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ドクオの背骨

40 ◆hmIR/WZ3dM:2016/04/03(日) 21:45:09 ID:LBDXupdA0
('A`)(……)

  宇宙服を装着したショボンが奥の扉から現れる。エアロックを減圧して状態を整える。
ハッチのロックを解錠する。手で押し開けると目に飛び込んでくる幾億もの星々の瞬き……。
その中へ身を投げ出し、船外活動に従事するショボン……そんな幻影が、ドクオには見えるようだった。

  簡易的な殺菌とショボンは言っていたが、ドクオにはそうは思えなかった。
船内に夢中になっていたドクオが我に帰るほどの時間がかかり、それからもう少し待たされた。
ようやく殺菌が終わり奥の扉が開く。長く続く通路に出ると、またもやスピーカーから指示が飛んできた。

(´・ω・`)『そこを右でございます。次を左。以降、指示があるまで直進でございます。
        ……それと、好奇心が疼くのは私も理解できますが、あまり関係のない通路を覗き込まぬよう』

  空気の抜ける音と共に扉が横滑りするのにドクオが慣れてきた頃、
不意に、開けた空間に出た。見知った内装の部屋に到着した。磨かれた壁、調度品、異星のタペストリー、
ソファーの正面にあるスクリーン。ドクオの水色の肉片は綺麗さっぱり掃除されていた。

(´^ω^`)「ようこそ、おいでくださいました」

  ショボンがドクオを招くよう両腕を広げ、歓迎の意を示していた。
徹底した理屈屋で、鉄面皮で、慇懃無礼な敬語を使い、大仰な動作をとるショボンに対して、
ドクオは理知的な印象を持っていたが、今の表情は一転、ひょうきんな――あるいは、逆撫でする――人物に見える。

('A`)

  ショボンの笑顔を見るのは始めてだった。
その裏に何かしらの意図があると気がついたとしても、ドクオは決して考えを覆すことはなかっただろう。


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