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( ^ω^)達は今が楽しければなんでもいいようです
1
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:19:53 ID:tPVEEtDg0
前スレ
( ^ω^)達は今が楽しければなんでもいいようです
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1438259918/
支援曲 Answer(すーぱーもぐりん氏より)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/link.cgi?url=https%3A%2F%2Fyoutu.be%2F-c3XqxQ_j2A
ゆっくりまったりと。2スレ目でもよろしく。
2
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:22:35 ID:tPVEEtDg0
川 ゚ -゚)「煌華陣――」
切っ先をハインに向けたまま、両足で柄を握り締める。
自身が放てる最速。
帝国の数多の剣豪が力を委ねる、刀というもの。
そしてその閃きを、限りなくゼロに近づけたと、暴力の世界に言わしめたクーが放つ奥義――
从 ゚∀从「――――!」
声にならない怒号。
ハインが駆るその姿は獣だった。
吸血鬼の真祖の本来あるべき姿。
卑しく人の生き血を啜り、絶望を振り向く為の爪、夜を舞う翼。
二つがぶつかる、その刹那。
構えていたクーの両足が揺らぎ、膝が、沈む。
川 )
从; ゚∀从「は!?」
3
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:23:43 ID:tPVEEtDg0
ミス。以下
>>2
の訂正
4
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:24:07 ID:tPVEEtDg0
川 ゚ -゚)「煌華陣――」
切っ先をハインに向けたまま、両手で柄を握り締める。
自身が放てる最速。
帝国の数多の剣豪が力を委ねる、刀というもの。
そしてその閃きを、限りなくゼロに近づけたと、暴力の世界に言わしめたクーが放つ奥義――
从 ゚∀从「――――!」
声にならない怒号。
ハインが駆るその姿は獣だった。
吸血鬼の真祖の本来あるべき姿。
卑しく人の生き血を啜り、絶望を振り向く為の爪、夜を舞う翼。
二つがぶつかる、その刹那。
構えていたクーの両足が揺らぎ、膝が、沈む。
川 )
从; ゚∀从「は!?」
5
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:24:40 ID:tPVEEtDg0
地に伏しかけたクーの身体を左腕で抱え込み、ハインはそのまましゃがんだ。
从; ゚∀从「なんだお前! なに急にぶっ倒れてんだ!」
川 )「…………」
握り締めた闘気の刀が刃を失い、へし折れた頼りない残骸に戻る。
ハインが慌ててクーの髪を払う。顔は湯でも湛えているのではないかと思うほど熱く、汗が滴り落ちていた。
(`・ω・´)「ってて……無茶しやがるぜ……」
平地の向こうから歩み寄るシャキン。
クーの薊繚乱によって飛散した礫を浴びたのか、髪の毛まで真っ白になっている。
从 ゚∀从「おいてめえちょっとこい! こいつ急にぶっ倒れちまったぞ! どうすんだ!」
喧しい声で騒ぐハインとは対照的に、シャキンの表情は平坦そのもので、むしろそうでなければおかしいとでも言いたげだ。
6
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:25:05 ID:tPVEEtDg0
(`・ω・´)「傷が開いたんだろうよ。つい最近まで腹に穴が空いてたんだ。無理もない」
从; ゚∀从「穴ァ?」
(;`-ω-)「本人から聞けよ。まったく……柄にもなくはしゃぎすぎだろう」
生きてるんだろう? とシャキンが声をかけると、クーはうめき混じりの返事をした。
ハインの腕の中で、小刻みに震えている。
川; ゚ -゚)「…………あせった」
脇腹を抑えたクーは、恐らく今まで誰にも見せなかったであろう焦燥しきった表情を浮かべている。
患部を抑える左手は血に染まっていて、しかし彼女の呼吸は少しずつだが落ち着いてきていた。
(`・ω・´)「病み上がりであんな大技を使うからだ。ほんとに……結局あんたも根っから戦闘狂だな」
从; ゚∀从「てめえ! 腹に穴空いた状態で本気の俺とどうたらとか言ってやがったのか!」
7
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:25:34 ID:tPVEEtDg0
ハインの左目は元の、血を湛えたような赤色に戻っていた。
それに呼応して、右手と翼も収束してゆく。
川; ゚ -゚)「穴は空いてない……縫って塞がった」
(`・ω・´)「どうだか。その調子だと抜糸も無しに病院抜け出してきたんじゃないのか?
