」
(,,゚-゚)「うっわーやったぁ!ボク、マドレーヌ大好物で……」
( ∴)「ばあちゃん」ヌッ
(,,;゚-゚)「おわぁっ!?」
|゚ノ ^∀^)「おや、なんだいジル?」
( ∴)「電話……」
|゚ノ ^∀^)「あぁ、そうかい。今行くよ」
( ∴)「携帯くらい持てよ……」
|゚ノ ^∀^)「うるっさいねぇ。私ゃ最近の機械なんて、からっきし使えないんだよ」
(,,;゚-゚)(び……ビックリしたぁ〜〜……心臓飛び出るかと思った……)
この表情に乏しい人は、ジル=フォードさん。管理人さんのお孫さんなんだって。
こんな顔して、アメフト選手だったくらいムッキムキの体してるんだよ!
.
-
.
(,,゚-゚)「あ〜驚いた……そして恥ずかしかった……」
(,,゚-゚)「でも逆に、こういうツイてない時こそスクープが撮れたりして」
(,,゚-゚)「よーっし!頑張るぞーっ!」
|゚ノ ^∀^)「あ、そうそうギャシャールちゃん」
(,,゚-゚)「はい?なんですか?」
|゚ノ ^∀^)「最近、アパートの住人から変な音と悪臭がするって苦情が来ててねぇ」
|゚ノ ^∀^)「ギャシャールちゃんは何も感じなかったかい?」
(,,゚-゚)「ボクですか?ボクは特に何も思わないですけど……」
|゚ノ ^∀^)「そうかい。それなら良かった」
|゚ノ ^∀^)「やっぱり業者入れて工事した方がいいのかねぇ……」
.
-
.
(,,゚-゚)「……何だろう。異音と悪臭かぁ」
(,,゚-゚)「ま、それはボクが考えても仕方ないよね」
(,,゚-゚)「そろそろスクープ探して、街をウロつこっかなぁ」
▼・ェ・▼ テクテク
(,,゚-゚)「あれっ?あの犬……おーい!」
▼・ェ・▼「……!」
(,,゚-゚)「やっぱり!トレジャーさんとこのドルチェちゃんだ!」
(,,゚-゚)「どうしたの?今日は一人でお散歩?」
▼・ェ・▼「アンッ」
(,,;゚-゚)「……そ、そっか」
(,,;゚-゚)(ナチュラルに話しかけちゃったけど、犬相手に声かけるなんて頭おかしい人じゃん)
(,,;゚-゚)(ボクはアホなのかな?)
▼・ェ・▼「……」
(,,;゚-゚)「や、止めて。そんな顔して見ないでドルチェちゃん」
.
-
.
(,,゚-゚)「あ、そうだ。ドルチェちゃんってヒーロー犬だし、スクープの臭いにも敏感かも」
(,,゚-゚)「ねぇねぇドルチェちゃん。良かったらボクのお仕事、手伝ってくれない?」
(,,゚-゚)「事件が起きそうなところに連れてってくれるだけでいいんだ」
▼・ェ・▼「クゥーン……」フルフル
(,,゚-゚)「ダメかぁ。そっか、ごめんね」
▼・ェ・▼「アンッ」
(,,゚-゚)「いいよいいよ。人に頼ろうとしたボクが悪いし」
(,,゚-゚)「ドルチェちゃんにも用事があるだろうしね」
▼・ェ・▼「ワフンッ」ペロペロ
(,,゚-゚)「フフフ。くすぐったいよドルチェちゃん」
(,,゚-゚)「じゃあ、ボクもう行くから。またどこかで会おうね?」
▼・ェ・▼「アンッアンッ!!」
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)「これ普通に会話成立してない?」
.
-
.
(,,゚-゚)「じゃーねー、ドルチェちゃん。またねー」
▼・ェ・▼「アウン」パタパタ
(,,゚-゚) テクテク
▼・ェ・▼ トコトコ
(,,゚-゚)「……」ピタッ
(,,゚-゚)「ドルチェちゃん、何しにここへ来たんだろ?」
(,,゚-゚)「近くにトレジャーさんたちもいないみたいだし」
(,,゚-゚)「あっちはボクんとこのアパートくらいしかないはずだけどなぁ……」
(,,゚-゚)「……」
(,,゚-゚) ハッ
.
