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ドクオの背骨

5 ◆hmIR/WZ3dM:2016/04/03(日) 19:19:05 ID:LBDXupdA0
  ……ドクオの乱れた呼吸が次第に整い、上下する肩が落ち着いていく。

  やがて、ドクオの動きが止まった。右腕の刃がだらりと落ちた。
その様子を見て、ヒューマノイドが口を開いた。
人工知能はドクオの思いを汲む――「わかるよ」と親しげに肩を叩く友人の――ような声色と口調だった。

(//‰ ゚)「満足しましたか?」

(#'A`)「するわけねえだろッ!」

  ドクオの激高と同時に右腕の刃が歪み、震えた。
その一瞬の揺れの後、刃がしまいこまれ代わりに巨大な握り拳が出現し、ヒューマノイドを殴りつけた。
鈍い金属音が大きく鳴り響いたが、ヒューマノイドはほんのわずかにバランスを崩しただけだった。

(//‰ ゚)

  続いて、首の関節が回る音。
明後日の方向を向いていたヒューマノイドが、ゆっくりと視線をドクオに戻した。
無表情で、彼をじいっと見つめるヒューマノイド……しかしそれから、何も起こらない。
口を開くことも、体を動かすこともなく、ただただ彼を見下ろしている……。

(#゚A゚)「ううううううウウワアアあああああああああああああああああァァァァアアアッッッッ!!」

  ドクオの感情が爆発した。抱えていたものを曝け出す、長く続く絶叫。
ヒューマノイド――自分に仕えているはずの機械風情――の反応が、
彼が毎日毎日こころに積み重ねた怒り、抑えに抑えた怨みに火をつけたのだ。

  “自分自身の世界に対する影響力が、ヒューマノイドの小さな反応として顕現し、存在の矮小さを改めて突きつけられた”。
能面のような反応を、そう捉えたのだ。本能的な解釈。
こころの奥底で長年気づかないように目を背けていた、忸怩たる理解が飛び込んできた……。


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