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ドクオの背骨

4 ◆hmIR/WZ3dM:2016/04/03(日) 19:16:11 ID:LBDXupdA0
          一  ドクオ(種族:モディフィカ・スライム)


('A`)

  これは、八つ当たりだ。
ドクオはそう自覚していたが、自らに仕えるヒューマノイドを切り刻む手を止めることは出来なかった。

(//‰ ゚)

  刃を沈める。こめかみから、唇へと向かって緩やかな弧を描いた。
全身に貼り付けられた人工皮膚は驚くほど簡単に切り裂くことができた。

  彼の鬱憤が日々溜まるにつれて、切り裂く部位は上へと登ってきていた。
……脚部、腕部、胴体、首筋。そして、今日は、顔面。ヒューマノイドの顎先に切れ込みを入れ、指先でつまみ、めくり上げた。

  どこを切り開いても、同じ中身が詰まっていた。
絡み合う多色の配線――優れた人工知能による豊かな感情を誇示するような――と、
入り組む灰色の鋼鉄――所詮は機械とヒューマノイドの本質を象徴するような――が。

(//‰ ゚)

  ヒューマノイドは、いつものように微動だにしなかった。
体内から駆動音が鳴り続けているため、電源は切られていない。

  ドクオの荒い息遣いと、吐き出され続ける悪態。
そして、時折、ヒューマノイドがドクオへとアイカメラの焦点を合わせる音だけが、室内を満たしている。


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