-
.
|゚ノ ^∀^)『最近、アパートの住人から変な音と悪臭がするって苦情が来ててね』
(,,゚-゚)「異音と悪臭……ドルチェちゃんは犬だから鼻が効く……」
(,,゚-゚)「もしかして、ボクのマンションの近くで何か事件が?」
(,,゚-゚)「それでヒーローたちが秘密で調査してるとか……」
(,,゚-゚)「ありそう!すっごいありそう!なんか事件の匂いがするよ!」
(,,゚-゚)「……ちょっとだけ、ドルチェちゃんの後を着けてみよっかな」
(,,゚-゚)「うん。そうしよう」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
▼・ェ・▼ トコトコ
(,,゚-゚)(とは言ったものの)
(,,゚-゚)(こうして犬を尾行してるのって、端から見たらすごいバカみたいだよね……)
(,,゚-゚)(これでホントに散歩してるだけだったら、ただの時間の無駄になっちゃう)
(,,゚-゚)(まぁ……スクープなんてそうそう撮れやしないしね。地道が近道って奴だよ!)
▼・ェ・▼ トコトコ、ピタッ
(,,゚-゚)(あれっ?)
▼・ェ・▼ トコトコ
(,,゚-゚)(アパートの裏路地に入ってった)
(,,゚-゚)(あからさまに怪しいけど……何なんだろう?)
(,,゚-゚)(ついてってみよう)テクテク
.
-
.
▼・ェ・▼ トコトコ
(,,゚-゚)(どこまで行くんだろ、あの子……)
(,,゚-゚)(そういえば、アパートの裏手側ってほとんど来たことなかったなぁ)
▼・ェ・▼ ピタッ
(,,゚-゚)(……!)
▼・ェ・▼「アンッアンッ」
(,,゚-゚)(何だろう、あの扉)
(,,゚-゚)(あんな場所がうちのアパートにあったの?)
.
-
.
ギィィィ…
(,,゚-゚)(戸が開いた!)
▼・ェ・▼ トコトコ
(,,゚-゚)(……中に入ってく)
(,,゚-゚)(私も……!!)タタッ
(,,゚-゚)(鍵は……かかってないな)
(,,゚-゚)(地下室、なのかな……)
(,,゚-゚)(それに、何だろ。この臭い……変な臭いする……)
.
-
.
(,,゚-゚)(もしかして、アパートの異臭ってこれが原因?)
(,,゚-゚)(だとしたらやっぱり、ドルチェちゃんは何か知ってるんだ!)
(,,゚-゚)(カメラは……暗すぎて撮れないかな……)
(,,゚-゚)(スマホのライト……も、つけたらバレるよなぁ)
(,,゚-゚)(手探りで下りてくか……)
コツ、コツ…
(,,゚-゚)(ドルチェちゃーん。どこ行ったのー?)
(,,゚-゚)(ドールーチェちゃーん)
.
-
.
【数分後…】
カツンッ
(,,゚-゚)(……!)
(,,゚-゚)(また扉だ)
(,,゚-゚)(二重扉の地下室……どう考えても怪しいよね)
(,,゚-゚)(お邪魔しま〜す……)キィ
ムワァッ
(,,;゚-゚)(くっ、臭っ!!)
(,,;゚-゚)(何これ、何の臭い!?)
(,,;゚-゚)(それに、何かが動いてる気配がする……)
(,,;゚-゚)(これはさすがにスマホ着けないとダメだ)ゴソゴソ
(,,゚-゚)(えーと、どれどれ?)スチャッ
『カァッ!!』
(,,;゚-゚)「ヒッ!?」ビクゥッ
『カッ、カァッ!!カハッ!!』
(,,;゚-゚)「……何、これ。犬?」
(,,;゚-゚)「こんなにたくさん、しかも口枷はめられて……」
(,,;゚-゚)「どういうこと……?」
.
-
.
(,,;゚-゚)「状況はよく分からないけど……これって立派な犯罪だよね?」
( (,,;゚-゚)「てことは、犯人はうちのアパートの大家さん!?」
( ∴(,,;゚-゚)「警察に通報しないと……大変なことになっちゃう!!」
( ∴)(,,;゚-゚)「えーと、えーと……」カチャカチャ
ベトッ
(,,;゚□゚)「ムァッ!?」
ムンズッ
(,,;゚□゚)「ムァーーーッ!!?」
( ∴)「……」ノシッ、ノシッ
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
( ∴) ノシッ、ノシッ
( ∴) ドサッ
(,,;゚□゚)「ムギャンッ!!」
( ∴)「……ばあちゃん」
|゚ノ ^∀^)「どうした、ジル。なんだいそれは?」
(,,;゚□゚)(大家さん……!!)