川; ゚ -゚)「…………」
(;`・ω・´)「冗談だろ……お前ほんとに人間か?」
軽口を叩いたはずなのに、逆にシャキンは身震いさせられる。
夥しい出血を見れば、それが冗談ではないことなど一目瞭然だった。
(;`-ω-´)「血がたぎってるところに水を差すようで悪いが、こういうことらしい」
从; ゚∀从「…………」
ハインすら目を丸く見開き、口は半開きになっている。
8
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:26:12 ID:tPVEEtDg0
川; ゚ -゚)「ひどいざまだ」
こんなクーの姿を、一般生徒達が見たらどう思うだろうか。
シャキンはもう、呆れすら通り越して苦笑いを浮かべていた。
从; ゚∀从「締まりがねえなぁ……ったく」
从; ∀从「よ――――」
ハインの視界が暗転する。
真祖としてあるべき姿。
即ち世界そのものから忌み嫌われ、排斥される力を引き出した代償。
それは誰の想像の範疇をも超えるほど大きく、苦痛を伴う。
川; ゚ -゚)「締まりがないのはどっちだ。その程度でへばってたらぐふぉっ」
川 )「ごほっ! ごええっ!」
クーはクーで、ジョルジュとの闘いによって負った傷が完全に開き、盛大な咳と共に大量の血を吐いている。
(;`-ω-)「どっちも大馬鹿野郎だ」
シャキンは肩を竦め、溜息をついた。
そして、きっとこの学園で、これ以上希少な場面など、第一王位のモララーが玉ねぎのみじん切りの最中に大粒の涙を零している時くらいだろうと、波乱の要である二人を皮肉った。
9
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:27:10 ID:tPVEEtDg0
後日、素直クールが第三王位をハインリッヒ・アルカードに明け渡したという噂は瞬く間に広がった。
情報の出処がどこなのか、推測するまでもないだろう。
盛大に学園一大ニュースを広めて回ったのはシャキンだ。
アウトローにもメインストリームにも満遍なく精通している彼にとって、情報の伝播を意のままに操作することなど、造作も無かった。
そして、その内容を改竄することも。
吸血鬼の不死性の前には、帝国最強の剣客の技も通じなかった。
圧倒的耐久力を以て押し潰されたクーは現在意識不明の重体。
それはシャキンとクーの間で示し合わせた改竄ではなく、あくまでシャキン独断によるものだったが、クーにとっても都合が良かった。
陥落する第三王位。
そして、王位の内情に精通している者ならば否が応でも意識してしまう。
ハインリッヒ・アルカードの直下の王位に座すイノヴェルチ、デレ。
新たな王位継承者の誕生に、流石兄者の時と同じように王位の会合が行なわれた。
此度会合を取り仕切るのはモララーでも、クーでもなく、第二王位ジョルジュだ。
10
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:27:59 ID:tPVEEtDg0
( ・∀・)「いやはや、最近は入れ替わりが激しいねえ……」
(,,゚Д゚)「いずれ来るとは思っていたが……」
(`・ω・´)「まさか、あの鉄血の生徒会長を押し退けていきなり第三王位、とはな」
第三ブロック職員居住区。
事実上一国家として黙認されているVIP学園の、外交の際に使われる腫瘍の施設を占拠する形で、王位の会合が行なわれた。
絢爛豪華を好むジョルジュらしく、施設の中で最も広い客間が誂えられた。
両開きの扉を開いた新たな王位継承者は、氷のような冷たい表情を貼り付けて、入り口に立ち尽くしたまま王位一同を一瞥する。
从 ゚∀从「まるでごっこ遊びだ」
吐き捨てる。
吸血鬼の真祖ハインリッヒと言えば、その不死性は王位にも知れ渡っている周知の事実だ。
空気が凍てついたように張り詰めるも、王位の中で血気盛んな者でさえ不躾に突っかかることは無かった。
11
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:29:00 ID:tPVEEtDg0
(,,゚Д゚)(あの時とは雰囲気がまるで違う。何をした……?)
('、`*川「ふうん」
先日のデレが引き起こした騒動に立ち会い、かつハインを見ていた者達の間で、彼女が放つ氷のような闘気は違和感となっていた。
( <●><●>)「…………」
ギコと、そして上空で彼女を見ていたペニサスとワカッテマス。
特にペニサスは、吸血鬼の不死性の解析には手を出してみたいと常々考えていた。
真祖の異変は、武人であり、ひとかどの科学者でもある彼女にとってこれ以上にない上質な研究材料であり、その艶めいた眼差しは、ハインの頭から爪先までを、舐り回すように行き来している。
从-∀从「…………」
ペニサス邸での会合の時と同じく、王位全員分の席が用意された円卓。
空いた最後の一席に、ハインは徐ろに腰掛けた。
12
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:29:43 ID:tPVEEtDg0
漆黒のドレスの裾から伸びた細く、青白い足は、円卓の上にぞんざいに投げ出される。
_
( ゚∀゚)「えらく行儀の悪い新入りだ」
ハインと同じように円卓の上に足を投げ出したジョルジュは、両足を組んだまま数センチほど浮かせ、踵を仰々しく落とした。
暗に出しゃ張るなと窘めたその所作すら……
从-∀从「…………」
ハインは歯牙にもかけない。
それどころか腕を組み、目を閉じ、徹底して我関せずを貫いている。
_
( ゚∀゚)「へっへっへっ、おもしれえ。おもしれえよ。あの女に続いて、その椅子に座る奴は俺の神経を逆撫でするのが上手いらしい」
両手を上げ、不遜に鼻を鳴らすジョルジュ。
他の八名の誰もが、見の姿勢を貫いている。
ζ(゚、゚*ζ「…………」
ハインから目を切った者達の、行き場のない視線はやがて彼女と同じ姿をしたデレに注がれる。
13
:
名無しさん
:2016/09/23(金) 23:29:46 ID:cIgTM1w20
支援
14
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:30:27 ID:tPVEEtDg0
顔立ちや体型こそ違えど、吸血鬼特有の雰囲気は両者ともに似通っていて、こうして同じ空間にいるのを見比べると、姉妹のように見える。
ζ(゚、゚*ζ「なんですか皆さん揃いも揃って。そういう、取り敢えずお前何かやれよ、みたいな無言の圧力がパワハラに繋がるんですよ」
从-∀从「キャラ被りは致命的だから劣化品はとっとと消えろってよ」
( ´_ゝ`)「ぷっ」
ζ(^ー^#ζ
(;´_ゝ`)(や、ややややややややややべっ、やべべべべべべべ、やべべやべっ! 笑っちまった! 俺死んだ! ちんだ!)
