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今日も何処かで誰かが世界を救っているようです

4 ◆q3XheuOe12:2016/04/03(日) 22:50:02 ID:VBbdKorg0
「兄ちゃん、あれ……」

「しつこいなぁ。いい加減に……」

兄は眉を顰めて振り返り――弟が、何か呆然とした表情を浮かべている事に気付いた。
そして半ば無意識の内に頭上を見上げる。

バリアの上に、三つの人影が見えた。

「あれは……ミラージュのショボンだよ!それにモララーにハインリッヒも!
 ほら、やっぱりミラージュはいたんだよ!」

一人は上半身が裸の、筋骨隆々の大男。
一人は周囲に黒い霧を纏った、スーツ姿の細身の男。
一人は白衣と長い銀髪を揺らす女。

ショボン、モララー、ハインリッヒ――いずれも、大戦時にヒーローと呼ばれた者達だった。

「……本当に、いたのか。でも、何か変だぞ。
 あの三人、どう見たって同窓会の待ち合わせって雰囲気じゃない」

兄が怪訝そうに、そう呟いた。
ショボンと、モララーとハインリッヒは、睨み合っているように見えた。
それも、臨戦態勢で。

そしてそれは、決して見間違いではなかった。

ショボンは両拳を顎のやや前方で固め、膝を屈めた状態で相対する二人を見据えていた。
そして跳躍――その巨体を瞬きよりも速くモララーの懐へと潜り込ませた。
脇腹へと抉り込むように、左拳が唸る。

モララーは動かない。
ただ彼の周囲に蠢く黒霧が、漆黒のナノマシンがショボンの左腕に纏わり付く。
瞬間、モララーの肋骨を打ち砕く筈だった打撃が、まるで弾かれたように軌道が逸れた。
『重力子』の性質を持つナノマシンによる働きだった。

拳は空振りとなり――必然、ショボンの体勢が前方に崩れる。

間髪入れず、重力子がショボンの足を絡め取る。
たったそれだけで、強い力が加えられたかのように、筋骨逞しい大男が仰向けに倒れ込んだ。


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