( ∴)「……こいつに、地下の犬見られた」
|゚ノ# ^∀^)「はぁ!?バカ言ってんじゃないよ、鍵はしてなかったのかい!?」
( ∴)「……クライアントの来る時間だったから開けてた」
|゚ノ #^∀^)「なんてこったい……どんくさい孫だねぇアンタは!!」
( ∴)「うるせぇな……捕まえたんだからいいだろ……」
.
-
.
|゚ノ #^∀^)「それで?こいつを運んでるとこ、誰にも見られてないだろうね?」
( ∴)「……裏口通って来たから見られてない」
|゚ノ ^∀^)「どうだかねぇ?詰めが甘いのはアンタの悪いクセだよ!!」
|゚ノ ^∀^)「アンタのせいで、どんだけの取引ダメにしたか覚えてるのかい?」
( ∴)「……クソババァ」ボソッ
|゚ノ #^∀^)「あん!?何か言ったかい!?」
(∴ )「……何も」
(,,;゚□゚)(ど、どういうことなの?この二人が悪者ってことは分かったけど……)
(,,;゚□゚)(あの地下の犬はなに?ドルチェちゃんはどこ行ったの?)
(,,;゚□゚)(てかコレ、この状況すんごくヤバくない!?)
.
-
.
( ∴)「ところで、こいつどうする……?」
|゚ノ ^∀^)「そんなもん、ヒミツを知られたからには生かしちゃおけないだろ?」
(,,;゚□゚)「!!」
( ∴)「……バラしてモツ屋に売る?」
(,,;゚□゚)「ムァッ!?」
|゚ノ ^∀^)「ノド潰して娼街に売っても良さそうだねぇ」
(,,;゚□゚)「ムァーーーッ!!」
( ∴)「うるさい」ビシッ
(,,;>□<)「あぶっ……!!」
|゚ノ ^∀^)「ピィピィやかましいガキだねぇ。どっちにしろ生きて帰すことはないのにさ」
(,,;゚□゚)(そんなの嫌だよ!!ボクこんなとこで死にたくない!!)
.
-
.
▼・ェ・▼「アンッ」ピョコンッ
(,,;゚□゚)(あっ……ドルチェちゃん!?)
|゚ノ ^∀^)「あ?どっから入って来たんだいこの犬は!!」
|゚ノ ^∀^)「ジル。あんたまた鍵かけ忘れて、下から逃げて来たんじゃないのかい?」
( ∴)「違う……ばあちゃんそれ……」
( ∴)「今回の、クライアント」
(,,;゚□゚)(はぁ!?)
|゚ノ ^∀^)「何言ってんだい?頭でも狂ったってのかい、このバカ孫!」
|゚ノ ^∀^)「電話口じゃ女が出てただろ!それがなんで犬に化けるのさ!」
(,,;゚□゚)(……あ!さっきの電話ってそれ!?)
( ∴)「……なんか、取引は犬を介して行うって」
|゚ノ ^∀^)「はぁ〜?ヴィランだかなんだか知らないけど、そんなんで取引出来るのかい?」
(,,;゚□゚)(ヴィラン!?)
.
-
.
|゚ノ ^∀^)「じゃあ何かい?この犬が地下の犬を連れて帰るってのかい?」
( ∴)「多分」
|゚ノ ^∀^)「どうやって?」
( ∴)「知らん」
|゚ノ ^∀^)「……うちらの商売がバレたら何の意味もないんだが、その辺は分かってんだろうね?」
▼・ェ・▼「ワン」
( ∴)「……会話は通じてるから大丈夫じゃね」
|゚ノ ^∀^)「あんたに取引相手選ばせた私がバカだったよ。今度からはもっと仕事選びな!!」
(,,;゚□゚)(ダメだ、全然話の全貌が見えない……)
(,,;゚□゚)(ドルチェちゃん、ヒーローの仲間じゃなかったの?)
.