剣呑な空気を醸し出すデレ。
そのひと睨みだけで、兄者は一瞬にして縮み上がってしまう。
王位を継承してから、彼の生活に劇的な変化はなく、しかし自分を取り残して劇的に変わりゆく周囲を認識するたびに、彼は自分が場違いな人間であると消沈する。
(;´_ゝ`)(ハインリッヒのやろーまでなんかバシバシ威圧感放ってるしよ……俺はこのまんまでいいのか? え?)
(;´_ゝ`)(あああああああ帰ってペストのチーズフォカッチャ食って昼寝してえええええ!! あ、金ねえや……弟者は貸してくれっかな……)
15
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:31:16 ID:tPVEEtDg0
ζ(゚ー゚*ζ「少しはマシな力を身につけたかと思いきや、口まで悪くなってしまったみたいですね……嘆かわしいです……お姉さまはもっと品のある言葉遣いで――」
从-∀从「…………」
ζ(゚、゚*ζ「……だんまり、ですか。つまんないですねぇ、ショボンくん?」
(´ ω `)「ぐっ……くひ……」
自身の得物である羅刹棍の鎖に縛られ、俯き、嗚咽を漏らすショボン。
その異様な光景は、彼がその手綱を握るデレと共に部屋に入ってきたときからそこに在ったが、誰もがそれに触れようとはしなかった。
だが誰もが気付いている。
生命を冒涜する者、吸血鬼特有の、生気とは異なる死の存在感。青白い肌。
_
( ゚∀゚)「趣味の悪い人形遊びだ」
(´゚ω `)「ふっ、ぐ……」
呪詛を込めた眼差し。
彼はここに来て既に何度も、デレ以外の全ての人間に飛び掛かろうとしていた。
何度も自分で舌を食いちぎった。
結局残るのは、再生した舌の上で噛み砕いた自分の肉と血の味。
そして、手綱を握るデレが与える束縛の痛みだけだった。
16
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:31:57 ID:tPVEEtDg0
鼻で笑いながらも、ジョルジュはデレが着実に自分がひっくり返したVIP学園の基盤に旗を打ち立てる準備を整えるデレの強かさに、舌を巻いていた。
誰もが彼女の強かさは認識している。
だがここに二人、更に奥深くまで思考を潜らせる者がいた。
('、`*川「あーあーきなくさいきなくさい」
( <●><●>)「…………」
思えばハインリッヒ・アルカードの王位継承の噂が、まもなく執り行われたこの会合よりも早く出回っていて、しかもその出処すら不透明であることから違和感は滲み出ていた。ペニサスはそう振り返る。
第二王位と第三王位の衝突。
そして陥落した新第三王位と、真祖との間で繰り広げられた王位継承の闘い。
あまりにもタイミングが出来すぎている。
('、`*川(あんたもね)
ζ(゚、゚*ζ「どうかしました?」
('、`*川
('、`*川「んにゃ、意地悪そうな顔してんなあって」
ζ(゚、゚;ζ「はあ?」
17
:
ゆゆ
◆AdHxxvnvM.
:2016/09/23(金) 23:33:22 ID:tPVEEtDg0
('、`*川(関連付けざるをえないんだわなあ)
新第三王位と同じレベルの違和感。
(´゚ω `)
まるで示し合わせたかのように、イノヴェルチの眷属となったショボン。
完璧な情報伝播の操作。消えた出処。
たとえモララーであっても、デレの強かな性格というフィルターが邪魔をして、これらを結び付けることは出来ない。
他の誰が気付かずとも、自分にだけは解ると、ペニサスは確信していた。
('、`*川「今日は兄貴を襲わないんだね。あんた、じっとしてると結構男前だよ」
(´゚ω `)「ふっ、ぐぐぐ……」
ショボンの唸り声と共に、彼を縛る鎖が一層強く締まる。
そしてペニサスは、視線を、シャキンに――――
18
:
名無しさん
:2016/09/23(金) 23:33:29 ID:HYgMmqpU0
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