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(  ゚¥゚)わが赴くは獣の群れのようです

2 ◆d7bMXbKy6Q:2016/04/03(日) 04:13:04 ID:4QLUhYnU0
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(  ゚¥゚)「おっと……」

 そんなことを考えながら、書類作成のために生体LANを繋ごうと首筋にコネクタを当て、差し込みそこねてケーブルを落とす。
 無重力に慣れた身体が引力のある動きにうまく適応できていない。ぼやけた頭を叩いて回転させながら、首を回してスヌースの缶を探した。
 どうにも分解冷凍睡眠明け特有の微睡みが俺の思考を鈍らせているようだ。

 船に取り付けられたロック式の戸棚を開け、スヌースを見つけると1ポーション出して上唇と歯茎の間に挟み込む。
 ニコチンが口から全身に周り、多少目が冴える。眠気はあるが、寝るには早いのだ。
 今はグリニッジ標準時で16時だ。点検業者もまだ開いているだろう。これからケレスに向かうにあたって、艇検を申し込む必要がある。

 俺の宇宙艇はクシナイアン文明の遺物である。一人旅なのだから当然だ。
 未だ現代の技術力では、時空間跳躍が可能な個人艇の完成は果たされていない。

 もちろん、個人用の例に漏れず常温核融合炉が搭載されている。個人艇に載せられるような小型動力はこれしかないからだ
 常温核融合炉は点検の必要性が薄く、不安定な対消滅エンジンと違い危険性は低い。
 だが、最近は文明の遺物も産出量が減った。それが情勢を変え、安全規定が厳しくなったのだ。

 教団たちの手で新造された大型宇宙艇には不安定な対消滅エンジンが使用されているため、来訪者は必ず指定された宇宙コロニーで点検を済ます決まりがある。
 ケレスは帝国の勢力圏だが、奴らはまだ対消滅エンジンの再発見に成功していない。
 今は戦争相手からエンジンを買っているらしい。
 
 ここからケレスまで高速航行をすれば8時間ほどの距離であるが、戦時の今は入国審査に恐らく手間取る。
 今日はこのコロニーで一泊することになるだろう。


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