-
.
|゚ノ ^∀^)「ま、後はバレないように好きにやっとくれ」
|゚ノ ^∀^)「言っとくが、あんたのせいでうちに警察でも来たら、料金上乗せさせてもらうよ!」
▼・ェ・▼ コクン
|゚ノ ^∀^)「やれやれだね、全く……」
|゚ノ ^∀^)「さて、それじゃこいつをどうするかに話を戻そうか」
(,,;゚□゚)「ムガッ!?」
( ∴)「面倒だし……気絶させる……?」
|゚ノ ^∀^)「そうしな。バラすにしろ売るにしろ、意識はない方がやりやすい」
(,,;゚□゚)「ウガッ!ウガァッ!」
|゚ノ ^∀^)「暴れるんじゃないよ。骨の二、三本折ってもこっちは問題ないんだよ?」
(,,;゚□゚)「ヒッ……!!」
( ∴)「大丈夫……起きたら全部終わってる……」ヌゥゥッ
(,,;゚□゚)(だ……誰か……!!)
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【これより時は一週間ほどさかのぼり、ここは総合科学技術研究所……】
(´・_ゝ・`)「みんな、よく集まってくれた。これからサー・トレジャーより話がある。よく聞いておいてくれ」
( ,,^Д^)「諸君!!忙しいところ集まってもらってすまない!!」
( ,,^Д^)「今回集まってもらったのは、我々の仲間だったドルチェに関することだ!!」
(,,゚Д゚)「仲間だった、か……」
川д川「トレさん、ドルチェはもう帰って来ないの?」
( ,,^Д^)「恐らくな……私としても今回の件は、残念だったと言う他にない」
( ,,^Д^)「そしてそれは、彼女の立ち位置を説明しないままここまでやって来てしまった、私の責任でもある」
ミセ*゚ー゚)リ「犬の立ち位置ってのもおかしな話だけどねぇ」
(-_-)「僕はまだここへ来て短いから、あんまり実感が湧かないですけど……」
( ・∀・)「俺もだな。正直、ワン公一匹にこんな大騒ぎしなくてもって感じだわ」
*(‘‘)*「ドルチェはこれからどうなるですか……」
川 ゚ -゚)「落ち着け。それはこれからのトレジャーの話次第で決まる」
.
-
.
( ,,^Д^)「まず第一に、彼女は人の言葉を解するヒーロー犬であるということ」
( ,,^Д^)「しかし、その目的は我々と根本から違うということ。この点について説明したい」
(,,゚Д゚)「まぁ、言葉を理解してるのは行動でなんとなく分かっちゃいたけどな」
川д川「ドルチェの目的って何なの?」
( ,,^Д^)「彼女は、ヒーローでありながらヴィランに与する側であるということだ!!」
ミセ*゚ー゚)リ「どういうこと?ヒーローなんだから、私達の仲間じゃないの?」
( ,,^Д^)「そこが少々複雑なのだがな……」
( ,,^Д^)「彼女はもともと、私を止めるためにヒーローとなった人物なのだよ!!」
( ・∀・)「おっさんを止めるゥ?大それた役目だなオイ」
(;-_-)「……」
川 ゚ -゚)「ふむ……」
.
-
.
*(;‘‘)*「よく分かんないですぅ……なんでドルチェがそんなことする必要があるですか?」
( ,,^Д^)「それを説明するには、まずヴィラン特別収容所について説明しなければなるまいな……」
( ,,^Д^)「この中に、ヴィラン特別収容所について知っている者はいるかね?」
川 ゚ -゚)「一度入れば、刑期の長短を問わず出てきた者はいないと噂されているな」
*(;‘‘)*「ひぇぇっ……!!」
( ,,^Д^)「その通り!!我々としても、長年その実態を掴めていないのが現状だ!!」
(´・_ゝ・`)「だが、かなり私的な刑罰を用いてヴィランを痛めつけているという話は、前々から聞いていたんだ」
(;・∀・)「ひぇー……こっわ……」
(;-_-)「でもそれって、完全に職権濫用ですよね……施設に監査が入ったりしないんですか?」
(´・_ゝ・`)「これも噂だが、反ヴィラン派の現市長から、かなりの額の裏資金が施設維持に投入されてるらしい」
(´・_ゝ・`)「その中には、事を黙殺させるための州知事への賄賂も含まれてるとか」
(;-_-)「ひぇ……」
ミセ*゚ー゚)リ「イヤな話よねぇ、ホント。市民の税金を何だと思ってるんだか」
(,,゚Д゚)「けどよぅ、それとドルチェと、どう関係してるってんだ?」
川д川「ドルチェもその内情を知ってたのかしらねぇ」
.
-
.
( ,,^Д^)「それは分からん……だが彼女は、私と初めて出会った時にこう言ったのだ」
( ,,^Д^)「『ビッグ・トレジャーと普通のヴィランでは格が違いすぎる』とな!!」
*(;‘‘)*「ドルチェ喋れるですか!?」
( ,,^Д^)「喋れるのだよ。それについても後で説明しよう!!」
( ,,^Д^)「彼女は、収容所で不当な扱いを受けるヴィランが増えることを懸念していたようだ」
川 ゚ -゚)「確かに……現行法では、ヴィランであると判明した時点で収容所送りは免れないからな」
ミセ*゚ー゚)リ「ヴィランに対する法整備って、今のところ凄くユルッユルだもんねぇ」
( ,,^Д^)「どのような軽い罪状でも、ヴィランは重い罰を課せられる」
( ,,^Д^)「彼女はそういったヴィランを少しでも減らすため、私に手心を加えさせる役目を買って出たのだ」
( ,,^Д^)「無論、殺人や強盗など、見過ごせない重犯罪は彼女も止めなかったがね!!」
( ,,^Д^)「つまるところ、彼女と私の利害は一致していたのだ!!」
.
-
.
( ,,^Д^)「私は市民を害するヴィランこそ止めねばならないが、その罪を罰することはしたくない」
( ,,^Д^)「そして彼女は、ヴィランへの重すぎる刑罰を考慮し、収容所送りになる者を減らしたい」
( ,,^Д^)「その結果、彼女は私の恋人兼ペットという特殊な立場を選んだのだ!!」
川д川「ちょっと待って。じゃあそれが、あの現場での行為に繋がるわけ?」
(,,゚Д゚)「行為ってなんだよ」
川д川「ほら、あれよ。ドルチェがいつもトレさんにしてた……言わせんな恥ずかしい」
川 ゚ -゚)「あぁ。乳首なめのことか」
*(;‘‘)*「博士、ちょっとは言葉を濁すです」
(;・∀・)「あぁ……そういやUSB取られた時もやってたなぁ」
(;-_-)「そんなことしてたんですか?」
( ,,^Д^)「あれは我々の趣味だ!!!」ヌフーン!!
*(;‘‘)*「そうなんですか!?」
ミセ;゚ー゚)リ「路上で性癖炸裂させないでトレさん」
.
-
.
( ,,^Д^)「そして彼女には、もう一つの重大な秘密がある!!」
川д川「なに?」
( ,,^Д^)「彼女は実は犬ではない!!犬に変化することの出来る人間なのだ!!」
川 ゚ -゚)「なんと」
(,,゚Д゚)「……まぁ、ここまでの話聞いてりゃだいたい想像はつくわな」
( ・∀・)「行動がいちいち人間的すぎたしな」
ミセ*゚ー゚)リ「そもそも人の言葉を喋れるって言っちゃってるし」
*(;‘‘)*「ひぇぇ……ヘリ、最近太ったこととか色々話しちゃったですよぅ」
(;-_-)「それは別に構わないんじゃ……?」
( ,,^Д^)「あまり動揺はないようだな!!何よりだ!!」
.
-
.
(´・_ゝ・`)「しかし……どうにも解せないですね」
( ,,^Д^)「どうした、デミタス?」
(´・_ゝ・`)「彼女がヴィランへの私刑を止めるために、サー・トレジャーへ近づいていたのは分かりました」
(´・_ゝ・`)「ですがファニーフェイスは、どう贔屓目に見てもその擁護の範疇に収まる相手とは思えない」
(´・_ゝ・`)「なのになぜ彼女は、我々が奴を追うのをマンホールで邪魔したのか……」
川 ゚ -゚)「同じ能力を持った別人という可能性は?」
( ,,^Д^)「この短いスパンで、ほぼ同じ能力を持った人間が二人も誕生するのかという疑問は残るな」
(´・_ゝ・`)「もしかしたら彼女には、まだ何か秘密があるのかもしれないですね」
( ,,^Д^)「あぁ……願わくは、また我々の元へ戻ってきてほしいのだが」
*(‘‘)*「ドルチェ、今頃どこで何してるですかね……」
.
-
.
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
【そして再び、場所はアパートの一室……】
(,,;゚□゚)(あぁ……私ごときが、この犯罪都市で生きてくなんて無理だったんだ……)
(,,;゚□゚)(お父さん、お母さん、ごめんなさい……先立つ不孝をお許しください……)
(,,;゚□゚)(死ぬなら痛くない死に方がいいです……あと出来れば天国に行かせてください……)
▼・ェ・▼「アンッ」ピョンッ
|゚ノ ^∀^)「あ?」
(,,;゚□゚)(ドルチェちゃん……?)
▼・ェ・▼ フルフルッ
|゚ノ ^∀^)「なんだい?いくら客でも、私らの邪魔をするのは許さないよ!」
( ∴)「……邪魔」ズィッ
▼・ェ・▼「アンッ、アンアンッ」ガシッ
( ∴)「……何、こいつ」
.
-
.
▼#・ェ・▼「グルルルッ……!!」
|゚ノ ;^∀^)「あぁもう、なんだってんだい!?文句があるなら、そうお言いよ!」
( ∴)「……ばあちゃん。金はもらったし、こいつから先に黙らせる?」
|゚ノ ^∀^)「そうだね、その方が手っ取り早いか」
|゚ノ ^∀^)「やっちまいな、ジル。しこたま殴れば、犬ッコロも静かになるさね」
( ∴)「……あいよ」ヒュッ
▼・ェ・▼「……!!」
(,,;゚□゚)(あっ、危ない!!)
.
-
.
ξ )ξ フワッ…
( ∴)「え」
|゚ノ ^∀^)「……は?」
(,,゚□゚)「ムガ?」
.
-
.
ξ )ξ「……お客に手を出すなんて、いい根性してるじゃない」ガシッ
(;∴)「え?」
ξ )ξ「でも残念。私はただの犬じゃないのさ」ギリッ
(;∴)「あっ……いだだだだだ!!?」
|゚ノ ;^∀^)「なっ……なっ!?」
ξ )ξ「人の忠告を無視して、なおかつ危害を加えようとする」ギリッギリッ
(;∴)「うがぁぁぁぁぁ!!!折れっ折れるぅぅぅぅぅ!!!」
ξ )ξ「そんな横暴を看過できるほど、私も若くないんでね」ギュゥゥゥッ!
(;∴)「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」
(,,;゚□゚)(……な、なに、これ!?)
.
-
.
ξ 'A`)ξ
/⌒\ノヽ
(〈 |)
\) 〈ソ
|\/|
| /| ノ
| )/
|ノヽミ
ドドンッ!!!!
ξ 'A`)ξ「このドルチェに手を上げたこと、一生後悔させてあげるよ」
(,,;゚□゚)(何コレーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!)
.
-
.
(,,;゚□゚)(あの可愛かったドルチェちゃんが、一瞬でアレな感じになっちゃった!!)
|゚ノ ;^∀^)「ど……どういうことだい!?あんた、その姿……!!」
ξ 'A`)ξ「そこのボーヤから聞いてただろう?私がクライアントのドルチェだよ、『調達屋』」
(;∴)「……」
|゚ノ ;^∀^)「人になれるなら最初からそうしてくれよ!」
ξ 'A`)ξ「この姿だと犬を操ることが出来なくなるんだよ」
ξ 'A`)ξ「代わりに、ボーヤより格段に強い怪力は発揮出来るけどね?」
ξ 'A`)ξ「なんなら、もう一度その体で試してみるかい?」
(;∴)「い、嫌だ。絶対に嫌だ」
(,,;゚□゚)(えぇぇぇ……予想外すぎるよぅ……)
.
-
.
ξ 'A`)ξ「それよりあんた達、なんでこの娘に手を出そうとした?」
|゚ノ ;^∀^)「見られちゃ不味い仕事だからに決まってるだろ!!」
ξ 'A`)ξ「バカが……私が止めた理由にまで頭が回らなかったのかい?」
ξ 'A`)ξ「この娘はね、あのビッグ・トレジャーと顔見知りなんだよ」
(;∴)「マジ?」
(,,;゚□゚)(そ、そう!!そうなんです!!)コクコクコクッ
ξ 'A`)ξ「そりゃ数日は気づかないだろうけど、事件性のある消え方をしたら当然不審に思うさ」
ξ 'A`)ξ「あんたらからしたら、そっちの方が不味いことになるんじゃないのかい?」
|゚ノ ;^∀^)「だったら最初からそう言えばいいだろ!」
ξ 'A`)ξ「いいや。そうでなくてもあんた達は、私の話なんざ聞く耳持たなかったね」
.
-
.
ξ 'A`)ξ「たとえ犬とはいえ、自分より弱い立場なら客でも殴るんだろ?」
ξ 'A`)ξ「そんな性根の腐った人間に、おいそれと助言してあぁ良かったなんざ私は真っ平だね」
|゚ノ ;^∀^)「クッ……」
ξ 'A`)ξ「それに、依頼品の質についても言いたいことがある」
(;∴)「な、何か……?」
ξ 'A`)ξ「私はイキのいい犬を二十頭、そう注文したはずだよ」
ξ 'A`)ξ「だが、地下室の犬は劣悪な環境で飼われて、衰弱してるじゃないか」
ξ 'A`)ξ「あんた、それで調達屋を名乗って恥ずかしくないの?」
|゚ノ ;^∀^)「んなこと言っても、この狭いアパートのどこに犬を置いとけるっていうのさ!」
ξ 'A`)ξ「それはそっちの都合だ。客には関係ない」
ξ 'A`)ξ「次に調達するとき同じことやってみな。今度はあの犬、全部あんたらにけしかけるからね」
(;∴)「や、止めr……て、ください……」
.
-
.
ξ 'A`)ξ チラッ
(,,;゚□゚) ビクッ
ξ 'A`)ξ「……」ベリッ
(,,;゚-゚)「ギャアッ!!いったぁ〜……」
ξ 'A`)ξ「ギャシャール。あんたにも一つ忠告しとこう」
(,,;゚-゚)「は、ハイ!ドルチェちゃ……さん!」
ξ 'A`)ξ「今日ここで見聞きしたこと、絶対に余所で言うんじゃないよ」
(,,゚-゚)「へ?……この人たち、捕まえないんですか?」
ξ 'A`)ξ「そんな義理はない」
(,,;゚-゚)「えぇっ!?だってドルチェちゃ……さん、トレジャーさんの恋人じゃなかったんですか!?」
|゚ノ ;^∀^)「なんだって!?」
(;∴)「ウソだろ……」
ξ 'A`)ξ「……あの人とはもう袂を分かった身だよ。それに、私はヴィラン犯罪以外には関知しないことにしてるんだ」
(,,;゚-゚)「そんな……!!」
.
-
.
|゚ノ ;^∀^)「チッ……トレジャーの身内と知ってれば、取引に応じやしなかったのに!」
(;∴)「最悪だ……」
ξ 'A`)ξ「だから、もうあの人とは別れたつってんだろ?頭の悪い連中だね」
ξ 'A`)ξ「ギャシャール、命が惜しかったら他言は無用だ。分かったね?」
(,,;゚-゚)「は、ハイ」
ξ 'A`)ξ「あんたらはもしこの娘がサツにでもタレ込んだら、その時はスッパリ殺っちまいな」
(,,;゚-゚)「ぎぇぇ!?」
|゚ノ ;^∀^)「いいのかい?」
ξ 'A`)ξ「あぁ。それに関しちゃ余計な首突っ込んだこいつが悪いからね」
ξ 'A`)ξ「但し、トレジャーの追跡は甘くないとだけは言っておいてやるよ」
(;∴)「それ絶対に殺せない奴じゃん……」
.
-
.
ξ 'A`)ξ「言いたいことはそれだけだ。あとはあんたらで好きにしな」
ξ 'A`)ξ スッ…
▼ーェー▼ フッ…
(,,;゚-゚)「ドルチェさん……」
▼・ェ・▼「……」トコトコ
|゚ノ;^∀^)「い……犬、ちゃんとバレないように連れてってくれよ!」
▼・ェ・▼「アフン」
(;∴)「そして出来ればもう二度と来ないでくれ……」
▼ーェー▼「……」フンス
バタン…
(,,;゚-゚)「……行っちゃった」
|゚ノ;^∀^)「あぁクソッ。忌々しいねぇあのワン公!!」
.
-
.
|゚ノ;^∀^)「これじゃ調達屋の面目丸つぶれじゃないか!あぁ〜腹が立つ!」
(;∴)「命があるだけマシだと思うけど」
|゚ノ ;^∀^)「私が何年これで凌いで来てると思ってるんだい!?とんだ赤っ恥かかされたよ!!」
(,,;゚-゚)(……今のうちに逃げちゃおっかな)
|゚ノ ^∀^)「おい、あんた!!」
(,,;゚-゚)「ヒィッ!?」
|゚ノ ^∀^)「奴も言ってたが、この事は誰にもバラすんじゃないよ!!」
(,,;゚-゚)「バラしません!!絶対誰にも一生涯喋りません!!」
|゚ノ ^∀^)「そうかい。もしサツなんざ来たら、あんたが情報を漏らしたと判断するからね?」
(,,;゚-゚)「ひぇぇぇ……」
.
-
.
|゚ノ ^∀^)「もちろん、このアパートから引っ越しもさせないよ!!」
(,,;゚-゚)「えぇぇ!?なんで!?」
|゚ノ ^∀^)「当たり前だろう?近場に置いとかなきゃ、何されるか分からんだろが」
|゚ノ ^∀^)「こっちも限界ギリギリなんだ。条件は呑んでもらうよ!!」
( ∴)「命があるだけマシと思おう」
(,,;゚-゚)「は……ハイ……」ガクッ
|゚ノ ^∀^)「はー……管巻いたらスッキリした。ジル、飯の用意しな!!」
( ∴)「アイ・サー」
|゚ノ ^∀^)「あんたも食ってくかい?」
(,,;゚-゚)「い、いえ!!結構です!!」
.
-
.
|゚ノ ^∀^)「よっしゃ!厄払いに今日は犬のステーキにするかね!」
( ∴)「……普通の肉がいい」
|゚ノ ^∀^)「冗談だよ。犬のツラなんかしばらく見たくもないね」
( ∴)「……だな」
(∴ )「……」ジッ
(,,;゚-゚)「……な、何か?」
( ∴)「あんたも、大変だな」ポンッ
(,,;゚-゚)(悪党に同情された……)
(,,;゚-゚)(あぁ……ぼく、これからどうなっちゃうんだろう……)ガックリ
拝啓
お父さん、お母さん。ぼくは今日とんでもない悪事に加担した罪悪感で、頭がパーになりそうです……。
.
-
第十四話終わり
-
【登場人物紹介】
|゚ノ ^∀^)
スザンヌ=リモーネ
アパートを経営する傍ら、あらゆる物資を依頼人へ提供する『調達屋』を営む。
銃器から薬物、果ては絶滅危惧動物まで、そのコネクションに調達出来ない物はない。
普段は温厚な管理人を演じているが、その実は短気で癇癪持ちである。
( ∴)
ジル=フォード
スザンヌの孫。両親が離婚してから父方の祖母の元へ身を寄せている。
大学時代はアメフトのQBを務める肉体派だったが、卒業後は祖母の手伝いを始める。
祖母からの遺伝か、寡黙なようで口の悪い男である。
.
-
.
ξ 'A`)ξ DOGGY POISON
本名:ドルチェ・マッケンジー
犬に変化し、遠吠えで犬を操作する能力を持つ。
また、人間時には常人とはかけ離れた腕力と健脚を発揮する。
トレジャーを抑止するために彼の仲間となったダーク・ヒーロー。
その真意は、未だ謎に包まれている。
.
-
乙
ぎゃしゃと同じツッコミを何度も心の中でしてしまった
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ツンだと思ったのにブスすぎだろチェンジ
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えぇ…
-
乙
ドルチェの正体が分かっても素直に喜べねぇ…
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顔のパーツがドクオなだけでなぜこうも不細工に見えるのか
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一気読みしたわ
ギャグものと思って読んでたらシリアスでもあって、良い意味で裏切られたわ
こういうの好き
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ここ数日残り20レス程度を埋めるネタが浮かばなかったので何か質問でもあればどうぞ
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こういう話って、どのように思い付くんですか?
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サノスみたいな宇宙からのトンでもヴィランは出ないの?
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パンティスナッチャー再登場の予定はありますか?
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寝なきゃいけないのに時間を忘れて読みふけったのは久しぶりだ
こりゃ面白い
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>>979
筋肉で全てを圧倒するキャラが書きたかったので生まれました
>>980
現時点で主人公がトンデモなので恐らく出ないかと思いますがネタに詰まったら出すかもしれません
>>981
あります
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ギャシャールちゃんのパンツ何色?
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>>984
実用性だけを考えたスポーティーで地味な色のだと思います
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ビッグトレジャーって名前はムキムキマッチョ=デカイ タカラだから?
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>>986
タカラ=英訳でトレジャーは合ってます
ビッグはアメリカンで大味な名前にしたかったので着けました
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応援してます
モララーはなんとなく食事でもトレジャーに張り合ってそう(そして負けそう)
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ビックトレジャー=でっかいお宝=巨根
ってことだと思ってた
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特に気に入ってるキャラはいる?
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>>990
誰が一番ということはないですが、ギャシャールが出るたび不憫で不遇になっていって愛着わいてます
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ビックトレジャーのサイズ
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エロイペニサスありがとう
続きも楽しみにしてる
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新スレ立ちました
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1520750933/
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後は任せた
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1520750933/
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